« 神傳流秘書を読む 3.大森流居合之事の1序 | トップページ | 神傳流秘書を読む 3.大森流居合之事二本目左刀 »

2014年9月24日 (水)

神傳流秘書を読む 3.大森流居合之事一本目初発刀

神傳流秘書を読む

3.大森流居合之事

 一本目初発刀

 右足を踏み出し向へ抜付け打込み扨血震し立時足を前の右足へ踏み揃へ右足を引て納る也

*大森流居合は正座による居合と教えられていますが、どこにも其れらしき事は書かれていません。

嘉永五年1852年に第15代谷村亀之丞自雄によって書写された、安永五年1776年に書かれた第12代林益之丞政誠による英信流目録の大森流居合之位によれば初発刀は次のように書かれています。

平常の如く坐し居る也右の足を一足ふみ出抜付討込亦左の足を出し右の足に揃え血ぶるひをして納むる也血ぶるひの時立也右を引納る也

ここにある、「平常の如く坐し」がこの業の座仕方でしょう。
正座の座仕方が平常の如くと言えるかどうかですが、江戸時代の武家の作法に小笠原流が取り入れられ立膝や胡坐を正座に改められたような説があるようです。
元禄時代頃の様ですが作法の歴史に詳しい方にお譲りしておきます。

初発刀は正座に座し、相対する相手の害意を察しその機先を制して右足を踏み出すや正面の相手に横一線に抜き付け、上段に振り冠って真向に打ち込み、さて、血ぶるいし立つ時、踏み出した右足へ左足を引き付け、踏み揃え、右足を後方に引いて納刀する

「抜付け」と「打込み」とはどのようにするのでしょう、「血ぶるい」についても方法が書かれていません。

口伝口授によるものだったのでしょう。古いものでは万延三年1860年下村派の下村定が書き細川義郷が写した「童蒙初心之心持」に詳しく書かれていますが、神傳流秘書の時代から100年経って居ます。ここの方法は現代の無双直伝英信流の抜付け、打込みと同様と思われます。
抜刀心持引歌で云う処の形で多少半開半向の三角の曲尺による抜き付けであり、真向打ち込でしょう。
血ぶるいも現代の方法と変わらず、右手を肩上に取って刀を圓を画く様に右下に振り下すものです。
納刀も右手を前に出さず横に取らず上から落とさず中和を良しとするとあります。

血ぶるいの時、立ち上がって右足に左足を引き付け踏み揃えるのは、現代の夢想神伝流では左足の右足への引き付ける動作にズレがあるようです。足の踏み替えですからタイミングをどうすべきかは残心の考え方によりそうです。

大森流居合(正座の部)初発刀(前)
剣理:正面に対座せる対敵の害意を察知するや、機先を制して其の(対敵の)抜刀せんとする腕より顔面(首とも胸とも想定可)にかけて、我が右足を踏み込みて斬り付け、返す刀を双手上段に冠りて真向に打下し(斬り下ろし)勝ちを制する意也。

|

« 神傳流秘書を読む 3.大森流居合之事の1序 | トップページ | 神傳流秘書を読む 3.大森流居合之事二本目左刀 »

神傳流秘書14-3大森流・英信流・太刀打」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 神傳流秘書を読む 3.大森流居合之事の1序 | トップページ | 神傳流秘書を読む 3.大森流居合之事二本目左刀 »