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2014年4月12日 (土)

曽田本その2を読む14長谷川流奥居合抜方1行連

曽田本その2を読む

14、1長谷川流奥居合抜方(大江正路先生、堀田捨次郎先生著)

△立業

9.行連(進行中右に斬付け又左を斬る)
直立体にて正面を向き、左足より数歩出て道場の中央にて左足を左横に踏出し、上体をやや左横に寄せ、右足を右横に踏み出す時中腰にて抜き付け上段にて右を斬る(このへん考えるべし合点行かず 曽田メモ)其の足踏みの儘(? 曽田メモ)左横に体を返して上段にて中腰にて斬る。

*行連の大江先生の手附が合点行かないと曽田先生が文句を付けています。この文章による業の説明に納得できないのでしょう。

曽田先生の師匠行宗先生の「行連」
「右へぬきつけ左を切る」
行宗先生の手附ではどうにもしようがないですね。

大江先生の行連は直立姿勢で正面を向いて、左足から右足、左足と歩み足で数歩出て、道場の中央に至れば左足を左横に踏み出し前進するのを押さえて、上体をその左足に稍乗せて、右足を右横に踏み出しつつ抜きつけ上段より右の敵を斬る。
次の右足を右横に踏み出す時中腰になって抜付け、は、まず横一線に抜き付け、其の上で上段に振り冠って右を斬るのか、曽田先生の「この辺おかしい」に同調してしまいます。
その足踏みの儘左横に体を返して上段にて中腰に斬る、は右の敵を斬り下した右足右、左足其の後方の儘、左に振り向き、左足を左、右足を其の後ろにして左の敵を斬る。と云うのです。ここも曽田先生は「?」です。

大江先生の行連は敵と関係するドラマが読み取れないので困ります。
前進するのをやめて左右の敵を真右・真左に斬るには、左右の敵が立って居る間に踏み入った場合の事でしょう。
そうであれば、右敵を斬った足踏みで左敵を斬れるでしょう。その場合左敵は近すぎるかもしれません。

この大江先生の居合は、堀田先生が見たままを書かれたとは思いますが、場の状況を書いて置きませんと如何様にも思いを巡らせてしまいます。

行連の業名に拘れば、我を中にして、左右に敵を受け乍ら、或は前後に敵を受け乍ら歩行中と云う事になるでしょう。

河野先生の昭和8年の無双直伝英信流居合術全の行連でも敵との関係は「右斜め前の敵を抜打に切り付け、直ちに左斜め前に向き乍ら双手上段に引き冠り右足を踏み込みて左斜め前の敵に切り込み・・」です。右斜前、左斜前の敵を、右足の踏み替えで切っています。

その後の昭和13年の無双直伝英信流居合道では「吾れ不法に連行される如き場合、吾を中に左右に敵あり前進歩行中、敵の機先を制し一歩やりすごし乍ら右の敵を抜打ちにたおし、更に左の敵の振り向かんとする所を切り付けて勝つ・」と大江先生の不備な部分が補われます。

古伝神傳流秘書抜刀心持之事では「行連」
「立って歩行内に左を突き右を切る両詰に同じ」

ですから、座業の両詰を立って行う業としたのでしょう。
両詰:抜て片手にて左脇を突き直に振り向いて右脇を切る。右脇を抜打ちに切り付け左を斬る。

大江先生、堀田先生の「剣道手ほどき」の頃大正7年ではこれで良かったのでしょう。
文字による手附よりも口伝口授の看取り稽古が十分補ったのでしょう。然しポイントを抜いたおおらかな手附では、業ずる者が増えるとあらぬ方に行ってしまうものです。

行連で左足を盗む際、左の敵に体当たりして置いて右の敵を斬る、とか、右の敵を斬っているうちに左の敵が更に前に出ているとか、いくらでもドラマは生まれるものです。

全てのシナリオを完備した台本で演じると些細な部分のみが気になるもので、見事な演舞にはなっても、見事な武術にはなり切れないかもしれません。
然し俺のやり方が武術と称した出鱈目もいやなものです。

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