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2014年4月 5日 (土)

曽田本その2を読む13長谷川流奥居合抜方1霞

曽田本その2を読む

 13、1長谷川流奥居合抜方(大江正路先生・堀田捨次郎先生著)

 △座業

*前回は下村派の行宗先生の業を曽田先生が綴ったものでした。それに対応する様に谷村派の大江先生の奥居合を述べています。
大江・堀田共著の事は、「剣道てほどき」の付録にあるもので大江先生が監修し堀田先生が書かれたものでしょう。
大正7年に発行されたもので現代居合としては最も古いテキストです。

1.霞(俗に撫斬りと云う)
正面に座し、抜き付け手を返し、左側面水平に刀を打ち返す。直に上段となりて前面を斬る。

*大江先生によって古伝を改変されたもので、古伝は「向払」です。向うは正面の敵と云う事です。
この手附では、何処をどのように抜き付け、手を返して水平に打ち返すのか解りません。
口伝口授を当たり前として、流の者以外には業を知られないようにした古き時代の名残でしょう。

大江先生の大森流の1番前は「前の敵の首」です。長谷川流の一本目横雲の抜き付けは(敵の首を斬る)ですから、ここも抜き付けの一刀は左から右へ敵の首でしょう、間合い遠く敵が之を外したので即座に手を返し追い込んで右から左へ水平に首に打ち返すのでしょう。直ちに上段となって真向に斬り下すのでしょう。

この「剣道の手引」の後、昭和8年に河野百錬先生が発行した「無双直伝英信流居合術全」
「霞:正面に向い立膝に座し、気分充つれば左手にて鯉口を握り拇指にて鯉口を切り、右手を柄にかけ刀をぬきかけ腰を延び切ると同時に右足を踏出して抜き払い「払いたる手の止まらぬ間に」総体を進ませ乍ら甲手を返して左を払い、(最初敵の右首にぬきつける寸の足らざる故に更に体を進ませて左首に切り返すの意)左膝を進ませると同時に双手上段に振り冠りて切り込み、刀を右に開きて血振い同時に左手を腰に取りて後鯉口を握り、刀を納めつつ右足を引きよせ左踵の上に臀部を下して納め終りて立上り、直立の姿勢となりて次の業に移る。」
行きも返るも大江先生と同じく「敵の首」でした。

その後昭和17年の河野先生の「大日本居合道図譜」では「横雲の要領で敵の顔面に横一文字に斬り付け不十分のため、刀の止まらぬうちに甲手を返し上体を敵に付け入る心持にて少し屈め体を進め乍ら敵の脛に斬り返す」と云う事に変化しています。

向拂の斬る位置
古伝    ?-?
大江先生 首-首
行宗先生 ?-?
政岡先生 こめかみ-こめかみ?
白石先生 右眼-小鬢
河野先生 首-首
河野先生 顔面-脛
22代    首-脛
山内派  両目又は喉-脚又腹、踝下関節
川久保先生 首-脛
大田先生 首-腰
檀崎先生 首-後方(二人目)の敵の首
岩田先生 首-首(足)

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