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2014年6月17日 (火)

曽田本その2を読むの3の2目録の2外之物之大事4惣捲

曽田本その2をよむの3

 2、無双直伝英信流居合目録の2

 外之物之大事

4.総捲(五方切)
立業にて横面、肩、胴、腰、真向を切る(切り返し)

*総捲と云う業名は古伝の五方切に大江先生が改変に当たり改名された業名と思うのですが、曽田先生の下村派でも使用している様に思います。
ここは谷村派の15代谷村亀之丞自雄―楠目繁次成栄―谷村樵夫自庸―土居亀江(小藤)曽田先生の実兄に伝わったものでその目録の写しなのです。

この総捲の手附では稽古は出来そうもありません。
古伝神傳流秘書の抜刀心持之事五方切
歩み行内抜て右の肩へ取り切又左より切又右より切又左より切段々切下げ其儘上へ冠り打込也

英信流居合目録秘訣の外之物の大事では惣捲形十です。
竪横無尽に打振て敵をまくり切る也故に形十と有也常に稽古の格には抜打に切り夫より首肩腰脛と段々切り下げ又冠り打込也

*古伝は大らかです、現代居合にこの大らかさで形を演じたらどうなってしまうでしょう。

ここは大江先生の総捲から古伝を忍んでみます。
総捲り(進行中面、肩、胴、腰を斬る)
右足を出して、刀を抜き、其足を左足に引き寄せ、右手を頭上へ廻し、右肩上に取り、左手を掛け稍や中腰にて(右足より左足と追足にて)敵の左面を斬り、直に左肩上に刀を取り、追足にて敵の右肩を斬り、再び右肩上に上段となりて、敵の左胴を斬り、再び左肩上段となり右足を踏み開き敵の右腰を目懸け刀を大きく廻し体を中腰となして敵の右腰を斬り、中腰のまゝにて上段より正面を斬る、(左面斬り込みより終りの真面に斬ることは一連として早きを良しとす)

*大江先生の総捲りもすでに失念した動作かも知れません。
この業は捲り切りでしょう。一人の敵を斬りきざむ又は次々に来る敵を斬るとも取れます。
設対者を置いて斬り込む稽古では相手は木刀で受け乍ら後退してもやむおえません。
然し空間刀法では、ここはしっかり斬り込み切り返すのでしょう。
刀の構えが「右肩上に取り」「左肩上に取り」とあり次に「右肩上に上段となり」「左肩上段となり」とあります。是は八相、逆八相、或は八相から上段、逆八相から上段なのでしょう。
現代居合の方法では理解不明です、この辺りに土佐の居合の姿があったかもしれません。

河野先生の昭和17年大日本居合道図譜による総捲
敵前面より斬込み来るを、我れ抜刀しつゝ一歩退き敵刀を摺落しつゝ上段となり、敵の退く所を追撃して勝の意にして又多数の敵を追撃する刀法なり。

前進し乍ら右足の出たる時刀を水平に抜きかけ、敵刀を受流し乍ら右足を左足に退き付け上段となり敵の退くに乗じてすかさず右足を踏込み敵の左面に斬り付ける。
次に左面に斬込みたる刀の途より上段に冠りながら右足を踏込むや(左足も連れて)敵の右肩より袈裟に斬り込む。
次に同要領にて上段となり右足を踏込みて(左足も連れて)敵の左胴に斜に斬込む。
次に同要領にて上段より刀先を左方に廻し刃を前に水平に構えるや右足を深く踏込み(左足は其位置に)乍ら体を沈めて腰部に斬り込む。
上段となるや直に右足より踏込む心持にて敵の真向に斬下す。

*大江先生の「右肩上に取り」或は「左肩上に上段」の処は、総て上段に構えてから左面・右袈裟・左胴・腰車に移行します。
時代背景から、学校教育による竹刀剣道の運剣操作が取り入れられています。

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