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2014年10月19日 (日)

神傳流秘書を読む 5.太刀打之事四本目請入

神傳流秘書を読む

5.太刀打之事

4本目請入

前の如く打合相手八相に打を前の如くに留め又相手より真甲を打を躰を右へ開きひじを切先にて留勝

*「前の如く打合」この神傳流秘書も省略が多くて其の都度前に戻らなければなりません。
秘伝は毛筆に依る手写し書きでは「前の如く」で省略したくなります。
この、手附で気が付きましたがここでは打太刀を「相手」と書いています。
気になる処ですが相手と書いたり打太刀と書いたり、我を遣方と書いたり我は当然として「相手八相に打を前の如くに留」と云う様に省略してしまったり、統一性が見られなくてマニュアル育ちには古伝は不向きです。
其の上句読点もないので、切る処を間違えると違う意味になってしまう事も有ります。

前の如くは三本目請流しです。
「遣方も高山相手も高山或は肩へかまへるかの中也待処へ遣方歩行右の足にて出合ふ打込を打太刀請け扨」の文章が省略されて「前の如く打合」となります。

三本目請流を終え、互に中央で刀を合わせ(此処は打太刀三歩進み遣方三歩下る)、打太刀は其の儘、遣方は五歩退き元の位置に戻る。
打太刀、遣方共に高山、または八相に構える。
遣方スカスカと歩み行き間境を左足で越すや右足を踏み込んで打太刀の左面を打つ、打太刀右足を踏み出し八相にこれを受ける。この受太刀は刃で受けるのがこの流では当たり前ですが摺落とすように受けるのも工夫でしょう。
打太刀、逆八相から右足を引くや遣方の右面を打つ。遣方左足を踏み込んで打太刀の打ち込みを受ける。
打太刀左足を引いて上段に構え真向に打ち込まんとする。遣方右足を右斜め前に踏み込み右半身となるや打太刀の打ち下さんとする左肘を切っ先にて斬り左足を右足後方に摺り込む。
打太刀右足を少し引いて青眼に刀を下ろし、遣方左足を正面に戻し右足を追い足にして付け、打太刀右足より三歩出て、遣方左足より三歩退き刀を合わせ、打太刀其の儘、遣方五歩下がり元に戻る。

長くなりましたが足をつけてみました、演武会ではそれらしく足踏みをつけて気位を見せますが、何歩などを思ってやるべきものでは無いと思います。
古伝の短い文章をイメージして打ち合う、そのうち自然に理にかなった足の動きになるようになるはずです。
打つ、受けるも少しも留まることのない自然な動きになるはずです。

曽田先生の五藤先生、谷村先生業附口伝太刀打之位請込
「是も同じく相懸りにても敵待かけても不苦請流の如く八相にかたぎスカスカと行て真向へ打込也敵十文字に請て請流の如く裏より八相に打其処を我も左の足を出し請流の如く止むる也敵其時かむりて表より討たんとする所を其儘左の肘へ太刀をすける也」

*「左の肘へ太刀をすける也」の「すける」は「すく」で削ぎ切る、転じて掬い切るかもしれません。

大江先生の英信流の型の絶妙剣がこの業に近いものです。
「打太刀は其のまゝにて左足を出して体を斜向きに八相となり、仕太刀は青眼より左足を出して八相となる、仕太刀は八相のまゝ右足より五歩交互に進み出て、同体にて右足を踏み出して、右面を切る、打太刀は右足を引きて、前の如く打合せ、打太刀は左足を引きて上段構となりて、斬撃の意を示す。之と同時に仕太刀は右足を出して体を右半身とし、中腰となりて、左甲手を斬る、静に青眼になりつゝ打太刀は、三歩出で、仕太刀は三歩退る」

*「打太刀は右足を引きて、前の如く打合せ」は「左足を引きて」の誤植でしょう。八相は左足前に構えています。右足を踏み込み打ち合わせるか、左足を引いて打ち合わせるのが一般的です。大江先生の教えであれば間違いはない、と云うならば、「打太刀、仕太刀の打ち込みを右足を引き左足を追い足に引き「前の如く打合せ」は一本目の出合の頭上での十文字受けでしょう。
古伝は打太刀もはじめは積極的に攻めています。
「体を半身とし、中腰となりて、左甲手を斬る」ここが「すける」状態でしょうか、師伝によっては仕太刀は中腰になり右から掬い上げるように打太刀の左肘に切り付けています。
古伝は「「相手より真甲を打を躰を右へ開きひじを切先にて留勝」です。打太刀は上段に構えるや打ち込んで来るのを、遣方はすばやく筋を変わって打太刀の左肘を斬るのでしょう。
打太刀が斬られるために上段に構えて待っているようにしているのでは無いのでしょう。

此の業は、三本目までで十分相手に付け入って直線的に間を外さない技を学びました、ここでは相手の動きを察知して、相手が左足を引いて上段に構え打下さんとする瞬前に、我は筋を変わって付け入り、その左肘を切るのでしょう。
打太刀も遣方の打ち込みを受けるのではなく、受ける打つの気がなければならないでしょう。

ある人曰く「申し合わせだから」・・・・。

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