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2014年5月23日 (金)

曽田本その2を読むの2の3英信流太刀打之位10打込一本

曽田本その2を読むの2

 3、英信流太刀打之位

 10.打込一本(留の打込なり)(仕打 中段)(伝書になし口伝あり)
双方真向に物打にて刀を合わし青眼に直り退く

*10本目は伝書には無いが、真向打込み合う留の打込一本、と云う事で双方中段に構えスカスカと歩み行き打が上段に取るや仕も上段に取り、打が右足で間を越して仕の真向に打ち込む、仕も右足で間を越して打の真向に打ち込打の刀に打ち勝って終る。
稽古では切先を高くして物打ちで相打ちとなる様手の内の締めを利かせ、残心を以て青眼に直り、静かに双方後方に退いて、横血振り納刀する。
しかし稽古を重ねこの「打込一本」を会得すれば、仕は打の太刀に打ち勝ち打の頭上で寸止めも出来る様になる筈です。

是が古伝の太刀打之位の留の打込ですが、大江先生の英信流居合之形の7本目真法とは異なります。(2014年5月1日)

古伝神傳流秘書太刀打之事では「打込」として曽田本では記載されています。この「打込一本」では古伝には無いと曽田先生は書いていますから古伝に記載したのは曽田先生かも知れません。木村栄寿先生の夢想神傳重信流にも太刀打之事の最後に曽田本とまったく同じに記載されていますから「打込一本」が古伝には無いと云うのは疑問ですが・・ともかくとして。
「打込:相懸又は打太刀待処へ遣方より請て打込み勝也」

*この古伝に在る、打込は「遣方より請て打込み勝」とあります。之は柳生新陰流の「合し打」、一刀流の「切落し」の極意技でしょう。
打の真向に斬り込んで来る太刀を請けて仕も真向に斬り込み打の太刀を打ち外し仕の太刀が打の真向に打ち込まれるものです。
「請て打込」の「請」に拘り、十文字請けをして打の太刀を止めるのとは違います。
仕は打の斬り懸る太刀のおこりを見抜いて、少しもそれにこだわらず、己からも進んで打ちだすので、一拍子の相打の勝となる。

大江先生の英信流居合之形の7本目「真方」とは、技に置いても、その心においても格段の違いがある事を知るものです。

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コメント

ご意見、ありがとうございます。”双方45度...”のコメントのように、乱世の切合を元にした流祖に近い伝書の刀法では拍子を外す斜太刀でしょう。しかし、それを超える思想が戦国末期にあり、伝書に記されているのも事実。私が教わった最後の8本も、打太刀8つの構えに対し、踏み込みに一工夫ありますが、使太刀は全て人中路を峰から谷まで真っ直ぐ切る技でした。明治後、曽田先生ら居合の先人は竹刀剣道の悪癖(無謀な面打ち)が居合道に入り込まぬよう苦労されたと推察します。私も古伝「ぐわす」と合掌打、共に稽古は欠かしません。今年は道場で世代交代、来春の武道祭に向け、年明けから”太刀打之位”稽古が倍増します。このブログと共に楽しませてもらってます。

投稿: 兵法流浪 | 2015年12月14日 (月) 23時01分

遠間で物打を合わせて御仕舞は論外です(笑)。が、もしも古伝の「切落し」と同じ技法なら、切り結ぶと同時に低く一重身、鎬で摺り落とされた時点で終わるものありかなと思ったりもします。国際武道大学の魚住教授らの研究により、これまで信じられていた「切落し」は、一刀流「流祖以来、小野一族の切落し」とは別物だったことが判明しました。江戸後期に竹刀剣道に沿って考案されたものと、乱世に真剣での切り合いを想定したもの。この伝書には構え(沈身/一重身/斜太刀)、使い方が絵入りでかなり詳細に記され、これまで言われた切落しとは全くの別物。これら小野家文書と津軽文書の研究成果は平成24年に文部科学省の科学研究費助成事業に選定されてます。国会図書館に写真入りの論文が保管されてます。当時、新陰流を学んでいた私らにとっても、ショッキングなニュースでした。魚住教授は赤羽根教授に匹敵する逸材です。太刀打之位の「打込」は、どちらから想定、編み出されたのでしょうか?曽田本に「遣方より”請て”打込み勝也」とあります。時代を考えれば、林一族が土佐に持ち込んだのは、竹刀でなく、真剣での切落しに思えてなりませんが.....

兵法流浪さま
コメントありがとうございます。
新陰流の合し打ちと、一刀流の切り落としの
御説いいですね。
私の剣友も何としても、双方とも真っ直ぐな打ち合いの理論を信じようとしません。「切り落とせる分けなど無い」相打ちか鍔留だと言い張っています。
中には真直ぐ打込んで手首を返して請け太刀にして打ち込まれた太刀を弾いてきます。
曽田本の業附口伝は打込「伝書二ナシ留メノ打ナリ」で曽田先生の手附は「双方真向二打込ミ物打ヲ合ハス也」です。双方45度の角度で真中で物打ちを合せ、気を以て間を外す事を教える業だと逃れています。
此れが、現在ほとんどの処の打込でしょう。
古伝神傳流秘書での打込「相懸又ㇵ打太刀待処へ遣方ヨリ請テ打込ミ勝也」これだけです。
これを其の儘受け取れば、請け太刀に為れと言っているので切落としでは無い、いや切り落としも仕は後から打ち込むので意識せずとも受け太刀に為っている、とか議論は一杯でしょう。
幾らやってもまともに出来ませんが、我が正中線を真直ぐに打ち下す事を只管稽古して居ます。
             ミツヒラ

投稿: 兵法流浪 | 2015年12月12日 (土) 19時12分

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