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2014年6月21日 (土)

曽田本その2を読むの3の2目録の3上意之大事2両詰

曽田本その2を読むの3

 2、無双直伝英信流居合目録の3上意之大事

2.両詰(向詰)
立業柄を臍にとり前を突き切る。座業にもあり。

*両詰は古伝の向詰と云うのです。之は大江先生の命名した業名でしょう。立業だが座業にもあり。と云います。
刀を抜出し臍前に構え、前の敵を刺突し上段に振り冠って真向に切る。

古伝神伝流秘書抜刀心持之事では向詰であって、しかも座業の3番目に位置します。
「抜て諸手を懸け向を突打込也」

その他に之に類する業が見当たりません。立業を主とするものも見当たりません。
向詰と云う業名の由来は、正面に対座する敵と相対する業だと云うのであって、両詰は左右に敵を受けた場合の業と云う事なのです。

大江先生はこの向詰である相対した敵との攻防を、両詰めと云う左右に敵を受けた場合の攻防への名称と変えてしまいました。その理由は不明です。

大江先生の奥居合居業の7番目は両詰
(抜放け諸手にて真向を突き斬る)坐したる処より右足を少し出して、刀を抜き、柄元を臍下に当て、右足を踏み出して、前方を諸手にて突き、其の姿勢のまゝ、上段にて前面を真向に斬る。

河野先生が古伝を知りえたのが、曽田先生から譲られた神傳流秘書類の写し書きでしょう。
昭和23年6月にこれらの写しを送られている様です。
そして曽田先生の他界された(昭和25年)4年後、昭和29年に曽田本を無双直伝英信流居合兵法叢書として発行されています。
昭和17年の大日本居合道図譜では古伝を知らなかったためか、或は知って居ても大江先生に権威を払いこの「両詰」の解説は以下の様です。

奥居合之部奥居合居業7本目両詰
意義:我が両側に障碍ありて、刀を普通の如く自由に抜き難き場合にして、刀を前に抜き取り前敵を刺突して勝の意也。

*場の想定が左右に障碍ある場合になってしまい、相対する敵との攻防はともかく、狭い場所の意識を強く印象つけられています。
ですからそのような場所での抜刀、刺突、横血振り、納刀とも我が躰の内を意識した動作となります。

右手を刀にかけるや刀を前に抜き取りて青眼に構ゆ。右足を踏込み(左膝も進め)て刺突し、刀を引き抜く心持にて上体を進めて諸手上段に冠り敵の真向に斬り下す。血振い納刀する事同じ。

*此の業のポイントは22代のテキストに場の想定を強く意識して述べられています。
刀の抜き懸けは我が左半身の裡にて実施する。
血振いは通常の如くで可とするも、少し狭めるのも可なり。
納刀時には本業の剣理より鑑みて鞘を前方(体正中線と平行に)に立て、納刀も我が上体前面正中線と平行に近く立てて納刀するを可とする。

大江先生も河野先生も刺突の部位については特に述べられていませんでしたが22代は特定されています。

「青眼に構えたる時、丹田に気を充実し気迫溢るゝ心地を持ち、柄頭は我が臍の前一拳位の処にあり、左右柄手掌中を内に絞る心地にて柄を握り、剣先は我が喉元の高さ(対敵の喉元の高さ)に保つ事肝要である。
刺突する時、我が顎を引き締め、目線は前の敵を直視し、刺突する剣先は対敵の上胸部より喉元に達する如くなすべし。」

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