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2014年9月 3日 (水)

神傳流秘書を読む 表紙

神傳流秘書を読む 表紙

神傳流秘書は細川家秘蔵のものは、木村栄寿先生の著書によると和綴じ本となっている様です。
曽田先生の書き写された原本は、誰が所持して居たものか何も書かれていませんので解りません。

表紙は、ご自分で作られたのか厚紙に和紙を張り、ペン書きで以下の様に書かれています。

下村派
   第十六代宗家 曽田虎彦 印
                    筆山

 夢想神傳英信流抜刀術

 無双直伝英信流居合術

 英信流居合秘書

 土佐居合兵法叢書

 此の書は他に見る事を得ざる
山川幸雅先生の口伝秘書を写し得たり

(以下 汚損に依り不明)

*これで見ますと曽田先生はこの伝書の表紙に土佐の居合の流名を如何にすべきか迷っておられるように感じます。

表紙をめくりますと以下の様に書かれています。

土佐居合兵法秘書写
            山川幸雅先生

 谷村亀之丞先生

                               抜刀心持引歌
              居合
              居合組
              棒合
              棒太刀合

*ここでは土佐居合兵法秘書写と名付けています。是は山川幸雅の写しだと記しています。

次の「谷村亀之丞先生」は、別に写したものがあって、第15代谷村亀之丞先生のものと云う事です。
「英信流目録2巻」で、書かれている内容が、抜刀心持引歌・居合・居合組・棒合・棒太刀合に就いてと云うことでしょう。
居合組とは今でいう「組太刀」「居合形」で土佐では「仕組」と云って居た様です。
棒合は棒と棒、次は棒と太刀との形でしょう。

次のページが、今回の神傳流秘書をあらわす題のページです。

山川幸雅先生相伝
神傳流秘書写

 文政二年己夘之歳十一月吉祥日 山川幸雅述

 本書は他に見えざる秘書にて、原本は戦災にて焼失せるか大事々々

*山川幸雅相伝の神傳流秘書の写しである、と明記して居ます。
と、いう事はこの神傳流秘書は山川幸雅先生が書き写したもので、筆者は山川先生より古い方であり、其の方の書いたものを或は写し書きしたものを、又書きしたという事です。

其の書き写した時が文政二年1819年己夘(己卯・きぼう・つちのとう)の歳十一月吉祥の日に山川幸雅が述べるとしています・

原本は誰の所持品であったか、昭和二十年七月高知市へB29が飛来し、火の海となって燃えてしまっただろうと書き付けています。
幸い細川家に残って、木村栄寿先生の「林崎抜刀術兵法無想神傳重信流」として昭和57年1982年に発行されています。

昭和20年1945年7月3日午後4時23分マリアナ諸島から、姫路高松徳島、そして高知への爆撃のため501機のB-29爆撃機が出撃した。
翌日未明、120機のB-29が高知市上空に飛来。
死者401人、罹災家屋約12000戸。
その前にも後にも高知は空襲を受けています。
多くの貴重な資料が失われた事がうかがえます。

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神傳流秘書14-1序」カテゴリの記事

コメント

伝書公開は後進にとって、ありがたく素晴らしい発見ですが、時と場合により、一部の人からは脅威と見なされると愚案します。神伝流秘書は、この最たる事例でしょう。この伝書公開により、中山博道先生が、何を継承して、何を継承しなかったかが一目瞭然になったワケです。私の故郷は木村栄寿先生と同郷です。平成の今でも先生の著作は、故郷の県では見ざる言わざる聞かざる、です。同県の先人が中心の一人になって、制定居合を必死こいて作りまとめ上げたという経緯もあるでしょうが(苦笑)。また海峡を隔てたここの県でも、木村先生の著作は県立図書館に眠ったまま、同流の後進に顧みられることなく、宝の持ち腐れ。一刀流では伝書発見により、これまで多くの剣道家に信じられてきた「切落し」が、学術的に、小野一族が伝承したものと異なることが証明されました。インターネットにより、世間に対し、伝承の誤魔化しが効かない時代になりました。夢想神伝流の先輩の方々が、近い将来、裸の王様になり、後進や他流から見放されねばいいがなぁ、と漠然と不安になるこの頃です。

兵法流浪さま
コメントありがとうございます。
1700年代の江戸中期の居合を書き表したものが神傳流秘書です。
之とて林崎甚助重信の居合とイコールである訳はない。
人の生活様式も仕来りも刀も、戦闘方式も違えば変化するのが当然です。
私は現代居合は現代居合として当代の業技法を出来る限り正しく稽古する様に心がけています。
それが「幻を追って」にあるものです。
その反面文化の伝承の有るべき姿を求めて居るわけです。現代居合が間違っているなどと思うよりも、遠い昔に思いを寄せるロマンは楽しいものです。
ようやく江戸中期の土佐の居合に触れたのですが、東北地方に埋もれた戦国時代の居合が知りたくてうずうずして居ます。
           ミツヒラ

投稿: 兵法流浪 | 2015年1月17日 (土) 16時47分

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