« 曽田本2その2を読む12長谷川流奥居合抜方3四方切 | トップページ | 下村派行宗貞義記録写「誓約」 »

2014年4月 1日 (火)

曽田本その2を読む12長谷川流奥居合抜方4行違・信夫

曽田本その2を読む

 12、4長谷川流奥居合抜方(行宗先生口伝)

 △立業(奥居合には順序なしと伝えられる)

 5.行違
柄頭にて前をつきふり返りて切る

*この業名も大江先生の改変されたものでしょう。

行宗先生の「行違」は前の敵を柄頭で突いて、振り返って後ろの敵を斬る、で終わっています。
再び前に振り向き柄当てした敵を斬るような事は無さそうです。柄頭で敵の頚骨を打ち砕いているかも知れません。

元の業名は古伝神傳流秘書抜刀心持之事「連達」のはずです。
「歩み行内前を右の拳にて突其儘左廻りに振返り後を切り又前へ振向て打込也」

我を中にして前後に敵を受け歩み行く時、機を見て前の敵の後頭部を右の拳で突き、即座に振り向いて後ろの敵を片手切りして、前に振り返って諸手上段から真向に打ち下す。

この場の想定は、3人並んで同じ方に歩いて行くのか、前方から敵が来るのか解りません。
「歩み行内前を右の拳にて突き」の状況から不意打ちの様です。前の敵は後向きが妥当でしょう。
前方から敵が来るならば、一人をやり過ごし、後から来るものを拳で突くのも有でしょうが、敵は我の右側を通るか左側を通るかで踏み込みが違います。

下村派の第14代細川義昌先生の系統と思われる白石先生の「連立」2014年2月17日
「(前後に重なりて歩行中の敵に対して行う)歩行中右足を踏出すと同時に前方の敵を抜き打ちに右片手にて斬りつけ、返す刀にて後方の敵を斬る(両手にて)

(前後に重なりて歩行中)ですから同一方向に歩行中と考えていいでしょう。古伝と違って前の敵を後ろから抜打ちに右片手斬りして振り向いて後ろの敵を諸手上段から打ち下すのでしょう。

古伝英信流居合目録秘訣外之物の大事「連達」
「是亦歩行く内に刀の柄に而突き左廻りに後ろえふり廻る拍子に抜打に後ろを切又初柄にて突きたる方を切是は我が前後に敵を連達たる時の事也旅行抔のときは盗賊抔跡先つれ達時此の心得肝要也」

是は前後に敵を受けて同一方向に歩行中です。前の敵を柄で突いています。機を見て突然柄打ちするのでしょう。

6.信夫(暗打)
夜太刀 切先を床につけ敵をおびきて切る

*「信夫」の業名はこれも大江先生が古伝の「夜之太刀」を改名されたものでしょう。

古伝神傳流秘書抜刀心持之事「夜之太刀」
「歩み行抜て体を下り刀を右脇へ出し地をパタと打って打込む闇夜の仕合也」

古伝と想定は同じでしょう、行宗居合はどのように演じるか口伝口授では不明です。

之も白石先生の「夜の太刀」で稽古してみます。
「(暗夜に敵我の誘に斬り込み来るを斬る意)左足を出したる時に抜刀の用意をなし、一旦右足を揃えて一足となりたる後、左足を大きく左方に引くと同時に、刀を右方に抜き刃部を正面に向け(剣尖にて音をたてゝ敵をさそう、此の時顔は正面に向けあるを要す)敵音を聞き斬り込み来ると見るや、切先を右より廻し右足を左足まで退くと同時に振り冠り右方に向きを変え、更に右足を踏み出して真向より斬り下す。」

前進中、左足を出した時敵を察知して、左手を鍔右手を柄に掛け、一旦、左足に右足を引き揃えて立ち止まり、正面を向いたまま左足を大きく元の線上から左に出し、刀を右方に抜き出し刃部を正面に向けて右横の地面を剣先で叩いて音を出し敵を誘う。
敵が音を聞いて斬り込んで来ると見るや、切先を右より廻して振り冠ると同時に右足を左足に引き付け右方に向き直り右足を踏み込んで真向より斬り下す・

敵は我が切先で地面を叩いた位置に斬り込んで来るので斬り込み来り空振りの刃鳴りを聞くや右足を踏み込んで斬るのでなければ斬られてしまいそうです。
敵がどの方角から斬り込んで来るのか、初めに敵を認識した位置が元なのでしょう。

|

« 曽田本2その2を読む12長谷川流奥居合抜方3四方切 | トップページ | 下村派行宗貞義記録写「誓約」 »

曽田本その2を読む」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 曽田本2その2を読む12長谷川流奥居合抜方3四方切 | トップページ | 下村派行宗貞義記録写「誓約」 »