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2014年10月 8日 (水)

神傳流秘書 4.英信流居合之事三本目稲妻

神傳流秘書

4.英信流居合之事

 三本目稲妻

 左足を引き敵の切て懸る拳を払ふて打込み後同前

*この稲妻の手附を読んでいますと、「敵の切て懸る拳を払ふ」と云う処で、場の想定が幾つも駆け巡ります。
①相手(敵)は何処から来るのか、正面か、斜め右か、斜め左か、後か。何処から来ようと、応じられる心構えと、運剣動作は稽古して見ればと思います。
一本目横雲は正面に抜き付けです。四本目が浮雲で右へ振り向きとあります。どうやら常の稽古では一本目横雲も二本目虎一足も三本目稲妻も相手は正面で良さそうです。

②相手は我に対して立膝で座して居たのが急に立ち上がって刀を抜いて来たのか。

③相手は我と同様に立膝に座して対座し、急に両手を刀に懸け、大森流抜打ちの如く腰を上げ爪立って刀を上に抜き上げ上段に取って打ち下さんとする。

④「左足を引き」は何故右足を踏み込まないのか。相手との間がある場合は、我れの方から踏み込む事も可能です。ここでは対座する相手の不意の攻撃に応じるとすれば、相手が打込まんとする瞬前に、左足を後方に引いて間を外すと同時に相手の打ち下さんとする両小手に抜き付けるのでしょう。

⑤「拳を払ふ」は、横一線の抜き付けと違うのか。相手が立ち上がって打込んで来ようとするならば、我も腰を上げ立ち上がり左足を引くや右拳は肩より高く斜めに抜き付ける。相手の打ち込みが速ければ腰を低く左膝も高く上げずに引き斜めに抜き付けるでしょう。

・相手が座して腰を上げて上段から打ち込まんとするならば、我は腰をあげ左膝を後方に低くく引き肩より高く斜めに抜き付ける。此の場合は肩より高く横一文字もあり得るでしょう。

・相手が立って打込んで来るならば、小手を払われただけで崩れ落ちるとは言い切れないと思います。後方に引く相手を追いこんで左足を右足踵に引き付け上段に振り冠って真向に斬り下ろす。

・相手が低く抜き打って来るならば、我も低く抜き付けるわけで、此の場合は左膝を右足踵に付けて座して真向に打込むのでしょう。

 現代居合では、中腰に立ち上がり左膝を低く浮かし抜き打ち左膝を着いて上段より相手を切って居ます。

 或は、相手が高く上段から打込まんとするのに対し、立ち上がり左足を伸ばし上体を起し抜き付ける様にする所も有ります。

 いずれにしても、相手の動作に応じた対応であるもので、どれも稽古すべきものでしょう。   

 立って打ち込もうとした相手の小手を切っているのに、左膝を着いて相手の頭上に斬り下ろす想定が描けずに困ります。
小手を切られて前に本能的に崩れ落ちるとも云われますがいかがなものでしょう。

河野先生の大日本居合道図譜の稲妻
「正面に対座する敵、上段より斬付けんとする機先を制し其甲手に斬付け直に真向に打下して勝の意なり。
中腰に立ち上がるや左足を一歩後方に退き腰を左に捻りて敵の甲手に斬り付ける、之より左膝をつきつつ諸手上段となり斬下し・・」

北海道滝川の坂田先生の稲妻
「対座する敵が上段から斬りかかってくるのを、すばやく其の甲手に抜き付け更に振りかぶり頭上に斬り下す。
左足を引くや・・左膝は床から僅かに離れる程度とし又右拳は肩よりやや高め・・左膝をつきつつ諸手上段に振りかぶり・・」

政岡先生の地之巻の稲妻
「正面に向って座す所へ正面から斬り下して来られたので、すばやく籠手に応じ、真甲から切下す動作。
左足を引き、中腰のまま体を開き籠手に応ず、左膝を右足の処まで送りつつふりかぶる。」

想定はやや異なる動作の付け方でしょう。

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