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2014年6月30日 (月)

曽田本その2を読むの3の2目録の3上意之大事の11行違

曽田本その2を読むの3

2、無双直伝英信流居合目録の3上意之大事

11.行違
立業 柄頭にて前を突き振り返りて後を切る後を突きて前を切る

*この手附はどう解釈すべきか、行違いに柄頭で前を突き、振り返って後ろを切る、後ろを突き前を切る。ですから後ろを切ってから更に後ろを突いて振り返って前を切る。

「後を突きて」の突くは切るの過ちかも知れません。
この伝書は曽田先生の実兄土居亀江から譲られたもので他に有りませんから確認のし様が無いのです。

政岡先生はこの替え業を地の巻に乗せています。
「換え業として柄当てと同時に、左手を引いて抜刀し、体を半ば開いたまま後をふりかえり、左足を引き(右足もこれを追う)右手をのばして後の敵の胸を突き、引き抜くとふりかぶると同時に前に向きなおりつつ、右足からふみ込んで真甲から切下して終る」

*全剣連の8本目「顔面当て」が相当します。
「前進中、前後二人の敵の殺意を感じ、まず正面の敵の顔面に「柄当て」し、続いて後ろの敵の「水月」を突き刺し、さらに正面の敵を真っ向から切り下して勝つ」

行違の業名ですが古伝では神傳流秘書抜刀心持之事「行違」
「行違に左の脇に添えて払い捨冠って打込む也」

*袖摺返の様に、刀を前に抜いて、左脇に刃を外向けに左腕の上に組み、行き違い様に相手の胴を払って、振り返って上段から打ち下す。大技です。

この目録の業の動作は、古伝神傳流秘書抜刀心持之事では「連達」です。
「歩み行内前を右の拳にて突き其儘に左廻りに振返り後を切り又前へ振り向て打込也」

*これは同方向に前後に敵を受けて歩むうちに隙を見て、前の敵を右拳で突くのです。其の儘振り向いて後ろの敵を斬り前に振り返って前を切る。

英信流居合目録秘訣の上意之大事にはこの業名は無く、外之物の大事の「連達」が相当します。
「是亦歩行く内に向を刀の柄にて突き左廻りに後ろへふり廻る拍子に抜打に後ろを切又初柄にて突たる方を切是は我前後に敵を連達たる時の事也旅行抔のとき盗賊抔跡先つれ達時この心得肝要也」

*我を中に前後に敵と連立って同方向に歩み行く設定でしょう。ここでは柄で前を行く敵を突いています。

大江先生のこの様な業は「行違」で、曽田先生の目録と同じです。
「(進行中正面を柄頭にて打ち、後を斬り又前を斬る)右足の出でたる時(敵顔面を柄頭にて)左手は鞘と鍔を拇指にて押へ、右手は柄を握りたるまゝ前方に伸し、柄当りをなし、其足踏みのまゝ体を左へ廻して、後方に向いつゝ、抜き付け右手にて斬り、直に前方の右へ振り向き上段に斬る。」

*現代居合でも理合は変わっていないと思われますが、後ろの敵は「抜き付け右手にて斬り」ですから片手抜き打ちに斬っています。
河野先生の昭和8年の無双直伝英信流居合術全では「左方より後ろに向き、双手上段に振り冠りて後方の敵に斬り込み・・」と双手上段です。

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