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2014年4月 8日 (火)

曽田本その2を読む13長谷川流奥居合抜方4戸詰・戸脇

曽田本その2を読む

 13、4長谷川流奥居合抜方(大江正路先生・堀田捨次郎先生著)

 △座業

 4.戸詰(右を斬り左を斬る)
抜き付、右の敵を右手にて切ると同時に、右足を右斜に出す、其の右足を左斜め横に踏み変えて上段にて左真直に斬る。

*大江先生によって業名を改変された、古伝神傳流秘書抜刀心持之事の「両詰」でしょう。
両詰は左右に敵を受け其の攻防です。
右敵、左敵を斬る技と、左敵を突き・右敵を斬る二つの業が両詰には含まれています。

古伝神傳流秘書抜刀心持之事「両詰」
「抜て片手にて左脇を突き直に振向いて右脇を切る右脇へ抜打に切りつけ左を斬る」

この両詰について英信流目録秘訣では「是又仕物抔言付られ又は乱世の時分抔には使者抔に行左右より詰かけられたる事間々有之也ヶ様の時の心得也尤も其外とても入用也左右に詰かけられたる時一人宛て切らんとするときはおくれを取るなり故に抜や否左わきの者を切先に而突すぐに右を切るべし其わざ唯手早きに有亦右脇の者に抜手を留らるべきと思う時は右を片手打に切りすぐに左をきるべし」と、あります。

*大江先生は両詰には二つの業が含まれているので、別々の業として業名を改変して作られたのが「戸詰」と「戸脇」です。
古伝に見られるように敵との位置関係を主とする攻防に、場所の想定を付加したような業名とされました.。

後の河野先生は、この「戸詰」を
「我が直前の左右に戸(襖などの建具)あり、其の向う側に座する敵の機先を制し、敷居の向うへ一歩踏み込むや右の敵を抜打ちにし、直ちに左敵を斬り下して勝の意なり」
と昇華させています。

特定された場の想定と敵の位置関係と云う業が出来て来ました。
本来は両詰として両側から攻められた場合の技のバリエーションを稽古して置くものだったろうと思います。

5.戸脇(左を突き右を斬る)
右足を右斜へ踏み出し刀を抜き左横を顧みながら突き足踏みは其の儘にて上体を右横に振り向け上段にて切り下ろす

*この戸脇も前の戸詰めと同じです。
左右に詰め掛けられ、機先を制して左横を突き右横を斬っています。
此の大江先生の業手附では戸脇の場の想定は無いので左右の敵の様です。

後の河野先生は、これを「前述と同様の場合右向うと左後に敵あり、左後敵を刺突し右敵に斬り下して勝つの意なり」と意義を付け直しています。

古伝英信流居合目録秘訣上意之大事「戸詰」、「戸脇」の心得を勉強しておきます。

戸詰:障子或は戸を明けかけて内に入ると云て入る所を戸にて立詰んとするときは是を察して扇を敷居のみぞに入れ其扇のはしを膝にて敷然して内に入るときはたて詰らるゝ事なし

戸脇:戸の手前に立って居てあれえ通れと云て入る所を切らんと心懸るならばつかつかと戸口を入体を歩み行て柄にて胸を押しつけて然而引抜てつくべし亦火急にて既に切りかけられたる時は或は柄を以てはらいのけ早わざをきかすべし亦戸の内に人ありと思はば戸口を直ぐに入る事なく内に人の有る方に向て筋違て入るべし

この戸脇の業は新陰流居合(制剛流居合)に戸入りと云う業があります。
左手を鍔にかけ、右手で戸を開け、内の気配をさぐりつつ左足から屋内に入る。
頭上より斬り懸る屋内の敵に向き直り上体を縮めながら、左手で反りを返しながら刀を顔の前に鞘のまま抜き上げ、柄・鍔で敵の刀を受け止め、右手を柄に掛け反りを返しながら上から一拍子に、片手で切りつけ勝つ。(鹿嶋清孝伝新陰流居合鈴木安近著より)

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