« 剣道の元祖が出した皆伝は土佐にあった | トップページ | クロコノマチョウ »

2012年9月14日 (金)

ナガサキアゲハ

20数年前、高知から海岸線に添って四万十川を遡って宇和島に抜けました。
彼岸花があぜ道を所狭しと燃えるような群落となって真っ盛りの頃です。
その彼岸花にナガサキアゲハが吸蜜に訪れて翅を震わせていました。

真っ赤な花に真っ黒な蝶。
後翅に白斑があって赤い斑紋も鮮やかなナガサキアゲハのメスでした。

四国遍路のお昼時、既に刈り取られた田んぼの畦に座ってこの蝶にみとれながら握り飯をほおばっていたのを思い出します。
其の頃は、この蝶は湘南地方には生息していない蝶でした。
九州、中国、四国が主たる所で紀伊半島も生息域を広げていた時期です。
今から10年ほど前からこの蝶が箱根を越えて北上する記録が頻繁になってきていました。

私の記録では2004年8月23日のこと駅前の不動産屋に飛び込んで出るに出られないで店中を飛び回っている黒い大型の蝶を通りかかりに目にしました。
店に飛び込むや「この蝶はこの辺では珍しいので採らせてください」と窓辺で羽ばたくのを手掴みしました。
羽が痛んでいましたが、ナガサキアゲハのメスです。

ミカンの木に盛んに卵を産み付ける動作を繰り返す蝶が舞っています。
蛹から羽化して何日も経っていない新鮮な美しい大振りなナガサキアゲハのメスです。
どちらかと云うと銀座辺りの玄人筋といった黒革の手帳を思わせる美女を思い浮かべていたりして。
涼しくなって来るだろうから久しぶりに銀座にでも行こうか、など思っています。

今このナガサキアゲハは湘南地方にも定着しています。

夢中で里山を駆け巡っていた頃には図鑑でしか見られなかった憧れの蝶達。
地球温暖化なのか何か大きな変化が地球規模で急速に動き出しているように何種類もの南方の蝶が北上してきています。
不思議と北上組みの方が目に付いて、土着の子等は影を潜めています。ナガサキアゲハも例に漏れず北上すると大型化するようです。

かって鎌倉蝶とまで云われ、北関東の源氏の武将を楽しませたであろう大型のモンキアゲハが東北地方にまで深く北上しています。
そしてここでは里山の開発に生活圏を奪われ、入れ替わりに北上してきたナガサキアゲハと食草は同じなのに希少に感じられます。

標本箱の中に土着のモンキアゲハはたった一頭、一回りも大きなナガサキアゲハが採集年毎にオス・メス14頭も居て殊更に輝いて見えます。

|

« 剣道の元祖が出した皆伝は土佐にあった | トップページ | クロコノマチョウ »

」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 剣道の元祖が出した皆伝は土佐にあった | トップページ | クロコノマチョウ »