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2011年11月15日 (火)

極意の秘歌(12首目下手こそは)

新庄藩の林崎新夢想流の秘歌之大事 十二首目

「下手こそハ上手能上乃可多利もの 加へ春加へ春もそ志利者志春奈」

「下手こそは上手の上のかたりもの かへすがえすもそしりはしすな」

* かたりもの 語もの(話しの種)・騙りもの(作りごと)、かえすがえす(返す返す、再三再四、幾度も繰り返し)、そしり(謗り、誹り・悪し様に云う、悪く云う・非難する、けなす)。

下手な者を謗って話しのタネにするなよ。といった意味に受け取れます。しかし此の訳が歌の心とは、まして、秘歌之大事とは思えません。

田宮神剣は居合歌の秘伝

「下手見ては上手の上のかざりなり 返すかえすもそしりはしすな」

下村派伝書

「下手こそわ上手の上の限りなれ 返すがえすもそしりばしすな

* すこし角度を変えて見ますとこんな程度になります。

上手とは外をそしらず自慢せず 身の及ばぬを恥づる人なり」

ここまでが、一般的なところでしょうか。是なら嫌われもせず、仲良く和していられるでしょう。

是でも、極意に至る秘歌之大事とも思えません。

阿部先生「剣道之極意」に幾つかその心を伝えると思う歌がありました。

此の道は上手ばかりが師ではなし 下手ありて又上手ともなる」

強い者とばかりけいこしたからとて上手に成るものではない。下手な者と稽古して師より教えられた技など、自由の利く下手な者に施し、試みて、鍛え、初めて本当に自分のわざとして身につけることが出来る。先輩・上位の人に対しては感謝する事を知っているが、下位の人に対し、後輩に対しての感謝などという事は殆ど忘れられているのは遺憾なことである。

いかがでしょう。ついでに。

それぞれに人の為す技ちがうなり よく見て習え人のなす技」

「よき技を教えられても皆癖の つたなきところを習う人かな」

* かって競技会で優勝するような人の技を習えと、自分の教えに従えと言っていた方がいました。姿勢は良いのですが棒振り剣法で張子の虎が首を振っている様にしか見えません。足は撞木足で爪先が床に押し付けられた摺り足でした。おまけに必要以上に長い刀で棒樋を深くしてビュービュー鳴らしています。据物切りのグループに属しているようで刃筋は良いのですが体捌きが単調です。

しかし人の目を引付ける、正座の姿勢がありました。座れば泰然自若とした座の姿は素晴らしいものです。

しかし其の姿勢の本となる考えが他を威圧する心持との事でした。

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