2018年1月21日 (日)

曽田本その1の3業附口伝読み解く1太刀打之位6水月刀

曽田本その1の
3業附き口伝読み解く
1、太刀打之位
 
六本目月影(仕中 打八)
是モ相掛リニテモ敵待カケテモ不苦敵ノ眉間へ我太刀ノ切尖ヲ指付ケスカスカト行也敵我太刀ヲ八相二カケテナグル也其時我スグ二カムリテ後ヲ勝也
読み
 是も相掛りにても敵待ちかけても苦からず 敵の眉間へ我が太刀の切尖を指し付けスカスカと行く也 敵我が太刀を八相に掛けて撲る也 其の時我すぐに冠りて後を勝也
読み解く
 月影の時、仕は打の首に打込み勝ちを得たならば、打が正眼に構えるにつれ相正眼となって五歩引き、仕はそのまま正眼(中段)、打は左足を踏み替え八相となる。
 是も打は正眼となった位置で五歩引かず、仕のみ五歩引くのでもよい。と言っていますが、相掛に歩み寄る稽古をしておきましょう。
 居合いばかりの場合は、想定による空間刀法に慣れて、進行中の間境での操作とか間に入っての動作などをしっかり身に着けるには相掛がよさそうです。
 打が待ち受けるのは、仕が初心のため間の感覚が乏しい時の稽古と考えた方が良いかも知れません。
 打は常に同じ歩行スピードではなく動きに緩急を付けるといいでしょう。
 此の水月刀は中段に構え打の眉間あるいは喉元に切先をつけてスカスカと歩み行く、打は八相に構え左足からスカスカと歩み寄る。
 仕が左足で間を越して右足を踏み込み突かんとする処、打は八相から斜めに是を払う。
 仕は払われるを機に、左足を左斜めに踏み込右足を左足後ろに引いて筋を変え同時に上段に振り冠って打の頭部を打つ、又は打たんとして圧する。

 此の業の替え技で、仕は打に払われるを機に「すぐにかむり」の所、冠らずに筋をはずすや打の首に太刀を押し付け引き切る、のを見ました。
 あるいは打が八相に殴ってくるのを、太刀を振り上げてはずす、下段に下げてはずすなど変化はいくつもあるでしょうが、ここは仕は中段の構えをしっかり身につけ、間と間合いを知ることでしょう。
 打は遠間・近間と払う間を変化させて見る、あるいは殴り捨てる様な払方、筋を外す程度の払い方など稽古のネタはいろいろでしょう。

古伝神傳流秘太刀打之事六本目水月刀

 相手高山或は肩遣方切先を相手の面へ突付て行を打太刀八相へ払ふ処を外して上へ勝つ或は其儘随て冠り面へ打込み勝も有り

 打太刀上段或は八相に構え待つ、遣方青眼に構え切先を打太刀の面へ突きつけてするすると間境を越して打太刀の面に突きこんで行く、打太刀思わず八相に払う処、遣方左手を上げて切っ先を下げ、これを外し左足を左前に踏み込み右から上段に振り冠って右足を踏み込み打太刀の真向を打つ。
 あるいは、払われるに随って、左足を左前に踏み込み巻き落とすように上段に振り冠り右足を踏み込み打太刀の真向を打つ。

 業附口伝と同じ業ですが「八相に払う処を外して上へ勝つ・・・」と、「八相にかけてなぐる也その時我はすぐにかむりて後を勝也」との文言の違いです。古伝はいくつもの変化を考えさせてくれます。

嶋 専吉先生の水月刀
 「仕中段・打八相 立合ひ相掛りにて進み仕太刀は(打太刀の眉間に剣尖を擬しつゝスカスカと前進)間合にて一歩踏出して打太刀の眉間を突く、打太刀は八相より、その刺突し来る仕太刀の刀を打払ふ、このとき仕太刀は左足を左方に踏み開き更に右足を進め打太刀の面に打下す。(打太刀に払はるゝや「仕太刀直に冠りて後を勝つなり」とせるもあり、此場合仕太刀は刀を払はるゝや左足を左方に踏み開き右足を一歩踏出して振冠り残心を示す姿勢となる)刀を合せ五歩後退し血振、納刀。」

 ここは、敵に我が太刀を払わせることが大切な処です。
突き手を一瞬留めて打たせる、そのまま突いていく、など、太刀打之位の「形」を「かたち」として申し合わせで演ずるばかりで、古伝の「八相に払ふ所を外して・・」とか「其儘随って冠り・・」などの工夫しなさいと言う教えを「特定の形」にしてしまい、武的演舞を良しとしてしまう事を考えさせられます。

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2018年1月20日 (土)

曽田本その1の3業附口伝原文1太刀打之位6水月刀

曽田本その1の
3業附き口伝原文
1、太刀打之位
 
六本目水月刀(仕中 打八)
是モ相掛リニテモ敵待カケテモ不苦敵ノ眉間へ我太刀ノ切尖ヲ指付ケスカスカト行也敵我太刀ヲ八相二カケテナグル也其時我スグ二カムリテ後ヲ勝也
読み
 是も相掛りにても敵待ちかけても苦からず 敵の眉間へ我が太刀の切尖を指し付けスカスカと行く也 敵我が太刀を八相に掛けて撲る也 其の時我すぐに冠りて後を勝也

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2018年1月19日 (金)

曽田本その1の3業附口伝読み解く1太刀打之位5月影

曽田本その1の
3業附き口伝読み解く
1、太刀打之位
 
五本目月影(仕下 打八)
 是モ同ジク抜テ居ル也相掛リニテモ敵待カケテモ不苦敵八相二カタキテ待チカクル也敵八相二打処ヲ出合テ互二押合又互二開キ敵打込む処ヲ我左足ヲ引キ立チ直リテ打込ミ勝也
読み
五本目月影(仕下 打八)(つきかげ しげ(下段) だはち(八相))
 是も同じく抜ているなり 相掛りにても敵待ちかけても苦からず 敵八相にかたき(担ぎ)て待ちかくる也 敵八相に打つ処を出合いて 互に押合い又互に開き 敵打込む処を我左足を引き立ち直りて打込み勝也
読み解く
 是も4本目と同じように、「敵待ちかけても苦からず」、です。
 ここでは打は八相に構え、仕は下段に構えスカスカと間に歩み行き、打は八相から右足を踏み込み斜めに左面に打込んでくる。
 仕は下段から右足を踏み込み突き上げるように摺り上げ太刀を合わせ、拳を合わせ押合う。
 互いに右足を退いて腰車に開き、打が右足を踏み込んで仕の左足に打込む処、仕は左足を右足に引き付け是を外し、直ちに右足を踏み込み太刀を振り冠って打の首を打つ。

 打は八相から仕の左面を打つ、仕は下段から打の喉を突くように突き上げ打の太刀を摺り上げて相打となり鍔競り合いの上双方車に取る。
 八相からダイレクトに、車からもダイレクトに打込む運剣は古伝の法とも思います。竹刀剣道の形に倣っているのが現代の組太刀ですが古伝にそれを持ち込むべきかは疑問です。

 車から打は左足に斬り付けましたが、此処は仕の左足、左膝、左肩など討ち込める部位を攻める変化があって然るべきでしょう。

古伝神傳流秘書太刀打之事五本目月影(2014年10月20日)

「打太刀冠り待つ所へ遣方右の脇に切先を下げて構え行て打太刀八相に打を切先を上て真甲へ上て突付て留め互に押相て別れ両方とも車に取り相手打をはずす上へ冠り打込み勝つ」

 この手附に従って打つのは間と間合いの在り様を心得る必要があります。
 遣方は前回の請入で中央から青眼の構えで五歩退き元の位置に右足前で立つ。
 打太刀は其の儘青眼に構え、遣方が元の位置に立つや、右足を引いて上段或は八相に構える。
 遣方は、右足前の儘、下段に切先を下げ、切先を右に右下段に構える。右下段の切っ先は相手左膝に付ける心持でしょう。
 遣方スカスカと間合いに踏込むや打太刀八相に遣方の左面を打って来る。遣方切先を上げ、打太刀の真向へ付き付ける様に突き込んで打太刀の打ち込みを留め、互に拳を合わせ押し合い後方に別れ双方とも脇構えに取る。
 業附口伝では「互二押合又互二開キ」と表現され古伝神傳流秘書では「互に押相て別れ両方とも車に取り」と明瞭です。
 この車(脇構)は幾つかの形が有りますが、特に指定されていません。しっかり相手に刃を見せて構え瞬時に斬り込める体勢を作るのを学んで見たい所です。
 打太刀が遣方の誘う出足を車から斬って来るのを左足を引いて外し上段に振り冠って、打太刀の真向に打込み勝。古伝の指定は「上へ冠り打込み勝つ」ですから上段でしょう。

 大江先生の無双直伝英信流居合道形の五本目鍔留はこの月影から採ったものでしょう。
 これは打は中段、仕は下段で双方真向に振り冠ってから真向打ちして双方の中間で物打付近の鎬で摺り合って相打ちし、鍔競り合いの上双方車に取って、打が仕の左足向う脛を切って来るのを左足を引いて外し空を打たせて上段から打の頭を切る。
 なぜ打は中段で仕は下段なのか、単なる構え方のバリエーションとしか言いようはなさそうです。
 その上双方真向上段に振り冠るのは、竹刀剣道の教えによるものです。真向打は双方まっすぐに相手の面を打つ、そのままで双方頭を打たれるか一刀流の切り落としか、新陰流の合し打ちになってしまいます。
 双方の上方中間で鎬付近で摺り合って相打ちとする。そこから踏み込んで拳を合わせ押し合うものです。ですから大江先生の居合道形の「鍔留」は古伝の月影モドキであって「鍔留」の技を名のみ残したものでしょう。
 鍔競り合いの方法は、双方鍔を合わせるのではなく、拳を合わせ押し合う結果鍔が競り合うものでしょう。
 大江先生の創作した形の原型を知れば理解の出来る処だろうと思います。

嶋 専吉先生に依る第19代福井春政先生の月影

「八相に構へて互に前進、間合を取り(此場合稍々間合を近くとる)打太刀八相より仕太刀の頭上に打込み来るを之に応じて同じく打合はせ拳が行合ふ瞬間鍔元にて押し合ひ更に双方右足を大きく退きて稍々半身に体を開き剣尖を低くして脇構へとなり続いて打太刀は右足を一歩踏込み上段より仕太刀の左股に斬り込むを仕太刀充分に左足を退きて空を打たせ、立直りて右足を一歩踏み出し上段より打太刀の頭上に打下す。刀を合せ互に五歩退き血振ひ納刀」

 合八相に構えて双方上段に構え直して打太刀から真向打ちして仕太刀が之に応じています。ここは業附口伝とも古伝とも大江先生の居合道形とも異なる処です。
正に新陰流の合し打ちです。
 双方間を稍々近く取るの理由が良くわかりませんが、鍔競り合いを意図した形のようでこれでは申し合わせの形打ちにしかなりそうもありません。

 

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2018年1月18日 (木)

曽田本その1の3業附口伝原文1太刀打之位5月影

曽田本その1の
3業附き口伝原文
1、太刀打之位
 
五本目月影(仕下 打八)
 是モ同ジク抜テ居ル也相掛リニテモ敵待カケテモ不苦敵八相二カタキテ待チカクル也敵八相二打処ヲ出合テ互二押合又互二開キ敵打込む処ヲ我左足ヲ引キ立チ直リテ打込ミ勝也
読み
五本目月影(仕下 打八)(つきかげ しげ(下段) だはち(八相))
 是も同じく抜ているなり 相掛りにても敵待ちかけても苦からず 敵八相にかたき(担ぎ)て待ちかくる也 敵八相に打つ処を出合いて 互に押合い又互に開き 敵打込む処を我左足を引き立ち直りて打込み勝也

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2018年1月17日 (水)

曽田本その1の3業附口伝読み解く1太刀打之位4請込

曽田本その1
3業附き口伝読み解く
1、太刀打之位
 
四本目請込(請入共云フ)(仕打 八)
 是モ同シク相掛リニテモ敵待カケテモ不苦請流ノ如ク八相二カタキスカスカト行テ真向ヘ討込也敵十文字二請テ請流ノ如ク裏ヨリ八相二打其処ヲ我モ左ノ足ヲ出シ請流ノ如ク止ムル也敵其時カムリテ表ヨリ討タントスル所ヲ其侭左ノ肘ヘ太刀ヲスケル也
読み
四本目請込(請入共云う)(仕打 八)(うけこみ(うけいりともいう)(しだ はち)
 是も同じく相掛りにても 敵待ちかけても苦からず 請流の如く八相にかたぎすかすかと行きて真向へ討込む也 敵十文字に請けて請流の如く裏より八相に打つ 其の処を我も左の足を出し請流の如く止むる也 敵其の時冠りて表より討たんとする所を 其の侭左の肘へ太刀をすける也
読み解く
 是も同じくですから、仕打共に八相に構えてスカスカと相掛に歩み行き、仕は右足を踏み込んで真向より打に打込む、打は是を右足を踏み込んで柄を左に十文字に請け止める。
 打は右足を引いて、裏八相に仕の右面に打込む。仕は是を左足を左斜めに踏み込んで十文字に請け止める。
 打が左足を引いて上段に振り冠る処仕は右足を右斜めに踏み込んで打の左肘に太刀を掬い切りする。
 「左の肘へ太刀をすける也」の「すける」は「すく」で「削ぎ切る」、転じて「掬い切る」かもしれません。


古伝神傳流秘書太刀打之事四本目請入(請込共云フ)

 前の如く打合相手八相に打を前の如く二留又相手より真甲を打を躰を右へ開きひぢを切先尓て留勝

 「前の如く打合」この神傳流秘書も省略が多くて其の都度前に戻らなければなりません。
 秘伝は毛筆に依る写しでは「前の如く」で省略したくなります。この、手附で気が付きましたがここでは打太刀を「相手」と書いています。
 気になる処ですが相手と書いたり打太刀と書いたり、我を遣方と書いたり我は当然として「相手八相に打を前の如くに留」と云う様に省略してしまったり、統一性が見られなくてマニュアル育ちには古伝は不向きです。
 其の上句読点もないので、切る処を間違えると違う意味になってしまう事も有ります。

 前の如くは三本目請流しです。「遣方も高山相手も高山或は肩へかまへるかの中也待処へ遣方歩行右の足にて出合ふ打込を打太刀請け扨」の文章が省略されて「前の如く打合」となります。

 三本目請流を終え、互に中央で刀を合わせ(此処は打太刀三歩進み遣方三歩下る)、打太刀は其の儘、遣方は五歩退き元の位置に戻る。
 打太刀、遣方共に高山、または八相に構える。遣方スカスカと歩み行き間境を左足で越すや右足を踏み込んで打太刀の左面を打つ。
 打太右足を踏み出し十文字にこれを受ける。この受太刀は刃で受けるのがこの流では当たり前ですが摺落とすように受けるのも工夫でしょう。
 打太刀、逆八相から右足を引くや遣方の右面を打つ。遣方左足を踏み込んで打太刀の打ち込みを受ける。
打太刀左足を引いて上段に構え真向に打ち込まんとする。遣方右足を右斜め前に踏み込み右半身となるや打太刀の打ち下さんとする左肘を切っ先にて斬り左足を右足後方に摺り込む。
 打太刀右足を少し引いて青眼に刀を下ろし、遣方左足を正面に戻し右足を追い足にして付け、打太刀右足より三歩出て、遣方左足より三歩退き刀を合わせ、打太刀其の儘、遣方五歩下がり元に戻る。

 長くなりましたが足をつけてみました、演武会ではそれらしく足踏みをつけて気位を見せますが、何歩などを思ってやるべきものでは無いと思います。
 古伝の短い文章をイメージして打ち合う、そのうち自然に理にかなった足の動きになるようになるはずです。打つ、受けるも少しも留まることのない自然な動きになるはずです。

嶋 専吉先生の請込を稽古して見ます。

「相八相より相掛にてスカスカと進み仕太刀表より打太刀の面を撃つ、打太刀は之を表十字に請く。
仕太刀更に左足を一歩進め八相より裏に打込むを打太刀右足を退き裏にて請け更に左足を退きて上段に振り冠るところを仕太刀素早く右足を大きく一歩斜前に踏込み体を右に開き打太刀の左上膊部を下より掬ひ切りに打つなり。
静かに刀を合せ正位に復し互に五歩退きて血振ひ納刀をなす。」

*業附口伝とも古伝とは仕太刀が前に進む様に打込んで打太刀が受けています。大江先生の居合道形の三本目独妙剣と同様でしょう。

 「相手の上膊部を下より掬ひ切りに打つ」は業附口伝の「左の肘へ太刀をすける也」であり古伝の「躰を右へ開きひじを切先にて留勝」を誤魔化したりせず、古伝の刀の運用を忠実に学んで見るべきでしょう。
 特に「すける」刀の運用は独特のものです。

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2018年1月16日 (火)

曽田本その1の3業附口伝原文1太刀打之位4請込

曽田本その1の
3業附き口伝原文
1、太刀打之位
 
四本目請込(請入共云フ)(仕打 八)
 是モ同シク相掛リニテモ敵待カケテモ不苦請流ノ如ク八相二カタキスカスカト行テ真向ヘ討込也敵十文字二請テ請流ノ如ク裏ヨリ八相二打其処ヲ我モ左ノ足ヲ出シ請流ノ如ク止ムル也敵其時カムリテ表ヨリ討タントスル所ヲ其侭左ノ肘ヘ太刀ヲスケル也
読み
四本目請込(請入共云う)(仕打 八)(うけこみ(うけいりともいう)(しだ はち)
 是も同じく相掛りにても 敵待ちかけても苦からず 請流の如く八相にかたぎすかすかと行きて真向へ討込む也 敵十文字に請けて請流の如く裏より八相に打つ 其の処を我も左の足を出し請流の如く止むる也 敵其の時冠りて表より討たんとする所を 其の侭左の肘へ太刀をすける也

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2018年1月15日 (月)

曽田本その1の3業附口伝読み解く1太刀打之位3請流

曽田本その1の
3業附き口伝読み解く
1、太刀打之位
 
三本目請流(仕打 八)
 是者敵モ我モ八相ノ構二テ行真向ヘ討込也(敵ハ待テ居テモ相掛リニテモ不苦)敵十文字二請テ又八相二カケテ打込也我其時左ノ足ヲ一足踏ミ込テ裏ヲ止ルト敵又引キテカムル処ヲ我其侭面へ突込也敵其時横二拂フ也其処ヲ我体ヲ開キカムリ後ヲ勝也(又最後二首根二討込ミ勝モアリ)
読み
三本目請流(仕打 八)(うけながし 八(八相))
 是は 敵も我も八相の構にて行き 真向へ討込也(敵は待ちても相掛りにても苦からず) 敵十文字に請けて 又八相にかけて打込也 我其の時左の足を一足踏み込みて裏を止めると 敵又引きて冠る処を我其の侭面へ突き込む也 敵其の時横に拂う也 其の処を我体を開き冠り後を勝也(又最後に首根に討込ミ勝もあり)
参考 古伝神傳流秘書太刀打之事「請流」
 遣方も高山相手も高山或ハ肩へかまへるかの中也待処へ遣方歩行右の足尓て出合ふ打込を打太刀請扨打太刀の方より少し引て裏を八相に打を左足尓て打合ふて留相手又打たんと冠るを直二其儘面へ突込ミ相手八相に拂ふをしたかって上へ取り右の足尓て真向へ勝
読み
請流(うけながし)
 遣方も高山 相手も高山 或いは肩へ構えるかの中也 待つ処へ遣方歩み行き右の足にて出合う 打ち込むを打太刀請け 扨 打太刀の方より少し引いて裏を八相に打ち合うて留め 又 打たんと冠るを直ぐに其の面へ突き込み 相手八相に払うを随って上へ取り右の足にて真向へ勝つ
読み解く
 前の業の附込で互いに刀を合わせ、双方五歩退いても良いし、打はその場に正眼に構えて仕が五歩退いて元の位置に戻るのを待っていても良いとされています。互いに左足を出し右足を退いて八相に構える。
 ここでは双方八相に構え合掛りにスカスカと歩み寄るとします。

 仕は場合にて八相から上段に振冠り右足を踏み込んで打の真向を打つ、打は是を右足を踏み込み(踏み替え)八相から頭上に柄を左にして剣先を右に向け十文字に請ける。
 打は右足を引いて八相に構え仕の左面を打つ、仕は左足を一足踏み込んで八相の裏に(左側に)止める。

 打は左足を引いて上段に冠る処、仕は右足を踏み込んで打の面に突き込む。打は其の時、右足を引いて上段から左横に是を払うを機に、仕は左足を斜め左に踏み開き体を開いて請け流し右足を左足の後方に踏み替え刀を右から回して振冠り勝ちを制する(または打の首根に打込み勝つ)

 この業は、打が退きながら、打ち込んで来るのを裏八相に受け止め、次に再び打とうと振り冠る処、仕は透かさず面に突き込み、打がそれを払うのを当たり拍子に左に廻り込んで首根に打ち込む。

古伝神傳流秘書太刀打之事 本目請流

 遣方も高山相手も高山或は肩へ構まへるかの中也待処へ遣方歩行右の足にて出合ふ打込を打太刀請扨打太刀の方より少し引て裏を八相に打を左足にて出合ふて留相手又打たんと冠るを直に其儘面へ突込み相手八相に払ふをしたかって上へ取り右の足にて真甲へ勝

 この業は比較的解りやすく書かれています。
 二本目の附入を終わって、双方青眼に構え、打太刀はその場に右足前で留まり、遣方は青眼の構えのまま五歩引いて元の位置に右足前で戻る。
 打太刀が、右足に左足を揃え青眼から「高山或は肩へ構へ」は上段または八相に構え右足を引く。
 遣方も左足を右足に揃え、青眼から上段または八相に構える。
 通常、打太刀の構えに遣方は合わせるのが剣術の常識ですから上段ならば上段、八相ならば八相です。

 打太刀構え待つ処に遣方スカスカと歩み行き、左足で間を越し右足を踏み込み打太刀の高山ならば真向、八相ならば左面に打ち下ろす。竹刀剣道の様に八相から敢えて上段に冠り直して真向に打ち下ろす必要は無いでしょう。打太刀その位置で右足を踏み込みこれを逆八相に受ける。

 打太刀右足を少し引いて逆八相から遣方の右面に打ち込む、遣方左足を踏み替えてこれを受ける。
 打太刀左足を引いて上段に冠る処、遣方直ぐに右足を踏み込み切っ先を打太刀の面に付け突き込む。
 打太刀これを右足を引きながら八相に払う処、遣方払われるに従って左足をやや左前に踏み込み、刀を右から振り冠り、右足を踏み込んで真向に打ち下ろし勝。
 古伝は足捌きも語っていますからそれに従う事でよいでしょう。

嶋専吉先生に依る福井春政先生の太刀打之位 請流
 
「双方八相の構にて前進、仕太刀真向に打込む、打太刀之を十字に請く。
 仕太刀更に左足を一歩進め裏を打つ、この時打太刀一歩右足を退き八相より裏に請止め、打太刀更に左足を退き上段に振冠るところを仕太刀青眼より右足を踏出して打太刀の面に突込む、打太刀は之れを左下方に払ふ。
 仕太刀其機に体を左に開き右足を前に進め上段に冠り後を勝つ。
 互に刀を合はせ原位に復し五歩後退血振ひ、納刀。」

 古伝神傳流秘書の太刀打之事 請流は打太刀が仕太刀に打ち込まれて請け、直に退いて仕太刀の右面に打ち込みを仕太刀は受け留めています。打太刀が更に打ち込もうと退いて冠る所を、仕太刀は打太刀の面に突き込み、打太刀が之を払う拍子に筋を変わって打ち込むのです。

 嶋専吉先生は仕太刀が先を取って打ち込み、打太刀は之を請けながら後退します。
 其の退く所を面に突き込み、打太刀に払わせて其の拍子に筋を変わって勝つ結果は同じでも受太刀が入れ替わっているのは面白い処でしょう。
 業附口伝も神傳流秘書も二刀目は打太刀が引きながら打ち込んで居ます。稽古ではいずれも出来て当たり前です。
 嶋先生の太刀打之位は、第19代福井春政先生、田岡 傳先生直伝と云う事ですが仕・打の攻防が仕が一方的攻めています。これではこの請流の古伝の心は失われてしまいます。
 形は「かたち」では無い処でしょう。

 業附口伝は昭和13年1938年発行の河野百錬先生の「無双直伝英信流居合道」の第五節居合形之部第二太刀打之位に紹介されています。其処では出典は明らかではありませんが曽田先生の業附口伝のままに書き込まれています。
 その後の河野先生の無双直伝英信流居合兵法叢書の刊行を考えれば、曽田先生との交流はこの昭和13年1938年以前からあったと推察できます。

 河野先生は昭和2年1927年、大江先生が76歳で没せられた年に第18代穂岐山波雄先生に師事しています。29歳でした。
 昭和10年1935年に穂岐山先生(44歳)が亡くなられ、第19代福井春政先生(51歳)に師事します。河野先生37歳の頃六段位でしょうか。
 河野先生は、昭和13年1938年40歳には大日本武徳会居合術錬士で「無双直伝英信流居合道」を発行されています。

 
 
 

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2018年1月14日 (日)

曽田本その1の3業附口伝原文1太刀打之位3請流

曽田本その1の
3業附き口伝原文
1、太刀打之位
 
三本目請流(仕打 八)
 是者敵モ我モ八相ノ構二テ行真向ヘ討込也(敵ハ待テ居テモ相掛リニテモ不苦)敵十文字二請テ又八相二カケテ打込也我其時左ノ足ヲ一足踏ミ込テ裏ヲ止ルト敵又引キテカムル処ヲ我其侭面へ突込也敵其時横二拂フ也其処ヲ我体ヲ開キカムリ後ヲ勝也(又最後二首根二討込ミ勝モアリ)
読み
三本目請流(仕打 八)(うけながし 八(八相))
 是は 敵も我も八相の構にて行き 真向へ討込也(敵は待ちても相掛りにても苦からず) 敵十文字に請けて 又八相にかけて打込也 我其の時左の足を一足踏み込みて裏を止めると 敵又引きて冠る処を我其の侭面へ突き込む也 敵其の時横に拂う也 其の処を我体を開き冠り後を勝也(又最後に首根に討込ミ勝もあり)
参考 古伝神傳流秘書太刀打之事「請流」
 遣方も高山相手も高山或ハ肩へかまへるかの中也待処へ遣方歩行右の足尓て出合ふ打込を打太刀請扨打太刀の方より少し引て裏を八相に打を左足尓て打合ふて留相手又打たんと冠るを直二其儘面へ突込ミ相手八相に拂ふをしたかって上へ取り右の足尓て真向へ勝
読み
請流(うけながし)
 遣方も高山 相手も高山 或いは肩へ構えるかの中也 待つ処へ遣方歩み行き右の足にて出合う 打ち込むを打太刀請け 扨 打太刀の方より少し引いて裏を八相に打ち合うて留め 又 打たんと冠るを直ぐに其の面へ突き込み 相手八相に払うを随って上へ取り右の足にて真向へ勝つ
 
 
 

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2018年1月13日 (土)

曽田本その1の3業附口伝読み解く1太刀打之位2附込

曽田本その1の
3業附き口伝読み解く
1、太刀打之位
 
二本目附込(仕打 納 附入共モ云フ)
 是モ出合ノ如くク相懸リニテ右ノ足ヲ先二シテ場合ニテサカサマ二抜合セ敵ノ引カントスル処ヲ我左ノ足ヲ一足付込左ノ手ニテ敵ノ右ノ手首ヲ取ル此ノ時ハ左下二引キテ敵ノ体勢ヲ崩ス心持二テナスへシ 互二刀ヲ合セ五歩退キ八相二構へ次二移ル也
読み
二本目附込(仕打 納 附入共モ云フ)(つけこみ しだ 納 つけいりともいう)
 是も 出合の如く合懸りにて 右の足を先にして場合にて逆さまに抜き合わせ 敵の引かんとする処を 我左の足を一足付け込み 左の手にて敵の右の手首を取る 此の時は左下に引きて敵の体勢を崩す心持ちにてなすべし 互に刀を合わせ五歩退き八相に構へ次に移る也
参考 古伝神傳流秘書太刀打之事二本目「附入」(附込共云う 曽田メモ)
 前の通り抜合セ相手後へ引かむと春るを附入左の手にて拳を取る右の足なれ共拳を取る時は左の足也
読み解く

 附込は附入とも云う、ですから相手に付け入る事は付け込むと同意でいいのでしょう。

 仕打共に出合のように納刀のまま相懸りに「スカスカ」と歩み行きます。「スカスカ」の雰囲気は「すたすた歩く」「するする歩く」「滞りなく行く」、虎走りや小走りを想像しません。

 大江先生の無双直伝英信流居合道形では「柄に手を掛け、双方体を前方に少しく屈め、虎走りにて五尺の距離に出て」と指定されていましたから虎のように走りしました。
 虎走りを否定するつもりはありませんが、スカスカ間に歩み入る自然体の動作も学んでおいて良いでしょう。
 踵を上げて爪先で蹴り出すのではなく、爪先をやや浮かせ薄氷を踏む如くのスルスルと歩む常の足使いを身につけて見たいものです。
 「スカスカ」と「スルスル」はイメージが違いますが、「バタバタ」や「スイスイ」とか「スース-」では無さそうです。

 間に至るや打は右足出るとき左手に鯉口を握り、左足で間境を越し柄に手を掛け刀を抜き出し右足を踏込み抜き付けんとする。
 仕は機先を制して打が左手で鯉口を握るや右足・左足と踏み込み柄に手を掛け刀を抜き出し右足を踏み込むや打の踏み込まんとする右足脛に抜き付ける。打は是を右足の右前で請ける。
 もう一つ、仕は打が機先を制して右足脛へ抜き付けて来るのを右足の右前で受ける。相打ちに見えても全然異なる術を学ぶものでしょう。

仕に圧せられて打は左足を引いて退かんとする処、仕は透かさず、左足を打の右足側面に一足踏み込んで付け込み、退かんとする打の右柄手の手首を取る。
 仕はこの時右足も左足の後方に摺り込み、左入り身となり、打の手首を制するや体を沈めて左下に打の体勢を崩す。
 手附はここまでです。打の手首を制し体勢を崩してしまえば、仕は太刀先で容易に詰める事はできます。
 大江先生の「拳取」によって「刀尖を胸に付け残心を示す」で勝負はつきます。
仕は、元の位置に戻り、互いに刀を合わせ五歩退き八相に構える。

古伝神傳流秘書の太刀打之事二本目附入(附込とも云う)

 前の通り抜合せ相手後へ引かむとするを附入左の手にて拳を取る右の足なれ共拳を取る時は左の足也

 この業のポイントは、「相手後へ引かむとするを附入」の部分でしょう。抜き合わせて拮抗し、相手が引こうとしないのにこちらからサッサと拳に手を伸ばして取りに行くなどではありません。

 「拳を取る」ですが、大江先生は「打太刀の右手首を逆に持ち下へ下げる」。
 河野先生は、相手の右手を逆にして制する事に意を使いすぎ「打太刀の右手首を左手で、中指は手首関節部、拇指は掌中を逆に握り、左下方に引いて打の体勢を右に崩し、右手の自由を奪う」

 業附口伝は「一足付込左の手にて敵の右の手首を取る此の時は左下に引きて敵の体勢を崩す心持にてなすべし」

 古伝は「附入左の手にて拳を取る」これだけで相手の右手を制し体勢を崩す事も学ぶ事も出来るはずです。

 昭和17年の嶋 専吉先生の「無双直伝英信流乾」にある、第19代福井春政先生との太刀打之位二本目附込を稽古して見ます。
 「互に右手を柄に懸け相掛りにて進み間合にて右足を踏出すと共に相手の右脚に抜合すこと「出合」の場合と同様なり。次で打太刀の退かんとするところを仕太刀跳込むが如く左足を相手の右側に深く一歩踏込み右足をその後方に踏み添えて体を開き、相手の右手首を左手にて逆に捉へ之れを己が左下方に引きて打太刀の態勢を崩し、刀を右手にて腰部に支へつゝ剣尖を打太刀の水月に擬し之れを刺突の姿勢となる。互に中段に刀を合せ正しき位置に復したる後双方五歩後退し血振ひの上、刀を納む。」


 福井先生も相手の右手首を逆手に取って左下に崩しています。
古伝神傳流秘書の夏原流和之事を稽古しますと原文に従った稽古では極めて自然に相手を崩す方法を述べています。
 非力で小兵の者でも充分制する事がポイントで、剛腕の者が力任せに崩す事は有りません。

 太刀打之位は、土佐の居合に残された初歩的な太刀を鞘に納めたまま相懸る組太刀に依る剣術への道へ導くもので、空間刀法の居合に対敵を意識した間と間合いを知る良い稽古です。

 次の三本目請流は八相に構えて相懸りに歩行くのですが、業附口伝では納刀せず元の位置に戻り八相に構えます。
 嶋先生が福井先生に習ったように納刀したならば、其の位置で刀を抜き、左足を前に右足を引いて八相に構える事になります。

次回は三本目請込です。

 

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2018年1月12日 (金)

曽田本その1の3業附口伝原文1太刀打之位2附込

曽田本その1の
3業附き口伝原文
1、太刀打之位
 
二本目附込(仕打 納 附入共モ云フ)
 是モ出合ノ如くク相懸リニテ右ノ足ヲ先二シテ場合ニテサカサマ二抜合セ敵ノ引カントスル処ヲ我左ノ足ヲ一足付込左ノ手ニテ敵ノ右ノ手首ヲ取ル此ノ時ハ左下二引キテ敵ノ体勢ヲ崩ス心持二テナスへシ 互二刀ヲ合セ五歩退キ八相二構へ次二移ル也
読み
二本目附込(仕打 納 附入共モ云フ)(つけこみ しだ 納 つけいりともいう)
 是も 出合の如く合懸りにて 右の足を先にして場合にて逆さまに抜き合わせ 敵の引かんとする処を 我左の足を一足付け込み 左の手にて敵の右の手首を取る 此の時は左下に引きて敵の体勢を崩す心持ちにてなすべし 互に刀を合わせ五歩退き八相に構へ次に移る也
参考 古伝神傳流秘書太刀打之事二本目「附入」(附込共云う 曽田メモ)
 前の通り抜合セ相手後へ引かむと春るを附入左の手にて拳を取る右の足なれ共拳を取る時は左の足也
 

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2018年1月11日 (木)

曽田本その1の3業附口伝読み解く1太刀打之位1出合

曽田本その1の
3業附き口伝読み解く
1、太刀打之位
一本目出合(仕打 納)
 是者互二刀ヲ鞘二納メテ相懸リニテスカスカト行場合二テ右ノ足ヲ出シサカサマ二抜キ合セ敵引ク処ヲ付込ミテ左足ニテカムリ右足ニテ討也此之時敵一歩退キ頭上ニテ十文字二請ケ止ムル也 互二中段トナリ我二歩退キ敵二歩進ミ更メテ五歩ツツ退ク也納刀
読み
一本目出合(仕打 納)(であい しだ のう)
 是は 互に刀を鞘に納めて相懸りにてスカスカと行く 場合にて右の足を出し逆さまに抜き合わせ 敵引く処を付込みて左足にて冠り 右足にて討つ也 此の時敵一歩退き頭上にて十文字に請け止むる也 互に中段となり 我二歩退き敵二歩進み 改めて五歩ずつ退く也 納刀
参考 古伝神傳流秘書太刀打之事「出合(出会)」鞘木刀也 立合之事也
 
 相懸りにかかり相手より下へ抜付るを抜合せ留て打込相手請る右足也
読み解く

この出合は、双方納刀したままスカスカと歩み行くであって、虎走りのように小走りに間を詰めていません。
  大江先生の無双直伝英信流居合道形(英信流居合の型)では、「打太刀は柄に手を掛ける、仕太刀は打太刀の如く、柄に手を掛け、双方体を前方少しく屈め、虎走りにて五尺の距離に出て、右足を出したるとき、膝の処にて打は請、仕は抜打にて刃を合す」でした。のっけから動作が違います。

 この古伝太刀打之位を虎走りして演じているのを見ていました。決められた事だからと、虎走りするのは流の決め事ですが、不自然です。
 ここは、「スカスカ」と相懸りに間境に接するものでしょう。お互いに「右足を出しさかさまに抜き合せ」と業附口伝では相打ちとなります。

嶋 専吉述「無双直伝英信流居合術乾」という小冊子があります
 戦時中の昭和17年1942年4月18日から二週間のこと、嶋先生は高知に出向き、第19代福井春政先生に2週間潮江の高知商業の道場に通って武道行脚した際の覚書を綴ったものです。
 「出合 帯刀のまゝ柄を把りつゝ相掛りにてスカスカと前進(互に三歩前進とせるもあり)間合にて右の足を踏出すと共に互に相手の右脚に斬付くる心にて剣先を下方に抜き合す。・・」
と、ここでも、スカスカと相打ちしています。
 「続いて打太刀退くところを仕太刀附込み左足を右足に進めて振り冠り右足を一歩踏込みて上段より打太刀の面を打つ、このとき打太刀は一歩体を退き(右足を軽く退き左足を退き)仕太刀の刀を頭上にて剣尖を右方に十文字に請け止むるなり」

 虎走りでは、大江先生の当時の事を思えば、歩兵が臆する心を後ろから煽られて突撃するような感じがします。古伝は、普段の歩み足「スカスカ」で相懸りしたいものです。

神傳流秘書の太刀打之事出合
 相懸りにかゝり相手より下へ抜付るを抜合せ留て打込相手請る右足也
  相懸りに歩み寄り、打は刀に手を掛け、左足で間境を越し、右足を踏み込み抜き付ける、仕は刀に手を掛け右足を大きく踏み込んで打の右脛に抜き付け留める。打は、上段に冠らんとする処、仕に圧せられて体勢を立て直すべく左足、右足と追い足に退き、仕は即座に左足を右足に引き付け上段に振り冠り打の真っ向に打ち下ろす。打は是を十文字に請け留める。
間合は近間になり、打は大きく反り身になって請けざるを得ない。双方攻めんとしつつ、打は仕に圧せられて退くに付け入って行くものです。


  古伝は「相懸り」でスカスカとも虎走りとも云って居ませんが、通常スカスカと歩み足で寄るのでしょう。

 抜き合せは「相手より下へ抜付るを抜合せ留」ですから現代の正座の部八重垣の受払の動作で仕は応じると読むべきでしょう。

 十文字に請け止めた打から中段に戻します。この時、間が近すぎれば左足右足と退いて中段となる。
 仕はその位置で中段となり切っ先を合わせて打は二歩出て、仕は二歩退き、双方左足から五歩ずつ戻り右足前で横血振りして納刀する。左足を右足に揃え、次の業になる。この時互いに切先で糸筋の切れざるような残心は当然でしょう。

 古伝の正しい血振り、納刀は不明ですが、大江先生の無双直伝英信流居合道形に準じておきました。

 十文字の請け方は、柄を左に剣先を右にして刀を前額上で水平に刃で請ける。この受け方は少々不自然ですが無双直伝英信流の出合の形の様です。
 嶋専吉先生の「仕太刀の刀を頭上にて剣尖を右方に十文字に請け止むるなり」で第19代福井春政宗家の動作だったのでしょう。

 大江先生の出合の請け太刀は「仕太刀は直ちに、右足左足と一歩摺り込みて上段より真面に打ち込む、打太刀は左足より右足と追足にて退き、刀を左斜にして受ける」であって切先は左です。

 この請け太刀は、柄を右に切っ先を左に向け物打付近に左手を添えて刀棒の形をとって仕の打ち込みを刃で請ける、十文字請けが自然でしょう。
 刀棒の場合は、請け太刀となっても仕の刀を摺り落として、攻めに転ずる事もできそうです。

 次回は二本目「附込」です。

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曽田本その1の3業附口伝原文1太刀打之位1出会

曽田本その1の
3業附き口伝原文
1、太刀打之位
一本目出会(仕打 納)
 是者互二刀ヲ鞘二納メテ相懸リニテスカスカト行場合二テ右ノ足ヲ出シサカサマ二抜キ合セ敵引ク処ヲ付込ミテ左足ニテカムリ右足ニテ討也此之時敵一歩退キ頭上ニテ十文字二請ケ止ムル也 互二中段トナリ我二歩退キ敵二歩進ミ更メテ五歩ツツ退ク也納刀
読み
 是は 互に刀を鞘に納めて相懸りにてスカスカと行く 場合にて右の足を出し逆さまに抜き合わせ 敵引く処を付込みて左足にて冠り 右足にて討つ也 此の時敵一歩退き頭上にて十文字に請け止むる也 互に中段となり 我二歩退き敵二歩進み 改めて五歩ずつ退く也 納刀
参考 古伝神傳流秘書太刀打之事「出合(出会)」鞘木刀也 立合之事也
 
 相懸りにかかり相手より下へ抜付るを抜合せ留て打込相手請る右足也

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2018年1月10日 (水)

曽田本その1の3業附口伝原文を読み解くはじめに

曽田本その1の
3業附口伝原文を読み解く
はじめに
参考  
曽田虎彦・故竹村静夫君共に実演したり
太刀打之位
詰合之位
大小詰
大小立詰
(五藤先生、谷村先生業附口伝書に因り実演したるを詳述したり筆者曽田虎彦実演したり(虎彦記))
詳解したるにあらざるも竹村君と共に田口先生尓御指導と実兄(五藤先生の実弟土居亀江)の口伝によりあらましを記したり
読み解く
 昭和11年10月26日日本古武道振興会において陸軍戸山学校天覧道場で土佐の居合の太刀打之位を、打太刀竹村静夫先生、仕太刀曽田虎彦先生で演じた事を指しています。
 その写真も太刀打之位の四本目請込の業を演じる御両人のお姿が曽田本2に残っています。

 竹村先生はその後昭和13年2月に突然逝ってしまわれました。残された弟子が楠瀬庸方先生でした。

 この「業附口伝」には、古伝の組太刀である太刀打之位・詰合之位・大小詰・大小立詰の4種類が収められています。
 これは十六代五藤孫兵衛正亮と第15代谷村亀之丞自雄先生若しくは曽田先生の実兄土居亀江先生の師匠谷村樵夫自庸先生相伝の免許皆伝目録による業附口伝書に因り筆者の曽田虎彦が竹村静夫と実演したものである。
 詳細に解説をしてはいないが、田口先生のご指導と実兄の土居亀江の口伝によってあらましは記してある。

 土居亀江(小藤亀江)は曽田虎彦先生の実兄と云う事ですがここには(五藤先生の実弟土居亀江)ともあります。

 太刀、又は小太刀を持っての組太刀は神傳流秘書では
太刀打之事(11本)
詰合(11本)
大小詰(8本)
大小立詰(7本)
大剣取(10本)
の五種目(47本)が記載されていました。さらに前回の英信流目録の小太刀之位(6本)を入れますと、都合六種目(53本)の組太刀を土佐の居合は持っていた事になります。

 このうち、政岡先生は太刀打之位・詰合・大小詰・大小立詰・大剣取までの五種目を解説済みで誰でも現代語で稽古できるようにされました。
 小太刀之位は、河野百錬先生が曽田虎彦先生から送られた「英信流目録」をもとにでしょう、「無双直伝英信流居合兵法叢書」に記載されています。

 おそらく、この「無双直伝英信流居合兵法叢書」は発行部数も少ないうえ当時の先生方は居合だけを演じるばかりで古伝の形には興味を示されなかったのでしょう。特に戦後にその傾向は強かったと思われます。

 小太刀之位はミツヒラブログで本邦初公開で素読の上動作を付けて置きましたが、実際に演じて不合理な処は課題としてご研究いただきたいと思います。

 今回の業附口伝はこのままでも明解なテキストになります。すでに政岡先生の動作や他の先生方の術理が世に出ていますので参考にされ、古伝をより親しめるはずです。

 大江先生の改変された無双直伝英信流居合道形を英信流居合の古伝である太刀打之位と誤って、それを絶対として打たれる方はいらっしゃいます。
 少し古武術に関心を持ち、工夫をすれば容易に古伝を稽古することができるでしょう。

 幕末から明治以降に失伝したと思われる土佐の居合を、曽田先生と竹村先生は稽古され、文章にされた「業附口伝」です。然し実演され打たれた仕組(組太刀・形)ですから、古伝とは時代の変化が有りそうです。古伝神傳流秘書の仕組を併記しておきます。
 しかし、竹刀剣道の直線運動や飛び込み打突、走り込んで抜き付けるなどの明治以降の動作を離れて、日本人本来の古武術の身体動作を身に付けませんと相方を設けて行う武的演舞になってしまいます。
  形は決められた一つの「かたち」をとことん稽古して、その上にそれだけではなく、そこから派生するあらゆる変化に応じる剣の術理を学ぶものです。

 此の業附口伝は昭和13年1938年発行の河野百錬先生述による「無双直伝英信流居合道」の第五節居合形之部第二に太刀打之位・第三に詰合之位・第四に大小詰・第五に大小立詰が(當流古傳之略述在文責筆者)とされて掲載されています。
 出典は明らかではありませんが曽田先生との交流から得られたものと断定しても良さそうです。
 河野先生は、無双直伝英信流居合叢書には、この曽田先生の記述された「業附口伝」は記載されていません。
 古伝神傳流秘書にあるものだけを原文で記載されています。解説はされていません。
 「大日本居合道図譜」では大江先生の無双直伝英信流居合之形七本のみ記載しています。そのためか古伝の形が失伝したといえるでしょう。
 「古伝には興味は無い、古伝は無双直伝英信流ではないから学ばない」と、いかにも分かった様におっしゃる先生もおられます。その癖「武術は」とか「昔は」とか「本当は」とか何を基準に仰るのでしょう。

 戦時中の昭和17年1942年4月18日から二週間高知におもむき、第19代福井春政先生・田岡 傳先生に、直に指導を受けられた嶋 専吉先生(不明)の備忘録が「無双直伝英信流居合術乾」として綴られています。

 其処には、古傳の太刀打之位・詰合之位が実際に指導され稽古した中から覚書されています。
 余暇に大小詰・大小立詰は「浅学の自分としては未だ躬らその扉を叩くの機会を得ないので福井先生御所蔵の文献をそのまゝ拝借謄写して他日の研究を期することゝし・・」とあります。これは文面を対比しますと曽田先生の業附口伝と略同じものです。

 業附口伝に嶋先生の覚書を繰り入れて参考にさせていただきます。業附口伝は第9代林六大夫政誠が土佐に持ちこまれた古伝神傳流秘書にある「仕組」の形を留めていますが、変形されている部分も有り古伝とは一線を引いて稽古されるべきものと思います。

 古伝は足の歩数運びなどのことは実戦的稽古形ですから、演舞とは違い「おおらか」です。武術としての術理も力量次第です。演武会での演舞では無い事を思い知らされています。業附口伝ではやや演舞的傾向が見られるのは、江戸時代後期から現代の形に対する考え方に依るのでしょう。勝ち負けを争う稽古は竹刀による試合形式で学び、剣の術理は置き去りにして形を軽視する傾向にあると思われます。

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2018年1月 9日 (火)

曽田本その1の2英信流目録読み解く1居合棒太刀合之巻6大森流居合之位11抜打

曽田本その1
2.英信流目録読み解く
居合棒太刀合之巻
 兼 大森流居合 小太刀之位
6、大森流居合之位
 
十一本目抜打ち
(原本二記載なきも之れ尓て□筆之置く)
以上十一本也         林 政誠
于時安永五年
      冬十月吉日改之   花押
嘉永五年癸子六月吉祥日
       谷村亀之丞自雄 花押
読み
十一本目抜打(ぬきうち)
(原本に記載なきもこれにて□筆之を置く)
以上十一本也       林 政誠
于時安永五年(1776年)
      冬十月吉日之を改める  花押
嘉永五年(1852年)癸子(みずのとね)六月吉祥日
                    谷村亀之丞自雄
読み解く
 実はこの英信流目録には、この十一本目は書き込まれていないのです。業の頭に本数を入れてありますが、原本は無印なのです。括弧の文字は曽田メモ
 虎乱刀の跡に「以上十一本也」と記入されています。十五代の谷村亀之丞自雄の書写の際に欠落したのか、原本が欠落していたかはわかりません。

ここでは、古伝神傳流秘書大森流居合之事抜打を記入しておきます。
抜打
 坐して居る所を向より切て懸るを其のまま踏ん伸んで請流し打込み開いて納る尤も請流しに非ず此の所筆に及ばず

 英信流目録は原本が第十二代林 政誠によって安永5年(1776年)に書かれたものですから、山川久蔵幸雅が書き写した神傳流秘書(文政2年1819年)より古いものです。
 居合は大森流しか存在しないので、抜打どころか大変な欠落です。残念ですが大森流「抜打」は神傳流秘書による以外に見当たりません。

 古伝の抜打の業手附は簡潔でまさに居合と言った雰囲気の名文でしょう。抜打を演ずる時「切て懸るを其のまま踏ん伸んで請け流し打ち込み開く」が頭をよぎって行きます。

第17代大江正路先生の抜打(大正7年1918年発行の大江・堀田共著剣道手ほどきより)
 「正面に座す、対座にて前の敵を斬る心組にて其正座の儘刀を前より頭上に抜き、上段に冠り、身体を前に少しく出し、前面の頭上を斬る。血拭ひは中腰の同体にて刀を納む」


 古伝の抜打の心持ちは薄れ、一方的に抜き打つ業に思えてしまいます。動作を克明に解説したのは河野先生でしょう。

第20代河野百錬先生の抜打(昭和8年1933年発行無双直伝英信流居合術全より)
 「正面に向ひて正座し、左手を鯉口にとり拇指にて鯉口を切り、右手を柄にかけつゝ両膝と其爪先にて膝を伸ばし、右斜前に刀を引き抜き左肩に刀先を突込む様に双手上段に振冠りて切り込み、刀を右に開くと同時に左手は左腰に取り後鯉口を握り刀を納めつゝ臀部を踵の上におろして納め終る」

 
動作の形が優先して古伝の心が見られません。

 

夢想神傳流檀崎先生の抜打
 「彼我接近して対座するとき、敵を速急正面より斬付けて勝。刀に両手をかけ、同時に両足を爪立てて刀を右斜前に水平に抜き、剣先が鯉口を放れると同時に、後方の敵を突き刺すように振り冠り、両膝を揃え「トン」と床を打つ。この時上体は,真直に膝の真上にある。次に斬下すと同時に両膝を横に開き「トン」と床を打ち血振り・・」

 
是も一方的な闇討ちです。


 お陰様で、容易に抜打を演じられるようになりました、然し古伝の「此の所筆に及ばず」は置き去りになって居る様に思います。
 そして、「飛び打ち」にしたり、「音を立てて」打ち込んだり、果ては「闇打」であったり「抜き打ち」にしたり、愉快です。
「坐して居る所を向より切て懸るを其のまま踏ん伸ん請流し打込み」は何処にいったのでしょう。
 当代の解説では「正面に対座せる対敵の害意を認めるや・・・もし敵斬り込み来たりてもその刀を受け流す気にて行う」と「もし」がありますが其の心は戻りつつあるように思います。

奥書を入れて置きます。

林 政誠

 干時安永五年(1776年) 冬十月吉日改之

 嘉永五年(1852年)癸子六月吉祥日

 谷村亀之丞自雄 自花押

 この曽田先生の書写したものを昭和23年1948年六月に大阪の河野稔氏へ伝授したりとあります。第二十代河野百錬宗家を指していると思われます。

 この英信流目録には坂橋流の棒が恐らくすべて残されていたのかもしれません。棒太刀合之位・棒合5つ・心持之事・極意之大事の4編になっていました。

 さらに、何処にも見られない小太刀之位が残っていました。之は曽田本以外に見ることがありませんでした。河野百錬先生の「無双直伝英信流居合兵法叢書」に見られる小太刀之位は曽田本の英信流目録に依ります。

 土佐のどこかにこの第十二代林 政誠の原本が欠落なく存在することを夢見ています。

 四国に在住の無双直伝英信流・夢想神傳流を学ばれる方によって捜し出していただければと勝手に思っています。

英信流目録を終わります。

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2018年1月 8日 (月)

曽田本その1の2英信流目録原文1居合棒太刀合之巻6大森流居合之位11抜打

曽田本その1
2.英信流目録原文
居合棒太刀合之巻
 兼 大森流居合 小太刀之位
6、大森流居合之位
 
十一本目抜打ち
(原本二記載なきも之れ尓て□筆□置く)
以上十一本也         林 政誠
于時安永五年
      冬十月吉日改之   花押
嘉永五年癸子六月吉祥日
       谷村亀之丞自雄 花押
読み
十一本目抜打(ぬきうち)
(原本に記載なきもこれにて□筆を(?)置く)
以上十一本也       林 政誠
于時安永五年(1776年)
      冬十月吉日之を改める  花押
嘉永五年(1852年)癸子(みずのとね)六月吉祥日
                    谷村亀之丞自雄
 

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2018年1月 7日 (日)

曽田本その1の2英信流目録読み解く1居合棒太刀合之巻6大森流居合之位10虎乱刀

曽田本その1
2.英信流目録読み解く
居合棒太刀合之巻
 兼 大森流居合 小太刀之位
6、大森流居合之位
 
十本目虎乱刀
 是盤立て春可春可と幾足も行て右の足尓て一文字尓抜付(拂ふてもよし)かむる時左の足一足ふみ込右の足尓て打込ム血ぶるいの時左を右の足尓揃納る時は右の足を引納其時春ねハつ可ぬ也
 「記 勢中刀、虎乱刀の血振いの時「左の足を右の足尓揃ト」書きたる也原本二ハ「右の足を左の足二揃」とあり研究する事原本に「右の足を左の足・・・不明 曽田メモ」
読み
十本目虎乱刀(こらんとう)
 是は 立てスカスカと幾足も行きて 右の足にて一文字に抜き付け(拂うてもよし) 冠る時左の足一足踏み込み右の足にて打込む 血ぶるいの時左を右の足に揃へ 納る時は右の足を引き納 其の時脛は着かぬ也
 「記 勢中刀、虎乱刀の血振いの時「左の足を右に揃と」書きたる也 原本には「右の足を左の足に揃」とあり研究する事 原本に「右の足を左の足・・・不明 曽田メモ」
読み解く

 英信流目録は第15代谷村亀之丞自雄の書き写した直筆の伝書です。この虎乱刀は大江先生の場合は正座の部「追風」の業です。バタバタ追い懸けずスカスカ歩み行く処が本来の業だったのでしょう。

 古伝神傳流秘書の大森流居合之事虎乱刀を読み直します。
「是は立事也幾足も走り行く内に右足にて打込み血振し納る也但し膝を付けず」


 神傳流秘書では「幾足も走り行く」であって歩み行くではありません。それに抜き打ちの一刀で制して居ます。
 現在は、混線して、走り行き抜き付け、打ち込むになったのでしょう。

 英信流居合目録秘訣の上意之大事に虎走の心得があります。
 是は討ち果たせと言う上意などで行く時、敵が二間も三間も離れて坐している時は直ぐに切る事は出来ないし、同座した人達が邪魔に入る事も考え、色に出さず腰を屈めつかつかと行き抜き口が外へ見えないように体の内で逆さまに抜いて抜きつけるのだと教えています。足運びが大事だと云います。
 追いかけてバタバタ足音を立てるなど、いつの頃にやりだしたのでしょう。中には逃げる敵を追い懸け間に至れば、足音をバタバタ強くして
振り向かせてから抜き打つなどの教えもある様で愉快です。

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2018年1月 6日 (土)

曽田本その1の2英信流目録原文1居合棒太刀合之巻6大森流居合之位10虎乱刀

曽田本その1
2.英信流目録原文
居合棒太刀合之巻
 兼 大森流居合 小太刀之位
6、大森流居合之位
 
十本目虎乱刀
 是盤立て春可春可と幾足も行て右の足尓て一文字尓抜付(拂ふてもよし)かむる時左の足一足ふみ込右の足尓て打込ム血ぶるいの時左を右の足尓揃納る時は右の足を引納其時春ねハつ可ぬ也
 「記 勢中刀、虎乱刀の血振いの時「左の足を右の足尓揃ト」書きたる也原本二ハ「右の足を左の足二揃」とあり研究する事原本に「右の足を左の足・・・不明 曽田メモ」
読み
 是は 立てスカスカと幾足も行きて 右の足にて一文字に抜き付け(拂うてもよし) 冠る時左の足一足踏み込み右の足にて打込む 血ぶるいの時左を右の足に揃へ 納る時は右の足を引き納 其の時脛は着かぬ也
 「記 勢中刀、虎乱刀の血振いの時「左の足を右に揃と」書きたる也 原本には「右の足を左の足に揃」とあり研究する事 原本に「右の足を左の足・・・不明 曽田メモ」

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2018年1月 5日 (金)

曽田本その1の2英信流目録読み解く1居合棒太刀合之巻6大森流居合之位9勢中刀

曽田本その1
2.英信流目録原文
居合棒太刀合之巻
 兼 大森流居合 小太刀之位
6、大森流居合之位
 
九本目勢中刀
 是も坐して居也右向の方ゟ敵立て来る心持也我其時右の足より立チ一文字二拂ふ也其侭かむり討込ム也跡ハ血ぶるひをし左の足を右の足尓揃納る時右の足一足引納る時春ねをつ可ぬ也
読み
九本目勢中刀(せいちゅうとう)
 是も坐して居る也 右の向こうの方より 敵立ちて来る心持ち也 我其の時右の足より立ち一文字に払う也 其の儘かむり討ち込む也 跡は血ぶるいをし 左の足を右の足に揃へ 納める時右の足を一足引き 納める時脛を着かぬ也
読み解く
 *
 是も我は正面向きに座して居ても、左向きでも、右向きでも、敵は我が右向き(右肩)の方から敵は立って上段に振り冠って来る心持ちです。
 其の時我は腰を上げ右足を敵の方に向けて立ち上がり、一文字に抜き払う。
 其の儘振り冠って敵の真向に討ち込む。
 跡は血ぶるいをし、左足を右足に踏み揃え、納刀の際右足を一足引いて納刀する。納刀の時脛を床に着かない事。

 一文字に何処を目掛けて抜き払うのか記載は有りません、敵は立ち上って歩み来るのです。一文字の抜き付けの部位は、上段に振りかぶった敵の小手・上段から振り下ろさんとする小手・上段に振りかぶって歩み寄る胴。何れでも良いのです。部位に応じた我が態勢は様々です。

 其の儘上段に振り冠っています。左足右足と踏み込む様には書かれていません。右足を踏み出して一文字に敵刀を払いその足のまま振り冠って打ち込んでいます。
 敵が後ろに退くならば左足右足と追い込んで仕留めるのでしょう。
古伝は振り冠り討ち込む、とだけです。

 これも、古伝神傳流秘書大森流之事九本目勢中刀では「右の向より切て懸るを踏出し立って抜付打込血震し納る此事は膝を付けず又抜付に払捨て打込事も有」
英信流目録とも同じですが、「右の向こうより」ですから、左向きに坐し、正面から切って懸られたのに応じるのです。

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2018年1月 4日 (木)

曽田本その1の2英信流目録原文1居合棒太刀合之巻6大森流居合之位9勢中刀

曽田本その1
2.英信流目録原文
居合棒太刀合之巻
 兼 大森流居合 小太刀之位
6、大森流居合之位
 
九本目勢中刀
 是も坐して居也右向の方ゟ敵立て来る心持也我其時右の足より立チ一文字二拂ふ也其侭かむり討込ム也跡ハ血ぶるひをし左の足を右の足尓揃納る時右の足一足引納る時春ねをつ可ぬ也
読み
九本目勢中刀(せいちゅうとう)
 是も坐して居る也 右向こうの方より 敵立ちて来る心持ち也 我其の時右の足より立ち一文字に払う也 其の儘かむり討ち込む也 跡は血ぶるいをし 左の足を右の足に揃へ 納める時右の足を一足引き 納める時脛を着かぬ也

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2018年1月 3日 (水)

曽田本その1の2英信流目録読み解く1居合棒太刀合之巻6大森流居合之位8逆刀

曽田本その1
2.英信流目録読み解く
居合棒太刀合之巻
 兼 大森流居合 小太刀之位
6、大森流居合之位
 
八本目逆刀
 是盤坐して居り春っと立其侭引抜向ヱ拝ミ討二打チツゞケテ二ツ打其時両足を前へ揃ヱ太刀を亦かむり其時右の足を跡へ引春ねをつき亦太刀を前へそろりとおろし「右柄を逆手尓とり太刀の刃を上へ向て(此の処原本虫食て不明なり多分柄ナラン 曽田メモ)」左の手尓て刀のむ年をおさへ手前へ少しそろりと引納ㇽ也 初發刀より此迄ㇵ納尓春ねをつく也
読み
八本目逆刀(ぎゃくとう)
 是は 坐して居り すっと立ち 其の侭引抜き向へ拝み討ちに打ち 続けて二つ打ち其の時両足を揃え 太刀を亦冠り其の時右の足を跡へ引き脛を着き 亦太刀を前へそろりと下し 右柄を逆手に取り太刀の刃を上へ向けて 左の手にて刀の棟を押えて前へ少しそろりと引き納る也 初発刀より此処までは納るに脛を着く也
読み解く

 「逆刀」とは、第17代大江正路先生の無双直伝英信流居合正座の部八本目附込でしょう。
 この業手附からどの様に仮想的を想定するかによって動作は変わるでしょう。習い稽古した附込の動作などはこの古伝では少し忘れて見るのもいいでしょう。

 これは座して居る処、敵の害意を察して、我は機先を制して右足を踏み立て、すっと立つなりに刀を上に引き抜き、振り冠るや左足を踏み込んで敵に拝み打ちに打ち込み、敵制せられ退く処、右足を踏み込み二刀目と続けて打ち込み右足に左足を揃える。右足を引いて同時に上段に振り冠る。
 右足脛を着き太刀を上段から「そろり」と下ろし正眼となる。柄を右手で逆手に取り、刀の棟を押さえ太刀の刃を上に向けて、左手の上を滑らす様に柄を手前に「そろり」と引き、逆手で納刀する。
初発刀よりここまでは納刀の時脛を着く也。

 古伝の逆刀による動作は想定がありませんから、演じる者が自ら想定すれば良いのですが、やはり習い覚えた剣理・意義の呪縛は付いて廻り、動作もそれにひきづられます。
 足捌きも、追い足・継ぐ足・歩み足どれでも相手との間しだいでしょう。
 残心での動作は充分に敵を制して居るとして「そろり」という、静かに、ゆっくりとした動作を要求しています。
 素早い動作により充分敵を制する事で、その後は「そろり」。
 二刀で充分敵を両断しているので、この打ち下ろしのフィニッシュも両足を揃えた結び立ちです。
 最近は追い足捌きで二刀目を打ち込んでいますから「そろり」と残心をせずに、倒した敵に目付け鋭く「まだ来るか」とばかりに威嚇する上段振り冠りの動作がほとんどです。

 なお、初動は敵の機先を制するとしましたが、伝承されるように打ち込まれ摺り落とし打ち込む、も充分ありでしょう。神傳流秘書では「向より切て懸るを先々に廻り抜打に切」その様です。

 英信流目録では、この先に仕掛けられたところが抜けていますので、我から先に仕掛けるとも取れます。座した敵に先に仕掛ける「逆刀」いや「附込」をイメージするのです前回の順刀」のようになってしまいそうです。

古伝神傳流秘書大森流之事八本目「逆刀」
 「向より切て懸るを先々に廻り抜打に切右足を進んで亦打込み足踏揃へ又右足を後へ引冠逆手に取返し前を突逆手に納る也」

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2018年1月 2日 (火)

第9回・10回古伝研究の集い

土佐の居合 古伝神傳流秘書による古伝研究の集い

 

第9回・10回古伝研究の集い

 

 古伝神傳流秘書を曽田虎彦先生の書き写された直筆本から読み解いて同じ思いの仲間を募って、その古伝研究をやってまいりました。今回は第10回目・11回目の御案内をいたします。

  内容:古伝神傳流秘書による大剣取 古伝英信流目録による小太刀之位

 

 講義とか実演では無く、参加していただき木刀及び小木刀を持って古伝の解釈及び形の稽古をご一緒にさせていただきます。
 異なる伝承の方々と一つの教本から古伝研究を実施する中で、「私はこの『古伝』はこう解釈する」と自由な考え方から幾つもの疑問を解きほぐして見たいと思います。

 ご参加いただいた方が、師匠であるとご認識いただければ幸いです。

 

1、期日:

・平成30年1月25日(木)第9回 

15時00分~1700

見田記念体育館 多目的室

 

平成30年2月8日(木)第10回

15時00分~17時00分

鎌倉体育館 格技室

 

・平成30年2月22日(木)第10回

13時00分~17時00分

鎌倉体育館 格技室

 

3、住所:

見田記念体育館 

248-0014

神奈川県鎌倉市由比ガ浜2-13-21

(鎌倉体育館向かい側鎌倉警察署

の右脇入り右折正面)

 TEL0467-24-1415

 

・鎌倉体育館 

248-0014

神奈川県鎌倉市由比ガ浜2-9-9 

 TEL0467-24-3553

 

4、アクセス:

JR横須賀線・総武線快速

鎌倉駅東口下車海岸方向へ徒歩10分

     (駐車場:鎌倉体育館を使用)

 

5、費用:会場費割勘のみ(500円)

 

6、参加の御連絡はこのブログへコメント

 していただくか直接ご来場ください。
 

 

7、使用会名:

湘南居合道研修会 鎌倉道場
御案内責任者 ミツヒラ

                 平成30年1月2日

 

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曽田本その1の2英信流目録原文1居合棒太刀合之巻6大森流居合之位8逆刀

曽田本その1
2.英信流目録原文
居合棒太刀合之巻
 兼 大森流居合 小太刀之位
6、大森流居合之位
 
八本目逆刀
 是盤坐して居り春っと立其侭引抜向ヱ拝ミ討二打チツゞケテ二ツ打其時両足を前へ揃ヱ太刀を亦かむり其時右の足を跡へ引春ねをつき亦太刀を前へそろりとおろし「右柄を逆手尓とり太刀の刃を上へ向て(此の処原本虫食て不明なり多分柄ナラン 曽田メモ)」左の手尓て刀のむ年をおさへ手前へ少しそろりと引納ㇽ也 初發刀より此迄ㇵ納尓春ねをつく也
読み
八本目逆刀(ぎゃくとう)
 是は 坐して居り すっと立ち 其の侭引抜き向へ拝み討ちに打ち 続けて二つ打ち其の時両足を揃え 太刀を亦冠り其の時右の足を跡へ引き脛を着き 亦太刀を前へそろりと下し 右柄を逆手に取り太刀の刃を上へ向けて 左の手にて刀の棟を押えて前へ少しそろりと引き納る也 初発刀より此処までは納るに脛を着く也

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2018年1月 1日 (月)

曽田本その1の2英信流目録読み解く1居合棒太刀合之巻6大森流居合之位7順刀

曽田本その1
2.英信流目録読み解く
居合棒太刀合之巻
 兼 大森流居合 小太刀之位
6、大森流居合之位
 
七本目順刀
 是盤坐してる前のものを切る心持奈り我其侭右より立春つと引抜か多より筋違二切也是も同之く跡者春ねへ置き逆手尓とり納ㇽなり
読み
七本目順刀(じゅんとう)
 是は 坐したる前の者を切る心持なり 我其の侭右より立 すっと引抜き 肩より筋違いに切る也 是も同じく跡は脛へ置き逆手に取り納る也

読み解く
 大森流の七本目ですから、是は無双直伝英信流の正座の部「介錯」だろうと摺り込まれています。然し英信流目録も古伝神傳流秘書も介錯らしき文言が見当たりません。

 是は、坐している前のものを切る心持ちなり、我は座したるまま、右足を踏み出して立ち上がり、スッと刀を引き抜く、肩より筋違いに切る(斜めに切る、八相に切る、真向ではなく刃筋を斜めに切る)。
是も同じく(流刀・受流の様に)刀を脛に置き逆手に取り納刀する。

古伝の神伝流秘書を読み直してみましょう。
順刀:右足を立左足を引と一処に立抜打也又は八相に切跡は前に同じ

 この神傳流秘書にある「順刀」を「介錯の仕方」として読む事は出来ません。何故ならば右足を踏み出し、左足を引くや刀を抜いて抜き打っています。此の動作は「後の先」の見事な抜打でしょう。どこかで此の順刀の意義が変化してしまったとしか思えません。


 是は、何を目的に想定した動作か解かりません、伝承された口伝口授が現在の介錯なのかと動作から推察するばかりです。
 英信流目録には「是は坐したる前のものを切る心持ちなり」と場づくりがされて居ます、それでは介錯かもしれない、と思ったりします。
 土佐の居合は介錯を頼まれたら断れと云って居ます。何故なら介錯の稽古などした事も無いと言います。それを現代居合は介錯だからとそれらしく学び、学んだのに演武会ではやってはならないと無駄な稽古をさせられています。


第17代大江正路先生の「剣道手ほどき」には大森流居合七番目は介錯と呼称されています。
介錯
 正面に向きて正座、右足を少し前へ出しつゝ、刀を静に上に抜き、刀尖が鞘と離るゝや右足を後へ充分引き、中腰となり、刀を右手の一手に支へ、右肩上にて刀尖を下し、斜の形状とす、右足を再び前方に出し上体を稍前方に屈し刀を肩上より斜方向に真直に打下して、前の首を斬る。血拭は足踏の儘六番と同じ様に刀を納む。


 これは、明らかに介錯の動作です。「前の首を斬る」とまで言っています。

 古伝は介錯らしき文言が見られません。
 その上足捌きは大江先生の介錯とは異なり、古伝神傳流秘書では「右足を立左足を引と一処に立抜打也」と抜き打ちを示唆しています。
 英信流目録の「肩より筋違いに切る也」を筋を替って斬り下すと解釈すれば、闘争の太刀裁きが見えてきます。

 この業はやはり介錯ではないかも知れない、と思い始めています。大森流居合之位七本目の業は動かぬ者を斬るでは業の構成が腑に落ちません。
  一方で、介錯される者が心の準備が出来たと察知するや、スッと立つと同時に打ち込む様な気もしています。

 そう、教えられ刷り込まれたものは簡単には抜けないものです。

 

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2017年12月31日 (日)

曽田本その1の2英信流目録原文1居合棒太刀合之巻6大森流居合之位7順刀

曽田本その1
2.英信流目録原文
居合棒太刀合之巻
 兼 大森流居合 小太刀之位
6、大森流居合之位
 
七本目順刀
 是盤坐してる前のものを切る心持奈り我其侭右より立春つと引抜か多より筋違二切也是も同之く跡者春ねへ置き逆手尓とり納ㇽなり
読み
七本目順刀(じゅんとう)
 是は 坐したる前の者を切る心持なり 我其の侭右より立 すっと引抜き 肩より筋違いに切る也 是も同じく跡は脛へ置き逆手に取り納る也
 

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2017年12月30日 (土)

曽田本その1の2英信流目録読み解く1居合棒太刀合之巻6大森流居合之位6流刀

曽田本その1
2.英信流目録原文
居合棒太刀合之巻
 兼 大森流居合 小太刀之位
6、大森流居合之位
 
六本目流刀(又流討共いふ 曽田メモ)
 是盤坐之多る所へ左横脇ゟ敵討かゝり来る也其時我ㇵ左の足を立少々前へふみ出之横二請流ㇲ心持尓て其侭右ノ足をふみ出之筋違尓切り跡盤春ねへ置キ柄を逆手尓取直之納ムル也
読み
六本目流刀(りゅうとう)(又流討共いふ 曽田メモ) (またながれうちともいう 曽田メモ)
 是は 坐したる所へ左脇より敵討ち懸かり来る也 其の時我は左の足を立て少々前へ踏み出し 横に請け流す心持ちにて 其の儘右の足を踏み出し筋違いに切り 跡は脛へ置き 柄を逆手に取り直し納るなり
読み解く
 六本目流刀は大江先生の改変された正座の部の請流(受流)でしょう。曽田先生の補足メモの「流討共いう」の業名は、私の資料からは検証できません。
 是は座している所へ敵が「左横脇」より討ち掛かって来る、左横脇とは何処からだか「左の横の脇」理解出来ません。左も横も脇も皆我が体の左からになってしまいます。まあ「そっちの方から」敵が討ち掛かり来るでどうでしょう。

 其の時我は左足を「左の足を立て少々前へふみ出し」、坐している前(正面)に左足を踏み出し、「横に」は左に請け流す心持にて(刀を頭上にかざし)そのまま右足を踏み出し(受け流されて体を崩す)敵に向き直り、「筋違いに」は真向打ち下ろしではなく、右から左下へ斜めに敵の(首あるいは肩)を斬る。
跡は刀を(右)脛へ置き、柄を逆手に取り直し納刀する。

 これは正面向きで座し居る時、左脇から斬り込まれています、左脇に座す敵が抜き打ちに上段から斬り込んで来る。
 それを左足を正面に踏み立てるや、刀を抜き上げ左肩を覆って受け流し、受け流されて体を崩した敵の方に向き直りつつ中腰になり右足を左前に踏み込み(斜め後ろに左足を引いて)八相から斜めに敵の首へ切り下ろす。跡は同じ・・。

 立ち上がらずに受け流してみました。この場合は刀を上に抜き上げ鞘を下に引いて頭上と左肩を囲うようにして一気に受け流す、むしろ摺り落すでしょう。この手の請け流しは、他流にもあるようです。

 座す方向と敵が立って切りかかる事、足捌きを真似れば全剣連の三本目受け流しです。

 古伝神傳流秘書の大森流之事六本目流刀(流討共言 曽田メモ)
左の肩より切て懸るを踏出し抜付左足を踏込抜請に請流し右足を左の方へ踏込み打込む也扨刀をすねへ取り逆手に取り直し納る膝をつく

 

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2017年12月29日 (金)

曽田本その1の2英信流目録原文1居合棒太刀合之巻6大森流居合之位6流刀

曽田本その1
2.英信流目録原文
居合棒太刀合之巻
 兼 大森流居合 小太刀之位
6、大森流居合之位
 
六本目流刀(又流討共いふ 曽田メモ)
 是盤坐之多る所へ左横脇ゟ敵討かゝり来る也其時我ㇵ左の足を立少々前へふみ出之横二請流ㇲ心持尓て其侭右ノ足をふみ出之筋違尓切り跡盤春ねへ置キ柄を逆手尓取直之納ムル也
読み
 六本目流刀(りゅうとう)(又流討共いふ 曽田メモ) (またながれうちともいう 曽田メモ)
 是は 坐したる所へ左脇より敵討ち懸かり来る也 其の時我は左の足を立て少々前へ踏み出し 横に請け流す心持ちにて 其の儘右の足を踏み出し筋違いに切り 跡は脛へ置き 柄を逆手に取り直し納るなり
 

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2017年12月28日 (木)

曽田本その1の2英信流目録読み解く1居合棒太刀合之巻6大森流居合之位5陽進刀

曽田本その1
2.英信流目録読み解く
居合棒太刀合之巻
 兼 大森流居合 小太刀之位
6、大森流居合之位
 
五本目陽進刀
 是盤正面二坐春る也右の足一足ふみ出し立なり二抜付左をふみ込ミ討込ム也春く尓右腋へ開キ其侭納ム也
 陰退刀其侭左の足を跡へ引其時亦抜付打込ミ血ふるひの時立左の足を右尓揃へ納る時右を一足引也
読み
五本目陽進刀陰退刀(ようしんとういんたいとう)
 陽進刀 是は正面に座す也 右の足一足踏み出し立つなりに抜き付け 左を踏み込み討ち込む也 すぐに右腋へ開き其の儘納む也
 陰退刀 其の侭左の足を跡へ引き 其の時亦抜付け打込み 血ふるいの時立ち左の足を右に揃え納める時右を一足引く也
参考
 古伝神傳流秘書の大森流居合之事「陽進陰退」
陽進陰退
 初め右足を踏出し抜付け左を踏込んて打込ミ開き納又左を引て抜付跡初本ニ同し
読み
陽進陰退(ようしんいんたい)
 はじめ右足を踏み出し抜付け 左を踏み込んで打込み開き納める 又左を引きて抜き付け跡初本に同じ
読み解く
 是は正面向きに座している。ここでは、「立つなりに抜き付け」です。正座の前の様に、右足を踏み込んでいますが、立ち上がって抜き付ける様に読めます。
 腰を上げ右足を踏み込むならば現代居合の正座の「八重垣」です。
 右足を踏み込み抜き付け、立ち上がりつつ、振り冠って左足を踏み込んで真向に打ち下ろします。
 すぐに右に刀を開き、其の体制の儘納刀。充分手ごたえあっての納刀でしょう。

 陰退刀の解説がなくて解かりませんが、現代居合に面影があるとすれば下がりつつ抜きつけることで、左足を後ろへ引いて再び抜き付け切り下ろす。この二度目の抜き付けは新たな敵とも、先に切り倒した敵とも何の状況説明もありません。

古伝神傳流秘書の大森流之事「陽進陰退」
「初め右足を踏出し抜付け左を踏込んで打込み開き納又左を引て抜付跡初本に同じ」

*神傳流秘書では「右足を踏出し抜付け」であって英信流目録は「右の足一足ふみ出し立なりに抜付」とは異なります。
 現代居合も、右足を踏み込み立ち上がって抜きつけてはいません。
 右足を踏み込み立ち上がって抜きつける稽古をしてみるのですが「正面に坐する也」ですから、相手も立ち上がって切り込まんとする想定です。

 大江先生の正座の部八重垣は最初に切り倒した敵が、力を振り絞って右足に切り付けてくるので、右脛を囲って敵刀を払い留め、振り冠って打ち下ろして仕留めています。
 夢想神伝流では新たな敵が切り込んで来るので、間を外して抜き打ちに斬り付け、振り冠って打ち下ろしています。この方が古伝を伝承していると思われます。

 細川義昌先生系統と思われる白石元一先生の「陰陽進退」では、「前方の敵を斬りたる後敵再び足に斬り付け来るを応じて防ぎ続いて斬り倒す意」と云って、「敵再び我が足に斬り付け来るを左足を引きつゝ刀を抜きて(刀の鎬にて)受留め防ぎたる後、左足を右足踝の所に引きよせてつくと同時に、左方より刀を上段に振り冠り、右足を出して真向に斬り付ける」

 同じく細川義昌先生系統で昭和49年発行の貫正館梅本三郎先生発行第18代尾形郷一貫心識「居合兵法無雙神伝抜刀術」の「陰陽進退」も白石居合と略同様ですが「・・刀を納めつつ右膝を跪き納め終りたる所へ(別人が向脛薙付け来る)急に立ち上り左足を一歩退くと同時に、刀を前へ引抜き切先の放れ際に左腰を左へ捻り、体は正面より左向きとなり(視線は右の対手に注ぐ)刃部を上に向け差表の鎬にて張受けに受け止め・・・」

 古伝は、一本目は抜付け(横一線の抜き付け)、二本目は真向打ち下し、三本目は抜付け、四本目は真向です。 

 此の英信流目録は安永5年1776年に第12代林益之丞政誠が書きあらわしたもので、それを後の谷村派の谷村樵夫自庸が嘉永5年1852年に書き写されたものです。
 ですからこの伝書は谷村派系統のもので現在の大森流(正座の部)の五本目八重垣はこの動作であるはずです。明治という時代の混乱か時の流れがなせるものか、業手附にも影響して「本当は」どこにあるのでしょう。

 立ち上がって抜き打ちする、座ったままで抜き打ちする。、いずれも行われていたのでしょう。
 二人目の敵に横一線に斬り付けるなのか、張り請けするのか、気力を振り絞った一人目の敵に脛囲いで応ずるなのか、自由に想定をして稽古してみます。
 現代居合では、見られない、右足を踏み出し立つなりに抜き付けて見ますが、慣れれば至極普通の事です。どれも出来て当たり前のことです。

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2017年12月27日 (水)

曽田本その1の2英信流目録原文1居合棒太刀合之巻6大森流居合之位5陽進刀

曽田本その1
2.英信流目録原文
居合棒太刀合之巻
 兼 大森流居合 小太刀之位
6、大森流居合之位
 
五本目陽進刀
 是盤正面二坐春る也右の足一足ふみ出し立なり二抜付左をふみ込ミ討込ム也春く尓右腋へ開キ其侭納ム也
 陰退刀其侭左の足を跡へ引其時亦抜付打込ミ血ふるひの時立左の足を右尓揃へ納る時右を一足引也
読み
五本目陽進刀陰退刀(ようしんとういんたいとう)
 陽進刀 是は正面に座す也 右の足一足踏み出し立つなりに抜き付け 左を踏み込み討ち込む也 すぐに右腋へ開き其の儘納む也
 陰退刀 其の侭左の足を跡へ引き 其の時亦抜付け打込み 血ふるいの時立ち左の足を右に揃え納める時右を一足引く也
参考
 古伝神傳流秘書の大森流居合之事「陽進陰退」
陽進陰退
 初め右足を踏出し抜付け左を踏込んて打込ミ開き納又左を引て抜付跡初本ニ同し
読み
陽進陰退(ようしんいんたい)
 はじめ右足を踏み出し抜付け 左を踏み込んで打込み開き納める 又左を引きて抜き付け跡初本に同じ
 

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2017年12月26日 (火)

曽田本その1の2英信流目録読み解く1居合棒太刀合之巻6大森流居合之位4當刀

曽田本その1
2.英信流目録原文
居合棒太刀合之巻
 兼 大森流居合 小太刀之位
6、大森流居合之位
 
四本目當刀
 是盤後二向て坐春る也正面へ左より廻り左の足を出し抜付春ぐ尓打込ミ血ぶるひの時立右の足を左二揃納る時左を一足引納る也
読み
四本目當刀(あたりとう・とうとう?)
 是は 後ろに向いて座する也 正面へ左より廻り 左の足を出し抜付けすぐに打込み 血ぶるいの時立ち右の足を左に揃え 納める時左を一足引き納める也
読み解く
 「當刀」は、大江先生の業名改変による「正座の部四本目後」でしょう。業名の「當刀」の刀を當(あたる、あてる、ぴたりとあてる、まともに対抗する)。後ろの敵に刀をぴたりと抜き打つ、という意味になるのでしょうか。

 是は後ろに向いて座する、正面に対して後ろ向きと言うのでしょう。そして敵に背中を見せた後ろ向きです。
 左廻りに廻って左足を踏み出し抜き付ける、すぐに上段に振り冠って打ち込むのですから
後ろに居る敵に左回りに振り向きざま抜き打ちに斬り付け、上段に振り冠って斬り下ろす。
 「血ぶるひの時立」ですから大血ぶりでしょう。血ぶるいで立ち上がる時右足を左足に踏み揃えて立つ。納刀の際は踏み出した左足を引いて納刀する。

 後ろの敵を抜き打ちに斬って、真向に打ち込んで血ぶりして納刀する、と言っているだけで
目録に覚書程度の業手附を付けて与えたとしかいい様はありません。どのように後ろに振り向くのかは、口伝口授、師の技を真似る事だったのでしょう。

 「當刀(大江先生の後)」は180度の回転技です。廻ることは出来ても、左足を踏み込んで敵に抜き付けるのは容易ではありません。敵の居ない所を切っていたり、左足を踏み込めずに手だけの力ない抜き付けであったりします。

 ここでは池田先生の正座の部後を稽古してみましょう
剣理:我れ正面に対し後ろ向きに座し、我が後方に座せる対敵に対する業にして、・・

術理:両膝を内絞りに寄せながら左手を鞘に掛け、左拇指腹を鍔に掛けると同時に、柄頭を己が人中にある様に鞘を送り出すと共に右手を柄に掛け、鯉口を切る。

 柄に右手を掛けると同時に腰を上げ、両足爪先立つ。
 次いで気を以って敵を圧する心持にて刀を抜き懸け、右膝は床に着きたるまま左膝を浮かして立てながら、右膝、左足先を軸にして左廻りに廻る。

 約90度位廻りて後敵我が視野に入りなば、刀の抜き込みの速さを早めつつ、我が体が正面に向き直る直前に於いて正面に対し45度位に柄頭を持ち来たり、その時、切先三寸迄抜き込む事(抜刀寸前)が大切である。

 我が体が正面に向き直るや否や左足を我左股関節の前に踏み込み踏み立てる。この時、右足先は右膝の後ろに在る様に動作する事に留意されたい。と同時に左敵を見定め、左手鞘を90度に反らして左鯉口手と左肘を共に後ろに退くと共に、正面に対し右45度位にて抜刀寸前(切先三寸位)迄抜き込みたる刀を抜き放ち、横一文字に斬り付ける。この場合、我が体が正面に向き直りて柄頭を正面に向けてより抜刀してはならない。

 この太字部分は第20代河野百錬先生の大日本居合道図譜に従って書き込まれたものでその術理は意味不明です。
 正面45度ほど振り向いた時切先三寸迄抜出すのは理解しますが河野先生は二本目の右で「刀身45度の所-刀を(右拳を)之より左に運ばぬ事」とされています。四本目當刀も同様とされています。
 理由も解からずに、正面45度で柄手の右拳を其の方向で固定し、体のみ正対させて、その様に抜いているのを見ますが、切先外れの抜付けになっています。
 22代は「これは対敵との位置関係及び間と間合いの関係上、斯くの如く実施する事と心得られたい」と教本に記されています。これでは理解不能です。先師の教えを踏襲されたのでしょう。
 正面に振り向くわけですから、当然柄手を左に振らずとも、体の正対に従えば柄頭は稍々右若しくは対敵の中心を攻めて抜刀されるはずです。
 河野先生の帯刀は柄頭は我が臍前中心線上が基本で、鍔が臍前中心線上ではありません。
 我が体が正面45度になった時、柄頭は正面に対し30度です、言い換えれば柄頭が正面に45度の場合、我が体は60度正面向きになっています。我が体を正対させれば、柄頭は75度正面向きで敵の中心線を攻めて抜刀されるでしょう。当然、右拳を左に運ばないが成り立ちます。
 異論として、右回転では途中で敵に柄を制せられるとか、河野理論に都合の良い事を述べられる方も有ります。もともと対敵との位置関係、間合いから土佐の居合は柄を制せられる可能性が高いもので、稽古はよしとしても実戦抜刀術としては工夫が必要です。

 両足爪先立つ時、両足は其の場にて爪立つ方が良い。両足を開いて爪立つ場合、我が正面に向き直りたる時、左足を踏み込み立てる動作が不完全になる。即ち、向き直りたる時、早や左足を踏み立てたる状態になっている為、斬り付けは手のみで斬る姿となり、踏み込み踏み立てると同時に斬り付けると言う斬り付けの勢を殺ぐ事になりかねない。

 この両足を揃えてその場で爪先立てば、左足を一旦右足に退き付けてから踏み立てる無駄がありません。古参の方はこの一旦引いてから踏み立てています。左足は回転しながら右膝に引き付けられている工夫が必要です。
 後ろ向きに座って、大股開きで始めるのは見苦しいものです。後ろ向きでの爪立が美しくありたいものです。

古伝神傳流秘書による大森流居合之事「四本目當刀」

 左廻りに後へ振り向き左の足を踏み出し如前

 「左廻りに後ろへ振り向き」ですから、相手は我が後方に座し、左廻りに後ろに振り向き左の足を踏み出し抜付け打込む。

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2017年12月25日 (月)

曽田本その1の2英信流目録原文1居合棒太刀合之巻6大森流居合之位4當刀

曽田本その1
2.英信流目録原文
居合棒太刀合之巻
 兼 大森流居合 小太刀之位
6、大森流居合之位
 
四本目當刀
是盤後二向て坐春る也正面へ左より廻り左の足を出し抜付春ぐ尓打込ミ血ぶるひの時立右の足を左二揃納る時左を一足引納る也
読み
四本目當刀(あたりとう)
 是は 後ろに向いて座する也 正面へ左より廻り 左の足を出し抜付けすぐに打込み 血ぶるいの時立ち右の足を左に揃え 納める時左を一足引き納める也

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2017年12月24日 (日)

曽田本その1の2英信流目録読み解く1居合棒太刀合之巻6大森流居合之位3右刀

曽田本その1
2.英信流目録読み解く
居合棒太刀合之巻
 兼 大森流居合 小太刀之位
6、大森流居合之位
 
三本目右刀
 是盤左脇へ向て坐春る也右へ廻り右の足をふミ出之抜付春く尓討込血ぶるひの時左の足を右尓揃納る時右を一足引納ㇽ也
読み
三本目右刀(うとう、みぎかたな)
 是は 左脇へ向て座する也 右へ廻り右の足を踏み出し抜付け 直ぐに討ち込み 血ぶるいの時左の足を右尓揃へ納める時 右を一足引き納める也
読み解く

  この業は敵の左脇に我は座す、ですから、道場の正面向きの場合、左向きに我は座し敵は右側に居ます。
 古伝は対敵を意識した業名です、大江先生の場合は場の正面に対し我の座す方向を元にした業名です。
 なぜ業名まで変える必要があったか、大江先生に直接お聞きしたいものです。
 この業名は無双直伝英信流では「正座の部左」で、これによって左向きに坐し右に敵を受けています。

 明治維新と云う王政復古の中で、徳川幕府時代の物事を極端に否定して新生日本を推し進めようとした時の指導政権に土佐は大きく貢献しています。
 太平洋戦争敗戦後の日本人の行動にも戦前を否定するものもあるように、前のものを否定し新たなものを生み出すという事かも知れません。

 敵有りきではなく、まず我有り、と云う意識を中学生達に示したかったからかも知れません。
時代はむしろ「敵有りき」に「敵を求め」て行ったようです。

 私は何処を向いていようとも「彼の左側に坐している時、彼が仕掛けてくるので・・」の方が我が軸がぶれずに良いな、とも思っています。


是は我は敵の左側に、同じ方向を向いて座している、我は右に廻って右足を踏み出し抜き付け、すぐに振り冠って打ち込み、血振るいし、右脚に左足を引き付け、納刀の時右足を一足引いて納刀する。

無双直伝英信流居合道解説(無双直伝英信流居合道第22代宗家著)正座の部の三本目「左」で英信流目録大森流居合之位右刀を再現してみましょう

剣理:我れ正面に対して左向きに座し、我が右側に座せる対敵に対する業にして(対敵も同様左向きに座したる状態にある)第一本目「前」と同意義也。然して第一本目と同じ態にて実施する。

術理:両膝を内に寄せながら左手を鞘に掛け、左拇指腹を鍔に掛けて柄頭を我が正中線に二~三寸送り出すと共に右手を柄に掛け鯉口を切る。
 それと共に柄頭に引かれる心持ちにて腰を上げ、両爪先立つや否や、右膝を浮かしつつ立てながら、左膝はそのまま着きたる状態にて左膝・右足先を軸にして、気を以って敵を圧する心にて徐々に刀を抜きながら右廻りに正面(我が右側に座する敵の方)に廻る。
 正面に向き直るや否や直ちに右足を踏み立てて横一文字に斬り付ける・・以下省略。

 正座の部前・右・左と三本目にも拘わらず詳細な術理のテキストです。
 文章によって、ここまで詳細に動作を付けられたテキストは従来もありません。
 口伝口授を良い事に抜けだらけのテキストでは何時までも、師匠の癖だらけの動作に縛られてしまいます。

 修行が進めば進むほど、宗家としてここまで詳細に書かれた意図を思い読み直しその心を思います。
 その上で己の体の歪に気づき直せるものは直し、無理があればそこから自分流を生み出すものでしょう。
 そして師匠に問うものでしょう。

 ある道場での事、「俺は技も心も直に指導を受ける師匠がすべてである、お前は、講習会やDVDとテキストで学んだ業技法を優先する、武道を学ぶ資格は無い」と剥きになって古参の方が研究熱心な後輩を攻めています。この古参の方の言いたい事は「段位や所属年数の高い者には、何事も黙って従え、長幼の序を持って敬い、礼を失するな、教わったことだけをやっていればいい」というのでしょう。その古参どう見ても、師匠の業技法も心も持ちあわせずに、どこかの古い戦前の武道書の一節を言うだけの方のようです。

 武道界は、戦時中の面影を強く残しています。柔道界の不祥事もその一端でしょう。
 「上官には逆らわず、言いなりになって死ぬことが国や肉親を思う事」・・・。やれやれそこまで「かび臭く」はなりたくないものです。

 五輪強化選手に選ばれたの優秀な人を相手に「お前の変わりは幾らでも居る」というような監督の発言はまさに戦時中の日本軍のカビです。

 古参・高段位であればあるほど人一倍の修行をすべきものでしょう。
 号令を掛けて悦に入っていたり、道場の隅でサボって品評会をしていたり、昔習ったと言う事に固執して勉強もしないようでは、何が・・です。

 師匠が進化しているのに弟子ばかりが昔の習いに固執して、研究もしない様では呆れてしまいます。
 そんな弟子を持った師匠も哀れです。

 4歳の幼児が古伝の剣術を習いに来ています、見よう見まねで打ち込んでいます、見事に左右に筋を変えて、古流の動きが出来ています。

 そこの師匠は「あの子は私の先生である」

 人は真似ることで、知恵を得て進化してきました、より高いものを求めるには先ず真似てとことんやってみる事でしょう。
 子供だからとか、初心者だからとかで、見下したり、否定から始まる人生では面白くもないものです、幼児には戻れなくとも幼児の向上心はいつまでも持ち続けたいものです。

この子は、今、楽しそうに、大人に混じってモップを押して道場を走っています

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2017年12月23日 (土)

曽田本その1の2英信流目録原文1居合棒太刀合之巻6大森流居合之位3右刀

曽田本その1
2.英信流目録原文
居合棒太刀合之巻
 兼 大森流居合 小太刀之位
6、大森流居合之位
 
三本目右刀
 是盤左脇へ向て坐春る也右へ廻り右の足をふミ出之抜付春く尓討込血ぶるひの時左の足を右尓揃納る時右を一足引納ㇽ也
読み
三本目右刀(うとう、みぎかたな)
 是は 左脇へ向て座する也 右へ廻り右の足を踏み出し抜付け 直ぐに討ち込み 血ぶるいの時左の足を右尓揃へ納める時 右を一足引き納める也

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2017年12月22日 (金)

曽田本その1の2英信流目録読み解く1居合棒太刀合之巻6大森流居合之位2左刀

曽田本その1
2.英信流目録読み解く
居合棒太刀合之巻
 兼 大森流居合 小太刀之位
6、大森流居合之位
 
二本目左刀
 是盤左脇へ向也坐春る也ヒタリへ廻り左の足を一足ふみ出抜付春く尓打込亦血ぶるひを之て立時右の足を左尓揃納る時左を一ト足引納ㇽ也
読み
二本目左刀(さとう、ひだりとう、ひだりかたな)
 是は 左脇へ向く也 坐する也 左へ廻り左の足を一足踏み出し抜付け 直ぐに打ち込む 亦 血ぶるいをして 立つ時右の足を左に揃え 納める時左を一足(ひとあし)引き納める也
参考
古伝神傳流秘書大森流之事二本目左刀
左刀
 左の足を踏み出し向へ抜付け打込み扨血震して立時足を前之左の足へ踏み揃へ左足を引て納める以下血震する事ハ足を立替へ先踏出したる足を引て納る也
読み
左刀(さとう)
 左の足を踏み出し向うへ抜付け打込み扨血振るいして立つ時足を前の左の足へ踏み揃え左足を引いて納める 以下血振いする事は足を立替え先ず踏み出したる足を引いて納める也

読み解く

 是は正面に対し、右側に向いて座る。左へ廻り左の足を踏み出して抜き付け、すぐに打込み、血振るいして立ち上がる時は左足に右足を引き付け揃える。納刀の際は右足を一足引いて納刀する。

 この、英信流目録の大森流居合之事左刀は、「左へ廻り左の足を踏み出して抜き付け」です。

 「古伝神傳流秘書大森流居合之事左刀」では左へ廻らず、正面向きの儘で左足を踏み出し、抜きつけています。


 「左の足を踏み出し向へ抜付け」をやってみます。正面に向いて座し、左足を踏み込んで正面の敵に抜付ける。
 初発刀は右足を踏み出し正面に抜付ける、二本目の左刀は左足を踏み出し正面に抜きつける。
 何の不思議も無いのですが、正面の相手に右足だ左足だと踏み込み足を変える業技法を稽古させている様です。左刀とは踏み込み足をさして言っているか、敵は我の左側に坐すというのでしょう。

 英信流目録の大森流之位左刀は右向きに座り、左回りして左の敵を切る業に変わっています。神傳流秘書の文言が抜けているのか意図的なのか知るすべはありません。

 古伝神傳流秘書の「大森流左刀」は、大江先生の改変によって「正座の部右」となっています。
 大江先生の右は、正面に対し自分が右向きに座っている場合の業で敵は左に居るというものです。
 対敵意識を持つ古伝を、演武の場所から絞った言い回しに変えた理由はなんなのでしょう。中学生向きにとも思いたいのですが、その必要は無いでしょう、判りません。

 大江先生の改変と言われる事に疑問を感じて居ます。江戸末期から明治に懸けての混乱期に多くの事が失伝したかも知れません。大江先生はそれを掘り起し整理されたのかも知れません。
 或いは、大江先生は若いころに居合を齧っただけで、充分認識しないまま、明治という混乱期に、居合が曲がりなりにも出来る者が土佐を離れて中央で働き、たまたま人手不足の土佐の指導者に祀られたのかも知れません。然しそのことを記すものも、弟子の方々も大江先生の改変と云うだけでそれ以上は何も語られて居ません。
 私が大江先生を批判する様な文章を書くので気に入らないと仰る方がおられます。訳も無く神様呼ばわりするほど、へそ曲がりではありません。
 それ程崇めたいならば、大江居合を徹底的に稽古されればと思うのですが、そんな人に限って当代の居合すら碌に学ばないもので、如何なものでしょうか。

 

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2017年12月21日 (木)

真玉泥中異

 平成30年の書初めの言葉を景徳伝燈録から「真玉泥中異」を選んでみました。

 読みは「しんぎょくでいちゅうにいなり」、本物の宝石ならば泥の中にあっても輝くものだ、と読まれます。

 上海で個展を開いて来た元美術の教授であった造形作家の作品が地元の方の心に響いたのでしょう。
 作品に入り込んで一体となって嬉しそうにVサインを送っているご婦人。その向こうで、次は「わたしが作品に入る」と真剣な顔をして順番待ちする幼い子供。
 作者と嬉しそうに作品の中で一緒に記念撮影する人。

 ライブなどでは演奏者や歌手と観客が一体となって楽しんでいる状況が普通に見られるのですが、造形作品と一体というのもめずらしくそれも中国の方達とです、同じ感情なのでしょう。

 芸術作品は静かに鑑賞するものとばかりの、お堅いお人には理解できないでしょう。
 その作品には「どうぞご一緒にこの宇宙にお入りになりませんか」という、何かいつもと違う、誘ってくれるやさしさと暖かさがあったのです。

 芸術作品は、ともすると投機の材料とされ、そのものの持つ価値よりも金が絡んだ評価が優先されてしまうものです。それに名士が絡めば万々歳です。それが芸術作品がそのもの以上に権力のネタに扱われる格好の材料でもあるのでしょう。遠い昔、正宗の刀と鑑定されたものが恩賞として政治に巻き込まれたこともうなずけます。

 一方、心に残る作品は、どんなへぼでも人には大切な名品になってしまうものです。先祖の残した素焼きの「かわらけ」一つにも、今の自分を大切に思ってくれる家族を思い、心は和むものです。世に云う名品でも其の時の我が心とアンマッチならば置き捨てられてしまうものです。

 或る忘年会での事、「おっさん」がそんな会話に割り込んで来て、中国と日本が過去にどうだったか、日本は何をし、中国は何を思って居るか。或は戦後の教育が進駐軍の言いなりにされ、その片棒を政府も日教組も当然学校の先生達も担いでいた、そんな世界に居たものなど中国人との芸術を語る権利はない、まして政治と芸術作品に依る忖度など口にする権利も無いと言ってわけのわからぬことで粟を吹いています。

 この「おっさん」の歴史的な考察は間違ってもいない処も有るでしょう。戦前、戦後日本人は或る種の引力に引きずられ、洗脳され本質を失っていたか、自分を出せば「己の居る場所が無かった」ともいえるものです。
 当然この「おっさんも」そんな両親や、先生に育てられたにすぎません。その上、「おっさん」は、この芸術家を否定する程の何かをしている様子は有りません。
 「おっさん泥中泥」かな、余計な所に口を挟んでいないで己の「真玉」を全力を投じてみては、と思うばかりです。

 今更、「おっさん」が自覚して、日本の行政も、片棒担いだ教育者も間違っていたと「ほざいて」見ても、元教授を否定しても意味の無い事です。歴史上の過ちを知ったならば、自分は今何をしているかが大切なことでしょう。

 この造形作家は、中国の人と作品を媒介に利害関係なしに「和」する心を分かち合えた事は貴重な事だと思えるのです。そこから、新しい交友が芽生えていくことを期待したいと思います。
 
 何処に居ても、何をしていても「輝いていなければ本物ではない」そのためには「何処でも,いつでも全力を出す」、評価は他人がする事であっても、自分は信じたことを貫き通す。
 口先ばかりで何もせず、廻りが悪いと言ってみても、他人のあらをほじくってみても何も変わらず、取り残されるばかりでしょう。

 そう言えば、この「おっさん」居合をやっているのですが、最近膝が痛いだのと言って稽古に出て来ない上に「あんな指導者の居合はやってられない」と言って居る。
 「あんな指導者の70年をこえる居合」をとことん研究した形跡も見られないのに・・・膝痛など、へぼな体の使い方に由来するに過ぎず、真玉と独りよがりは別物です。

 新年を迎えるに当たり、厳しい時代が押し寄せて来る気配を感じます。「何時如何なる変にも応じるられる」柔軟な心と体を「習い・稽古・工夫」して、真っ直ぐ信じた道を歩きたいものです。

 それには、「一行三昧」に、是で良いと思わずにより上を目指し。
 「下載清風」を知り、死に物の形に拘り、力むばかりの余計なものを下ろし。
 「帰家穏座」 何時も本物とはと考えながら、穏やかに座すようにしたいものです。

 
 
 

 
 

 

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曽田本その1の2英信流目録原文1居合棒太刀合之巻6大森流居合之位2左刀

曽田本その1
2.英信流目録原文
居合棒太刀合之巻
 兼 大森流居合 小太刀之位
6、大森流居合之位
 
二本目左刀
是盤左脇へ向也坐春る也ヒタリへ廻り左の足を一足ふみ出抜付春く尓打込亦血ぶるひを之て立時右の足を左尓揃納る時左を一ト足引納ㇽ也
読み
二本目左刀(さとう、ひだりとう、ひだりかたな)
 是は 左脇へ向く也 坐する也 左へ廻り左の足を一足踏み出し抜付け 直ぐに打ち込む 亦 血ぶるいをして 立つ時右の足を左に揃え 納める時左を一足(ひとあし)引き納める也
参考
古伝神傳流秘書大森流之事二本目左刀
左刀
 左の足を踏み出し向へ抜付け打込み扨血震して立時足を前之左の足へ踏み揃へ左足を引て納める以下血震する事ハ足を立替へ先踏出したる足を引て納る也
読み
左刀(さとう)
 左の足を踏み出し向うへ抜付け打込み扨血振るいして立つ時足を前の左の足へ踏み揃え左足を引いて納める 以下血振いする事は足を立替え先ず踏み出したる足を引いて納める也

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2017年12月20日 (水)

曽田本その1の2英信流目録読み解く1居合棒太刀合之巻6大森流居合之位1初發刀

曽田本その1
2.英信流目録読み解く
居合棒太刀合之巻
 兼 大森流居合 小太刀之位
6、大森流居合之位
 
一本目初發刀
 平常之如く坐之居ㇽ也右の足を一足婦ミ出抜付討込亦左の足を出之右尓揃へ血ぶるひをして納むる也血ぶるひの時立也右を引納ㇽ也
読み
一本目初發刀(しょはっとう)
 平常の如く坐し居る也 右の足を一足踏み出し抜付け討ち込む 亦 左の足を出し右に揃へ 血ぶるいをして納むる也 血ぶるいの時立つ也 右を引き納むる也
読み解く
 平常の如く座している。右足を踏み出して抜き付け、その足のまま振り冠って討ち込む。左足を右足に揃えて立ち血振るいをし、右足を引いて刀を納める。

 「平常の如く坐し居る」ですが、正座とも立膝とも書かれていません。

 古伝神傳流秘書の大森流之事初発刀を読んでみます。
「右足を踏み出し向へ抜付け打込み扨血震し立時足を前の右足へ踏み揃へ右足を引て納る也」

 神傳流秘書は随分簡単に書かれています。英信流目録の方がはるかに克明です。これも座仕方の説明はありません。

 この英信流目録の原本は安永5年1776年に書かれています。江戸幕府は慶長8年1603年に開かれています。幕府が開かれてから173年も経ち10代将軍家治の時代です。
 立膝の方法はかなり古そうですが、正座は江戸時代に入ってから、武家の正式な座し方になったとも言われています。
 座り方など特に決まりがなければ如何様にも座れます。
 「平常の如く坐し居る」と言えば、この安永5年頃ならば正座の坐し方が、殿中では十分浸透した武士の座し方と言えるかもしれません。
 大森流は正座と思い込んでいますから、何の疑いもなく「正座」しますが「平常の如く・・」と改めて読むと「さてどのように座ろうか」と思ってしまいます。

 此処は同時代に書かれた「童蒙初心之心持」の動作をよく研究してみます。
 
この伝書は木村栄寿先生の「林崎抜刀術兵法夢想神傳重信流」に記載されているもので庚申5月(1860年万延3年)に下村定から島村義郷に伝授したものです。転載禁ずですがこの道の正しい継承の為にご容赦ください。

 「刀を差し体を真っ直ぐ腰腹の抜けない様に着座し両手を膝に置く。
 正面に対座する敵を見定める心持で、息を吐くにつれて左右の手を刀に掛けるや抜き出す。
 右手の柄掛は柄の平部分より何となく柔らかに掛け、糸を繰り出す様にするすると抜き出し、切先が鯉口を離れる間際に鞘を左に返し、柄の握りが自然と納まる所に納まるや、小指・薬指を次第に締めて、左の肩腰共後ろへ捻り開き、右の肩はぐっと締めて、顎を引いて俯けにならず、のびやかにして、右手の力六分左手の力四分の心持ちで何の懸念も無く左右の手で引き分けて抜き付ける。

 抜き付けた時は、体は胸を張り、腹を出し、半身ならず正面向きにならず、いわゆる三角の曲尺(まがりかね)で半開半向となる。
 さて抜き付けの際、顔色に今から抜くぞとばかりに柄を握り抜き出すなど甚だ悪く、何事も無き様に柔和に抜き出すべし。

 抜き付けは臍の底に心を鎮め、敵の乳通りを無心に抜き付けるもので、敵が屈んで脛を立てた時は我も同じと心得、抜き付けた刀は肩から拳刀の切先へと水走りするものとする。しかし、水が滞り無く流れてしまうように切先が下がり過ぎてはいけない。この処は筆に述べ難い。

 左右の足は真直ぐに踏み、後ろの脛が床から浮かないように。前の脛が内側に倒れては甚だ弱くなる。

 抜き付けの、切り上げる様な、かまぼこの様な刃筋は鞘の引き方に問題が有るので充分工夫すべきだ。

 業のポイントは第一に目付けである。首を左へ傾けて抜き付けた刀を覗き見するようにしていてはいけない。気脈が切れてしまう。打ち込むまでは敵の面より拳を見、打ち込みに連れて斬り付けた所へ目を移していくものだ。納刀が終わり座を立つまで目付けは敵に付けておく事。

 振り冠りは後ろ足を進める心持で冠り込む、切先倒さず左の肩の上へ突き込む心持で、冠る拍子に拳を下げるのは気脈が切れるようで甚だ悪い。振り冠った時ちょっと上目使いするのも気脈の切れるのでよくない。

 打ち込みは手の内を柔らかに冠り、体をよく伸ばし腰に気を入れ、小指より順に締めて打ち込む。刃筋狂わず、強く打ち込むのがよい。

 右手が勝って右の小鬢より打ち込んでいるのは曲芸と言うものだ。拳を揃え絞まりよく調えば刀刃は真直ぐに下りて切れ心知よい。」


 この童蒙初心之心持を読んでいますと、昔から同じ事を言われていたのかと少しも変わらない修行途上の事をほほえましく思います。

 童蒙とは初心者の事で、「初心の者への修行の考慮の一助になればとあらましを書いた」、としています。
 大いに参考になるもので、原文のままでも十分意味は伝わってきます。

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2017年12月19日 (火)

曽田本その1の2英信流目録原文1居合棒太刀合之巻6大森流居合之位1初發刀

曽田本その1
2.英信流目録原文
居合棒太刀合之巻
 兼 大森流居合 小太刀之位
6、大森流居合之位
 
一本目初發刀
 平常之如く坐之居ㇽ也右の足を一足婦ミ出抜付討込亦左の足を出之右尓揃へ血ぶるひをして納むる也血ぶるひの時立也右を引納ㇽ也
読み
一本目初發刀(しょはっとう)
 平常の如く坐し居る也 右の足を一足踏み出し抜付け討ち込む 亦 左の足を出し右に揃へ 血ぶるいをして納むる也 血ぶるいの時立つ也 右を引き納むる也

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2017年12月18日 (月)

曽田本その1の2英信流目録読み解く1居合棒太刀合之巻5小太刀之位6上段ノ弛

曽田本その1
2.英信流目録読み解く
居合棒太刀合之巻
 兼 大森流居合 小太刀之位
5、小太刀之位
 
六本目上段ノ弛
是盤敵ハ上段也我盤小太刀をひっさげ相懸り尓て春可〵と行場合尓て敵片討二打所を我行でも奈之行ぬでも奈し気のつり合尓て春っかりと弛之上より討込なり
読み
六本目上段ノ弛(じょうだんのはずし)
 是は 敵は上段也 我は小太刀をひっさげ相懸かりにてスカスカと行く 場合にて敵 片討ちに打つ所を 我れ行でもなし 行かぬでもなし 気のつり合いにてすっかりと外し 上より討ち込む也
読み解く
 この「上段ノ弛」は敵は上段、我は無形の位に小太刀をひっさげて、相懸りにすかすかと歩み寄る。
 間境で敵、我が真向を片手打ちに打って来る、我は敵が空を打って来るのに付け入って行くでもなく、間を外すでもなく、「気の釣合」にて、上体を少し引いて「すっかりと弛し」、同時に上段に振り冠って右足を踏み込み真向に打ち込む。

 相手は、我れが小太刀であり太刀との差を意識して、「片討」とはどのようにするのか分かりかねますが、恐らく遠間から左手を柄から外して右手の片手打ちに大きく打って来るのでしょう。
 聊か間遠いと見てふっと前に乗り出すようにして、敵の打ち込みを誘う様にし、すっと引くような気を発して敵の打ち込みを誘う。
 敵が吊られて打ち込むのを、外すや太刀が空を切るや透かさず小太刀を振り冠って、筋替わりに左足、右足と大きく踏み込んで真向に打ち込む。
そんな、間の見切りを稽古してみました。

 これで英信流目録に残された小太刀之位六本を終わります。
この英信流目録は、谷村派の第十二代林益之丞政誠によって安永五年1776年に書かれたものです。
 しかし、その奥書に「林 政誠 干時安永五年 冬十月吉日改之」と有ります。その事は、この英信流目録は林益之丞政誠が、先師の第11代大黒元衛門清勝か第10代林安太夫政詡によって書かれたものを書き改めたのか、自らの記述を改めたのか判りません。
 ここでは、第12代林益之丞政誠に依って書かれたものとします。

 その理由は神傳流秘書より、業手附が具体的でなお多少ぶれがあり、第九代林六大夫の息吹が薄れていると思う事で第十代林安太夫政詡の記述とは思えないのです。
 更に第十代林安太夫政詡は安永五年1776年8月10日に亡くなっています。此れは「林 政誠 干時安永五年 冬十月吉日改之」ですから同年10月に林益之丞政誠の「改め書」であると判断いたします。
 それを嘉永五年1852年に谷村派の第十五代谷村亀之丞自雄が書き写したものです。更に、昭和に入って下村派の曽田虎彦先生が書き写したとされます。昭和23年には曽田先生は河野先生にこの写しを送られています。

 神傳流秘書に無い小太刀之位なので、第九代林六太夫守政が江戸で第八代荒井勢哲あるいは第七代長谷川英信から伝授されたものでは無い気がします。江戸時代末期に何処かの流派のものが紛れ込んだと思われます。

 小太刀之位は昭和30年に河野先生が曽田先生の写本を元に「無双直伝英信流居合術叢書」を出され公開されました。
 現在では相当の大家と称する方でも、本の存在を含めて小太刀之位を知らず、ましてそれを演じたのを見た事もないのです。

 古伝神傳流秘書の大剣取と合わせて小太刀之位は残しておきたいものです。
 これらの古伝には現代風のマニュアル化された動作はありません。手附を紐解き動作を付ける事の難しさは、江戸時代の武士の心得のある者には容易に出来た事でも、現代では失念した身体操作を呼び覚まさない限り難しいものです。

 このブログを目にする事の出来る居合人は、高段位の方ではごく少なくPC操作の出来ない世代の方には不可能なことです。
 若い方々が自ら掘り起こす以外に神傳流秘書の居合は伝承されることは無いでしょう。
 土佐の居合は総合武術であったにもかかわらず、他流の方法を取り入れてしまった先生や道場は幾つもあるようです。神傳流秘書の手附を学び江戸時代の業に戻って見る事も良いのではと思う次第です。

 然し、読めない、読めても意味が解らない、読んでも、居合しか知らない為にどの様にしたらよいか解らない、動画がないから出来ない、誰かその道の大家の指導が無ければ出来ない、ないない尽くしの現代人に古伝を継承出来るか覚束ない。
 この道を志すならば、伝統ある古流剣術の本物を目指す先生の教えを乞い、それを学ぶと同時に、古い時代の文字や言葉も学ぶ覚悟がないと難しそうです。伝統とはそういうものでしょう。

 私は、幸い志す仲間に恵まれました。幾人かで知恵を出し合いグループでものにする「輪」の組織も必要です。
 段位や所属年数などによるカビの生えた「和」の組織では無理と考えます。

 武術は、「人と人が互に己の信じた事を貫くために行使する最終手段である」はずです。そして、戦わずに和する事を学ぶものです。

 明治以降に武術が分割、文断されて独立した技術ばかりが目につきます。それでも、得意とする武術を持つ人が集えば古伝は幾つも理解されていくはずです。

 新しい時代は、道場間の壁を越え当然師匠の懐からも顔を出し、部門の壁を越えた繋がりが古に導いて呉れる筈と信じて居ます。

 それを後ろから見守り、急げと応援する心が無ければ、現代の若者を揶揄する資格すら、年寄りにはないものと信じます。

 まして明治以降の先師の書き残したものすら、公にするなという考え方では、武術はどんどん演武会用の踊りになってしまう筈です。

 河野先生も「私の足らざる所を補足して呉れる様な熱意ある研究家を待つ次第である」と結ばれています。

 是は無双直伝英信流居合兵法叢書の自序にある思いで、資料をもっと集めてほしいと云って居るばかりでなく、古伝と現代居合に根本的違いは認めがたいとも仰っています。

 小太刀之位を終わります。

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2017年12月17日 (日)

曽田本その1の2英信流目録原文1居合棒太刀合之位5小太刀之位6上段ノ弛

曽田本その1
2.英信流目録原文
居合棒太刀合之巻
 兼 大森流居合 小太刀之位
5、小太刀之位
 
六本目上段ノ弛
是盤敵ハ上段也我盤小太刀をひっさげ相懸り尓て春可〵と行場合尓て敵片討二打所を我行でも奈之行ぬでも奈し気のつり合尓て春っかりと弛之上より討込なり
読み
六本目上段ノ弛(じょうだんのはずし)
 是は 敵は上段也 我は小太刀をひっさげ相懸かりにてスカスカと行く 場合にて敵 片討ちに打つ所を 我れ行でもなし 行かぬでもなし 気のつり合いにてすっかりと外し 上より討ち込む也
 

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2017年12月16日 (土)

曽田本その1の2英信流目録読み解く1居合棒太刀合之巻5小太刀之位5下段ノ弛

曽田本その1
2.英信流目録読み解く
居合棒太刀合之巻
 兼 大森流居合 小太刀之位
5、小太刀之位
 
五本目下段ノ弛
 是者敵者さして待也我ㇵ小太刀をひっさげ春可ヽと行也敵其所を抜付の如く抜付亦タ春く尓両手尓て一足婦ミ込ミ左の下をなくる也我其所を足を引春っかりと弛之敵亦上より討所を請流之勝也
読み
五本目下段ノ弛(げだんのはずし)
 是は敵は差して待つ也 我は小太刀を引っ提げ スカスカと行く也 敵其の所を抜付けの如く抜付け 亦 直ぐに両手にて一足踏み込み 左の下をなぐる也 我其の所を足を引きすっかりと弛し 敵亦上より討つ所を請流し勝也
読み解く
 是は、敵は太刀を腰に差して待つ、我は小太刀を右手に持ち、切先を下にして無形之位でスカスカと歩み行、相手は我れが間境を越えると見るや「抜付の如く」に抜付て来る。
この「抜付の如く」の業は何を指すのか、手付けの文章では解りません。
 
 抜付そのものを解説したものも見当たりませんので、此処は横一線にがま口に抜き付ける土佐の居合の抜き付けを想像しておきましょう。
 この抜付は空振りして我を牽制するのでしょう。我がふっと立ち止まる処、直ぐに左手を柄に添え両手で、一歩踏み込んで我が左から出足を薙いでくる。
 神傳流秘書の抜刀心持之事の「向払」の要領でしょう。現代居合の奥居合居業の「霞」の返す刀を両手で行うのでしょう。
 我は後足を引き、前足を連れ足に引いて相手の薙いで来る太刀を「すっかりと弛し」、外されて相手は、すぐさま上段に振り冠って我が真向に打ち込んで来る処、小太刀を顔前頭上に左肩を覆う様に上げ、相手太刀を請けるや腰を捻って左に請け流し、右足を右前に踏み込んで相手の首を打つ。この請け流しも、筋を替って逃げ流しにせずに、敵の打ち込みを、敵の懐に入る様に付入って敵太刀の打ち下ろされる鍔際近を下から突き上げる様に請けて、其の拍子に左腰を捻って流す事です。

 此の業は相手の横一線の抜き付け、切返して下に斬り付け、上段よりの真向打ちを躱す業です。正確な間積りを身に付けるには良い業です。

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2017年12月15日 (金)

曽田本その1の2英信流目録原文1居合太刀合棒太刀合之巻5下段ノ弛

曽田本その1
2.英信流目録原文
居合棒太刀合之巻
 兼 大森流居合 小太刀之位
5、小太刀之位
 
五本目下段ノ弛
是者敵者さして待也我ㇵ小太刀をひっさげ春可ヽと行也敵其所を抜付の如く抜付亦タ春く尓両手尓て一足婦ミ込ミ左の下をなくる也我其所を足を引春っかりと弛之敵亦上より討所を請流之勝也
読み
五本目下段ノ弛(げだんのはずし)
 是は敵は差して待つ也 我は小太刀を引っ提げ スカスカと行く也 敵其の所を抜付けの如く抜付け 亦 直ぐに両手にて一足踏み込み 左の下をなぐる也 我其の所を足を引きすっかりと弛し 敵亦上より討つ所を請流し勝也

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2017年12月14日 (木)

曽田本その1の2英信流目録読み解く1居合棒太刀合之巻5小太刀之位4當中剱

曽田本その1
2.英信流目録読み解く
居合棒太刀合之巻
 兼 大森流居合 小太刀之位
5、小太刀之位
 
四本目當中剱
 是も敵ハ上段二構ゑる也我ハ小太刀をひっさげ中と二待也敵春可〵と来りて我可首のあたりを左り右と討チ亦下タを討也其所尓て我足をそろゑ春っ可りと弛ㇲ敵亦面より打所を十文字二請流之勝也
読み
四本目當中剱(とうちゅうけん)
 是も敵は上段に構える也 我は小太刀を引っ提げ中途に待つ也 敵スカスカと来たり我が首の辺りを左り右と討ち 亦下を討つ也 其所にて我足を揃えスッカリと外す 敵亦面より打つ所を十文字に請流し勝也
読み解く
 是も、敵は上段に構える。我は右足を前にして小太刀を引っ提げ無形の構えとなる、双方歩み寄る途中で我は左足出た時立止まり敵を待つ、敵はスカスカと間を詰めて来て、上段から我が首の辺りを左肩、右肩と切り返して討ち込んで来る。我は、左足を引いて右半身となって筋を替えて外し、更に右足を引いて左半身となって其の打ち込みを外す。
 相手はそこで、今度は低く我が左足を打って来るので、左足を引いてすっかりと外す。
相手外されて上段に振り冠って我が面に打込んで来るのを、右足を踏み込み小太刀を顔前頭上に左肩を覆う様にして相手の太刀を十文字に請けるや腰を左に捻り受け流し、左足を右足の後方に摺り込み右半身となって片手上段から相手の首を打つ。
 左足前で敵を待つとしましたが、両足揃えたハの字立ちでも、右足前でも同様に応じられるでしょう。

 「小太刀をひっさげ」というのは、小太刀を右手に持ち、切先を下げ、右足爪先の線上あたりに付け、左手もぶらりと自然に下げて、自然体に立ち、構えのない無形を指すのでしょう。

 「當中劔」の読みも意味することも分かりませんが、なんとなく業を感じさせる業名のように思えます。

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2017年12月13日 (水)

曽田本その1の2英信流目録原文1居合棒太刀合之巻5小太刀之位4當中剱

曽田本その1
2.英信流目録原文
居合棒太刀合之巻
 兼 大森流居合 小太刀之位
5、小太刀之位
 
四本目當中剱
 是も敵ハ上段二構ゑる也我ハ小太刀をひっさげ中と二待也敵春可〵と来りて我可首のあたりを左り右と討チ亦下タを討也其所尓て我足をそろゑ春っ可りと弛ㇲ敵亦面より打所を十文字二請流之勝也
読み
四本目當中剱(とうちゅうけん)
 是も敵は上段に構える也 我は小太刀を引っ提げ中途に待つ也 敵スカスカと来たり我が首の辺りを左り右と討ち 亦下を討つ也 其所にて我足を揃えスッカリと外す 敵亦面より打つ所を十文字に請流し勝也

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2017年12月12日 (火)

曽田本その1の2英信流目録読み解く1居合棒太刀合之巻5小太刀之位3中請眼

曽田本その1
2.英信流目録原文
居合棒太刀合之巻
 兼 大森流居合 小太刀之位
5、小太刀之位
 
三本目中請眼
と申ㇵ是も敵ㇵ上段尓かまゑる也我盤小太刀をさ之出し切先を敵の真ミ合へさし付ヶ行也場合尓て敵拝ミ討尓打也我其所を上へ春つかりと弛之かむりて敵引所をみけんヱ打込ム也
読み
三本目中請眼(ちゅうせいがん)
 中請眼と申すは 是も敵は上段に構える也 我は小太刀を指し出し切先を敵の真見合いへ指し付け行く也 場合にて敵拝み討ちに打つ也 其の所を上へすっかりと弛し冠りて 敵引く所を眉間へ打込む也
読み解く

 左請眼は相手の左眼に切先を付ける、右請眼は相手の右眼に切先を付ける、次は中請眼です。
 中請眼は相手の眉間に切先を付け、相手は上段に構えて相進みに間に至る、相手我が真向に拝み打ちに打ち込んで来る処、我は出足を引くや「上へすっかりと弛し」小太刀を上段に冠って、「外されて引く」相手に附け入って眉間へ打込。

 一本目、二本目とも我が小太刀を相手は払って来たのですが三本目中請眼では、「拝み討ちに打」込んで来ます。
 相手は太刀ですから小太刀との寸法の差を活かした間取りから、我が右小手、右肩、真向の何れかへも打ち込めるでしょう。此処は真向への拝み打ちです。

 我は拝み打ちされた「其所を上へすっかりと弛し」は相手の拝み打ちの切先の間を見切るわけで、最も深く打込んで来るのは我が頭上でしょう。
小太刀を「上へすっかりと弛し」をどの様にするのか、工夫のいる処でしょう。此処では、「すっかりと弛し」です。
 小太刀で受流す、突き上げて摺り落すなどでは無く、ただ外す事です。
 左足右足と引いて大きく後ろに退く、右拳に打ち込まれるならば出足を引く、或は左か右に筋を替って外す。
 此の業は、相手の起こりを知る良い業です。相手は拝打ちして我に外され、切先を我が喉元に付けて引かなかったならば、我は外すと同時に振り被って筋違いに踏み込んで眉間へ打込む。

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2017年12月11日 (月)

曽田本その1の2英信流目録原文1居合棒太刀合之位5小太刀之位3中請眼

曽田本その1
2.英信流目録原文
居合棒太刀合之巻
 兼 大森流居合 小太刀之位
5、小太刀之位
 
三本目中請眼
と申ㇵ是も敵ㇵ上段尓かまゑる也我盤小太刀をさ之出し切先を敵の真ミ合へさし付ヶ行也場合尓て敵拝ミ討尓打也我其所を上へ春つかりと弛之かむりて敵引所をみけんヱ打込ム也
読み
三本目中請眼
 中請眼と申すは 是も敵は上段に構える也 我は小太刀を指し出し切先を敵の真見合いへ指し付け行く也 場合にて敵拝み討ちに打つ也 其の所を上へすっかりと弛し冠りて 敵引く所を眉間へ打込む也
 

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2017年12月10日 (日)

曽田本その1の2英信流目録読み解く1居合棒太刀合之棒5小太刀之位2右請眼

曽田本その1
2.英信流目録読み解く
居合棒太刀合之巻
 兼 大森流居合 小太刀之位
5、小太刀之位
 
二本目右請眼
是盤敵盤上段也我も小太刀を向へさし出之敵の右の眼へ切先をさし付行也是も相掛尓て小太刀を左の方へ筋違二拂ふ也其所を我亦左請眼の如くかむり左の手尓て敵の左の手を取り勝也
読み
二本目右請眼(みぎせいがん)
 是は 敵は上段也 我も小太刀を向へ指し出し 敵の右の眼へ切先を指し付け行く也 是も相掛りにて 小太刀を左の方へ筋違いに払うなり 其の所を我亦 左請眼の如くかむり左の手にて敵の左の手を取り勝也
読み解く
 二本目は、敵は一本目と同様に上段に構える。この上段は左拳が額前頭上に四五度に切先を上げた上段が英信流の上段か、左拳が頭上に有って切先四五度の上段か判りませんが、現代竹刀スポーツの上段ならば前者、古流剣術ならば流派に依る上段でしょう。英信流に新陰流が混入していれば後者でしょう。
 此の時相手は、右足前の右上段か左足前の左上段かもあるのですが、我は小太刀の切先を相手の右眼に付けていますから左足前の構えに為る筈です。さすれば此処は相手も左足前に構えるとするのが常道かも知れません。

 是も相懸りにスカスカと歩み寄り、相手は我が小太刀の攻めに思わずそれを「左の方へ筋違に払ふ」。この「筋違に」は、上段から真直ぐに打ち落す様に払うのではなく、右袈裟掛けに我が左の方へ払う、我はそれを小太刀を上段に冠って外すや、右足を稍々右に踏み込んで相手左肘を左手で制して、真向に打ち込む、或は刺突の構えを取る。

 右請眼も相手は上段から我が小太刀を払うのですが、相手は我が小太刀を持つ拳を切って来るのを外して、附け入って相手の左肘を取るとする位の事で良いだろうと思います。

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2017年12月 9日 (土)

曽田本その1の2英信流目録原文1居合棒太刀合之巻5小太刀之位2右請眼

曽田本その1
2.英信流目録原文
居合棒太刀合之巻
 兼 大森流居合 小太刀之位
5、小太刀之位
 
二本目右請眼
是盤敵盤上段也我も小太刀を向へさし出之敵の右の眼へ切先をさし付行也是も相掛尓て小太刀を左の方へ筋違二拂ふ也其所を我亦左請眼の如くかむり左の手尓て敵の左の手を取り勝也
読み
二本目右請眼
 是は 敵は上段也 我も小太刀を向へ指し出し 敵の右の眼へ切先を指し付け行く也 是も相掛りにて 小太刀を左の方へ筋違いに払うなり 其の所を我亦 左請眼の如くかむり左の手にて敵の左の手を取り勝也

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2017年12月 8日 (金)

曽田本その1の2英信流目録読み解く1居合棒太刀合之巻5小太刀之位1左請眼

曽田本その1
2.英信流目録読み解く
居合棒太刀合之巻
 兼 大森流居合 小太刀之位
5、小太刀之位
 
一本目左請眼
 と申ㇵ敵盤上段二かまゑ我盤片手尓て小太刀を向ヱさし付敵の左の眼へ切先を付て相懸り尓て行也敵場合尓て我小太刀を筋違尓右へ横に拂ふ也其時我すく二小太刀をつむりへかむり左の手尓て敵の右のひぢを取勝也
読み
一本目請眼(せいがん)
 左請眼と申すは 敵は上段に構え 我は片手にて小太刀を向へ指し付け 敵の左の眼へ切先を付けて相懸かりにて行也 敵場合にて我が小太刀を筋違いに右へ横に拂う也 其の時我れ直ぐに小太刀をつむりへ冠り 左の手にて敵の右の肘を取り勝也 
読み解く
 左請眼と云うのは、敵は太刀を上段に構え、我は右片手に小太刀を持ち、右足を前に踏み、相手の左眼へ切先を付け、相懸りに双方歩み寄る処、相手左眼に付けられた我が小太刀を八相に右へ払ってくる。
 其の時我はすぐに小太刀を頭上に振り冠り、左足を左前に踏み込んで左手で相手の右ひじを取って、相手の真向に小太刀を打ち込み勝。英信流目録の原文のままに打ってみればこのようでしょう。

 双方スカスカ歩み寄る時、我が小太刀を相手の左眼に突き付けて歩み寄るので、相手は小太刀が気になって払ってくる、透かさず右手を上げて小太刀を上に外し、左足を左前に踏込み、敵の右手を左手で制して、小太刀を打ち込む。
 さて、相手は小太刀を払って、外されたので返す刀で切り上げようとする事も有り得ます。
 外すや左足を左に踏込み敵の右手を制する。稽古では、相手は我が小太刀を持つ左拳を打ちに来るのを外して打ち込むも、太刀の長さを利して我が左肩口に切り込むのを外して打ち込むのもありでしょう。

 いずれにしても、相手の打ち込みを外すや踏み込んで相手の右ひじを制して、打ち込む。この場合、我の攻めは右拳が中心線上あって相手の左眼を突きさす気がなければなません。

 相手は外されても右に太刀を流さず、我が中心線に切先が付け留まる心持ちは大切です。
 従って、我も外しても真直ぐに相手に付け入る事は出来ません。
 この業手附けにはありませんが、相手が払って来るのを上段に振り冠って外すや筋を替って真直ぐに振り下して敵の拳(柄口六寸)を打つ事も稽古次第です。

 小太刀を抜いて構える際、左手を栗形に添えて構えるのが剣道形にありますが、ここではどのように左手を裁くのか指定されていません。
 英信流小太刀之位の左手の構えは、軽く握って自然に垂らすのも、鯉口を握って居るのも良いでしょう。
 規制の形にとらわれず研究してみるのも良いかもしれません。

 小太刀の剣先と足の関係は、一般的な方法で切先右の左請眼ならば右足前で構え、切先左の右青眼ならば左足前で構えとします。
 右足先は正面の敵に向け、左足は左前に稍々開き右足踵のやや後ろに踏み、我が中心軸は両足の開いた中心にある自然体です。  
 現代では竹刀剣道の影響を受けて踏み出しは、出足からと言われますが、中心軸が左右の足の中心にあれば、右足からでも、歩み足の左足からでも容易です。

 

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2017年12月 7日 (木)

曽田本その1の2英信流目録原文1居合棒太刀合之巻5小太刀之位1左請眼

曽田本その1
2.英信流目録原文
居合棒太刀合之巻
 兼 大森流居合 小太刀之位
5、小太刀之位
 
一本目左請眼
 と申ハ敵盤上段二かまゑ我盤片手尓て小太刀を向ヱさし付敵の左の眼へ切先を付て相懸り尓て行也敵場合尓て我小太刀を筋違尓右へ横に拂ふ也其時我すく二小太刀をつむりへかむり左の手尓て敵の右のひぢを取勝也
読み
一本目請眼(せいがん)
 左請眼と申すは 敵は上段に構え 我は片手にて小太刀を向へ指し付け 敵の左の眼へ切先を付けて相懸かりにて行也 敵場合にて我が小太刀を筋違いに右へ横に拂う也 其の時我れ直ぐに小太刀をつむりへ冠り 左の手にて敵の右の肘を取り勝也 

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2017年12月 6日 (水)

曽田本その1の2英信流目録原文1居合棒太刀合之巻5小太刀之位初めに

曽田本その1
2.英信流目録原文
居合棒太刀合之巻
 兼 大森流居合 小太刀之位
5、小太刀之位
 
初めに
 小太刀之位は打太刀は太刀を持ち、仕太刀は小太刀で応ずるものです。この英信流目録にしか収録されていない仕組の形となります。
 英信流目録は林安太夫政誠によって安永五年冬十月吉日改之、と奥書にある事を信じれば安永5年1776年10月に土佐の居合の第10代林安太夫政誠が「何かを」書き改めたものです。
それを嘉永五年1852年癸子六月吉祥日第15代谷村亀之丞自雄が書写したものになります。
 「古伝神傳流秘書」には「小太刀之位」は存在しません。神傳流秘書ならば「小太刀之事」という呼称が振り当てられる筈です。
 随って神傳流秘書では無いもう一つ別の伝書が有ったかもしれません。或は林安太夫政誠が第9代林六太夫守政の持ち込んだ土佐の居合に他流の仕組(形)を組み入れたものかも知れません。
 いずれにしても、英信流目録は神傳流秘書と並ぶほどの伝書であったと推察できます。歴史的検証は何方か土佐の心ある剣士の方による研究に委ねたいと思います。
 神傳流秘書に残されている小太刀に依る仕組(形)は大小詰・大小立詰・大剣取と夏原流和之事に有ります。
 しかし体術を交えない純正の小太刀による剣術は、この英信流目録の「小太刀之位」六本と大剣取10本のうちの前4本(無剣・水石・外石・鉄石)がそれでしょう。
 近年は土佐の居合も居合だけが稽古されるばかりで総合武術であった事が忘れられ、居合風演舞に偏ってしまっています。
 組太刀という呼び方で形を打つ所も、大方は第17代大江正路先生によって古伝太刀打之位を改変してしまった無双直伝英信流居合之形七本とやっと詰合之位を打つ程度でしょう。
 大剣取は、政岡壱實先生の伝承をされる方や、その著書「無双直伝英信流居合兵法 地之巻」を参考に打たれる道場もあるかとは思います。
 小太刀之位は第20代河野百錬先生によって昭和30年1955年に「無双直伝英信流居合兵法叢書」によって発表されていながら、無双直伝英信流正統会ですら置き忘れられてしまっています。
 古伝の多くの伝承が失われてしまった土佐の居合ですが、残された形手附によって復元は可能です。
 平成28年11月に関西の有志と関東の有志で「小太刀之位」を原書より一年がかりでこうであろうと東西それぞれ研究して相互に打ってみました。
 ほぼ同じ様な動作でまとまり、土佐の居合の古伝の手附の解かりやすい文章と現代居合人の力量をもってすれば多くの業技法が復元できるものと認識を強くしたものです。
 「古伝に興味は無い、現代居合以外は知る必要などない」などと嘯く者が「昔はこうだった、武術的にはこうだ」などと想像ばかりの嘘つきにはなりたくないものです。
 小太刀之位を学ぶ者は、竹刀剣道の「あってっこの」間と間合いを知り、古流剣術の体捌きを身に付け、居合という仮想敵相手の空間刀法の真のありようを認識しなければ、申し合わせの「かたち」ばかりに陥るでしょう。
 師匠の真似だけに明け暮れて、申し合わせの形稽古に固執した演舞会向け形では、先師に追い付けもしない、本物も見えてこないのは当然のことでしょう。
 何をするにしても本物を目指して「弟子たる者師匠の出来ない事でもやらねばならぬ」と仰った素晴らしい指導者もおられるのです。
 「弟子たる者師匠の知らぬ事を学ぶべからず」では情けないものです。流派の武術を学ぶ者は古伝の声に応える時期が来ていると思っています。

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2017年12月 5日 (火)

曽田本その1の2英信流目録読み解く1居合棒太刀合之巻4極意之大事8常之棒

曽田本その1
2.英信流目録読み解く
居合棒太刀合之巻
 兼 大森流居合 小太刀之位
4、極意之大事
 
八本目常之棒
 能々工夫有之常二たし奈三心懸ケ手錬無ㇰて盤い可ぬ也常棒を第一と春奈り深く工夫有べし
読み
八本目常之棒(つねのぼう)
 能々工夫これ有り 常に嗜み心懸け手錬無くてはいかぬ也 常に棒を第一とすなり 深く工夫有るべし
読み解く
 充分工夫して、常に稽古を心懸け、手錬となっていなければならない。常に棒を第一と思い深く工夫あるべし。

 極意は何をおいても棒の稽古によって腕を磨くこと、工夫をすることだと言っています。


 今回で第十五代谷村亀之丞自雄によって書かれた英信流目録の棒について四項目を終わります。

1.棒太刀合之棒 八本

2.棒合五つ 五本

3.心持之事 五本

4.極意之大事 八本

四項目の内容は、実技は十三本、心得も十三本でした。
此のうち3.心持之事、4.極意之大事はこの英信流目録以外に見られないもののようです。

実技の棒太刀合之棒及び棒合五つは第十代林六太夫守政に依って土佐に持ち込まれ、第十一代林安太夫政詡に依って恐らく書かれたであろう古伝神傳流秘書にも記載されています。

神傳流秘書に依る業の記載武術の順序
1、大森流居合之事(正座之部)11本
2、英信流居合之事(立膝之部)10本
3、太刀打之事(太刀打之位)10本
4、棒合5本
5、太刀合之棒8本
6、詰合(詰合之位)10本
7、大小詰8本
8、大小立詰7本
9、大剣取10本
10、抜刀心持之事(奥居合之部居業之部、立業之部)24本
11、夏原流和之事65本
業数では168本に上ります。この順序は稽古の順序とも考えられるもので、夏原流に至る頃には無刀にても変に応じられる程に組み立てられて居ます。

 残念ながら英信流目録は歯抜けになっており、棒、小太刀之位、大森流居合之位だけしか残されておらず、他の業は欠落して居ます。原本は曽田先生の御遺族の手元に現存していると思われますが、昭和20年の高知空爆に依って焼失しているかも知れません。

 下村派を名乗る曽田先生はこれ等の伝書の写しを、谷村派を学び尚且つ土佐門外不出と誇った土佐っぽを差し置いて大阪八重垣会の河野百錬先生に惜しげもなく送られていました。
 第20代河野百錬先生の無双直伝英信流居合兵法叢書昭和30年発行にはこれらは納められています。
 無双直伝英信流、夢想神傳流を学ばれておられる方は居合文化の伝承を志すならば是非ご研究され、刀を抜くばかりでは得られなかった居合の根元に触れられるかもしれません。
古伝などに興味は無いと言う人には居合のあるべき姿も見えないままに終わってしまうでしょう。踊りまがいの居合馬鹿で終わったのでは寂しい限りです。

 次回は英信流目録にしか残されていない「小太刀之位」です。是もこの英信流目録以外に見られない貴重なものです。
 得物は我は小太刀と明確に記載されています。敵の得物は太刀です。無刀への一歩を踏み出す良い手附です。

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2017年12月 4日 (月)

曽田本その1の2英信流目録原文1居合棒太刀合之巻4極意之大事8常之棒

曽田本その1
2.英信流目録原文
居合棒太刀合之巻
 兼 大森流居合 小太刀之位
4、極意之大事
 
八本目常之棒
 能々工夫有之常二たし奈三心懸ケ手錬無ㇰて盤い可ぬ也常棒を第一と春奈り深く工夫有べし
読み
八本目常之棒(つねのぼう)
 能々工夫これ有り 常に嗜み心懸け手錬無くてはいかぬ也 常に棒を第一とすなり 深く工夫有るべし

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2017年12月 3日 (日)

曽田本その1の2英信流目録読み解く1居合棒太刀合之巻4極意之大事7行(引)合之棒

曽田本その1
2.英信流目録読み解く
居合棒太刀合之巻
 兼 大森流居合 小太刀之位
4、極意之大事
 
七本目行(引)合之棒
 是者中を取り楽尓(互尓)行(引)也我も随分行(引)て敵行(引)所を付込ミとりたおすべ之
読み
七本目行(引)合之棒(ゆきあいのぼう、ひきあいのぼう)
 是は 中を取り楽に(互に)行(引)く也 我も随分(充分)行(引)て 敵行(引)所を付込み取り倒すべし
 この 七本目は文字の判読が「行合之棒」なのか「引合之棒」なのか草書体が不十分で読み取れません。
 原本によるのか、曽田先生の癖なのか単独の文字では厄介です。河野百錬先生の「無双直伝英信流居合兵法叢書」では「引合之棒」と読んでいます。
読み解く
 これを「行合之棒」ではしばらく何を言わんとしているのかわかりませんでした。「引合之棒」と読むことで言いたいことが理解出来てきました。
 わかった時は、現代居合では置き捨てにしている闇討ち、騙まし討ち、あるいは「のほほんとして平和ボケ」の頭を殴りつけるものでした。
 それは兵法に於ける騙まし討ち、卑怯とも取れる事でした。

 これは書き出しの字句に「是者中を取り」に注目し「仲裁を受け入れ」て、あるいは「お互いに引くことにして」、互いに引き、我も棒を下げて充分に引いて、敵の戦闘意欲を無くさせておいて、敵の引き際を機に付け込み取り倒すのでしょう。此の様に解釈しました。いかがでしょう。

 孫子も兵は詭道(敵を欺く行為)也と言っています。あるいは奇正(奇は敵の思いも寄らない戦術・正は基本的な一定の戦術)とも言っています。

 このような、戦いは日本の戦国時代にも常にあった戦術でしょう。敵に打ち込ませておいて外して打ち込む等の事は当たり前の事で、只速く力任せなどの事では武術外の事でしょう。

 そうであれば、この極意之大事の七本目は「引合之棒」で決まりでしょう。

 
 

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2017年12月 2日 (土)

曽田本その1の2英信流目録原文1居合棒太刀合之巻4極意之大事7行(引)合之棒

曽田本その1
2.英信流目録原文
居合棒太刀合之巻
 兼 大森流居合 小太刀之位
4、極意之大事
 
七本目行(引)合之棒
 是者中を取り楽尓(互尓)行(引)也我も随分行(引)て敵行所を付込ミとりたおすべ之
読み
七本目行(引)合之棒(ゆきあいのぼう、ひきあいのぼう)
 是は 中を取り楽に(互に)行く也 我も随分(充分)行(引)て 敵行(引)所を付込み取り倒すべし
この 七本目は文字の判読が「行合之棒」なのか「引合之棒」なのか崩し文字を読み取れません。河野百錬先生の「無双直伝英信流居合兵法叢書」では「引合之棒」。

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2017年12月 1日 (金)

曽田本その1の2英信流目録読み解く1居合棒太刀合之事4極意之大事6棒縛之事

曽田本その1
2.英信流目録読み解く
居合棒太刀合之巻
 兼 大森流居合 小太刀之位
4、極意之大事
 
六本目棒縛之事
是者とらへて後チ棒を敵のセなかの帯へ通之横尓之棒の者之へ敵の手を引ひろげ両者しへくゝり付る也得働ぬ者也
読み
六本目棒縛之事(ぼうしばりのこと)
 是は 捕えて後 棒を敵の背中の帯へ通し 横にし棒の端へ敵の手を引き拡げ 両端へくゝり付ける也 働き得ぬもの也
読み解く
 是は敵を捕らえて縛り上げる方法です。「棒を敵の背中の帯へ通し」という文言のイメージから、着物ならば帯は腰に横に巻かれて居ますから背中の帯に通すと棒は縦になってしまいます。それを横に倒して棒の端に敵の両手を縛り付ける、というのです。
 後の文章から判断すれば、着物の袖を襷がけしているとか、その襷に横に棒を通して、棒の端に両手を紐で縛り付ける。
 或は着物の両袖に端から棒を横に差込み、敵の手を広げさせて手首を棒に縛りつけるのも良さそうです。
 帯も着物も無くとも敵の首を挟む様に、首の後ろに一本、前に一本で首を挟んで両手を縛れば抜け出せないでしょう。
 

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2017年11月30日 (木)

第五回違師伝交流稽古会を終えて

第五回違師伝交流稽古会を終えて
 
 一日目の稽古が終わって、宿に入り懇親会の席上、違師伝交流稽古会の発端が話されました。
 第17代大江正路先生の弟子が伝えて来た無双直伝英信流が今日どの様に伝承されてきたのかこのブログに掲載した時があります。
 その内容から、コメントが寄せられ、資料や中には、参考にと書籍まで譲って下さる方も有ったのです。
 そして、連絡を取り合い、ご一緒に稽古するうちに、ある方から曽田本の原本を譲られ無双直伝英信流の原点「無双神傳英信流居合」の深みに、私はどっぷりはまったのです。
 
 書籍では大江正路先生の娘さんの「カナダに渡った侍の娘 ある日系一世の回想」もありました。大江先生の人としての生活が垣間見れたものです。
 それらを参考に書き込んでいるうち、政岡壱實先生の孫弟子と言われる方からコメントが寄せられ、師を忍ぶ思いが伝わって来ます。
 政岡先生の著書無雙直伝英信流居合兵法地之巻では、他の技術書に見られない事が解りやすく序説の「居合漫談」に書かれています。
 組太刀に関しては他の解説書では大江正路先生の古伝を改変し独創された居合道形七本ばかりが解説されるにすぎないところ、「太刀打之位・詰合之位・大小詰・大小立詰・大剣取」まで写真と解説がなされています。 
 更に歴史と変遷、伝書などコンパクトにまとめられて目から鱗が落ちる様でした。
 政岡居合を見てみたい、写真があるならば演武のビデオも残されているのではとメールしたところ「ビデオは有りません、兄弟子のビデオは有りますが、それが政岡居合と思われ独り歩きするのは好ましくないので公開できません」との返信でした。
 「それでは演武を見せてもらえませんか」と申し出ると「それならば」と云う事が発端でした。
 今思えば、私の交渉は、右・左・上・下と斬り込んで行く様なものでした。
 見ず知らずの方との交流は武者修行です。
 身を引き締め真摯な心で臨んだつもりでも、どこの馬の骨か判らぬ者の道場破りに乗り込んで来るみたいなものだったろうと思います。
 新神戸の改札口でお会いするまで、胸が締め付けられるような気持ちであったと仰います。
 政岡壱實先生の無雙直伝英信流居合兵法地之巻を、古書店で手にした時からもう久しい。
 居合の業技法の解説書は幾つも読み漁りましたが、今思えば刀の運用ばかりの事でそれも師伝をメモして書き連ねたに過ぎない技術書ばかりだったり、そうかと思えば、精神論ばかりが強調されていたりする。
 今でも、「あれ」と思う時手にするものは、河野百錬先生の「大日本居合道図譜」、政岡壱實先生の「無雙直伝英信流居合兵法地之巻」、山越先生の「京都山内派無雙直伝英信流居合術」、池田聖昂先生の「無雙直伝英信流居合道解説」ぐらいのものです。 
 
 道場では、師匠か古参が前に出て手本を示し、「一本目前」と云って「パチン」と手拍子を打つ、皆は一斉に見本を真似して繰返す。
 其処には理合(意義)も術理(技法)もなく、「かたち」を順番通りに真似しているだけのものが続きます。
 一通り全居連の刀法5本・正座の部11本・抜刀法11本が一斉に抜かれ、自由稽古に入ります。
 自由稽古では古参の者が指導員となって手取り足取り業技法の指導をする。そこには順番通りの「かたち」を師匠を真似て押し付けて来るばかり。どの様な想定のもとに、どの様に敵に応じていくのか、何故そうするかが全くないのです。
 
 それでも、初心のうちは「かたち」から入るのは当然の事としてまず「真似」ざるを得ません。「かたち」だけの合同稽古について行かれる様になって、手渡された第21代福井聖山先生の「無双直伝英信流居合道宗家教本」は福井宗家の「無雙直伝英信流居合道」の抜き書きコピーでした。
 これは、第20代河野百錬先生の「大日本居合道図譜」の業技法解説を少々文言に手を入れて書き直したもので何故書き直す必要があったのかとも思われます。
 それはともかく、其処に解説されていても、古参の者も理解できておらず言う事とやることはアンマッチで「何故」と問われるとうるさがられたものでした。
 そのうち、「其の業では斬られてしまう」と言ったところ「先輩を愚ろうする者」とのレッテルまで張られたものでした。お陰様で、反骨精神と知りたがりの根性が本物を求めて益々稽古に身が入ったものです。
 違師伝交流稽古会は同流の他の師伝を拝見する事により、習い覚えた我が居合の有り様をより理解でき、或は同じ意義からの想定違いを見せられ、業の応用を知る機会でもありました。
 我が居合も他の師伝の方達にお見せするには当然のことながら自分流ではならず、当代の解説書や稽古会によく出てその考え方や動作を身に付け演武するものでなくてはならないでしょう。
 第五回違師伝交流稽古会の課題は組太刀のうちもっとも居合らしい「詰合之位」です。
 大江正路先生の居合道形7本や太刀打之位11本は良く見かけますが、「詰合之位」は限られたところでしか打たれていません。
 中には極意につき、高段者以外は教えないなど馬鹿を言って満足顔の所もあるやに聞いています。
 立膝に座し居合抜きに抜き合う、あるいは打ち込まれたのをかわして打込むなど居合の基本を設対者を設けて学ぶ好い組太刀です。
 演武会で演舞するものではないのでせいぜい稽古して居合に磨きをかけるべきものでしょう。少し覚えると人前で演武したがる自己顕示欲は有って然るべきものですが慎まないと本物にならず、武的踊りが強調されます。
 「詰合之位」まで書き込んである技術書は政岡壱實先生の「無雙直伝英信流居合兵法地之巻」か第21代福井聖山先生のビデオ及び小冊子の解説書ぐらいがなんとか手に入るものでしょう。これ等も既に学者の宝です。
 恐らく現代居合の高段者の中で何人が詰合之位が打てるでしょうか。
 曽田本の「詰合」は江戸期の第9代林六太夫守政のものが最も古い手附で、私達古伝研究会のメンバーは古伝の「詰合」を研鑽して披露しました。
 政岡先生伝「詰合之位」、福井先生伝「詰合之位」それぞれの思いでその違いを看取り稽古し、実際にそれぞれを学んでみました。
 「他との違いが判れば自分が解かる」時間の経つのも忘れて夢中な二日間でした。
 来年の課題は「大剣取」です。見事に打たれた映像も、手附も安易に手に入りません。従って古伝の手附を読み動作を自分で振り付けて研究せざるを得ません。
 師匠の指導するままに運剣したり、映像に頼った人真似では様になっても武術として決まるか疑問です。武術は形では無いのです。業が決まらなければ意味の無い武的棒振りに終わってしまいます。かと言って、枝葉に逃れれば大剣取の教えは無かった事になってしまうでしょう。
 手附をよく読み、よく考える事、習い覚えた業技法を総動員する事。他流も含め古流剣術を良く見る事も必要でしょう。答えは幾つも有るでしょう、そして得られた運剣動作はどれも間違いではないでしょう。より優れた者に負けてしまうだけです。
 
 
 
 
 
 
 

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曽田本その1の2英信流目録原文1居合棒太刀合之巻4極意之大事6棒縛之事

曽田本その1
2.英信流目録原文
居合棒太刀合之巻
 兼 大森流居合 小太刀之位
4、極意之大事
 
六本目棒縛之事
是者とらへて後チ棒を敵のセなかの帯へ通之横尓之棒の者之へ敵の手を引ひろげ両者しへくゝり付る也得働ぬ者也
読み
六本目棒縛之事(ぼうしばりのこと)
 是は 捕えて後 棒を敵の背中の帯へ通し 横にし棒の端へ敵の手を引き拡げ 両端へくゝり付ける也 働き得ぬもの也

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2017年11月29日 (水)

曽田本その1の2英信流目録読み解く1居合棒太刀合之巻4極意之大事5戸入之事

曽田本その1
2.英信流目録読み解く
居合棒太刀合之巻
 兼 大森流居合 小太刀之位
4、極意之大事
 
五本目戸入之事
 是盤必ㇲ門奈と入ル尓脇を通るへ可ら須中を行へシ亦我を打もの居ルと之るならは何尓ても有合之品羽織尓てもまきて棒の先へふとく付て春つとさし出ㇲべし敵我と思切ㇽ所を我とりふ春る也
読み
五本目戸入之事(といりのこと)
 是は 必ず門など入るに脇を通るべからず 中を行くべし 亦我を打つ者居ると知るならば 何にても有り合う品の羽織にても巻きて棒の先へ太く付きて すっと差し出すべし 敵我と思い切る所を我取り伏する也
読み解く
門戸を入る時の極意です。少し文章を直しながら進めて見ます。

 是は、門などを入る時、門の片側を通ってはならない。必ず門の真ん中を行くようにする事だ。
 亦、我を打たんとする者が居る事を察知していたら、何でも有り合わせの物でもよいので、たとえば羽織などを棒の先に太く巻き付けて、門の中にすっと差し出すがよい。
 敵はそれを我と思い、切ってくる所を取り押さえればよい。

 門の片側を通ると、柱の影から不意に打たれるので、真ん中を通り視界を広くして、敵の動静も早く見極められ、我も応じ易くなる。
 門の向こうで我を打たんと、手ぐすね引いている敵を察知しているならば、有り合わせのもので良いから我と思わせるように偽装して門の中に差し入れ敵が「それっ」と切って出てきたところを捕らえればよい。
 どの流派の奥義の心得にもあるような教えです。坂橋流の棒に残された極意です。
是は、土佐の居合の「當流申伝之事」などにも同様な教えがあります。

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2017年11月28日 (火)

曽田本その1の2英信流目録原文1居合棒太刀合之巻4極意之大事5戸入之事

曽田本その1
2.英信流目録原文
居合棒太刀合之巻
 兼 大森流居合 小太刀之位
4、極意之大事
 
五本目戸入之事
 是盤必ㇲ門奈と入ル尓脇を通るへ可ら須中を行へシ亦我を打もの居ルと之るならは何尓ても有合之品羽織尓てもまきて棒の先へふとく付て春つとさし出ㇲべし敵我と思切ㇽ所を我とりふ春る也
読み
五本目戸入之事(といりのこと)
 是は 必ず門など入るに脇を通るべからず 中を行くべし 亦我を打つ者居ると知るならば 何にても有り合う品の羽織にても巻きて棒の先へ太く付きて すっと差し出すべし 敵我と思い切る所を我取り伏する也

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2017年11月27日 (月)

曽田本その1の2英信流目録読み解く1居合棒太刀合之巻4極意之大事4立合心ノ大事

曽田本その1
2.英信流目録読み解く
居合棒太刀合之巻
 兼 大森流居合 小太刀之位
4、極意之大事
 
四本目立合心ノ大事
 是盤居合之巻尓も有之通り敵と立合と我がボウ子ンヲ斬り一心不乱思ひ残春心無ク死地尓入る立合なり此所尓まよいひの袮んいできてはい可ぬ也
読み
四本目立合心ノ大事(たちあいこころのだいじ)
 是は 居合の巻きにも之有る通り 敵と立合と 我が忘念を斬り 一心不乱思い残す心無く死地に入る立合いなり 此の所に迷いの念いで来てはいかぬ也
読み解く

 立合う時の心の有り様についての教えです。居合の巻きにも述べてあるがと言っています。
 この英信流目録では居合は大森流居合之位の業手附しか残っていません。全貌が見えれば神傳流秘書と対比しながら古流を味わえるのですが残念です。

 是は居合の巻にも有る通り、敵と立合うに当たってはぼうねん(妄念・忘念)を切って、一心不乱に思い残す事無く死地に入る立合いをするもので、此の所に迷いの念が起れば立合いにならず負けとなるであろう。

 習い、稽古・工夫をして体得した事であるから、兎角様々な事に「あーしようこーしよう」などの妄念に取り付かれずに一心不乱に思い残す事無く立合えと言っています。
 真剣勝負は稽古による上手でも無念夢想で一心不乱に立合う者には負けると言われます。

 なま兵法は大怪我の元と言われますし、喧嘩なれした無法者などは形稽古を励んだ者は組みし易しとも言われます。

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2017年11月26日 (日)

曽田本その1の2英信流目録原文1居合棒太刀合之巻4極意之大事4立合心ノ大事

曽田本その1
2.英信流目録原文
居合棒太刀合之巻
 兼 大森流居合 小太刀之位
4、極意之大事
 
四本目立合心ノ大事
 是盤居合之巻尓も有之通り敵と立合と我がボウ子ンヲ斬り一心不乱思ひ残春心無ク死地尓入る立合なり此所尓まよいひの袮んいできてはい可ぬ也
読み
四本目立合心ノ大事(たちあいこころのだいじ)
 是は 居合の巻きにも之有る通り 敵と立合と 我が忘念を斬り 一心不乱思い残す心無く死地に入る立合いなり 此の所に迷いの念い出来てはいかぬ也
 

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2017年11月25日 (土)

曽田本その1の2英信流目録読み解く1居合棒太刀合之巻4極意之大事3金抗

曽田本その1
2.英信流目録読み解く
居合棒太刀合之巻
 兼 大森流居合 小太刀之位
4、極意之大事
 
三本目金抗
 是も亦は同之事也上下の違イ也其内尓右の如く突きはりして追込ム内に頭上へも突事肝要也
読み
三本目金抗(きんこう、きんふせぎ)
 是も亦同じ事也 上下の違い也 其の内に右の如く突きはりして追込むうちに 頭上へも突く事肝要也
「右の如く」は二本目眼抗
是盤敵の眼(マナコ)を突事第一也上ヲ以てはるい奈や眼を突キ下タを以てはるい奈や眼を突いくらも突様有り立合仕てこれㇵ知る也
読み
二本目眼抗(がんこう、めふさぎ)
 是は 敵の眼を突く事第一也 上をもって張るいなや眼を突き 下をもって張るいなや眼を突き いくらも突き様あり 立合いしてこれは知る也
読み解く
 金抗は「きんこう・きんふせぎ」どのように読むのでしょう。
 是も亦眼抗と同じことである。「上下の違い也」の意味は二本目の眼抗が眼を突く極意の教えでした。是は眼では無く「金抗」ですから金的を突くのでしょう。眼は上、金的は下なのでしょう。
 眼抗の様に上を張るや金的を突き、下を張るや金的を突き、そのように突き張りして追込んでいるうちに下ばかりでなく頭上(金的ばかりで無く眼へも)へも突く事肝要である。

 上下上下と張りながら眼を突き金的を突き、立ち合って相手をかく乱して使うように研究せよという極意之大事でしょう。

 それ以上に何かが伏せられているかとも思うのですが、土佐の伝書は居合道歌以外は至極単刀直入にやるべき事を述べています。余りくどくど思いめぐらせるべきものでも無さそうです。

 

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2017年11月24日 (金)

曽田本その1の2英信流目録原文1居合棒太刀合之巻4極意之大事3金抗

曽田本その1
2.英信流目録原文
居合棒太刀合之巻
 兼 大森流居合 小太刀之位
4、極意之大事
 
三本目金抗
 是も亦は同之事也上下の違イ也其内尓右の如く突きはりして追込ム内に頭上へも突事肝要也
読み
三本目金抗(きんこう、きんふさぎ)
 是も亦同じ事也 上下の違い也 其の内に右の如く突きはりして追込むうちに 頭上へも突く事肝要也
「右の如く」は二本目眼抗
是盤敵の眼(マナコ)を突事第一也上ヲ以てはるい奈や眼を突キ下タを以てはるい奈や眼を突いくらも突様有り立合仕てこれㇵ知る也
読み
二本目眼抗(がんこう、めふさぎ)
 是は 敵の眼を突く事第一也 上をもって張るいなや眼を突き 下をもって張るいなや眼を突き いくらも突き様あり 立合いしてこれは知る也
 
 

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2017年11月23日 (木)

曽田本その1の2英信流目録読み解く1居合棒太刀合之巻4極意之大事2眼抗

曽田本その1
2.英信流目録読み解く
居合棒太刀合之巻
 兼 大森流居合 小太刀之位
4、極意之大事
 
二本目眼抗
 是盤敵の眼(マナコ)を突事第一也上ヲ以てはるい奈や眼を突キ下タを以てはるい奈や眼を突いくらも突様有り立合仕てこれㇵ知る也
読み
二本目眼抗(がんこう、めふさぎ)
 是は 敵の眼を突く事第一也 上をもって張るいなや眼を突き 下をもって張るいなや眼を突き いくらも突き様あり 立合いしてこれは知る也
読み解く

 是は敵の眼(まなこ)を突く事が第一である。上を張るやいなや即座に眼を突き、下をはるやいなや即座に眼を突いて何度でも眼を突く様にする事である。敵と立合いをして是を知るのである。

 敵の眼を突くのが一番であると教えます。
 眼に棒を付けると、突くでは大きな違いです。棒の先を敵の目に付け、圧するには付けるでは無く、何時でも突く意識を持てと言うのでしょう。

 棒は打つ得物であると同時に突く獲物です。其れも突くべき部位を第一に目というのです。槍と同様突く効果も大きな武器ですが突くべき部位は特定されます。何の気なしに形ばかりの「詰める」、では詰まるわけはないでしょう。

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2017年11月22日 (水)

曽田本その1の2英信流目録原文1居合棒太刀合之巻4極意之大事2眼抗

曽田本その1
2.英信流目録原文
居合棒太刀合之巻
 兼 大森流居合 小太刀之位
4、極意之大事
 
二本目眼抗
 是盤敵の眼(マナコ)を突事第一也上ヲ以てはるい奈や眼を突キ下タを以てはるい奈や眼を突いくらも突様有り立合仕てこれハ知る也
読み
二本目眼抗(がんこう、めふさぎ)
 是は 敵の眼を突く事第一也 上をもって張るいなや眼を突き 下をもって張るいなや眼を突き いくらも突き様あり 立合いしてこれは知る也
 

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2017年11月21日 (火)

曽田本その1の2英信流目録読み解く1居合棒太刀合之巻4極意之大事1盲目杖

曽田本その1
2.英信流目録読み解く
居合棒太刀合之巻
 兼 大森流居合 小太刀之位
4、極意之大事
 
一本目盲目杖
是盤座頭目無之天も杖尓て我可行先へハいづく尓ても行ク也心の留らぬを吉と春也此所能々工夫有へ之ふらりふらりと行我尓敵とふ者の無く無念無心尓て行敵お古るや否や其所可移也千変萬化工夫可有
読み
一本目盲目杖(もうもくじょう・めくらつえ)
 是は 座頭 目無しでも杖にて我が行くべき先へ 這いづくにても行く也 心の留まらぬをよしとす也 此の所能々工夫あるべし ふらりふらりと行く我に敵問う者の無く 無念無心にて行 敵怒るや否や其の所移るべき也 千変万化工夫あるべし
読み解く

この盲目杖は解り難い文章です。
是は坐頭(盲目の琵琶法師、按摩、めくら)は目が見えなくとも杖を以って、我が行くべき先へは何処へでも行く。心が留まら無いので良いのであろう。
此の処をよく工夫すべきである。
ふらり、ふらりと行く我に、敵だと言って問う者も無く、無念無心に行く。敵の持ち場を出るやさっさと其処を立ち退くべきである。
千変万化の工夫をしておくべきである。

いずれにしても、心を留めずに無念無心にあるべきものだ、と言うのでしょう。

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2017年11月20日 (月)

曽田本その1の2英信流目録原文1居合棒太刀合之巻4極意之大事1盲目杖

曽田本その1
2.英信流目録原文
居合棒太刀合之巻
 兼 大森流居合 小太刀之位
4、極意之大事
 
一本目盲目杖
是盤座頭目無之天も杖尓て我可行先へハいづく尓ても行ク也心の留らぬを吉と春也此所能々工夫有へ之ふらりふらりと行我尓敵とふ者の無く無念無心尓て行敵お古るや否や其所可移也千変萬化工夫可有
読み
一本目盲目杖(もうもくじょう・めくらつえ)
 是は 座頭 目無しでも杖にて我が行くべき先へ 這いづくにても行く也 心の留まらぬをよしとす也 此の所能々工夫あるべし ふらりふらりと行く我に敵問う者の無く 無念無心にて行 敵怒るや否や其の所移るべき也 千変万化工夫あるべし

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2017年11月19日 (日)

曽田本その1の2英信流目録読み解く1居合棒太刀合之巻3心持之事5障棒

曽田本その1
2.英信流目録読み解く
居合棒太刀合之巻
 兼 大森流居合 小太刀之位
3、心持之事
 
五本目障棒
 是者外尓両人太刀尓て切合居所を我留る心持也先ツ太刀の合多流所を上ヱより其太刀をおがミ討尓打也其レ尓ても落春ば右の敵の手首を下タより小手上ケの如くはね上ㇽ也いなや亦左の敵の手首を棒の下タを以てはね上ル也両方同事也
読み
五本目障棒(さへぼう(曽田メモ))
 是は 外に両人太刀にて斬り合い居る所を我れ留める心持也 先ず太刀の合いたる所を 上より其の太刀を拝み討ちに打つ也 其れにても落ちずば 右の敵の手首を下より小手揚げの如く撥ね上げる也 いなや亦 左の敵の手首を棒の下を以って撥ね上げる也 両方同じ事也
読み解く
 是は決闘の仲裁でしょう。「障棒」の意味は棒で邪魔する、「障り棒」でしょう。
 是は、我以外の両人が太刀にて切り合っている時、我は切り合いを留める時の心得である。
 先ず互いの太刀が打ち合って拮抗した時や、青眼に構えて切っ先を合わせているなどの時、上から其の太刀を拝み討ちに打ち落とす。
 それでも太刀を落とせなければ、右側の相手の手首を下から棒で跳ね上げ即座に左側の相手の手首を下から跳ね上げる。両方同じ様に跳ね上げる心持ちである。
 この下からの撥ね上げは、複数の敵に太刀にて攻められた時にも棒の先で撥ね上げ、棒の後ろで撥ね上げ、と続け打ちが可能です。
 

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2017年11月18日 (土)

曽田本その1の2英信流目録原文1居合棒太刀合之巻3心持之事5障棒

曽田本その1
2.英信流目録原文
居合棒太刀合之巻
 兼 大森流居合 小太刀之位
3、心持之事
 
五本目障棒
 是者外尓両人太刀尓て切合居所を我留る心持也先ツ太刀の合多流所を上ヱより其太刀をおがミ討尓打也其レ尓ても落春ば右の敵の手首を下タより小手上ケの如くはね上ㇽ也いなや亦左の敵の手首を棒の下タを以てはね上ル也両方同事也
読み
五本目障棒(さへぼう(曽田メモ))
 是は 外に両人太刀にて斬り合い居る所を我れ留める心持也 先ず太刀の合いたる所を 上より其の太刀を拝み討ちに打つ也 其れにても落ちずば 右の敵の手首を下より小手揚げの如く撥ね上げる也 いなや亦 左の敵の手首を棒の下を以って撥ね上げる也 両方同じ事也

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2017年11月17日 (金)

曽田本その1の2英信流目録読み解く1居合棒太刀合之巻3心持之事4一本之棒

曽田本その1
2.英信流目録読み解く
居合棒太刀合之巻
 兼 大森流居合 小太刀之位
3、心持之事
 
四本目一本之棒
 是盤我一本二敵を討也一心の古ら之一心不乱と可討也若亦請多らハい奈や手本を上ヶ敵の眼を突事かんよふ也敵のおこ多りを可討也
読み
四本目一本之棒(いっぽんのぼう)
 是は 我一本に敵を討つ也 一心残らじ一心不乱と討つべき也 若し亦請けたらばいなや手元を上げ敵の眼を突く事肝要也 敵の怠りを討つべき也
読み解く
 我は棒一本で敵を討つもので、一心残さず、一心乱さずに此処とばかりに討ち込むものだ。
 若し打ち込まれて請けたならば即座に手元を上げて敵の眼を突く事が肝要である。
 敵の怠り(隙)を討つものである。

 武蔵の兵法三十五箇条の26条に「残心・放心は事により時にしたがふ物也 我太刀を取て常は意のこゝろをはなち心のこゝろをのこす物也 又敵を慥に打時は心のこゝろをはなち意のこゝろを残す 残心放心の見立 色々ある物也 能々吟味すべし」と有ります。

 柳生宗矩の兵法家伝書の活人剣に「心をかへす事 一太刀うって、うったよとおもへば、うったよとおもふ心がそのまゝそこにとヾまる也。うった所を心がかへらぬによりて、うっかりと成りて二の太刀を敵にうたれて、先を入れたる事も無に成り、二の太刀をうたれて負也。心をかへすと云ふは、一太刀うったらば、うった所に心ををかず、うってから心をひっかへして敵の色を見よ・・われはうったとおもふて心をとゞめて油断する。敵はうたれて、気が出ると覚悟すべし。」

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2017年11月16日 (木)

曽田本その1の2英信流目録原文1居合棒太刀合之巻3心持之事4一本之棒

曽田本その1
2.英信流目録原文
居合棒太刀合之巻
 兼 大森流居合 小太刀之位
3、心持之事
 
四本目一本之棒
 是盤我一本二敵を討也一心の古ら之一心不乱と可討也若亦請多らハい奈や手本を上ヶ敵の眼を突事かんよふ也敵のおこ多りを可討也
読み
四本目一本之棒(いっぽんのぼう)
 是は 我一本に敵を討つ也 一心残らじ一心不乱と討つべき也 若し亦請けたらばいなや手もとを上げ敵の眼を突く事肝要也 敵の怠りを討つべき也
 

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2017年11月15日 (水)

第九回古伝研究の集い

回古伝研究の集い

 

 古伝神傳流秘書を曽田虎彦先生の書き写された直筆本から読み解いて同じ思いの仲間を募って、その古伝研究をやってまいりました。

 今回は第九回目の御案内をいたします。

 

内容:古伝神傳流秘書による大剣取

    古伝英信流目録による小太刀之位

 

 講義とか実演では無く、参加していただき木刀及び小木刀を持って古伝の解釈及び形の稽古をご一緒にさせていただきます。
 異なる伝承の方々と一つの教本から古伝研究を実施する中で、「私はこの『古伝』はこう解釈する」と自由な考え方から幾つもの疑問を解きほぐして見たいと思います。

 ご参加いただいた方が、師匠であるとご認識いただければ幸いです。

 

1、期日:平成29年12月14日(木) 

             1500分~1700

   平成30年 1月25日(木)  

   1500分~1700

 

2、場所:1214日(木)鎌倉体育館 

                                 格技室

      125日(木)見田記念体育館 

                                多目的室

 

   使用会名:湘南居合道研修会 鎌倉道場

 

3、住所

:鎌倉体育館 

248-0014

神奈川県鎌倉市由比ガ浜2-9-9

 TEL0467-24-3553

 

:見田記念体育館

248-0014

神奈川県鎌倉市由比ガ浜2-13-21

 TEL0467-24-1415

4、アクセス:JR横須賀線・総武線快速

        鎌倉駅東口下車海岸方向へ

 徒歩10分~12分(駐車場鎌倉体育館あり)

 

5、費用:会場費割勘のみ(500円)

6、参加の御連絡はこのブログへコメント
    
していただくか直接ご来場ください。

 
7、御案内責任者 ミツヒラ

 

                               平成29年11月14日

 

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曽田本その1の2英信流目録読み解く1居合棒太刀合之巻3心持之事3首尾用法

曽田本その1
2.英信流目録読み解く
居合棒太刀合之巻
 兼 大森流居合 小太刀之位
3、心持之事
 
三本目首尾用法
 是盤筆二出が多く手錬尓て合点行也跡先キき可須事第一也
 歌尓
 棒盤只あと先大事ゆ多ん春な
          突クつなぐつのち盤者やぶさ
 能々工夫可有也
読み
三本目首尾用法(しゅびようほう)
 是は 筆に出しがたく 手錬にて合点行く也 後先利かす事第一也
 歌に
 棒は只後先大事油断すな
         突くつなぐつのちは隼
能々工夫有るべき也

読み解く
 首尾用法については筆に書き著わせないので、手錬によって理解するものである。
 棒の操作は只、後先きかす事が第一に大切な事である。後先とは棒の両端の捌きでしょう。

 歌に託したとして、棒は只、一方だけでなく棒の両端を自在に扱う事が大事で、敵の跡先も油断するな。「突き つなぐ つのち はやぶさ」は、「突きつ、薙ぐ、つのちは隼」突き・薙ぐ・後は隼の様にするばかり。意味不明です。
よく工夫有るべき也。

筆に出せない事だそうですから、此処までです。

 参考に河野先生の無双直伝英信流居合兵法叢書では
「歌に 棒は只だあと先大事油断すな 突きつ なぐりつ のちは はやぶさ」とされて居ます。
 曽田先生の直筆書写ですから写し間違いなのか、河野先生がそう読み方を直されたのか解りません。

 何れにしても、棒は自在に動かせる武器です。

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2017年11月14日 (火)

曽田本その1の2英信流目録原文1居合棒太刀合之巻3心持之事3首尾用法

曽田本その1
2.英信流目録原文
居合棒太刀合之巻
 兼 大森流居合 小太刀之位
3、心持之事
 
三本目首尾用法
 是盤筆二出が多く手錬尓て合点行也跡先キき可須事第一也
 歌尓
 棒盤只あと先大事ゆ多ん春な
          突クつなぐつのち盤者やぶさ
 能々工夫可有也
読み
三本目首尾用法(しゅびようほう)
 是は 筆に出しがたく手錬にて合点行く也 後先利かす事第一也
 歌に
 棒は只後先大事油断すな
         突くつなぐつのちは隼
 能々工夫有るべき也

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2017年11月13日 (月)

曽田本その1の2英信流目録読み解く1居合棒太刀合之巻3心持之事2込入之棒

曽田本その1
2.英信流目録読み解く
居合棒太刀合之巻
 兼 大森流居合 小太刀之位
3、心持之事
 
二本目込入之棒
 是者敵我を上より打所を我両手尓て棒の両者之を取中尓て請ヶ左の足を一足込ミ其侭棒の下タを以天敵の右のホヲベタを討つ也いなや上より亦討也之てみれは其侭之れる也
読み
 二本目込入之棒(こみいりのぼう)
 是は 敵我を上より打つ所を 我両手にて棒の両端を取り中に請け 左の足を一足込み 其の侭下を以って敵の右の頬べたを討つ也 いなや上より亦討つ也 してみれば其侭しれる也
読み解く

是は敵が上から打ち込んで来るのを、棒の両はしを持って、棒中で請け留め、左足を一足踏み込んで其のまま、棒の下で敵の頬べたを打つ、即座に上から打ち込むなりして見ればわかる事である。

 ここは何を言いたいのか即座に解りませんが、業を演じて見れば解かると言うのです。
 敵に真向から打ち込まれたならば、棒の両端を持って右足を前にして十文字に請け、左足を踏み込んで、左手を棒の中に摺り込み、右手を下げて敵の右頬を打つや否や、右足を踏み込み、右手後ろに引き棒先に左手を擦り込み、左手を左腰に引き付け乍ら右手を棒中に摺り込み右肩から廻して敵の頭上に打ち下ろす。

 そうすれば、何かがわかるよ、と云うのでしょう。題が、込入之棒ですから敵との間と間合いを外さず攻め立てる。その際の棒の前後の入れ替えによる手の裡などが理解出来るとでも言いたいのでしょうか。

 

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2017年11月12日 (日)

曽田本その1の2英信流目録原文1居合棒太刀合之巻3心持之事2込入之棒

曽田本その1
2.英信流目録原文
居合棒太刀合之巻
 兼 大森流居合 小太刀之位
3、心持之事
 
二本目込入之棒
 是者敵我を上より打所を我両手尓て棒の両者之を取中尓て請ヶ左の足を一足込ミ其侭棒の下タを以天敵の右のホヲベタを討つ也いなや上より亦討也してみれは其侭之れる也
読み
 二本目込入之棒(こみいりのぼう)
 是は 敵我を上より打つ所を 我両手にて棒の両端を取り中に請け 左の足を一足込み 其の侭下を以って敵の右の頬べたを討つ也 いなや上より上より亦討つ也 してみれば其侭しれる也

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2017年11月11日 (土)

曽田本その1の2英信流目録読み解く1居合棒太刀合之巻3心持之事1間之棒

曽田本その1
2.英信流目録読み解く
居合棒太刀合之巻
 兼 大森流居合 小太刀之位
3、心持之事
 
一本目間之棒
 是者常二我居所尓目尓立ぬ様に八角尓ても四角尓てもいたし少キ者尓てくゝり付可置也亦定木の如くい多し置も能之
読み
一本目間之棒(まのぼう)
 是は常に我が居る所に目に立たぬ様に 八角にても四角にてもいたし 少なきものにてくゝり付け置くべき也 定木(定規)の如くいたし置くもよし
読み解く
 是は自分の常に居る場所に目立たない様に棒は八角でも四角でも良いので少しのものでくゝり付けて置くべきである。
また定規の様な物にして置くのも良いものである。

 いつも用心して、棒を目立たない所に括り付けて置くように心得を述べています。
棒を定規の様に加工して置くなどは良いアイデアです。是ならば部屋に立て掛けて置いても良さそうです。

 この「心持之事」は棒の扱いについての心掛けるべき事を述べています。棒術の業手附そのものではありません。

 「間之棒」の題名が面白いですね。「間」は何でしょう。居間の間、魔の棒、(一)間(6尺)の棒。自分のいる場所の間。
きっと意味があったのでしょうね。あるいは秘伝ですでに消えてしまったとか。

 

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2017年11月10日 (金)

曽田本その1の2英信流目録原文居合1棒太刀合之巻3心持之事1間之棒

曽田本その1
2.英信流目録原文
居合棒太刀合之巻
 兼 大森流居合 小太刀之位
3、心持之事
一本目間之棒
 是者常二我居所尓目尓立ぬ様に八角尓ても四角尓てもいたし少キ者尓てくゝり付可置也亦定木の如くい多し置も能之
読み
一本目間之棒(まのぼう)
 是は常に我が居る所に目に立たぬ様に 八角にても四角にてもいたし 少なきものにてくゝり付け置くべき也 定木(定規)の如くいたし置くもよし
 

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2017年11月 9日 (木)

曽田本その1の2英信流目録読み解く1居合棒太刀合之巻2棒合五ツ5込入

曽田本その1
2.英信流目録読み解く
居合棒太刀合之巻
 兼 大森流居合 小太刀之位
2、棒合五ツ
 
五本目込入
 是は楽に棒の中を持チ先の如く立合也敵より上ヱヲ打懸る所を我も右の上ヱ尓て請右の足を一足引キ敵左の下ヲ出ス也其時我も左の下タを合セ左の足を一足引キ敵亦上ヨリ討所を両手尓て両端を取り左の足を婦ミ込十文字二請ヶ下タ下タトはねる也仕廻盤右の足尓て詰る也
読み
五本目込入(こみいり)
 是は 楽に棒の中を持ち 先の如く立合也 敵より上を打ち懸けるところを 我も右の上にて請け 右の足を一足引き敵左の下を出す也 其の時我も左の下を合せ 左の足を一足引き 敵亦上より討つ所を 両手にて両端を取り左の足を踏込み十文字に請け 下 下とはねる也 しまいは右の足にて詰める也
読み解く
込入は、互に棒の中を持って「先の如く立合う」ですから行き違うのでしょう、敵は振り向きざま打ち掛かってくる、我も振り向きざま右上でこれに合わせる。
 敵右足を一足引いて左下に打ち込んでくる、其の時我も右足を一足引いて左の下で合わせる。
 敵亦右足を踏み込んで上から討ち込んで来るので我は棒の端を両手で持って左足を踏み込んで十文字に請ける。
 敵、下へ打ち込んで来るので左下で跳ね上げ、亦打ち込んで来るので右下で跳ね上げ、しまいは敵の水月に棒を突け右足通りに詰める。

「下た下たとはねるなり」ですから、敵は退きながら下、下と打ち込んで来るのを踏み込みつつ合わせて跳ね上げるのでしょう。

神傳流秘書 棒合 五本目 込入

 追込の如く両方立合我足を一足つゝ引上下合せ相手打込むを中二亭請下二亭合せ張如前勝也  以上五本
追込の如両方立合
追込:・・両方棒を左の手尓て持ち杖に突立合

読み
込入(こみいり)
 追込の如く 両方立ち合い 我が足を一足づつ引き上下合わせ 相手打込むを 中にて請け下にて合せ張り 前の如く勝つ也
 
 「前の如く打ち懸けて勝」の前の如くの部分は、三本目立合の「下にて合せ一方を廻し掛けて勝」

読み解く
 「追込の如く両方立合」ですから、一本目の様に双方棒を左手で杖に突き左足をやや前にして左足先に棒を突いて立合う。

 相手、右手を左手の下方に棒に添え右から廻して遣方の左面に右足を踏み込んで打込んで来る、遣方は左足を引いて同様に右手を左手の下方に添え右から廻して之を上で請ける。

 相手、右手を其の儘に左手を引いて棒の下を取り、左から廻して左足を踏み込んで遣方の右足に打込んで来る、遣方は右足を引いて同様に右手を其の儘に左手を引いて棒の下を取り左から廻して左足の前で之を請ける。

 相手、更に左手を其の儘に右手を棒の上に取り右から廻して右足を踏み込んで真向に打込んで来る、遣方は左足を引いて両手で棒を頭上に捧げ棒中で之を請ける。

 相手、更に左足を右足に引き付け、棒を右肩に取り右足を踏み込んで遣方の右足に打込んで来る、遣方左足を引き右足も追い足に之を下にてはり請けに請けるや左足を右足に引き付け、右肩から棒を廻し掛けて右足を踏込み相手の左面に打込み勝。

 相手前へ前へと攻めて来るのを一足づつ下りながら之に合わせ、真向に打込んで来るのを頭上に十文字に請け、更に足に打込んで来るのを下がりながら張り受けに合わせるや、攻めに転じて廻し掛けて踏み込んで打ち込み勝。

これで棒合五つは終了です。

次回は3、心持之事で五つあります。
この英信流目録以外に見当たらない坂橋流の棒術の心得のような業のような。
多分この伝書以外に残されていない貴重な資料でしょう。

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2017年11月 8日 (水)

曽田本その1の2英信流目録原文1居合棒太刀合之巻2棒合五ツ5込入

曽田本その1
2.英信流目録原文
居合棒太刀合之巻
 兼 大森流居合 小太刀之位
2、棒合五ツ
 
五本目込入
 是は楽に棒の中を持チ先の如く立合也敵より上ヱヲ打懸る所を我も右の上ヱ尓て請右の足を一足引キ敵左の下ヲ出ス也其時我も左の下タを合セ左の足を一足引キ敵亦上ヨリ討所を両手尓て両端を取り左の足を婦ミ込十文字二請ヶ下タ下タトはねる也仕廻盤右の足尓て詰る也
読み
五本目込入(こみいり)
 是は 楽に棒の中を持ち 先の如く立合也 敵より上を打ち懸けるところを 我も右の上にて請け右の足を一足引き敵左の下を出す也 其の時我も左の下を合せ左の足を一足引き 敵亦上より討つ所を 両手にて両端を取り左の足を踏込み十文字に請け 下 下とはねる也 しまいは右の足にて詰める也

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2017年11月 7日 (火)

曽田本その1の2英信流目録読み解く1居合棒太刀合之巻2棒合五ツ4引違イ

曽田本その1
2.英信流目録読み解く
居合棒太刀合之巻
 兼 大森流居合 小太刀之位
2、棒合五ツ
 
四本目引違イ

 是盤楽尓右の手尓て棒の端を取り引違ゥ也其引違イ様二左の手尓て棒の中を取り右の手を下げ棒の下を上ゲ上尓て亦合セ亦下タ下タと合也仕廻盤右尓て詰ル也
読み
 四本目引き違い(ひきちがい)
 是は 楽に右の手にて棒の端を取り引き違う也 其の引違さまに左の手にて棒の中を取り 右の手を下げ棒の下を上げ上にて亦合わせ 亦 下 下と合う也 しまいは右にて詰める也
読み解く
 この引違いは、互いに(楽には互いにの誤記かも知れません)右手で棒の端を持って引き摺りながら歩み行き引違(行き違う)。
 「引違イ」は「行違イ」の「引」と「行」の草書体の誤認又は誤記かも知れません。
 其の行き違う時に、左の手で棒の中程を持つや右廻りに振り向き右手を下げて右足前にして棒の下を突き上げて互いに上で合わせる。
 棒を頭上で持ち替え右足を踏み替えて左足前にして左下で合わせ、再び左足を踏み替えて頭上で棒を廻し右足を前にして右下で合わせ、右足を踏み出し棒を相手の水月に付けて詰める。

 詰めるにあたっては相手が亦、自分の右下(我が左下)に打ち込んで来ると思い合わせようと棒を振り上げる処を踏み込んで詰める。

 業名による「引違い」を忠実に辿れば、行違って、敵と認識するや振り返って、互いに戦い勝つのでなければなりません。一方的に振り返って奇襲したのでは原文から外れます。この辺の処は原文は抜けています。
 この「引違い」は「左側通行」を採りました。

 「引違い」は、行き違いとして、振り向く業としました。おそらく、原書は草書体で書かれていますでしょうから「引」と「行」の草書の判読によるものでしょう。曽田先生の文字では「引」としか読めません、誤認でしょう。


 なお業名は曽田本の英信流目録では「引違い」ですが神傳流秘書の「棒合 是は坂橋流之棒也と言」では「行違い」です。

神傳流秘書を読む 棒合 4本目 行違

行違
 両方右の手二亭棒を引摺り右あい二行違ふ時見返りて下を上二亭合せ又一方を上二亭合せ又一方を下二亭合張如前打懸て勝
「前の如く打ち懸けて勝」の前の如くの部分は、三本目請込の「下にて合せ一方を廻し掛けて勝」

 
読み
 行違(ゆきちがい)
 両方右の手にて棒を引き摺り 右あいに行き違う時 見返りて 下を上にて合せ 又 一方にて合せ 又 一方を下にて合わせ張り 前の如く打ち懸けて勝

 「前の如く打ち懸けて勝」の前の如くの部分は、三本目立合の「下にて合せ一方を廻し掛けて勝」

読み解く
 双方共に右手に棒の中ほどを持って引きずるようして右側を行き違う。
行き違ってお互いに見返り、左足出たとき棒の上を左手で持ち、右手を逆手に持ち替え、左に廻りながら右肩に棒を振り上げ、右足を踏み込んで相手の左面に打ち込み双方棒を合わす。ここが「見返りて下を上に合せ」の部分になります。

 「又一方を上にて合せ」は、右手を其の儘、棒を左手で後方に引き寄せ握りを持ち替え棒の上を下に下を上にして左肩に廻し、左足を踏み替えて相手の右面に打ち込む、相手、同様に棒を左肩に廻し右足を踏み替えてこれを受ける。

 「又一方を下にて合張」は双方、左手を其の儘、右手を後方に引いて棒の上を下に、下を上にして右肩から廻して右足を踏み替え相手の出足に打ち込む。

 「如前打懸て勝」は、三本目請込の業の「下にて合張り廻し掛て勝」を再現します。相手棒を張りこみ左足を踏み込み相手棒を左に廻し掛けて相手右面に打込み勝。

 

 

 

 

 

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2017年11月 6日 (月)

曽田本その1の2英信流目録原文1居合棒太刀合之巻2棒合五ツ4引違イ

曽田本その1
2.英信流目録原文
居合棒太刀合之巻
 兼 大森流居合 小太刀之位
2、棒合五ツ
 
四本目引違イ

 是盤楽尓右の手尓て棒の端を取り引違ゥ也其引違イ様二左の手尓て棒の中を取り右の手を下げ棒の下を上ゲ上尓て亦合セ亦下タ下タと合也仕廻盤右尓て詰ル也
読み
 是は 楽に右の手にて棒の端を取り引き違う也 其の引違さまに左の手にて棒の中を取り 右の手を下げ棒の下を上げ上にて亦合わせ 亦 下 下と合う也 しまいは右にて詰める也
 

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2017年11月 5日 (日)

曽田本その1の2英信流目録読み解く1居合棒立合之巻2棒合五ツ2請込ミ

曽田本その1
2.英信流目録読み解く
居合棒太刀合之巻
 兼 大森流居合 小太刀之位
2、棒合五ツ
 
三本目請込ミ
 亦上より打所を両手尓て棒の両端をとり十文字二請下タ下タと張ル也仕廻盤右尓て請ル也
読み
 三本目請込ミ(さんぼんめうけこみ)
 亦 上より打つ所を 両手にて棒の両端をとり 十文字に請け 下 下と張る也 しまいは右にて請ける也
読み解く


 「亦上より打処・・」今度は位に考えておきます。

 棒合ですから双方棒を持って、右足を少し出して右手で棒の中程を持ち、左手で棒の端を持ち、相手の左目につけて構えて立ち合う。
 相手棒を振冠り上から頭を打って来るので、我は右手を棒の上の端に摺り込み右足を踏み込み棒の両端を持って顔前頭上にて相手の打ち込みを請ける。
 相手退かんとする所、左足を踏込み左手を棒の中に摺り戻し相手の右膝を打つ、相手右足を引き棒で受け外すところ、直ぐに右手を後ろに引き左手を棒の端に摺り込み右手を棒の中に取るや右足を踏み込んで相手の左足を打つ、相手左足を引き棒で請け外す。同様に下、下と張り終いは右で相手の打ちを張り請け詰める。

古伝神傳流秘書の棒合
四本目請込

請込
 打ッ亭懸るを中二て請下二亭合せ一方尓て張尤立合請込ハ一ツに続ヶ遣ふ扨一方を廻し掛て勝
読み
請込(うけこみ)
 打って懸かるを中にて請け 下にて合せ 一方にて張る 尤も 立合と請込は一つに続けて遣う 扨一方を廻し掛けて勝つ

読み解く
 坂橋流の棒合の三本目は「請込」です。鞘木刀を使った仕組(組太刀)の太刀打之位で4本目に「請入」という業がありました。曽田先生のメモ書きに「請込共云う」、とあります。
 此の組太刀は大江先生に依る英信流居合之型の三本目独妙剣です。この棒の動作とは業名のみ同じで関連性は無さそうです。

 「尤立合請込ハ一ツに続ケ遣ふ(尤も 立合と請込は一つに続けて遣う)とされています。と云う事は二本目の立合で相手の棒を左に巻き捨てて棒の先を相手に詰めて勝のですが、相手、棒を振り上げて遣方の真向に右足を踏み込んで打ち懸けて来るのを、「中にて請」ですから遣方、左足、右足と追い足で退り、両手で頭上に一文字に請ける。

 相手、更に棒を振り上げ右足に打込んで来る、「下にて合せ」ですから、遣方左足を右足に踏み替下で合わせる。
 「一方にて張」は同方向にと読めるのですが右足を引いてしまいましたから「もう一方にて張り」として、更に左足に打ち込んで来るのを、右足を踏み替え同時に棒の先を左手に摺り込み、右手を棒中にして右上から、相手棒を張りこみ左足を踏み込み相手棒を左に廻し掛けて相手右面に打込み勝。

 古流剣術の切先の方向と、左右の足捌きの有り様を参考にし、踏み替え足を基準にして見ました。

 業名の請込から相手の攻撃を請けつつ勝ち口を得る様にしました。十文字請けして右下で合せ、即座に攻撃に出て相手の出足に張りこんで相手が合せるや、廻し掛けして面に勝も有でしょう。

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2017年11月 4日 (土)

曽田本その1の2英信流目録原文1居合棒立合之巻2棒合五ツ3請込ミ

曽田本その1
2.英信流目録原文
居合棒太刀合之巻
 兼 大森流居合 小太刀之位
2、棒合五ツ
 
三本目請込ミ
 亦上より打所を両手尓て棒の両端をとり十文字二請下タ下タと張ル也仕廻盤右尓て請ル也
読み
 三本目請込ミ(さんぼんめうけこみ)
 亦 上より打つ所を 両手にて棒の両端をとり 十文字に請け 下 下と張る也 しまいは右にて請ける也

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2017年11月 3日 (金)

曽田本その1の2英信流目録読み解く1居合棒太刀合之巻2棒合五ツ2立合

曽田本その1
2.英信流目録読み解く
居合棒太刀合之巻
 兼 大森流居合 小太刀之位
2、棒合五ツ
 
二本目立合

 是盤楽々左の手尓て棒の中を持チ近ク立合也楽々右手尓て棒の上の者之を逆手尓取り右の足を跡へ一足引キ逆様尓合セ亦楽々右の手を上ェあげ下タを合セ巻き捨ルなり
読み
 是は 楽々左の手にて棒の中を持ち近く立合う也 右手にて棒の上の端を逆手に取り 右の足を跡へ一足引き逆様に合わせ 亦楽々右の手を上へ上げ下を合せ巻き捨てる也
読み解く

相方とも棒の中程を左手で持って、やや右足を前にして近間に立っています。棒は6尺前後以上を云いますから太刀の場合の間よりやや遠いはずです。
  慣れないうちは特に遠間でのびのびと大きく打ち合った方が良いかも知れません。
 棒を左手で中程を持って左脇に自然に付け棒の先を下に向け斜めにして持つのでしょう、   左脇に杖に立てるも在りでしょう、あるいは、棒の先端を上に上げ相手の眉間につけるも在りでしょう。

 相手右足を引いて我が右面を打って来る。我は棒の上の端を右手を逆手にし取るや右足を一歩引き様に是に応じて棒を合せる。
 右手を下げ左手を棒の上に摺り込み棒を返して右手を上にして右足を踏み込み相手の右膝を打つ相手一歩下がり是を受ける、即座に相手の棒を下から巻き込んで右へ巻き捨て、相手の水月に付け詰める。

手付けは巻き捨てて業を終わっていますが、詰めておきます。

参考に神傳流秘書 棒合 二本目 立合
 如前立合棒を逆手二取り下を上二亭合又下二亭合せ巻捨る前之通り持立合たる時両方の手二亭逆手二取足を引て下を上尓て合又下二亭合遣方より左へ巻捨る

読み
立合(たちあい)

 前の如く立合い 棒を逆手に取り 下を上にて合せ 又 下にて合せ 巻捨てる
前の通り持ち 立合いたる時 両方の手にて逆手に取り 足を引いて下を上にて合せ 又 下にて合せ 遣方より左へ巻き捨てる
「如前立合」「前之通り持立合たる時」
追込:「両方棒を左の手尓て持杖二突き・・」
読み解く
 前の如く立合う、ですから棒を杖に突いて左足先に立て、左手で胸の辺りに添えて右足をやや引いてやや半身に双方立って出合います。
 相手「棒を逆手に取り」は左手の下方に右手の拇指を下向きに逆手に添え、「下を上にて合せ」は棒を、右肩から廻して地に突いていた棒の先を上にして、左面に打込んできます。
 遣方も同様に左足を引いて之を請ける。
 遣方即座に左手を引きつつ、棒の先へ右手を滑らせ、左肩から廻して左足を踏み替え左手を前にして相手の右足を打つ、相手も同様にして右足を踏み替え之を請ける。
 相手請けるや、下らんとする処、遣方より棒の先を上げつつ相手の棒を左に巻き捨て、棒の先を相手の水月に詰める。

 

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2017年11月 2日 (木)

戊戌(つちのえいぬ・ぼじゅつ)

 平成30年2018年は戊戌(つちのえいぬ・ぼじゅつ)です。

 明治維新1868年から150年、先の無条件降伏昭和20年1945年から73年経ちます。去年の「干支を読む」にも、同じ書き出しでした。
 明治維新の列強に追いつけ追い越せとも、日清、日露の勝ちに乗って戦争に突き進んでいった時代とも、先の敗戦後の思想的にも自信を無くし、復興とはエコノミックアニマルである事とも違う時代を人々が望んでいるような気がします。
 それは一部の国だけや、其の中の一部の人だけの繁栄によって何となく潤うものとは違う、かと言って福祉の名を借りた怠け者まで保護するものとも違うのです。
 ですから、決して、人気取りによる政治や、自分たちが勝つだけの戦略ばかりで、何処に向っていくのかの思いが伝わってこない、そんな中からは目先の事ばかりで新しい時代は来ないと思われます。
 一人一人が、言うべき事を責任を以て言う事が望まれるのではないのでしょうか。居場所がなくなる事を恐れていては何も変わらないのでしょう。
 
 この「干支を読む」も2009年暮れに2010年の寅年から書き始めたので8年分書いて来た事になります。
 戊戌(つちのえいぬ・ぼじゅつ)の年を遊んでみます。
1、戊戌(つちのえいぬ・ぼじゅつ)、十干十二支の組み合わせの35番目
 「戊」の文字の意味するもの。
 つちのえ(土陽兄)、ほこ、まさかり(鉞)に似た武器を描いた象形文字。
 無理やりに進む、植物が無理やり地表を破って顔を出す。
 
 「戌」の文字の意味するもの。
 イヌ、十二支の十一番め、時刻では今の午後八時及びその前後の二時間。
 方角では北西、動物では犬、五行では土。
 ホコの象形文字、農民が収穫したものを外敵から奪われない様武器で守る時期。
 「まもる」人と戈の会意文字で、兵士が武器を持って警備に立つこと。
 「戌」の別字「戍」
 
2、 「戊」の熟語、「戊」のつく漢字
  戊夜(ぼや)・戊子・戊牛・戊虎・戊卯・戊辰・
 戊巳・戊午・戊未・戊申・戊酉・戊戌・戊亥・
 戊戌戊政変・戊辰戦争
 
3、「戌」の熟語 「戌」のつく漢字
 屈戌(くつじゅつ)・戊戌・戌井・戌亥
 
4、戊・戌・犬の諺
  ・犬も歩けば棒にあたる
       出しゃばるからわざわいにあう。
               何かやっているうちに幸運に会う。
 ・犬も食わぬ
       犬も食わぬほど忌み嫌うこと。
 ・尾を振る犬は叩かれず
       従順な者は誰もひどい事をしない。
 ・飼い犬に手を噛まれる 
       可愛がっていた人から思いがけず害を請ける
 ・夫婦喧嘩は犬も食わぬ
       夫婦喧嘩は内輪のつまらぬ争い、
               他人がとやかくしない。
 ・犬猿もただならず
       犬と猿の仲よりもっと悪い仲。
 ・主憂うれば犬痩す
       主人に心配事があれば飼い犬も痩せる。
 ・犬馬の労
       主人や他人に力を尽くすへりくだった言葉。
 
5、戌・犬を詠んだ俳句 
 草枕犬も時雨るるか夜の声     芭蕉
 またうどな犬踏みつけて猫の恋  蕪村
 戸に犬の寝かへる音や冬籠    蕪村
 犬どもがよけてくれけり雪の道   一茶
 犬の子やかくれんぼする門の松  一茶
 江戸衆や庵の犬にもお年玉    一茶
 古郷や犬の番する梅の花      一茶
 
6、犬・戌を祀ってある神社
 ・老犬神社     秋田県大館市十二所葛原
 ・犬の宮・猫の宮 山形県東置賜郡高鼻町
 ・三峰神社     埼玉県秩父市三峰山
 ・武蔵御嶽神社  東京都青梅市武蔵御嶽山
 ・黒犬神社     静岡県藤枝市藤枝鬼岩寺
 ・霊犬神社     静岡県磐田市見付
 ・伊奴神社     愛知県名古屋市西区稲生町  
 
 
7、戊戌生まれの性格と有名人2018年に還暦を迎えます
 ・性格 
 戊戌の性格は、地味でありながら、プライドが高い人です。そのため頑固で目上に対しての反逆精神も旺盛です。その上、自分らしさを優先するため単独行動を好みます。
 凝り性で豊かな知識があります。また努力家で、とても堅実なため、目下に対しては面倒見が良く大事にします。
 
 ・有名人
 石川さゆり・時任三郎・松原千明・萬田久子・
  陣内孝則・玉置浩二・岩崎宏美・小室哲哉・
  宮崎美子・久本正美・森昌子・樋口可南子えetc

8、戊戌はどんな年だったのでしょう。
 
戊戌の年は60年ごとに巡ってきますから、60年前から遡ります。

・昭和33年1958年
 昭和天皇
 第2次岸信介内閣総理大臣
 インドネシアと平和条約・インドと通商協定・
 日中民間貿易協定・・狩野川台風・
 インスタントラーメン発売・テレビ受信契約100万突破・
 横山大観没す・米人工衛星打ち上げ成功
・明治38年1898年
 明治天皇
 伊藤・大隈・山県内閣総理大臣
 葉タバコ専売実施・第五回総選挙・
 第六回総選挙
・天保9年1838年
 仁孝天皇
 徳川家斉・徳川慶喜将軍
 佐渡一国騒動・都々逸流行
・安永7年1778年
 後桃園天皇
 徳川家治将軍
 ロシア船蝦夷厚岸に来航
・享保3年1718年
 中御門天皇
 徳川吉宗将軍
 広島藩の農民新政に反対し頭庄屋
 などを打ちこわす
 中国船との密貿易を厳禁す
 伊勢おかげ参り流行
・万治元年1658年
 後西天皇
 徳川家綱将軍
 江戸町々間数絵図をあらわす
 江戸に常火消設置
 諸国に風水害おこる
・慶長3年1598年
 後陽成天皇
 豊臣秀吉
 小西行長明軍に和平を求める
 朝鮮出兵から帰国
 秀吉諸大名に秀頼に忠節を誓う誓書をとる
 秀吉死す
・天文7年1538年
 後奈良天皇
 足利義晴将軍
 北条氏綱、下総葛西城を落とす
 大内義隆、山名氏を攻め自殺させる
 近畿、関東に大洪水
 諸国に悪疫流行
・文明10年1478年
 後土御門天皇
 足利義尚将軍
 畠山政長管領
・応永25年1418年
 称光天皇
 足利義持将軍
 畠山満元管領
 京都大火
・延文3年1358年
 後光厳天皇・後村上天皇
 足利尊氏将軍
 細川清氏執事
 天竜寺火災
 足利尊氏没す
・永仁6年1298年
 後伏見天皇・伏見天皇
 久明親王将軍
 北条貞時執権
 鑑真和上東征伝絵巻
 延暦寺戒壇・講堂など焼失
・暦仁元年1238年
 四条天皇・後堀河天皇
 藤原頼経将軍
 北条泰時執権
 将軍頼経上洛し検非違使別当となる
 浄光、勧進して鎌倉深沢に大仏建立
・治承2年1178年
 高倉天皇・後白河天皇
 関白藤原基房
 延暦寺の堂衆と学徒の争い激化、法皇、
 清盛に学徒の援助を命ず
・元永元年1118年
 鳥羽天皇・白河天皇
 関白藤原忠実
 京都に大風、多くの殿舎が倒壊
以下略す
 
 日本という国は何処に向って舵をとっているのでしょう。
 衆議院の解散が突然あって其の解散理由も不明瞭ならば、解散によって国民に審議を問う内容も不明瞭でした。
 野党の政策もよく解らないし、与党の反対をしているだけにしか思えませんでした。結果は与党が過半数を得て、またこの国はどこに向って行くのか不明瞭な政治が始まりました。
 市長選のように総理は国民投票として人物を選べる仕組みに替えなければ日本丸は太平洋でクルクル回っている様です。
 あんな市長では何もできないと言われながら3選している市長も居る。何もさせないのは、批判は出来ても何もしない廻りの人達かも知れない。
 
 企業のモラルも行政の基準も何処かおかしい、契約した基準値を守らない嘘つき、資格も無い者に検査を任せて印鑑だけのチェック。
 是等は、本来その基準値が必要だったのかよりも、契約違反が優先するのは当然ですが、それで安全性はどうなのかの実態は無視してとにかくマスコミがまくし立てるものなのか。
 受注企業には、誤魔化してもコスト優先で発覚しなければいいとして、ごまかしが出来ない者は、其の企業にとって優秀な人材ではないというおかしな悪習もあったりして。
 
 管理基準のチェックを有資格者が実施しなければならないとするならば、チェック量と有資格者の数が問題で、まずそこを明確にしておかなければ何度でも違反が発生する。
 有資格者で無くとも訓練を受けた人でも充分有効なチェック部分は誰がチェックしたかを明確にして、それを有資格者が認知すればいいものもある筈でしょう。
 四角四面の押し付け行政に振り回されているだけでは、無駄なコストが発生するだけで仕事をしていると思えない。
 守らせる行政と守る企業とは車の両輪であるべきで、常に双方で見直す心構えが必要でしょう。
 何年も続いて来た、ごまかしが発覚した原因は何でしょう。
 働く者と企業とにギャップがあり過ぎるのではないでしょうか。内部告発は消費者にとっては素晴らしい現象です。自慢できない自社を憂うる心から出たものならばですが。
 戊戌の年には、もっと見える日本に切り替わってほしいものです。やってはならない事はやらない、それが人間でしょう。
 北朝鮮の求めるものは何なのでしょう、何処からもそれを聞かされた気がしません。
 北朝鮮も求めるものを大声で言わなければただのヤクザが取り籠っているに過ぎないような国家に思えてしまいます。
 それでは、腕力か、飴玉を与えて解決するしかないように思えてしまいます。
 無差別殺戮の準備が出来ても何も解決しないでしょう。
 北からの攻撃に、避難しろと言っても避難場所など今の日本の住まい環境では不可能に近い。
 核の反対を叫びながら、状況判断から核の傘による安保をもって、国として反対をしない政権の不思議。反対ではない様に聞こえます。
 反対であるが、核の傘にはちゃんと潜って生きのびたいみたいです。無差別殺戮をやった米国にいつまで隠れているのでしょう。
 計画に基づいた防衛力強化として防衛備品の整備だそうです。整備には人も要るのです。金もかかるのです。国産ならいざ知らず米国から買うばかり。何処かおかしい。
 憲法改正も改正内容が見えません。
 それなのに憲法改正をしたいから衆議院を解散して改正の良し悪しを問う選挙をやって勝ったから進める、では変です。
 此処を改正すると、この様な国になって、この様に幸せになるとはだれも言わない様です。
 少子化を産めよ増やせよと改善するのは良いのですが、年齢の分布はいつまでにどのような構成になる様にするのでしょう。
 どんどん国内から海外に生産拠点を移している日本の企業です。産業空洞化を押える政策が全然見えてきません。
 労働人口は増えたが働く場所が無いのでは困ったものです。
 キャッシュレスの時代がひたひたと押し寄せオリンピックまでには進んでいなければ他国の人に見捨てられそうです。
 反面、サービス業から人がはみ出てしまう、その行き場も必要です。
 企業は一国のものからグローバルなものに転換せざるを得ないのでしょう。
 日本と言う国の行政から抜け出ていく様です。
 じたばたしているのは、政治家ばかりです。産業が無ければ政治家も半分以下で充分です。
 食料の自給率の低下は農業政策の無策によるのでしょう。
 若い人口の増加に合わせた農業・漁業などの産業の方向性を明確に打ち出すべきでしょう。飯は自分で食うのが基本でしょう、そのための戦略が無ければならない筈です。
 古い農業政策による利権にも手を付ける頃合いでしょう、保護主義では育つものも育たない。無策なくせに保護政策で農家から選挙の票を集めても衰退していくばかりです。
 再生可能なエネルギー開発はほったらかされ、原発再開ばかりが気になります。使用済み燃料のリサイクルはおろか廃棄もままならず、福島の二の舞をするのが落ちでしょう。
 帰りたい故郷がありながら、帰れない、帰っても子供を育てるには時間が経ち過ぎた悲しい現実。
 再生可能なエネルギー機器の開発はこの国でも十分可能です。どこぞの国から原発機器と燃料を買ってご機嫌取して居る様に見えてしまいます。
 地球温暖化は止まりそうもありません。
 気候変動は想定外では無く想定した上での生活環境の指針を打ち出す必要がありそうです。
 地球内部の動きは想定外を許しそうもない。想定してどう対処するのか示す必要があります。
 日本語があるのに、置き去りにして英語教育が優先の教育政策の様に思えます。日本国なんて要らないと思っている様に聞こえます。
 武道教育だそうです。武道って人殺しの教育ですか。天皇陛下万歳と叫んで又、産めよ増やせよした我が子を殺す気でしょうか。
 医療の遅れも気になります、愛する子供の内臓移植に多額の金を集めて海外に願いを込める父母、何処か間違っていませんか。 
 忖度、臭いなー。
 取り巻きも、官僚も・・・いうべきことは、言って膿を出す。
 思いつくままに・・・・。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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曽田本その1の2英信流目録原文1居合棒立合之巻2棒合五ツ2立合

曽田本その1
2.英信流目録原文
居合棒太刀合之巻
 兼 大森流居合 小太刀之位
2、棒合五ツ
 
二本目立合

 是盤楽々左の手尓て棒の中を持チ近ク立合也楽々右手尓て棒の上の者之を逆手尓取り右の足を跡へ一足引キ逆様尓合セ亦楽々右の手を上ェあげ下タを合セ巻き捨ルなり
読み
 是は 楽々左の手にて棒の中を持ち近く立合う也 右手にて棒の上の端を逆手に取り 右の足を跡へ一足引き逆様に合わせ 亦楽々右の手を上へ上げ下を合せ巻き捨てる也

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2017年11月 1日 (水)

曽田本その1の2英信流目録読み解く1居合棒太刀合之巻2棒合五ツ1追込ミ

曽田本その1
2.英信流目録読み解く
居合棒太刀合之巻
 兼 大森流居合 小太刀之位
2、棒合五ツ
 
一本目追込ミ

 上ェ下タ上ェ下タ下タ右を打出ス時盤右の足を先ェ出し左の下を合スル時ㇵ左の足を出し仕廻盤右の足尓て詰る也
読み
 上 下 上 下 下 右を打ち出す時は右の足を先へ出し 左の下を合する時は左の足を出し 終いは右の足にて詰める也
読み解く
 この棒合五つは 古伝神傳流秘書の棒術の第一項にある棒合(是は坂橋流之棒也と言う)に同じものと考えられます。
 項目の順序が前回の英信流目録第一項棒太刀合之棒八本が古伝神傳流秘書では第二項太刀合い之棒でしたから、英信流目録と神傳流秘書とでは入れ替わっています。
 曽田本は伝書を誰からいつ見せられ、いつ書写されたのかが不明ですから原本の所在がつかめません。明治以降の混乱から土佐の居合の乱れを目の当たりにされ、業技法の原点を曽田先生は純粋に追い求められたのでしょう。
古伝神傳流秘書の棒合
一本目追込
上下上下と合張り又一方を打懸て勝
両方棒を左の手尓て持杖二突立合上を合下を合又上を合又下を合遣方より一方二亭張り又一方を打懸て勝也
読み
追込(おいこみ)
 上下 上下と合い張り 又 一方を打懸けて勝つ
 両方棒を左の手にて持ち 杖に突き立ち合う 上を合わせ下を合わせ 又 下を合わせ 遣方より一方にて張り 又 一方を打ち懸けて勝也

 双方とも棒を左手に持ち杖(つえ)に突き立合う。左手の位置は自然体で握り易く杖(つえ)を突く位置、棒の中程でしょう。杖ならば杖の上を掌で被せてもいいでしょう。

 一本目は業名「追込」ですから、相手が先に棒に右手を懸け仕掛けて来るのに応じ、遣方が追い込んで行き、相手は下って行く打ち合いを想定して見ます。

 双方棒を左手で杖(つえ)を突く様に持ち、棒の先を左足先前に付け右足をやや後ろに退いて立つ。
 相手、棒を持つ左手の下に右手を逆手に添え、左手を滑らせて棒の上方を持ち、右肩から廻して右足を踏み込んで我が左面に打ち懸けて来る、遣方も同様に右足を踏み込んで相手の棒に打ち懸けて之を留める。

 遣方透かさず左足を右足踵に踏込み棒を右肩に取るや右足を踏み込んで打方の右足に打込む。
 相手棒を右肩に担ぎ打込まんとするが、遣方に攻め込まれ右足を引いて左足に引き付け左足を引くや、右足前で同様に遣方の棒を請ける。

 遣方、左手を引いて右手を棒の先に滑らせ、左手を棒の中程まで滑らせ左肩に廻し取るや左足を踏み込んで、相手の右面を打つ、相手右足を引いて同様に之を請ける。
 遣方、透かさず右足を左足に引き付け、同様に棒を左肩に取るや、左足を踏み込んで相手の左足に打込む。
 相手、左足を右足に引き付け、右足を引いて之を請ける。

 遣方、左足に右足を引きつけ、棒を振り上げ、左足を踏み込んで相手の右足に打ち懸かる、相手是を退き乍ら請ける、遣方即座に左足に右足を引き付け乍ら右手を後方に引いて左手を滑らせ棒の先を握り、右肩から棒を廻し乍ら右手を棒中に滑らせ右足を踏み込んで打方の左面を打ち勝つ。
 双方、右半身で棒を合せ元の位置に戻る。 


 英信流目録の棒合五ツの抜けを神傳流秘書の棒合が補っています。
 追込みですから遣方にどんどん攻め進んでもらいました。
棒は上下は有りませんから、上下を返して打ってみました。刀と同様に一方を先端として、手を持ち替えずに順の打ち逆の打ちなども追い込みながら詰めて行かれるでしょう。

 

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2017年10月31日 (火)

曽田本その1の2英信流目録原文1居合棒太刀合之巻2棒合五ツ1追込ミ

曽田本その1
2.英信流目録原文
居合棒太刀合之巻
 兼 大森流居合 小太刀之位
2、棒合五ツ
 
一本目追込ミ

 上ェ下タ上ェ下タ下タ右を打出ス時盤右の足を先ェ出し左の下を合スル時ㇵ左の足を出し仕廻盤右の足尓て詰る也
読み
 上 下 上 下 下 右を打ち出す時は右の足を先へ出し 左の下を合する時は左の足を出し 終いは右の足にて詰める也

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2017年10月30日 (月)

曽田本その1の2英信流目録読み解く1居合棒太刀合之巻1棒太刀合之位8袖返

曽田本その1

2.英信流目録読み解く
居合棒太刀合之巻 
 兼 大森流居合 小太刀之位
1、棒太刀合之位

八本目袖返シ

 是盤敵ハ太刀を車尓構ヱ居也我ㇵ棒尓て上より討也其所を敵横尓なくる也我其所を懸ケ太刀の裏を廻し棒の先キ尓てみけんを突也 以上八本


読み

袖返シ(そでかえし)
 是は 敵は太刀を車に構え居る也 我は棒にて上より討つ也 其の所を敵横になぐる也 我其の所を懸け太刀の裏を廻し 棒の先にて眉間を突く也 以上八本


読み解く
 この業も古伝神傳流秘書の坂橋流之棒の太刀合之棒の八本目に同じ呼称で存在します。袖返
 棒より打込むを横に拂をはつし棒の先を突付る心二亭面に勝 我ハ棒を左の手二亭突敵ハ車に構へて居相手太刀を右車二構我棒を左の手二亭杖二突居る処へ右の手を添へ棒より打込むを横二拂ふをはつして棒の先を面二突込む心二亭勝  

神傳流秘書坂橋流之棒八本目袖返シの読み
 棒より打ち込むを横に拂うを外し 棒の先を突き付ける心にて面に勝つ 我は棒を左の手にて突き 敵は車に構えて居る 相手太刀を右車に構え 我れ棒を左の手にて杖(つえ)に突きいる処へ 右の手を添え棒より打ち込むを 横に拂うを外して 棒の先を面に突き込む心にて勝つ
*
 英信流目録は、「是は敵は太刀を車に構えて居る」、我の構えの指定はありません。
 神傳流秘書では、「我ハ棒を左の手二亭突」ですから杖に突いて行くのでしょう。

 敵が太刀を車に構えて待つ処、我は左手で棒の端を持って杖について行き、間境で右手を棒の中に持ち上段に冠り右足を大きく踏み込んで真向に打ち込む。
 敵は透かさず棒を車の構えから横に薙ぎ払う。
 相懸けになった処を我は太刀の下から棒を太刀の裏に廻し太刀を打ち外して敵の眉間に突き込む。

 神傳流秘書では、相懸けにならずに、「棒より打込むを横に拂を」はずして面に突き込んでいます。

 以上で「棒太刀合之棒八本]は終わります。次回は「2、棒合五つ」です。棒合ですから棒と棒でしょう。
 


 

 

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2017年10月29日 (日)

曽田本その1の2英信流目録原文1居合棒太刀合之巻1棒太刀合之位8袖返

曽田本その1

2.英信流目録原文
居合棒太刀合之巻 
 兼 大森流居合 小太刀之位
1、棒太刀合之位

八本目袖返シ

 是盤敵ハ太刀を車尓構ヱ居也我ㇵ棒尓て上より討也其所を敵横尓なくる也我其所を懸ケ太刀の裏を廻し棒の先キ尓てみけんを突也


読み
袖返シ(そでかえし)
 是は 敵は太刀を車に構え居る也 我は棒にて上より討つ也 其の所を敵横になぐる也 我其の所を懸け太刀の裏を廻し 棒の先にて眉間を突く也

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2017年10月28日 (土)

曽田本その1の2英信流目録読み解く1居合棒太刀合之巻1棒太刀合之位7見返

曽田本その1

2.英信流目録読み解く
居合棒太刀合之巻 
 兼 大森流居合 小太刀之位
1、棒太刀合之位

七本目見返

 是ㇵ右の手尓て棒の端をさげひきづり行也敵跡よりお可ミ討ち二討所を其拍子尓連レ天見返りさ満尓左の手尓て棒の者しを取り右の手尓て中をおさへ敵のみけんを突也


読み
見返(みかえり)
 是は 右の手にて棒の端を提げ引き摺り行く也 敵跡より拝み討ちに討つ処を 其の拍子に連れて見返り様に 左の手にて棒の端を取り 右の手にて中を押え 敵の眉間を突く也


 この業は神傳流秘書の太刀合之棒七本目見返と同じでしょう。
見返
 右の手にて棒を引摺り行くを相手後より付来り打込を其儘右へ振り向き棒先を面へ突込む

読み

見返(みかえり)
 右の手にて棒を引き摺り行くを 相手後より付き来たり打込むを そのまま右へ振り向き   棒先を面へ突き込む
読み解く

   見返りは、右手で棒の端を持って棒を引き摺りながら歩いている所へ、敵が後ろから来たって拝み打ちに打ち込んで来る。
 其の気配を察するや左手で右手で持っていた棒の端を逆手に持ち、右手を棒の中ほどに摺り込むや、右廻りに振り向き様、上段に振り冠って打ち下ろさんとする敵の眉間に突きを入れる。
 この場合、敵は間境で上段に振り冠り右足を踏み込んで拝み打ちに打ち込んで来るので、我は左足を一歩踏み出して是を外し、敵が空を切ってのめる間に振り返ってその眉間を突く。と言うぎりぎりの拍子も考えられそうです。

 右廻りではなく左廻りの方法もあるでしょう。其の場合は眉間を突くより、敵の左鬢を打った方が有効のようです。
 いづれにしても、後ろから真っ向に斬られそうになる状況をどのように察知するのか、足裁きをどの様にするかなどがポイントでしょう。

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2017年10月27日 (金)

曽田本その1の2英信流目録原文居合1棒太刀合之巻1棒太刀合之位7見返

曽田本その1

2.英信流目録原文
居合棒太刀合之巻 
 兼 大森流居合 小太刀之位
1、棒太刀合之位

七本目見返

 是ㇵ右の手尓て棒の端をさげひきづり行也敵跡よりお可ミ討ち二討所を其拍子尓連レ天見返りさ満尓左の手尓て棒の者しを取り右の手尓て中をおさへ敵のみけんを突也


読み
見返(みかえり)
 是は 右の手にて棒の端を提げ引き摺り行く也 敵跡より拝み討ちに討つ処を 其の拍子に連れて見返り様に 左の手にて棒の端を取り 右の手にて中を押え 敵の眉間を突く也



 

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2017年10月26日 (木)

曽田本その1の2英信流目録読み解く1居合棒太刀合之巻1棒太刀合之位6笠之羽

曽田本その1

2.英信流目録読み解く
居合棒太刀合之巻 
 兼 大森流居合 小太刀之位
1、棒太刀合之位

六本目笠之羽

 是者我首へ拱(横の誤字か)尓置き両手をか多のあ多りまてをさへ相懸り尓て行く場合尓て敵物討尓討つ所を右の者之を合セ其侭左の者しを以強く横尓はね勝也則チ棒の者之をかへ之跡堅る也

読み
 是は 我が首へ横に置き両手を肩の辺りまで押え相懸かりにて行く 場合にて敵物打ちに討つ所を右の端を合わせ 其の侭左の端を以って強く横に撥ね勝也 則ち棒の端を返し跡堅める也


読み解く

 是は我は棒を横にして両手で肩のあたりに持って、太刀を持つ相手と相懸かりに行き逢う、場に至って敵が物打ちで打ち掛かって来る所を、我は右足を踏み込み棒の右の端を相手の打ち込む太刀に合わせ受け止め、即座に左足を踏み替え棒の左端でその太刀を横に強くはね上げて勝つ。
そして、左足を踏み込み棒の端で敵の水月を突き堅める。

笠之羽の業名なので、此処は棒を天秤棒を担ぐ様にすべきかとも思いました。
「かたのあたりまでおさえ」といって「かたにかつぎ」とは言っていないので、肩の高さで首の辺りにささげ持つ様に持たせて見ました。
 肩に担いでも同様に応じられるでしょう。


参考に神傳流秘書の坂橋流棒より

太刀合之棒
六本目笠之羽
笠之羽
 相手高山二か満へ居る処へ如此棒をかつぎ行を相手打込むを一方二亭合せ一方二亭張り扨一ツ廻して詰る
読み
笠之羽(かさのはね)
 相手高山に構え居る処へ 此の如く棒を担ぎ行を 相手打込むを 一方にて合せ 一方にて張り 扨 一つ廻して詰める
参考
「此の如く棒を担ぎ行を」は、両肩の首の後ろで棒を横に水平に担ぎ両手で棒を支えている黒塗りの絵が挿入されています。

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2017年10月25日 (水)

曽田本その1の2英信流目録原文居合1棒太刀合之巻1棒太刀合之位6笠之羽

曽田本その1

2.英信流目録原文
居合棒太刀合之巻 
 兼 大森流居合 小太刀之位
1、棒太刀合之位

六本目笠之羽

 是者我首へ拱(横の誤字か)尓置き両手をか多のあ多りまてをさへ相懸り尓て行く場合尓て敵物討尓討つ所を右の者之を合セ其侭左の者しを以強く横尓はね勝也則チ棒の者之をかへ之跡堅る也

読み
 是は 我が首へ横に置き両手を肩の辺りまで押え相懸かりにて行く 場合にて敵物打ちに討つ所を右の端を合わせ 其の侭左の端を以って強く横に撥ね勝也 則ち棒の端を返し跡堅める也

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2017年10月24日 (火)

曽田本その1の2英信流目録読み解く居合1棒太刀合之巻1棒太刀合之位5小鬢流

曽田本その1

2.英信流目録読み解く
居合棒太刀合之巻 
 兼 大森流居合 小太刀之位
1、棒太刀合之位

五本目 小鬢流

 是盤鬢を打つ也 跡同之前も同之

読み
 是は 鬢を打つ也 跡同じ前も同じ

 五
本目も省略されていますから「一本目の脛砕と同じ事で脛へ当てるのを敵の鬢を討つ 跡は同じ前も同じ」ですから「一本目脛砕」を基に復元しておきます。
・ 
 是ㇵ敵ハ太刀を上段にかむり我ㇵ左の手尓て棒の中を持杖尓突き楽尓立合也
 敵婦ミ込おがみ打尓打所我ハ右の手にて棒の上の者しを逆手尓取り右の足を一足引キ右乃手を下へさげ棒の下タの者しを太刀へ合セ右の足を一足婦ミ込ミ右の手尓て持ちたる者し尓て「敵の小鬢を上より討つさき(先)をさげ左の手を上へあげ討也

 敵亦討所をさげておる者し尓て太刀を者ね躰をかわり左の手尓て持多る者しを「敵の左の腰へ當
て」我も左の足を婦み込ミ棒を跡へくり出し車の如くかまゑる也

 其所を敵我が足を片手にてなぐる也夫ゟ水車を廻し追込ム也。廻し様盤右で二ツ左で二ツづゝ廻していくつも廻し行優く(うく)迄追込ム也

 右の手の行たる時追い留り□□者敵拝ミ討二打所を下タより棒の先尓て拳を者ね上ケ亦我も其儘棒之先尓て拝討尓打なり

 敵其所を請て我が棒の先を左の手尓てとり右の手尓て持たる太刀を我がみ希んへ討也
  我其所を左の片手尓て棒ヲ上へさし上ケ右の手尓て棒の前ヱより敵の右の手首をとり棒を前へおし手を我が方へ引きかためる也俗に云う棒し者りなり

 亦左の手の先へ出てくる時追い留り多れば先をさげ待て敵討所を真見合へ棒の先をさし付右の手を下ケてか多める也


読み
 是は敵は太刀を上段に冠り 我は左の手にて棒の中を持ち 杖に突き楽に立ち合う也
 敵踏み込み拝み打ちに打つ所 我は右の手にて棒の上の端を逆手に取り 右の足を一足引き 右の手を下へ下げ棒の下の端を太刀へ合わせ 右の足を一足踏み込み 右の手にて持ちたる端にて 「敵の小鬢を上より討つ」 先を下げ左の手を上へあげ討つ也

 敵亦討つ所を下げておる端にて太刀をはね 体を変わり 左の手にて持ちたる端を「敵の左の腰へ当て」 我も左の足を踏込み 棒を跡へ繰り出し車の如く構える也。

 其の所を敵 我が足を片手にて殴る也、其れより水車を廻し追い込む也。
 廻し様は右で二つ 左で二つづつ廻して 幾つも廻し行き 憂く迄追い込む也。

 右の手の行きたる時 追い留まり□□は(たれば) 敵拝み討ちに打つ所を下より棒の先にて拳を跳ね上げ 亦我も其の儘棒の先にて拝み討ちに打つ也
 

 敵其の所を請けて我が棒の先を左の手にて取り 右の手にて持ちたる太刀を我が眉間(みけん)へ討つ也
 我其の所を左の片手にて棒を上へ差し上げ 右の手にて棒の前より敵の右の手首を取り棒を前へ押し 手を我が方へ引きかためる也。俗に云う棒縛り也。

 亦 左の手の先へ出て来る時 追い留まりたれば 先を下げ持ちて 敵討つ所を真見合へ棒の先を指し付け 右の手を下げてかためる也。

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2017年10月23日 (月)

曽田本その1の2英信流目録原文1居合棒太刀合之巻1棒太刀合之位5小鬢流

2.英信流目録原文
居合棒太刀合之巻 
 兼 大森流居合 小太刀之位
1、棒太刀合之位

五本目 小鬢流

 是盤鬢を打つ也 跡同之前も同之

読み
 是は 鬢を打也 跡同じ前も同じ
 五本目も省略されていますから「一本目の脛砕と同じ事で脛へ当てるのを敵の鬢を討つ 跡は同じ前も同じ」ですから「一本目脛砕」を基に復元しておきます。

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2017年10月22日 (日)

曽田本その1の2英信流目録読み解く1居合棒太刀合之巻1棒太刀合之位4小手落

曽田本その1

2.英信流目録原文
居合棒太刀合之巻 
 兼 大森流居合 小太刀之位
1、棒太刀合之位

四本目 小手落

 手首を上より討つ也 跡同之前も同之

読み
 手首を上より 討つ也 跡同じ前も同じ

 四
本目も省略されていますから「一本目の脛砕と同じ事で脛へ当てるのを敵の手首を上より討つ 跡は同じ前も同じ」ですから「一本目脛砕」を基に復元しておきます。
・ 
 是ㇵ敵ハ太刀を上段にかむり我ㇵ左の手尓て棒の中を持杖尓突き楽尓立合也
 敵婦ミ込おがみ打尓打所我ハ右の手にて棒の上の者しを逆手尓取り右の足を一足引キ右乃手を下へさげ棒の下タの者しを太刀へ合セ右の足を一足婦ミ込ミ右の手尓て持ちたる者し尓て「敵の手首を上より討つさき(先)をさげ左の手を上へあげ討也

 敵亦討所をさげておる者し尓て太刀を者ね躰をかわり左の手尓て持多る者しを「敵の左の腰へ當
て」我も左の足を婦み込ミ棒を跡へくり出し車の如くかまゑる也

 其所を敵我が足を片手にてなぐる也夫ゟ水車を廻し追込ム也。廻し様盤右で二ツ左で二ツづゝ廻していくつも廻し行優く(うく)迄追込ム也

 右の手の行たる時追い留り□□者敵拝ミ討二打所を下タより棒の先尓て拳を者ね上ケ亦我も其儘棒之先尓て拝討尓打なり

 敵其所を請て我が棒の先を左の手尓てとり右の手尓て持たる太刀を我がみ希んへ討也
  我其所を左の片手尓て棒ヲ上へさし上ケ右の手尓て棒の前ヱより敵の右の手首をとり棒を前へおし手を我が方へ引きかためる也俗に云う棒し者りなり

 亦左の手の先へ出てくる時追い留り多れば先をさげ待て敵討所を真見合へ棒の先をさし付右の手を下ケてか多める也


読み
 是は敵は太刀を上段に冠り 我は左の手にて棒の中を持ち 杖に突き楽に立ち合う也
 敵踏み込み拝み打ちに打つ所 我は右の手にて棒の上の端を逆手に取り 右の足を一足引き 右の手を下へ下げ棒の下の端を太刀へ合わせ 右の足を一足踏み込み 右の手にて持ちたる端にて 「敵の手首を上より討つ」 先を下げ左の手を上へあげ討つ也

 敵亦討つ所を下げておる端にて太刀をはね 体を変わり 左の手にて持ちたる端を「敵の左の腰へ当て」 我も左の足を踏込み 棒を跡へ繰り出し車の如く構える也。

 其の所を敵 我が足を片手にて殴る也、其れより水車を廻し追い込む也。
 廻し様は右で二つ 左で二つづつ廻して 幾つも廻し行き 憂く迄追い込む也。

 右の手の行きたる時 追い留まり□□は(たれば) 敵拝み討ちに打つ所を下より棒の先にて拳を跳ね上げ 亦我も其の儘棒の先にて拝み討ちに打つ也
 

 敵其の所を請けて我が棒の先を左の手にて取り 右の手にて持ちたる太刀を我が眉間(みけん)へ討つ也
 我其の所を左の片手にて棒を上へ差し上げ 右の手にて棒の前より敵の右の手首を取り棒を前へ押し 手を我が方へ引きかためる也。俗に云う棒縛り也。

 亦 左の手の先へ出て来る時 追い留まりたれば 先を下げ持ちて 敵討つ所を真見合へ棒の先を指し付け 右の手を下げてかためる也。

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2017年10月21日 (土)

曽田本その1の2英信流目録原文1居合棒太刀合之巻1棒太刀合之位4小手落

曽田本その1

2.英信流目録原文
居合棒太刀合之巻 
 兼 大森流居合 小太刀之位
1、棒太刀合之位

四本目 小手落

 手首を上より討つ也 跡同之前も同之

読み
 手首を上より 討つ也 跡同じ前も同じ

 四
本目も省略されていますから「一本目の脛砕と同じ事で脛へ当てるのを敵の手首を上より討つ 跡は同じ前も同じ」

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