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2014年10月 3日 (金)

神傳流秘書を読む 3.大森流居合之事十本目虎乱刀

神傳流秘書を読む

3.大森流居合之事

 十本目虎乱刀

 是は立事也幾足も走り行く内に右足にて打込み血震し納る也但し膝を付けず

*虎乱刀の業名は、虎が獲物を追う姿をイメージしたのでしょうか、そんな雰囲気を感じてしまいます。現代居合ではこの業名は「追風」です。大森流の業名を変えるだけの意味が解りません。
抜刀心持之事に「追懸切」というのがありますが業名の通り追い掛けて切り込んでいます。

大森流は正座の業ですがこれは、立って行うと言います。立って前方に居る相手に走りこんで間境に至れば右足を踏み込んで打込むのですが、この「打込み」の方法を明示されていません。一刀のもとに相手を倒していますから、横一線に首を刎ねている、上に抜き上げ真向に打ち下ろしている、いずれも一刀に仕留める大技です。
血ふるいし、立ったまま納刀です。

この業をのちの12代林益之丞政誠が安永五年1776年に英信流目録を書いています。
書いた時期が丁度、第10代林安太夫政詡の亡くなった年になります。
土佐に英信流を持ち込んだ第9代林六太夫守政亡き後34年後のことです。

大森流居合之位十本目虎乱刀

是は立てスカスカと幾足も行て右の足にて一文字に抜付(払ふてもよし)かむる時左の足を一足ふみ込右の足にて打込む血ぶるひの時左を右の足に揃納る時右の足を引納其時すねはつかぬ也

*10代は幾足も走って追いつかず、12代は幾足もスカスカと歩いて追いつくのです。
抜き打ちは右足を踏込み横一文字に抜き付けます。この抜き付けは抜き払っても良いと言いますから。相手の首を斬り払うも有かも知れません。口伝でしょう。
留めは左足を踏み込みつつ上段に振り冠り右足を踏み込んで真向打ち下しでしょう。
現代居合のイメージにつながっています。

現代居合は無双直伝英信流正座の部十本目「追風」です。
虎乱刀を追風に変えた由来はどこにも見当たりません。

大森流(正座の部)十本目虎乱刀(追風)
剣理:我が前方に逃れ去らんとする対敵を、我れ小足、小走りにて追い込みて斬り付け勝つ意也(虎走り掛かりに留意)

*前方に逃れ去らんとする相手を追い込む、虎走りの方法が大切と云う事です。
抜き付け打込む処は術理に有ります。

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