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2014年9月17日 (水)

神傳流秘書を読む 1.抜刀心持引歌の13岩浪

神傳流秘書を読む

1.抜刀心持引歌の13岩浪

 岩浪

 行舟のかじ取り直す間もなきは
          岩尾の浪の強く当たれば

*岩浪の業名が先に有ったのでしょう。お題頂戴による歌でしょうから、岩に当たる荒浪の状況と、業の岩浪の動作をイメージして見ます。
岩礁に打ち寄せる浪が強くて、舵を取り直す間もなく乗り上げてしまったと言うのでしょう。

岩浪の場合、対敵の害意が動作に現れないうちに先んじて攻撃して居る様な教えをしている処も有る様です。
刀を抜く処を敵に見せない様に抜出し、敵に向くや否や刺突する。
或は、敵が柄を取りに来るので刀を抜出し、柄を取らせない様にして敵に振り向いて刺突する。

英信流(立膝の部)六本目岩浪
剣理:正面に対し右向きに立膝にて座したる我が左側に、我れと同じ方向に向いて立膝にて座し居たる敵が、矢庭に我が柄を制せんと(押さえんと)するを、その機先を制して、我れ左に向きて其の胸部を刺突して勝つ意也。
(無双直伝英信流居合道解説 22代池田宗家)

右に向かって座す処へ、左側から敵がおそいかかるを察し、刀に両手をかけて腰をあげて後に抜き、左に向きなおり水落目がけて突き上げ、直ちに引きぬいてふりあげ真甲から切り下す動作
(正岡先生 無双直伝英信流居合兵法地之巻)

同一方向に列している左側の彼に対し知られざるよう刀を抜き突如その方に向き直り胸又は腹を突き更に引廻して上段より切下ろして仕止む
(京都山内派無双直伝英信流居合術)

*この業を土佐に伝えた林六太夫守政の岩浪は以下のようです。

左へ振り向き左の足を引き刀を抜左手切先へ添え右の膝の外より突膝の内に引き後山下風の業に同じ
(神伝流秘書英信流居合之事岩浪)

*古伝は、まず腰を上げ左脇に坐す敵に振り向き、左足を後方に引くや刀を抜き、柄頭を以て敵を牽制し、敵が怯む間に切っ先を敵に返すや刺突する、のでしょう。
柄頭を敵に制せられるのであれば、右に抜き出すなど変化は自在です。
いつの頃からか、左脇の敵に振り向かずに刀を前に抜いた人がいたのでしょう。それから限定的付帯条件を付けてしまったようです。

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