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2011年11月 5日 (土)

極意の秘歌(2首目早くなく)

新庄藩に残る林崎新夢想流の秘歌之大事2首目

早く奈く於そ具ハあら志 重く奈く可る幾事をハあし幾とそ云」

「早くなくおそくはあらじ 重くなくかるき事をばあしきとぞいう」

* 「早くなく遅くはあらじ 重くなく軽き事をば悪しきとぞ云う」

訳してみます「早すぎず、そうかと云って遅くはなく、重くなく 軽い事は悪いと云う」

難しい事を要求されています。

此の歌ですが、田宮流の妻木先生の「田宮流居合 歌の伝」では八首目にあります

早くなく おそくはあらし かるくなし をそきことをぞ あしきとぞいふ

* 訳してみます「早すぎず、そうかと云って遅くはなく、軽くも無い 遅い事は悪いと云う」

下村派の古伝田宮平兵衛業政之歌として「居合兵法極意巻秘訣 居合兵法之和歌」

「早くなく 重くあらしな 軽く無く 遅き事をや 悪しきとそ云」

* 訳してみます「早すぎず、重くは無い、軽くも無く 遅い事は悪いと云う」

どうやら夫々同じ事を伝えています。

宮本武蔵も五輪書風之巻でも次のように述べています

「他流において、つよみの太刀という事、太刀につよき太刀、よわき太刀という事はあるべからず。つよき心にてふる太刀は、あらき物也・・

他の兵法に、はやきを用いる事 兵法のはやきという所 実に道にあらず。はやきという事は、物毎に拍子の間にあわざるによって、はやきおそきという心也。その道上手になりては、はやく見えざる物なり。・・はやきはこけるといいて、間にあわず、勿論遅きも悪しし。是も上手のする事は緩々と見えて、間のぬけざる所也」

河野百錬宗家は無双直伝英信流嘆異録の中で「生気の無い居合の事」を述べています

「居合に限らず如何なる業も其の極致はすべて丸味が無ければならぬ事は勿論だが、居合の成り立ちが敵に対する刀法である限り、敵の心魂に貫通する無限の迫力のある事が第一条件で、しかも其の業に丸味があり、侵すべからざる気の位を備えた生き活きと躍動するもので無ければ真の居合とは申しがたい。見る人をして「気のぬけた居合」と感じさせる様な居合は、元来平素修練の乏しい人の居合にしばしば見受ける処で・・・」

「居合の本義は抜討の一瞬にあり。而してその修養の眼目は正・速・強・威なり。・・・威とは正・速・強を身に得て百錬の暁き、流儀の体を自得し、迅速、緩急、強弱を悟り、残心を会得し、而して格調高き無限の品位と風格のある境地に到達する事。」

無外流の百足伝の中にも幾つか同様の歌が見えます。

兵法の先は早きと心得て勝をあせって危うかりけり」

「兵法はつよきを能きと思いなば終に負けと成ると知るべし」

「兵法の強き内には強味なし強からずして負けぬものなり」

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