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2014年4月 3日 (木)

曽田本その2を読む12長谷川流奥居合抜方6袖摺返し・壁添へ

曽田本その2を読む

 12、6長谷川流奥居合抜方(行宗先生口伝)

 △立業(奥居合には順序なしと伝えらる)

 7.袖摺返し(伝書にはなし)
人をおしわけて切る(左足にてかむり右足にて切る)

*この業は伝書には無い業で、人ごみの中で敵を斬るのは古伝では「人中」です。
「袖摺返」と云うのは古伝神傳流秘書の「大小立詰」にある業名で、是を大江先生は、「人中」に引き当てたのでしょう。

古伝神傳流秘書大小立詰「袖摺返」
「我が立て居る処へ相手右脇より来り我が刀の柄と鐺を取り抜かせじとする時其儘踏みしさり柄を相手の左足のかがみに懸け中に入り又我右より来り組付くを肘を張体を下り中に入る」

敵が右脇から寄って来て、柄と鐺を取って刀を抜かせないようにするので、後ずさりして柄を敵の左足の膝裏に当てて後ろに倒す。
又は或はでしょう、敵は右側より組付いてくる、我は肘を張って組付かれるのをこらえて体を落として敵に密着して後ろに突き倒す。

大江先生の「袖摺返」(進行中抜放ち、刀を左の身に添え群衆を押開き進みつつ斬る)
「右足の出でたる時、刀を静かに抜き、直ちに右手は上へ左手は下へ胸の処にて組み合わせ、足は左右と交叉的に数歩出しつつ、両手肘に力を入れて、多数の人を押し分ける如くして、左右に開き、直に上段に取りて、中腰にて右足の出でたるとき、前面を斬る、(両手を開く時は、両手を伸ばす、肘の処を開くこと)

*この大江先生の「袖摺返」は古伝の抜刀心持之事「行違」を変形させたものと思うのですが
やってみましょう。
古伝神傳流秘書抜刀心持之事「行違」
「行違に左の脇に添えて払い捨て冠って打込也」

*動作を「行違」から拝借し、次の「人中(ひとなか)」の場の想定を拝借したと想像しています。

8.壁添へ(人中のこと)
四囲狭き所にて切る

*「壁添へ」の業は古伝神傳流秘書抜刀心持之事「人中」の動作を其の儘に、人中を壁に見立てた場違いのものです。

行宗先生の「壁添へ(人中のこと)」は四囲狭き所にて切る、です。
古伝の「人中」を稽古します。
「足を揃え立って居る身にそえて上へ抜き手をのべて打込む納るも体の中にて納る」

大江先生の「壁添へ(進行中立留り両足を踏み揃え上へ抜き直下に斬下し堅立に刀を納む」
「中央に出で体を直立とし両足を揃え刀を上に抜き上段となりて趾先を立てて真直に刀尖を下として斬り下し、其体のまま刀尖を下としたるまま血拭い刀を堅立として納む」

下村派第15代細川義昌先生系統と思われる白石元一先生の「人中」を稽古して見ます。
「人中(多人数の中にて前方の敵を斬る意):鯉口を左脇腹に取り刀を左側に於て上方に抜くや、(此時鞘も同時に下げる如くす)右手を頭上に取りて刀を背後に廻し、左手を柄に添えて前の敵を斬る。
斬り下したる刀を立ちたるまま体に接して刀刃を右に向けつつ右側に取る。(此際刀は略垂直)。
血振りしたる刀を体に接して左前上に取り(左手は鯉口を持ちて最初抜く時と同様脇腹の所に引きつけあるを)左手首外側に添いてやや刀を上に持ち上げ、納刀し終るやもとの如く柄を前方に差し出し一足となる」2014年2月15日

*白石「人中」は、大江先生の爪立つ様子が見えませんが克明です。

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