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2014年9月30日 (火)

神傳流秘書を読む 3.大森流居合之事七本目順刀

神傳流秘書を読む

3.大森流居合之事

 七本目順刀

 右足を立左足を引くと一処に立抜打也又は八相に切跡は前に同じ

*「跡は前に同じ」のところは前回の六本目流刀の納刀法について同じと言うのでしょう。
「刀をすねへ取り逆手に取り直し納る膝をつく」

現代居合では大森流(正座の部)七本目は介錯です。切腹者の首を討つ介錯として位置付けられています。

正座し右足を立て、左足を後方に引くと同時に刀を抜き打ち込む、または八相に切る。
正座し、刀に両手を掛け、腰を上げて爪立ち、右足を前に踏み立て、立ち上がりつつ左足を後方に引きながら刀を抜出右肩に構え、右半身となって踏み込まずに打ち下す、縦切又は八相(ななめ切)とする。

安永五年1776年の林益之丞政誠による英信流目録大森流居合之位「順刀」

是は座している前のものを切る心持なり我其儘右より立すっと引抜かたより筋違に切也是も同じく跡はすねへ置き逆手に納る也

*古伝は順刀を介錯の運剣動作としている様な文言はどこにもありません。口伝口授だったのでしょう。
順刀は介錯と業名が変えられ正式な演武では演じてはならないといわれています、この事も古伝には触れられていません。

介錯について、「介錯口傳」として英信流に伝わっている一説
古代には介錯を好まず其故は介錯を武士の役と心得べからず死人を切るに異らず故に介錯申付けらるゝ時請に秘事有り介錯に於ては無調法に御座候但し放討ちならば望所に御座候と申すべし何分介錯仕れと有らば此上は介錯すべし作法に掛るべからず譬切損じたりとも初めにことわり置たる故夫に非ず秘事なり能覚悟すべし

もう一つ、他流にて紐皮を掛ると云う事「仰向に倒るゝを嫌てひも皮を残すと云う説を設けたる見えたり当流にては前に云う処の傳有故に譬如何様に倒るゝとも失に非ず其上紐皮をのこすの手心何として覚るべきや当流にては若し紐皮かゝりたらば其の儘はね切るべしさっぱりと両断になし少しも疑の心残らざる様にする事是古也

大森流(正座の部)七本目順刀(介錯)
剣理:座したる我れの正面にて約四尺(約20cm)向うにて、左向きに座して切腹する者の首を斬る意也(罪人の斬首に非ざる事に留意すべき事)(切腹者の首の前皮一重斬り残す心地こそ大切也)

*現代居合では、「正面に向きて正座、右足を少しく前へ出しつつ、刀を静に上に抜き、刀尖が鞘と離るゝや右足を後ろへ引き、中腰となり、刀を右手の一手に支え、右肩上にて刀尖を下し、斜の形状とす、右足を再び前方に出し上体をやや前方に屈し刀を肩上より斜方向に真直に打下して、前の首を斬る。」(大江・堀田著剣道手ほどきより)

大江先生も、紐皮を残す介錯については何もおっしゃっていない様です。
昭和13年の河野先生の「無双直伝英信流居合道」にはこの介錯について、5ページ以上に渡って解説されています。そこでは「右手を中心とする手の裡の作用にて、皮一重の辺りにて刀を留むる心持にて行うべし」とされています。
この河野先生の教えが広まったのでしょう。
古伝は紐皮を残す様な斬り方は、人の首で稽古できるわけも無く気にするなと言っている様です。

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