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2011年11月 8日 (火)

極意の秘歌(5首目寒事に)

新庄藩の林崎新夢想流の秘歌之大事は元禄14年(1701)年に相馬忠左衛門政住から門人の田口彦八郎に伝授したものです。

相馬忠左衛門は津軽藩に残された林崎新夢想流の伝書(元禄4年1691年以降1714年)に記載されている常井喜兵衛と同門の駒木根平次右衛門の門人と「林崎明神と林崎甚助重信」で研究会の方は述べられています。さすれば新庄藩と津軽藩とには林崎新夢想流は深い関係があったかもしれません。

新庄藩 林崎新夢想流 秘歌之大事 5首目

「寒事尓て霜を聞遍幾心こそ 敵尓於ふて能勝盤とる遍き」

「寒事にて霜を聞くべき心こそ 敵におふての勝はとるべき」

* 直訳すれば、寒い朝に霜が結ぶを聞くほどの澄んだ心があれば 敵に出会っても勝ちを得られるであろう。

武術肝要集に「我れ已発を以って敵の未発を抑ふ。是れ業を言わず、気の位いを言うなり」とあります。

霜が降りて真っ白になってから霜を知ったのではならないと云う事でしょう。寒さの度合いで霜が降りる事を察知する位の感性を持つことを云うのでしょう。

敵の未だ発せざるに、すでに発している事を已発というのでしょう。

宮本武蔵の兵法三十五箇条の二十三番目「枕の押へと云う事」

枕のおさへとは、敵太刀打出さんとする気ざしをうけて、うたんとおもふ、うの字のかしらを、空よりおさゆる也。おさへよう、こころにてもおさへ、身にてもおさへ、太刀にてもおさゆる物也。此気ざしを知れば、敵を打に吉、はづすに吉、先を懸るによし。いづれも出会う心在り。鍛錬肝要也。」

此の歌は田宮流の田宮神剣は居合歌の秘伝にも25番目にあります

「寒き夜に霜を聞くべき心こそ 敵にあひても勝ちはとるべし」

敵の起こりは動作の前に、心に現れる

古歌二首

「打ち寄する浪の受け太刀満潮に さし心得て飛ぶ千鳥かな」

* 千鳥の波打ち際で、餌を啄ばみ潮の満ちるのを察して飛び立つ様は、懐かしい海辺で遊んだ風景です。

「未発より已発にうつる中宿 終ひのすみかとおもふべきかな

* 「中宿」此の一瞬はよほどの修業によるのかもしれません。居合のような一人での「左手を鯉口に、右手を柄に・・・」順番を数えながら対敵を想定する事もない稽古ではどうにもなりません。

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