« 曽田本その2を読む13長谷川流奥居合抜方2脛囲 | トップページ | 曽田本その2を読む13長谷川流奥居合抜方4戸詰・戸脇 »

2014年4月 7日 (月)

曽田本その2を読む13長谷川流奥居合抜方3四方切り

曽田本その2を読む

13、3長谷川流奥居合抜方(大江正路先生、堀田捨次郎先生著)

△座業

3.四方切り
右足を右斜に出し刀を右斜に抜き刀峯を胸の処にあて刀を平とし斜に左後を突き、右側面の横に右足を踏み変へ上段にて切り、右足を左斜横に踏み変えて(受け返して打つ)上段となりて切り、右足を正面に踏み変えて上段より切る。

*この四方切りは×でも+でも無い変則の敵の配置です。我が右側面の右・正面・左前・左後と云う配置です。
運剣は現代居合と同じ様ですが「右側面の横に右足を踏み変え」の動作がよくわかりません。「右側面の右」は「右斜め後」とも取れます、しかしその後の大江先生系統の先生方のテキストは「右前・正面・左前・左後」の方向なのです。

大江先生は下村派の第14代下村茂市にも指導を受けていますから、相弟子の細川義昌先生ともこの業を習っているはずです。細川先生の系統と思われる白石元一先生の四方切りは古伝の四角です。

白石先生の四角
「鯉口を構え右前角の敵に斬りつくる如く気勢を見せ乍ら右足を出して刀を抜き終るや左後方の敵を刺し、(前後詰と同じ要領にて)返す刀を以て(左方より冠り)右後方の敵を斬り(左膝にてまわる)尚刀を返さんとするや(右方より冠る)、右角の敵我に対し斬りかゝるを受流し、左前角の敵を斬り続いて左方より冠り右前角の敵を斬る。」(2014年2月11日、12日)

古伝英信流居合目録秘訣では上意之大事に三角・四角の業があってその心得を述べています。

三角
「三人並び居る所を切る心得也ヶ様のときふかぶかと勝たんとする故におくれを取る也居合の大事は浅く勝つ事肝要也三人並び居る所を抜打に紋所のあたりを切先はずれにはろうときはびくとするなり其ところを仕留る也三人を一人づつ切らんと思う心得なれば必ず仕損ずる也一度に払うて其のおくれに付込で勝べし」

古伝神傳流秘書抜刀心持之事「三角」
「抜て身を添え右廻りに後へ振り廻りて打込む也」

*三角は、▽でしょう、左前・右前・後に敵を受け、刀を抜くや左前・右前・後と右廻りに一挙に抜付け、敵が遅れを取る隙に上段に振り冠って後ろの敵を真向に斬り、左廻りに右敵の打込むのを受け流し左前の敵を上段から斬り下し、右廻りに上段に振り冠って右前の敵を斬る。

心得の通りであれば、左前の敵に抜き付け、その儘右前の敵に余勢で切り付け、右廻りで後へ振り向き後敵を薙ぎ払って諸手上段から後ろの敵を真向に斬り下す。

△の場合では、左後の敵を突き、右廻りに正面の敵を薙ぎ払い、左から上段に振り冠って右後ろの敵を真向に斬り下し、上段に振り冠りつつ正面に振り返り真向に斬り下す。

四角
「三角に変わる事無し是は前後左右に詰合う之心得也故に後へ迄まわって抜付る也」

古伝神傳流秘書抜刀心持之事「四角」
「抜左の後の角を突き右の後の角を切右の向を請流し左の向を切又右の向を切る也」

*左後の敵を突き、左廻りに左前・右前・右後の敵を薙ぎ払い、右から振り冠って右後の敵を斬り下し、左廻りに左から振り冠りつつ右前の敵を請流し、左前の敵を斬り、右廻りに反転して右前の敵を斬る。

現代居合の運剣法では必ず仕損じると決めつけられています。江戸後期にはすでにこの心得は失念していたのでしょう。

|

« 曽田本その2を読む13長谷川流奥居合抜方2脛囲 | トップページ | 曽田本その2を読む13長谷川流奥居合抜方4戸詰・戸脇 »

曽田本その2を読む」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 曽田本その2を読む13長谷川流奥居合抜方2脛囲 | トップページ | 曽田本その2を読む13長谷川流奥居合抜方4戸詰・戸脇 »