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2014年4月18日 (金)

曽田本その2を読む14長谷川流奥居合抜方7袖摺返

曽田本その2を読む

14、7長谷川流奥居合抜方(大江正路先生、堀田捨次郎先生著)

立業

15.袖摺返し(伝書にはなし 曽田メモ)
(進行中抜き放ち刀を身(左の身)に添え群衆を押し開き進みつゝ斬る)右足の出たる時刀を静かに抜き、直ちに右手は上へ左手は下へ胸の処にて組み合わせ、足は左右と交叉的に数歩出しつゝ両手肘に力を入れて多数の人を押し分ける如くして左右に開き、直に上段に取りて中腰にて右足の出たる時前面を斬る(右手を開く時は両手を伸ばす、肘の処を開くこと)」

*この「袖摺返し」は古伝神傳流秘書抜刀心持之事には業として存在しません。大江先生の創作かも知れませんが、なぜか下村派の行宗先生の口伝には(2014年4月2日)には奥居合の立業として掲載されています、「袖摺返し:(伝書にはなし 曽田メモ)人をおしわけて切る(左足にてかむり、右足にて切る)」これでは大江先生の「袖摺返し」其の儘です。

「袖摺返し」と云う業名は、古伝神傳流秘書の「大小立詰」の一本目に「袖摺返」として存在します。(2013年2月9日)
「我が立て居る処へ相手右脇より来り我が刀の柄と鐺を取り抜かせじとする時其儘踏みしさり柄を相手の左の足のかゞみに懸け中へ入り又我右より来り組付をひじを張り体を下り中に入る」

大江先生の袖摺返しは、古伝神傳流秘書の抜刀心持之事「行違」の業の替え業だったかも知れませんし、その業から思いついたものかも知れません。

古伝「行違」「行違に左の脇に添えて払い捨て冠って打込也」(2013年3月8日)

*歩み行くうち、前方から来る敵の害意を察し、間境で右足を踏み出し前方に刀を抜き放ち、右足を左足に退き揃え同時に左肩下に刃を外にして左腕に付け腕を組み、敵とすれ違う瞬前に左足を敵に付けこむ様に踏み出し敵の胴を払う。右足を前方に大きく踏み込み払い捨てた敵に左足を軸に左廻りに振り向き上段から切り下ろして勝つ。
この払い捨ては、敵の胴を払うのでしょう。
双方歩みよるのですから、間の取り方がポイントでしょう、足捌きが重要です。敵とすれ違う寸前に我が刀は左腕に添わされ刃は外を向き敵に触れる寸前である事でしょう。

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コメント

袖摺返と古伝「行違」、この2つの技をくりだせる状況は非常に酷似していると私の浅学な頭で思えますが、如何なものでしょうか?袖摺返は群衆に紛れて切間に入る時には既に抜刀している状態。先日ご教示頂いた行違も、こちらと同じ方向を歩く前の人(複数?)の後ろに隠れて進み、前の人が敵とすれ違うと同時に、敵が後ろに隠れたこちらに気付いた時には、こちらは既に抜刀している状態。視界に入れば、素早い抜き打ちであっても、技の起こりは必ず見えます。抜刀して左脇に構えれば、尚更、敵に技の起こりが丸見えです。摺れ違う前に敵は間境の外へ逃げられます。この2つの技は、いずれも群衆の中で、敵の虚を突き、不意を打つ心持でなければ使えない技と思えてなりません。

兵法流浪さま
コメントありがとうございます。
「袖摺返」は古伝には無く、大江先生が独創したと思われます。
その元になったのは古伝神傳流秘書の抜刀心持之事(現在の奥居合)の行違でしょう。
ですから、その初動は行違そっくりです。
現在の「袖摺返」の動作で群衆の中で刀が抜けるでしょうか、抜き身を持って人をかき分けられるでしょうか。
群衆の中での抜刀法は、古伝は「人中」で現在の「壁添」の業です。
古伝は抜刀心持之事には「格をはなれて早く抜く事」と添え書きが有ります。
格とは掟、決まり事などに捉われず状況次第に自分で考えて応じろと言う事です。
「かたち」に捉われていたのでは切られてしまうからでしょう。
然しその前に示された手附でとことん稽古して自ら疑問を払う事も修業の内の様に思えます。
見た目ゆっくりでも、相手が反応できない様なものになっていなければ唯のかたちにすぎないように思います。
たとえば、踏み出して抜き出した柄頭が微動だにせず相手を威嚇しているのに刀が抜き出されている。
ポイントは足さばきかもしれませんね。
              ミツヒラ

投稿: 兵法流浪 | 2015年2月 5日 (木) 23時55分

ご教示、誠にありがとうございました。家内には「朝っぱらから何やっちょるの」と言われながらも、イメージトレーニングして、道場横の広場で仲間達の後ろから、こっそり「袖摺返」で上段に取るまでを木刀で試しました。全然ダメ(笑)。人垣の向こうの相手は異変に気付き、身構えました。あれっと気付いて、私が目に入るまで、少し時間があったそうです。まして白刃をキラめかせ、群衆をかき分ければ、周囲で悲鳴があがり、当然相手に気付かれます。少しでも剣の心得のある相手には使えません。袖摺返は鍛錬用の技として割り切るしかなさそうです。虚を突かれたら、「人中」の方が動きが読みにくい、とのことでした。相手が応じられないような動き.....本当に難しいです。

兵法流浪さま
コメントありがとうございます。
袖摺返中々納得いきませんか。
明治以降に中学生向きに創作されたものですから何とも言えませんね。
古伝の行違を研究されてご教授ください。
            ミツヒラ

投稿: 兵法流浪 | 2015年2月 7日 (土) 16時02分

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