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2014年4月13日 (日)

曽田本その2を読む14長谷川流奥居合抜方2連達

曽田本その2を読む

14、2長谷川流奥居合抜方(大江正路先生・堀田捨次郎先生著)

△立業

10.連達(進行中左を突き右を斬る)
右横へ右足を踏み体を右に避け、刀を斜に抜き左横を顧みながら刀を水平として左を突き、右へ体を変じて上段にて斬る。

*この連達は左右に敵を請け、並んで歩行中、我は右足を右横に踏み体を右に寄せています。
一歩歩行を盗んでいるはずです。右敵は即座に立ち止まっても、左敵は一歩前に出ているでしょう。或は敏感に左右の敵も立ち止まったかもしれません。或は右敵が一歩先に出て左敵が遅れるかもしれません。

*古伝神傳流秘書抜刀心持之事では「行連」は「立って歩み行内に抜て左を突き右を切る両詰に同じ」でした。これは大江先生の「連達」でしょう。
古伝の「連達」は「歩み行内前を右の拳にて突き其儘に左廻りに振返り後を切り又前へ振向て打込也」です。これは大江先生の柄にて前の敵を打つ違いはあっても「行違」でしょう。

下村派の行宗先生は行連は「右へぬきつけ左を切る」。連達は「左をつきて右を切る」で大江先生と似たような業です。

大江先生の改変は下村派行宗先生にも影響したのか何度も云いますが不思議です。

下村派の細川義昌先生の系統と思われる白石先生の「行違」は「(左右に並んで歩行中の敵に対して行う)右方の敵を抜打ちに右片手にて斬りつけ、直ちに刀を返して右方より振り冠り(左手を添え)右足を踏出して左方の敵を斬る」とあります。
「連達」は「(前後に重なりて歩行中の敵に対して行う)右足を踏出すと同時に前方の敵を抜打ちに右片手にて斬りつけ、返す刀にて後方の敵を斬る(両手にて)」となります。行連も連達も敵の位置関係の違いだけで突き技は無いものです。

現代居合では河野先生の大日本居合道図譜奥居合立業の部「連達」では「敵が我を中にして雁行の場合、又は前述の左敵一歩遅れたる場合、左敵を刺突して右敵の振向く所に斬下して勝つの意也」となって、場の状況を俯瞰して演じています。

文中の「前術の」は「行連」に在る様に「左右の敵と歩行する場合、敵の機先を制し一歩やり過ごし乍ら右の敵を抜打ち、左敵の振り向く所を斬り下して勝つ」の左敵が前に出ず、一歩遅れた場合を云っています。

古伝は「おおらか」です。
場の状況や敵との状況をどのように想定するかは、演じる者に任せているのでしょう。
マニュアルが無いと何も出来ない様では実戦には応じられそうもないのですが、かといって好き勝手では極める事はむずかしいでしょう。

「有形に依って無形を悟る」形を作るものの根元を探求する・・。どこかにこんなセリフが在った様な気がします。

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