曽田本その1の1神傳流秘書原文1抜刀心持引歌

2016年10月29日 (土)

曽田本その1の1神傳流秘書原文1抜刀心持引歌13居合心持心持引歌終

曽田本その1
1.神傳流秘書原文
1、抜刀心持引歌
13)居合心持引歌終
敵色々と有りて我をたますと由油断する事勿れ例へハ鞠を蹴る二同し我が鞠と人の鞠との色をよく見る事也
 敵をたゞ鞠と思いて皆人の
         つめひらきせバいかににがさん
 本来の事より出て事二入り
         あわれ知らばや事の深さハ
 吹けば鳴る鳴かねバ鳴らぬ笛竹の
         声の良とハ何を言ふらん
 打解けてねるが中なる心古そ
         誠の我を顕はし二けり
 引よせて結へバ柴の庵尓て
         解れバ本の野原なりけり
 兎二角二言ふへき様ハなかりけり
         九重の塔の上のあし志ろ
 唱ふれハ仏も我も無かりけれ
         南無阿弥陀仏の声計りして
 極楽ははるか二遠くゆきしかど
         唱へて到る所なりけり
 居合心持引歌終 
*読み
 敵色々と有りて我を騙すと由 油断する事勿れ 例えば鞠を蹴るに同じ 我が鞠と人の鞠との色をよく見る事也
 敵をたゞ鞠と思いて皆人の
         詰め開きせば如何に逃がさん 
 本来の事より出て事に入り
         哀れ知らばや事の深さは
 吹けば鳴る鳴かねばならぬ笛竹の
         声の良しとは何を言うらん
 打ち解けて寝るが仲なる心こそ
         誠の我を顕わしにけり
 引き寄せて結べば柴の庵にて
         解ければ本の野原なりけり
 兎に角に言うべき様はなかりけり
         九重の塔の上の足代
 唱うれば仏も我も無かりけれ
         南無阿弥陀仏の声ばかりして
 極楽は遥かに遠く聞きしかど
         唱えて到る所なりけり
 居合心持引歌終
 

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2016年10月27日 (木)

曽田本その1の1神傳流秘書原文1抜刀心持引歌12業歌後身

曽田本その1
1.神傳流秘書原文
1、抜刀心持引歌
12)業歌後身二首
浪返
 あかし潟瀬戸越波の上にこそ
          岩尾も岸もたまるものかは
瀧落
 瀧津瀬の崩るゝ事の深けれバ
          前に立添ふ岩もなき哉
読み
浪返
 明石潟瀬戸越す波の上にこそ
          岩尾も岸も堪るものかは
瀧落
 瀧津瀬の崩るゝ事の深ければ
          前に立ち添う岩もなき哉

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2016年10月25日 (火)

曽田本その1の1神傳流秘書原文1抜刀心持引歌11業歌左身

曽田本その1
1.神傳流秘書原文
1、抜刀心持引歌
11)業歌左身二首
岩浪
 行舟のかぢ取り直春間もなきは
          岩尾の浪の強く當れバ
(谷村先生の本には「波返」「鱗返」ト有従て此の歌は前後ならんかと自□□トノ註アリ 曽田メモ)
鱗返
 瀧津浪瀬上る鯉の鱗は
          水せき上て落る事なし
*読み
岩浪
 行く舟の舵取り直す間もなきは
          岩尾の浪の強くあたれば
(第15代谷村亀之丞自雄先生の本(英信流目録(二巻)には「波返」「鱗返」と有る 従ってこの歌は前後なからんかと自雄□との註あり 曽田メモ)
鱗返
 瀧津浪瀬上る鯉のうろくずは
         水堰(関)き上げて落ちる事なし
 

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2016年10月23日 (日)

曽田本その1の1神傳流秘書原文1抜刀心持引歌10業歌右身

曽田本その1
1.神傳流秘書原文
1、抜刀心持引歌
10)業歌右身二首
浮雲
 麓より吹上られし浮雲ハ
         四方の高根を立つゝむなり
山下風
 高根より吹き下す風の強けれバ
         麓の木々ハ雪もたまらず
読み
浮雲
 麓より吹き上げられし浮雲は
         四方の高根を立ち包むなり
山下風
 高根より吹き下す風の強ければ
         麓の木々は雪もたまらず
*「たまらず」は溜らず、か、堪らず、か判りません。
 
 

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2016年10月21日 (金)

曽田本その1の1神傳流秘書原文1抜刀心持引歌9業歌向身

曽田本その1
1.神傳流秘書原文
1、抜刀心持引歌
9)業歌向身三首
横雲
 深山には嵐吹くらし三吉野の
           花か霞か横雲の空
虎一足
 猛き虎の千里の歩み遠からず
           行より早く帰る足引
稲妻
 諸共に光と知れと稲妻の
           跡なる雷の響き知られず
読み(原文のままで十分読めると思います)
 
横雲
深山(みやま)には嵐ふくらし三吉野(みよしの)の
           花か霞か横雲の空
虎一足
 猛き虎(たけきとら)の千里の歩み遠からず
           行より早く帰る足引き(あしびき)
稲妻
 諸共(もろとも)に光と知れと稲妻の
           跡なる雷の響き知られず
 
 
 

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2016年10月19日 (水)

曽田本その1の1神傳流秘書原文1抜刀心持引歌8詭道

曽田本その1
1.神傳流秘書原文
1、抜刀心持引歌
8)詭道
 居合も太刀打も敵と吾と立合といなや□(是 曽田めも)道なくては勝事なし 然共上を打たんとして下を打つ様成る事にてなし まつ春く耳行間移行□道有り此処詞にのへ難し 数月数年の事修錬の功にて合点行へし能くよく日夜修行あるへき事なり 義公御歌 古歌二
 きおひくる敵二さりなく出あふな
           あひしらひしてしほをぬかせよ
 居合と申は第一に太刀抜かぬ以前二勝事大事也 歌二
 抜は切れ抜すバ切るな此刀
           たゝ切る事二大事こそあれ
 あまた尓て勝れざりしと聞しかど
           心明剱の太刀を楽しめ
 行違の右の抜事古人大事と言へり 工夫有へし 歌二
 夏日向冬日の影と歩むへし
           独り行二ハさわる人なし
 行違ふ敵の足二目を付希与
           手は自ら留るもの也
 組合の時太刀抜様の敵組付とはや我身二付て抜事と知れ 歌に
 身に付けて抜習有人ハたゞ
           組付かぬ間二切とこそ聞け
 居合とは刀一つに定まらす
           敵の仕懸を留る様有り
 敵太刀打かたき我二切て懸る二はやく抜合せむと春れハ必ず負事有
 能く工夫有へし  歌に
 居合をバ知ったふりしてつかるゝな
           居合の道を深く問ふへし
 身の曲尺の位を深く習ふへし
           留めねど留る事ぞふしぎや
読み
 居合も太刀打も敵と吾と立合といなや□道(是道と曽田メモ(詭道と思われます?))なくては勝事なし 然れども上を打たんとして下を打つ様成る事にてなし まっすぐに行く間、移り行く詭道有り 此の処詞にのべ難し 数月数年の事修錬の功にて合点行くべし 能々日夜修行有るべき事なり 義公御歌 古歌に
 きおいくる敵にさりなく出合うな
            あいしらいして潮を抜かせよ
 居合と申すは第一に太刀抜かぬ以前に勝事大事也 歌に
 抜かば切れ抜かずば切るな此の刀
            ただ切る事に大事こそあれ
 あまたにて敵に勝たれざりしと聞きしかど 
            心明剱の太刀を楽しめ
 行違の太刀の抜事古人大事に言えり 工夫有べし 歌に
 夏日に向い冬日の影と歩むべし
             独り行にはさわる人なし
 行違う敵の足に目を付けよ
             手は自ずから留まるもの也
 組合の時太刀抜様敵組付とはや我が身に付て抜く事と知れ 歌に
 身に付けて抜習い有人はただ
             組付かぬ間に切とこそ聞け
 居合とは刀一つに定まらず
             敵の仕懸けを留る様有り
 敵太刀打がたき我に切って懸るにはやく抜合せんとすれば必ず負る事有り
 能く工夫有るべし  歌に
 
 居合をば知ったふりしてつかるゝな
              居合の道を深く問うべし
 身の曲尺の位を深く習うべし
              留めねど留まる事ぞふしぎや

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2016年10月17日 (月)

曽田本その1の1神傳流秘書原文1抜刀心持引歌7沈成躰

曽田本その1
1.神傳流秘書原文
1、抜刀心持引歌
7)沈成躰(ちんせいたい)
 敵太刀打かたき切て掛るに沈成躰に勝有事の位にて教へし 工夫有へし
 古語に 寸の虫かゞむも身をのびん可為 歌に
 長からむさゝげの花は短くて
            短き栗の花の長さよ
(沈成躰→沈成体ナリ 敵ニ対し我体ヲ沈メ低クスルコト也・気を落チツケルコト也)
 工夫 有へし 古人も心は之内二有りとのたもふ也 ものとしたる                        (物賭したる)に勝負の位知る事なし 深く工夫有へし
 この沈成躰心よりよく敵の心見ゆるもの也
 兵法二曰 端末未見人莫能ク知ルコト と有り 歌に
 悟り得て心の花の開けなば
           たつねん先二色ぞ染むべき
 霜うづむ葎の下のきりぎりす
           有りかなきかのこえぞ聞ゆる
読み
 敵の太刀が打ち難く切って掛る時に、沈成躰に勝を得る事の位でもって教えるべし工夫有るべし
 古語に 寸の虫屈むも身を伸びんがため 歌に
 長からんさゝげの花は短くて
             短き栗の花の長さよ
 右の心にて工夫有るべし 皆陰合〆陽に出る位有るべし 古人も心は之の内にありと宣う也 ものとしたる事に勝負の位知る事なし 深く工夫有るべし
 この沈成躰心よりよく敵の心見ゆるもの也
 兵法に曰く 端末見ざる人能く知る事莫れと有り 歌に
 悟り得て心の花の開けなば
            尋ねん先に色ぞ染むべき
 霜うづむ葎の下のキリギリス
            有か無きかの声ぞ聞こゆる
 

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2016年10月15日 (土)

曽田本その1の1神傳流秘書原文1抜刀心持引歌6抜かずして勝

曽田本その1
1.神傳流秘書原文
1、抜刀心持引歌
6)抜かずして勝
 居合抜覚へるとはやく抜せす故に詰合の位能く執行有へし 只太刀を抜く計り思ふへから春抜春して勝の利あり 是事(業)の位に教ゆへし
 人の我をとらへて抜さしと春る時必ず抜まし 我をとらゆる人を此方より取りたおすへし或ハ先二とられぬ位有るべし(トラセテカツコトモアリ) 敵の仕懸により春くにとゞまり勝事も有り 或は其気をさけて勝事も有りみな敵の仕懸に依るなり
 工夫有へし  歌に
 止ると思はゞ其所に止れ与 
           行と思はゞとくとくと行け
 あだとのみ人をつらしと何か思ふ
           心与我を憂きものと知れ
 右の心尓て工夫あるへし 然れ共剛力或ハ色々と理屈を云ふ人有らば皆我が敵と知れ 然れ共夫々に心を取られ迷ふ事勿れ  歌に
 無用なる手詰の論を春へから春
           無理な人二ハ勝って利はなし
読み
 居合抜き覚えると、早く抜かせず、故に詰合の位能く執行あるべし、只太刀をばかり思うべからず、抜かずして勝の利あり 是れ事の位に教ゆべし
 人の我を捕えて抜かさじとする時、必ず抜くまじ、我を捕らゆる人を此方より取り倒すべし、或は先に捕られぬ位有るべし、敵の仕懸けにより直に留まり勝つ事も有り、或は其の気を避けて勝つ事も有り皆敵の仕懸けに依るなり
 工夫有るべし 歌に
 止まると思はば其所に止まれよ
             行くと思はばとくとくと行け
 仇とのみ人を辛しと何か思う
             心よ我を憂き者と知れ
 右の心にて工夫あるべし 然れども剛力或は色々と理屈を云う人あらば皆我が敵と知れ、然れども夫々に心を取られ迷う事勿れ 歌に
 無用なる手詰の論をすべからず
             無理な人には勝って利は無し
 
 
 

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2016年10月13日 (木)

曽田本その1の1神傳流秘書原文1抜刀心持引歌5居合之極意

曽田本その1
1.神傳流秘書原文
1、抜刀心持引歌
5)居合之極意
 敵と出会ふ時かならす討勝と思ふへからず況や恐るゝ古となし間二不加豪末を雷電石火の如くちらりと我が心に勝時無二無三に打込事居合之極意也 
 然れ共只切込ていなし是二柄口六寸の習なり此習を以敵の場へふん込み討也偏二大海を渡る二陸(かけ)にて行けは命を失ふ故に舟に乗りて行也
 居合柄口六寸之の大事偏二彼の舟の心持としるへし 然れ共舟にてかなら春渡海春と思ふへからず 歌に
 乗り得ても心ゆる春な海士小舟
            浪間の風の吹かぬ日ぞなき
 右波間の風強く合点しては舟ものら春 古歌に
 有となしと堺を渡る海士小舟
            釘も楔も抜希果てにけり
此の心にてよく工夫有るへし 口伝
*読み
 敵と出会う時かならず打ち勝つと思うべからず、況や恐るゝ事なし、間に豪末も加えずに雷電石火の如く、ちらりと我が心に勝時、無二無三に打ち込む事居合の極意也。
 然れども、ただ切り込みて往なし、是に柄口六寸の習いなり、此の習いを以て敵の場へ踏込み討つ也。
 偏に大海を渡るに陸(りく)にて行けば命を失う、故に舟に乗りて行く也。
 柄口六寸の大事、偏に彼の舟の心持ちと知るべし、然れども、舟にて必ず渡海すと思うべからず 歌に
 乗り得ても心ゆるすな海士小舟
               浪間の風の吹かぬ日ぞなき
 右波間の風強く合点しては舟ものらず 古歌に
 有と無しと境を渡る海士小舟
               釘も楔も抜け果てにけり
 此の心にてよく工夫有るべし 口伝
 
 

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2016年10月11日 (火)

曽田本その1の1神傳流秘書原文1抜刀心持引歌4敵に従う

曽田本その1
1.神傳流秘書原文
1、抜刀心持引歌
4)敵に従う
敵にしたがって可勝心持 春風を切ると云ふ 古歌
風吹は柳の糸のかたよりに
         なびくに付て廻る春かな
強身にて行當るおは下手と知れ
         まりに柳を上手とそいふ
*読み
敵に従って勝べき心持 春風を切るという 古歌
風吹かば柳の糸の片寄りに
          靡くに付きて廻る春かな
強みにて行き当たるおば下手と知れ
          鞠に柳を上手とぞ云う

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