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2014年8月31日 (日)

神傳流秘書を読む序の1

神傳流秘書を読む序の1

平成23年2011年の事、第17代大江正路先生から第22代までの無双直伝英信流居合の業技法の変遷を業毎に比較して居ました。

それは何が発端かと云いますと、宗家訓に思いを寄せたからなのです。

宗家訓
「当流の居合を学ばんとする者は、古来より伝承せられ以って今日に及ぶ当流の形に聊かも私見を加うることなく、先師の遺された形を毫末も改変することなく、正しく後人に伝うるの強き信念を以って錬磨せられん事を切望する。
剣は心なり。心正しければ剣又正し。心正しからざれば剣又正しからず。
剣を学ばんとする者は技の末を追わずその根元を糺し、技により己が心を治め以って心の円成を期すべきである。
居合道は終生不退、全霊傾注の心術たるを心せよ。」
(無双直伝英信流正統第21代宗家福井虎雄聖山先生著昭和58年1983年発行 無双直伝英信流居合道第2巻による宗家訓)

古来とは、何時の事なのか、何が元になっているのか、当流の形の掟とは何なのか、先師とは誰の事なのか、私見とは何なのか・・・。
その意味する処は「宗家の考え実施している形を掟とせよ」と仰っているのか・・・。

このように訓じられた先代の教えを受けられ、当代は次のように、述べられています。
「恩師正統第21代宗家福井虎雄聖山先生より戴きし口伝口授を基に当流の「掟・業前」を恩師のお教えの通りに具現致す為には斯くの如くに修練致さざれば全う出来ないであろうと言う信念の下に、私が全国各地に於ける当流の講習会等に申し上げた事を中心に出来るだけご理解戴き易き様に解説申しました。
・・・居合道究極の目的たる内面精神面の探求については、当流の掟に精通の上、各自が其の技に息吹を与えられて、品位、気位の高き格調高き技の創造に励まれ、自己の心の位を得る事に努め、以て居合道真髄に到達されん事を祈るのみであります。
居合道真髄探求は生涯かけての道であると説かれた正統20代、21代両ご宗家の御訓を深く銘する処であります。」
(正統第22代宗家池田隆聖昂先生著平成17年2005年発行 無双直伝英信流居合道解説第2巻 稿を終えるに当たり より)

それでは第20代宗家河野百錬先生は如何であったろうか、もっと前の第17代宗家大江正路先生は如何であったろうかと調べ始めました。

まず、河野先生の「居合修養の心得」を読んでみました。
「居合を学ぶには元より其の流儀の形を重んじ、苟も之を変改するが如き事無く錬磨すべきは勿論なるも、其の習熟するに於ては、何等形の末節に拘泥する事無く、各流を一貫する居合本来の精神を悟りて、日夜錬磨の巧を積み、心の円成に努め、不浄神武不殺の活人剣之位に至るを以て至極となす。
古人は「術に終期なし死を以て終りとす」と曰へり、詢に斯の道は、終生全霊傾注の心術なれば、同好の士は毫も怠慢する事無く生涯不退の意気に燃え精進すべきものなり。」
(河野百錬先生昭和13年1938年発行 無双直伝英信流居合道 居合修養の心得より)

更に河野先生は昭和17年1942年の大日本居合道図譜の初心者心得33則の33で次の様に仰っています。
「先哲の言に「業形より入り業形を脱す」又「守・破・離」の教えあり、彼の孫子も今を去る2400年の昔「兵を形すは其の極みは無形に至る」と喝破せり。之等はともに形に捉われる勿れ定石を破れとの意に他かならず。
我が居合に於ても此の心得肝要也即ち対敵を忘れしかも教えられし形のみに捉われたる気魄無き形にのみの居合は如何に外形の技、美なりと雖も所詮は単なる剣の舞に過ぎざる死物也。
されば宜しく業の理を解し敵に対する真剣の動作たるを要し制敵の気魄満々たる生気横溢する業で無ければならぬ。」

20代河野先生は其の著書で読む限り、昭和8年の無双直伝英信流居合術全・昭和13年の無双直伝英信流居合道(此の年大日本武徳会錬士)・昭和17年の大日本居合道図譜(昭和15年に大日本武徳会達士)の著書では形が変わっています。
大日本居合道図譜が河野先生の集大成かも知れません。
然し、そこでは当時の学校教育による竹刀剣道の統一志向の「かたち」を取り入れざるを得なかった様な気もします。

後世に残る物は書き付けられたテキストと、現代では映像でしょう。
映像とテキストの表現は異なる場合が多々あるものです。
私は有るべき姿の表現は書き付けられた解説の中に有ると思っています。
思う様に演じられる事の難しさは、どの稽古事でも同じ事でしょう。目指す形は現実の形よりもはるか先に有るものです。
「DVDは業運用の流れの中での態であり、解説編はそれを実現する為の心構え・気構えを表したものとしてご覧いただきたい、即ち解説書の場面とは形・捌きのタイミングなどで必ずしも一致しない面が出てくる・・。」と当代は仰います。

次回へつづく

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