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2014年3月16日 (日)

曾田本その2を読む9大森流居合抜方1前・右・左・後

曽田本その2を読む

9、1大森流居合抜方(大江先生 堀田先生共著) 名称古伝と違うなり

記 総じて座業にて抜付けは二星を勝つ故に首に非ず拳なり 虎彦

*前回までの大森流居合抜方は下村派の行宗貞義先生の業名と手附でした。
それと対比するように今度は大江正路先生、堀田捨次郎先生共著「剣道手解き(大正7年発行)」による大森流居合の抜き方です。
「名称古伝と違うなり」の挿入は曽田先生のものです。行宗居合も古伝と違うのですが違い方がひどいと云うのでしょう。

次の「記」については、大江先生の居合が首への抜付けが主だが大森流居合は二星、拳、柄口6寸への抜付けが土佐の居合の極意だと文句を付けているのです。

1、前 
我体を正面に向け正座す、右足を出しつつ刀を抜付前敵首を切り(?)更に上段にとり前面の頭上を真直に切り血振い納刀

*早速の(?)で曽田先生は「首じゃないだろう」と疑問符です。
行宗先生の「前身」:正面に坐し抜き付け冠りて切る也血振いを為し右足を引き納刀膝をつく

何処に抜付けるとは言っていません。土佐の居合の常識と云いたいのでしょうか。抜き付ける部位を特定してしまうのも聊か疑問ですから、どちらも似た様なものです。

古伝神傳流秘書大森流居合之事「初発刀」
右足を踏み出し向へ抜付け打込み扨血震立時足を前に右足へ踏み揃へ右足を引て納る也

2、右( 左身)
我が体を右向に正座す左足を出しつゝ左へ廻り敵首を切り(?)更に上段にとり真直に前面敵の頭を切る

*右の文字を消して左身と訂正を曽田先生が入れています。相変わらず首に(?)。

行宗先生の左身(左刀)
右向きより正面に抜き付け冠りて切る也

古伝神傳流秘書大森流居合之事「左刀」
左の足を踏み出し向へ抜付け打込み扨血震する事は足を立替え先踏出したる足を引て納る也

*古伝の文言では正面に向いて座し、左回転せずに左足を踏み出して抜付け打込んでいる様に読めます。
ここで云う古伝の左身とは左側に敵が座す場の想定です、従ってここは正面右向きに座し左に廻って正面に抜き付けるで正解でしょう。
大江先生も行宗先生も右向きに坐して左廻りに正面に向き直って左足を踏み込んで抜付け打込んでいます。

3、左
左(右身と曽田先生訂正)へ向きて正座し右へ廻り右足を出して首(?)に抜付け上段にとりて直に頭上に斬り下す。

*古伝は我に対する敵の位置を業名にしています。大江先生は道場の正面に対する我の座す向きを業名にした訳で演武用の業名の様に思えます。
どの様な場面でも我の右側の敵に対する対敵意識を優先にする事を教育上避けたか、演舞する際の道場での座仕方を優先したかの違いでしょう。

4、後
後へ向き正座す、刀を静に抜きつゝ両脚先にて左へ廻り(? 右膝頭を軸とし左爪先きを床につけ左へ廻る 曽田先生括弧書き)正面へ左足を出し首に(?)抜付け同体にて上段より前体頭上を斬る。

*この曽田先生の括弧書きは面白いですね、大江先生の技法にケチを付けている様です。
「右膝で回転するんだ、両足爪先じゃない」と云っています。其の上ここでも「首」じゃないと云っています。

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