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2014年4月11日 (金)

曽田本その2を読む13長谷川流奥居合抜方7虎走り

曽田本その2を読む

 13、7長谷川流奥居合抜方(大江正路先生、堀田捨次郎先生著)

 △座業

 8.虎走り
(中腰となり走り抜斬又後ざりして抜斬る)
座したる処より柄に手をかけ、やや腰を屈め小走りにて数歩進み出て右足の踏み出したる時抜付け同体にて座して斬る。(血拭納刀するや)刀を納めて二、三寸残りし時屈めたる姿勢にて数歩退り左足を退きたる時中腰にて抜付け上段となり座して斬る。

*昨日の居合の疑問11の9、10虎走(2014年4月9日10日)で詳しく書き過ぎてしまいました。

古伝の虎走りは、仕物など云い付けられ、失敗は許されない様な時の心得として、二間も三間も離れた敵を討ち果たす心得で、並び居る人に邪魔されず、敵には気付かせない様に「つかつか」と歩み行き、抜口が見えない様に逆刀で抜き付ける心得でした。ポイントは敵に気ずかせない歩に有るものです。目的を果たし、血振り納刀していると、敵の仲間が斬り込んで来るので、後退して敵間合いに至れば左足を退いて抜付け打込むのです。

現代居合では、この心得は継承されずに、ドタバタと音を立てて追掛けたりしています。
抜口の見えない様にしかも逆刀とは柄口六寸の極意業です。

下村派行宗先生はこの業は「追懸切」と云って「大森流十番と同じ、然れども霞てかかり右足にて突き真向を打つ。」と解説しています。

*これは、抜刀して霞の構え(土佐の居合の霞の構えは解りません。恐らく切先を我が左目に付けた高めの斜め正眼でしょう)で懸って行き間に至れば右足を踏み込んで突き、左足を踏み込んで上段に冠り右足を踏み込んで真向に打込むのでしょう。

大森流十番は「追懸」で「虎乱刀」です。行宗先生の大森流「追懸」
「走りながら抜き付け左足を踏み込み冠り右足を踏み込み切る、血振い立ちたる儘納刀」

古伝神傳流秘書大森流居合之事「虎乱刀」
「是は立事也幾足も走り行く内右足にて打込み血震し納る也但し膝を付けず」

下村派の細川義昌先生の系統と思われる白石元一先生の「虎走」
「(暗夜前方の敵に対して行う以下立業)鯉口を構えるや姿勢を低くして(前方をすかし見る心)数歩小足にて走り行き左膝をつき右足を踏み出すと同時に「横雲」と同様斬り付け、血振り、納刀し(此時尻は踵に付けない)終るや、再び敵前方より来るに依り起ちて一足となり中腰の儘後方に小走りにて数歩退き、右膝をたて左足を退きて膝をつくと同時に横一文字に斬り付く。」2014年2月14日

大江先生も細川先生も下村派第14代下村茂市に習っていますから似ている様です。
然し白石先生は横一線の抜附けだけで追掛けた敵も新たな敵も倒している様です。江戸末期には既に古伝の心得は失念していたのでしょう。

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