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2014年10月26日 (日)

神傳流秘書を読む 6.棒合一本目追込

神傳流秘書を読む

6.棒合(是は坂橋流之棒也と言)

 一本目追込

 上下上下と合張り又一方を打懸て勝両方棒を左手にて持ち杖に突立合上を合下を合又上を合又下を合遣方より一方にて張り又一方を打懸て勝也

*棒の一本目は棒合です。棒と棒の攻防です。この棒合は坂橋流の棒術といいます。
坂橋流棒術の謂れは不明です。

棒と杖の違いを調べてみたのですが、どうも区別がなさそうです。

棒:ぼう、人を打つためのぼう、木を両手で捧げ持つ木の棒、棍(こん)は丸く太い棒。杖は長い棒。
手に持てるほどの細長い木・竹・金属などの称。

棒術:武芸の一つ、棍棒を得物とする武術。

杖:じょう、つえ、歩行を助けるため手にもつ長い棒、人をたたく長い棒、丈は「十たす手の会意文字で、手尺の幅の10倍の長さをあらわす。長い棒。

杖術・杖道:武道の一つ、剣道の一部門で剣の代わりに樫の丸木杖を用いる。江戸時代初め、夢想権之助勝吉の創始。

仗:じょう、こん棒や長柄の武器、長い木の棒。
長さの単位尺の10倍約3m、杖。

木剣ショップのカタログでは、棒は5尺・6尺で杖は3尺・4尺2寸1分で太さは8分・9分・1寸で八角の一寸のものもあります。

この坂橋流の棒はどの様な長さを基準にしたのか不明です。
独り稽古には4尺2寸1分の杖が自宅でも振れますし、短かすぎると言うこともないでしょう、其の上移動にも邪魔になりません。

双方とも棒を左手に持ち杖(つえ)に突き立合う。
左手の位置は杖ならば杖の上を掌で被せてもいいでしょう。6尺の棒ならば、肩の高さか乳の高さでしょう。
肩幅に両足を開いて自然体に立つか、左足前に右足をやや下げて左半身に立つ。棒の位置は左足先前に突きます。

坂橋流は打方は相手と表現しています。仕方は遣方と云っています。
矢張り相手が先に仕掛けて来るのに応じるのでしょう。

一本目は追込ですから、その場での足の踏み替えに依る攻防では無く、遣方が追い込んで行く打方は下って行く打ち合いを想定して見ます。

双方棒を左手で杖を突く様に胸前に持ち、左足先に付け右足をやや後ろに退いた左半身に立つ。
打方、棒を持つ左手上に右手を添え、左手を滑らせて棒の下方を持ち右足を踏み込んで我が左面に打ち懸けて来る、我も同様に右足を踏み込んで相手の棒に打ち懸けて之を留める。
我れ透かさず左足を右足踵に踏込み棒を右肩に取るや右足を踏み込んで打方の右足に打込む。
相手棒を右肩に担ぎ打込まんとするが、遣方に攻め込まれ右足を引いて左足に引き付け左足を引くや、右足前で遣り方の棒を請ける。

遣方、棒を立て、左手を右手に滑らせ、左肩に取るや左足を踏み込んで、右手を左手の後方に持ち替え相手の右面を打つ、相手右足を引いて之を請ける。
遣方、透かさず右足を左足に引き付け、棒を左肩に担ぎ、左足を踏み込んで相手の左足に打込む。
相手、左足を右足に引き付け、右足を引いて之を請ける。

遣方、棒を立て、右手を左手に滑らせ、右肩に取るや右足を踏込み相手の左足に打込む、相手左足を後ろに引くや之を請ける。
遣方透かさず左足を右足に引き付け、右足を踏み出し相手の左面を打ち勝。

古伝は発想が豊かでないと解きほぐせません。
坂橋流の棒の有り様は失われています。

幸い十二代林益之丞政誠による英信流目録に棒の業が残っていました。原文の儘とします。
安永五年1776年英信流目録棒合五つ「追込」
「上え下た上え下た下た右を打出す時は右の足を先え出し左の下を合する時は左の足を出し仕廻は右の足にて詰る也」

現在稽古されている棒術に照らして稽古するのも良いのですが、現代居合の体裁きで自分流に稽古するのも良いでしょう。

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