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2014年10月17日 (金)

神傳流秘書を読む 5.太刀打之事二本目附入

神傳流秘書を読む

5.太刀打之事

 二本目附入(附込とも云う 曽田メモ)

 前の通り抜合せ相手後へ引かむとするを附入左の手にて拳を取る右の足なれ共拳を取る時は左の足也

*これは大江先生の英信流居合之型では拳取の名称で残っています。然しこの古伝の業名は「附入」です。附け入るとはどういうことか、流によってさまざまな考え方があろうかと思いますが、附け入るとは、機会に乗じる、敵が退くのに乗じて攻勢に出る、でしょう。
相手は間を外し、我が隙を狙おうとする、我はその一瞬の隙に付け込んで行く、この攻防をさしているはずです。

「前の通り」ですから一本目出合の様に打太刀、遣方とも、元の位置に戻り、横に開いて納刀し構えを解く。
再び、打太刀より刀に手を懸けスカスカと間境に至り、打太刀右足を踏み込んで遣方の膝に抜付ける、遣方刀を抜き、右足を踏み出して之を膝前で受ける。
打太刀後へ引こうとする機に乗じて、遣方左足を打太刀の右足側面に踏込み、左手で打太刀の右手を制し、右足を左足後方に摺り込み、体を開いて切先を打太刀の胸に着ける。
この遣方が左手で打太刀の右拳を制する処を拳取と云い之を大江先生は拳取と称したのです。
拳の制し方は色々ある様ですが、打太刀の手首を四指で上から握り拇指を打太刀の拳にあて逆手にとって下に引き制するなど容易でしょう。
拳を取り逆手に制する事ばかりに気を入れて教える処も有る様ですが、先ずしっかりと附入る機を学ぶ事、打ち太刀に密着する事を学ぶ事でしょう。

曽田先生の谷村亀之丞自雄、五藤孫兵衛正亮の業附口伝から附入
「是も出合の如く相懸りにて右の足を先にして場合にてさかさまに抜合せ敵の引かんとする処を我れ左の足を一足付込左の手にて敵の右の手首を取る此の時は左下に引き敵の体制を崩す心持にてなすべし互に刀を合せ五歩退き八相に構え次に移る也」

*この手附には相手の胸に切っ先を付ける動作がありませんが、古伝も拳を取るところまでです。
現在は大江先生の拳取にならっている様です。

大江先生の英信流居合之型拳取
「一本目と同じく、虎走りに出で、膝にて抜き合わせ、仕太刀は、左足を打太刀の右足の側面に踏み込み、左手にて打太刀の右手頸を逆に持ち下へ下げる、打太刀は其のまゝにて上体をやや前に出し、仕太刀は其れと同時に右手の拳を腰部に当て、刀尖を胸に着け、残心を示す、仕太刀は一歩退り、打太刀は一歩出でて青眼構となる(仕太刀は五歩青眼にて退り打太刀は其のまゝにて位置を占む)

*古伝との違いを読み取るだけの稽古を積んで行かなければ、ただの剣舞になってしまいます。古伝は形では無く場に臨んで勝つための稽古でしょう。

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