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2014年4月29日 (火)

曽田本その2を読むの2の1英信流居合の形5鍔留

曽田本その2を読むの2

 1、英信流居合の形(大江正路先生、堀田捨次郎先生著)

 5.鍔留(打は中段仕は下段の構え 伝書による月影なり 之は月影のことを記せり 曽田メモ)
互に青眼の儘小さく五歩を左足より引き、打は中段となり、仕は其儘下段となる、互に右足より三歩出て打は右足を左足に引き上段に冠り真直に打下し、仕は右足を左足へ引き上段となり右足を出して打ち下し、互に刀を合す、仕、打鍔元を押し合い双方右足を後へ引き右半身となり刀は脇構となりて刀尖を低くす、打は直に上段より右足を踏込み仕の左向脛を切る、仕は左足を充分引き上段となり空を打たせ上段より頭を斬る、打は二歩出て仕は二歩退り青眼となり互に小さく五歩退り血拭納刀
(打は仕の左脛を打つ時は中腰となり上体を前に流すなり)

*これも曽田先生は伝書の太刀打の位の月影だとおっしゃいます。
大江先生は大森流(正座の部)の勢中刀の業にこの月影の業名を使ってしまっていますから是は鍔を押し合う業だから鍔留にされたようです。

打仕共に前回の独妙剣で中央に戻り青眼で刀の物打を合わせています。
互に左足(後ろ足=退き足)より小さく五歩下がり、打は其の儘青眼、仕は下段に取ります。
互にそこから右足より三歩出て、打は右足を左足に引付上段に冠り右足を踏み込んで真直ぐに打ち下す、仕も右足を左足に引付け上段となり上段に冠り右足を踏み込んで真直ぐに打ち下す。互に刀を合わせ、仕・打共に右足を踏み鍔元を押し合い双方右足を引いて右半身となり、刀を脇構えに切先を後ろに刃を下に、切先を下げて構える。
打はすぐさま脇構えから上段に取り右足を踏み込んで仕の前足の左足向脛に斬り込む。
仕は左足を充分引いて脇構えから上段となり、打に空を切らせ前に及ぶ処上段より頭を斬る。
打は二歩出て、仕は二歩退り青眼となり、互に小さく五歩退がり血拭納刀。

*この大江先生の鍔留は古伝の月影の様ですが、仕打共に真向打ちによる相打ちの仕方が中学生向けに直されています。
上段の振り冠りは竹刀剣道の方法を流用し真剣刀法から見ればおかしな運剣です。

古伝神傳流秘書太刀打之事月影を稽古して見ましょう。
先ず原文を味わってみます。
「打太刀冠り待所へ遣方右の脇に切先を下げて構え行て打太刀八相に打を切先を上げて真甲へ上て突付て留め互に押相て別れ両方共車に取り相手打をはづす上へ冠り打込み勝」

打太刀上段に構え待つ所へ、仕は切先を右下段に構え、スカスカと歩み行き打が八相に頭を打って来るのを、右下段から打の真向に突き上げる様に摺り上げて鍔にて受け留め、互に拳を合わせて押合い、機を見て双方分かれて右足を後ろに車に構える。
打は透かさず仕の向脛に車から打込むを仕は左足を退いて外すや、上段に振り冠って打ち下す。

古伝では、真向相打ちでは無く真向に打込ませる様に仕は右下段構えで歩み行のです。
何が月影なのか古伝のロマンは無風流で良くわかりませんが、この仕の身を土壇となし下段からの突き上げる鳥刺しの如き運剣を云うのかも知れません。
打の打ち下す刀を摺り上げて鍔にて受けるのです。あわよくば突き上げているはずです。
それが大江先生の言う鍔留の由来でしょう。
脇構は車構えです。竹刀剣道の様な刀を見せない様に構えるのとは違い、自然に切先は右斜め後方に有り刃は斜め外向き、刀が相手から充分見える構えでしょう。
打の仕への打込みは車からダイレクトであり、上段に構え直さない。従って尤も打に近い仕の左足脛であるべきでしょう。仕が誘いを掛ければ左肩もありうるものでしょう。
仕は打の斬り込みを左足を退いて右足に引き付けるや上段に振り冠って空を切った打の真向に右足を踏み替えて打ち下すのでしょう。

古伝の運剣には無駄が無さそうです。
大江先生の鍔留と古伝の月影は見た目似ている様ですが如何でしょう。まったく其の術理は異なるものと思います。

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