曽田本その2を読むの2の4英信流大小詰5胸捕
曽田本その2の2
4、英信流大小詰
5.胸捕
互に対座打は仕の胸を捕へて突く仕はすぐに右手にて支え左手に持たる柄頭を敵の脇坪に当てる也又胸を捕りて引く時はすぐに刀を抜きて突く也
◎向うて居る右手にて胸をとり突く時は其手を押へ左てにて脇坪へ当てる引く時は抜きはなち刺す(五藤先生手記)
*大小詰は打は小太刀、仕は太刀を帯して対座して居ます。
この胸捕の業は、二つの業を持って居ます。
一つ目は、打が仕の胸を右手で掴んで突き倒そうとする、仕は「右手で倒れるのを支え」左手で鍔を持ち、打の脇坪に打ち当てる。「右手にて支え」の方法は倒れそうになるのを右手で支えるとしましたが、ここでは打が仕の胸を捕る右手を右手で押させない様に支えると解釈してもいいのかも知れません。
もう一つは、打が右手で仕の胸を掴み引き倒そうとする、仕は其の拍子に刀を抜き放ち打を刺突する。
五藤先生の場合は、打が右手で仕の胸を掴んで突き倒そうとする、仕は其の打の右手を右手で押さえ左手で打の脇坪を拳で打ち付ける。
もう一つは、打が右手で仕の胸を捕えて引き倒そうとする時は刀を抜き放って刺突する。
古伝神傳流秘書の大小詰「胸捕」
「詰合たる時相手我胸を取り突倒さんとする時我右の手にて其手を取り左の足を後へ引柄頭にて相手の脇へ當る又引く時は随って抜突く也」
*古伝は解りやすい、詰合って座して居る時、打が仕の胸を右手で取り突き倒そうとする、仕は打の右手を右手で取り、左足を後へ引いて打の突き倒そうとする処へ柄頭を打の脇坪に突き当てる。
又、打が右手で仕の胸を捕って引き倒そうとするならばそれに従って刀を抜き放ち突く。
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