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2010年10月31日 (日)

害蝶(アカボシゴマダラ)

10月30日の朝日新聞朝刊の湘南版にアカボシゴマダラを評して「美しくも害蝶生息は県全域に」と恐ろしげな題で記事にされています。

10年ほど前に藤沢との市境辺りで、誰かが外国から持ち帰り、繁殖させて放蝶したアカボシゴマダラが毎年発生し、10年ほどでかなりの広範囲に土着しつつ有ります。

毎年数頭ずつを採集してきました。すでに大型ドイツ箱に入りきらないほどの数です。

白地に黒の縞模様で後翅の縁に赤い斑紋を連ねた美しい蝶です。

昨年辺りから見かける頭数が減り始め、今年はかなり少なかったように思います。

外来種を「ゲリラ放蝶」しオオムラサキやゴマダラチョウと食樹のエノキを取り合う恐れがあると研究者は心配しているようです。

釣り魚として放魚された外来種のブラックバスやブルーギルのようなと同一視して「害蝶」と被せたようです。

ブラックバスなどは在来の魚を直接捕食してしまいますが、アカボシゴマダラは植樹が同一と云うことでの危惧に成ります。多少意味合いが異なります。

近年、オオムラサキは限られた生息地以外では見られなくなっています。ゴマダラチョウも私の子供の頃は、エノキの上の方で飛び交っていて長尺の捕虫網を手に入れるまで採集出来ず悔しがった事が思い出されます。

両蝶とも、エノキは里山の放置や宅地開発、大木を危険視したり、落葉を嫌っての伐採などで減少しています。

アカボシゴマダラは遠い異国から勝手に連れて来られ、地域の状況も不明のまま放蝶されて「害蝶」呼ばわりは気の毒です。

在来種に全く影響はないとは言いませんが、それよりも植樹を伐採されることの方が蝶にとっては遥かに痛手です。

遠い昔にアカボシゴマダラの一種が奄美諸島に住み着きました。そこだけで生息し本土に生息域を広げられなかった理由があるはずで、今湘南地区に広がったアカボシゴマダラも、きっとその理由で限界点に至るかもしれません。

ここ2年ほどの個体数の減少が気にかかります。

近親相姦の繰り返しに依る、弱体化。

食樹が合わない。

成虫になってからの餌が乏しい(吸蜜行動は私は、熟し柿しか目撃していません)。

寄生虫がこの子達を見つけてしまう。

気候の違いにもかかわらず無理な繁殖。

湖沼や河川に放たれた外来魚より、遥かに悪条件と思われる中で彼等はようやく10年ほど生き繫いできました。

北上する南方系の蝶の幾つかの動向も気にかかります。

それ以上に、このアカボシゴマダラのように、見知らぬ土地に突然放り出されて戸惑いながら生きている可憐な美女が哀れです。

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