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2012年6月 3日 (日)

無双直伝英信流居合術業書正座之部

大森流居合の事 曽田メモ(*曽田先生は河野先生の英信流居合術のスクラップにある正座の部とされる大江宗家の名称に対し之は古伝では従来より大森流であると大江先生の業名改変についても疑問視されているように感じられます。
以下は河野先生が大阪居合術八重垣会で配られたであろう無双直伝英信流の業手付けです。昭和8年発行の無双直伝英信流居合術全の元になった書き物だろうと推測しています)

居合術業書

正座之部

1. 前  正面に正座し、十分気の充ちたる時、左手を鯉口に取り左指にて鯉口を切り、右手の全指を延したる儘柄に掛けて握り、膝を少し中央に寄せる様にし、腰を左にひねりて刀を抜きつヽ両足先を爪立て、膝を延び切るや右足を前に踏出すと同時に刀を抜き払い、(胸の通り横一文字に)更に双手上段に振り冠りて真向に割付け、左手を柄より離し左の腰(鯉口の少し下帯の処)に軽くあて、刀先を右に円を描く如く頭上に取りて血振いすると同時に立上り、左足を右足の位置に踏み揃う(此時膝は伸び切らざる事)夫より右足を一歩大きく後方に引きて、刀を納めつゝ右膝を跪くと同時に納め終りて後、立上りて前足に右足を踏み揃え、直立の姿勢となりて更に左足より一歩退りて座し次の業に移る。

2. 右  正面より右向に正座し、例に依りて抜き掛けつゝ爪先を立て、右膝頭を中心として(左足先と)左に廻り正面に向き、左足を踏み出し同時に刀を抜き放ち、右横一文字に切りつけ、更に双手上段にて割付け血振(此時右足を左に踏揃え左足を後に引きて)刀を納むる事同前。

3. 左  正面より左に正座し、例に依って抜き掛けつゝ爪先を立て、左膝頭を中心として動作に移り、右に廻り正面に向いて刀を右足踏み込むと同時に抜き放ち、更に双手上段に真向に割付け血振り刀を納むる事同前(此場合足の動作は右の場合と反対の動作なり。)

4. 後  正面より真後向に正座し、右膝を中心として左廻りにて正面に向きて、動作する事右の場合と同様。

5. 八重垣  正面に向いて正座し、例に依りて抜きつゝ右足を前に踏み出し、抜き払うと同時に立上り、左足を右足の一歩前に踏み出し乍ら双手上段に振り冠り、右膝を跪くと同時に打ち下し、刀を右に開きて(血振)納め終り、(鍔元より二、三寸位の所迄)其儘立上り、左足を右足より一歩後に引くや抜き払い、右脛を刀にて囲い、(脛になぎ来るを受る)(此時左手は腰に取る)左膝を跪くや刀を左側より双手上段に振冠り、真向に割付け、血振し刀を納め終る事同前。

(*「此の時左手は腰に取る」古流の趣が残っているようです。真向割り付けの右足の踏出しをするのか否か・・・)

6. 受流  正面より約十五度位右向に正座し、例により柄に手を掛け腰を浮かして左足を右前に(正面より九十度右)踏み込み刀を抜きつゝ差表にて冠り左に受け流すや、差表にて冠受り左に流すや (差表にて冠り左に受流すや 曽田メモ)右足を右斜後向を踏み込み、(此時体はやや左に向く気味にて右足の爪先は左の方向に向く様)乍左に振かえり刀を頭上に振冠り、直に右足を左足に踏み揃えると同時に、真向に大きく切込み(此時左手は振りかつぎし所より切込む迄の途中にて諸手になる事)夫より左足を一歩後に引き、物打のあたりを右膝頭の上に取り、左手は左前斜に十分に突き出して構え、右手を逆手に取り替え刀を振り返して納めつゝ左足を跪くと同時に納め終る。

(*切り込む際の左手は「切り込む迄の途中にて諸手になる事」) 

7. 介錯  正面に向いて正座し、例に依りて抜きかけつゝ右足を前に踏出し、立上がると同時に刀を抜きはなちたる儘右足を引き(此動作は相手の気を乱さざる様極めて静かに行う事刀を頭上左上より右肩にとり、(是迄左手は腰に、刀尖は左肩下約八寸位の後方にあり)様見て(*機を見て 無双直伝英信流居合術全)右足を踏み込み、(左手を添えて)同時に刀刃をやや左に向け切り込む。(首を切り落す形)其儘左足を一歩後に退き物打の所を膝頭の上にあて、左手を左斜前に十分突出して構え、右手を逆手に取り替え刀を振返して納めつゝ左足を跪きて納め終わる。

8.附込  正面に向って正座し、例に依りて抜きかけつゝ右足を右前斜に踏み出し、立上り様刀を右前斜に引抜き(払はぬ事踏出したる右足を引き左足に踏み揃え)正面より切込み来るを後に引きはづすと同時に、大きく双手上段に左より振冠り右足を踏み出して高く切り込み、左足を前に継足すると同時に又双手上段に冠り、右足を踏み込みて腰を下げ、低く切り下し、左足を前に踏み揃え右足を後に一歩引きつゝ上段に冠り、右足を跪きて刀を前に静かに下し、(残の心の意)(残心 曽田メモ)右手を逆手に取り替えて血拭し、左手を鯉口に取り刀を振返して納め終る。(此場合右手を逆に取り替えたる時、左手は鍔元を下より受けるが如くし、右手拳を右に返し刀刃を前に向け、左手腹にて棟をすらす。

9.月影  正面より左向き約十五度位いに正座し、例により抜きかけ」つゝ右足を正面に踏み込みて高く抜きつけ、(上段の甲手に)左足を前に継ぎ足すると同時に双手上段に振冠り、右足を踏み込みて高く敵の面に斬り込む、其儘左手は鯉口にとり刀は右外に廻しつゝ振りかつぎて血振いをなし、右足を一歩後に引きたちたるまゝ納め終る。

(*受流・月影など正面以外に向く角度は約15度位右、左 是も古伝の面影が残っています。上段甲手に高く抜きつけ高く敵の面に斬り込む イメージが現在のものと違います)

10.追風   正面に向いて立ち居合腰となり、左手は鯉口を切り、柄に右手をかけ小足にて追進みて、右足を踏み込みて抜払うや左足を踏み込みつゝ双手上段に振り冠り、右足踏み込みて切り込み、左手を鯉口にとり刀は右外に廻して振りかつぎ血振して納刀する事月影に同じ。

11.抜打  正面に向いて正座し、左手を鯉口に取り拇指にて鯉口を切り、右手を柄にかけつゝ両膝と其爪先にて膝を伸ばし、右前斜に刀を引き抜き左肩側に刀先を突込む様に双手上段に振冠りて切り込み、刀を右(*に)開くと同時に左手は左腰に取り後鯉口を握り刀を納めつゝ臀部を踵の上におろして納め終る。 

*「右斜前に刀を引き抜き左肩側に刀先を突込む様に双手上段・・」ここも多少気になります。
以上正座之部は無双直伝英信流居合術全に同じです。

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