« 神傳流秘書を読む 4.英信流居合之事四本目浮雲 | トップページ | 神傳流秘書を読む 4.英信流居合之事六本目岩浪 »

2014年10月10日 (金)

神傳流秘書を読む 4.英信流居合之事五本目山下風

神傳流秘書を読む

4.英信流居合之事

 五本目山下風

 右へ振り向き右の足と右の手を柄と一緒にて打倒し抜付後同前但足は右足也 浮雲と足は相違也

*まず業名の「山下風」は現代居合では「颪」おろしの漢字が当てられています。「山颪」の二文字を使えば「やまおろし」です。どのように「やましたかぜ」を読ませたのでしょう。
慶応2年1866年に下村派の下村茂市が島村善馬に授与した根元之巻には「山下」と書かれています。

古伝は縦書きですから「山颪」の「おろし」を「下風」と書いて「山下風」をやまおろしと読ませたのでしょう。
「颪」は山から吹き下ろす風の意味ですから現代居合は「颪」

英信流居合の4本目から相手は我が右脇に座し我に害意を持って仕掛けて来ようとする。
ここには相手の仕掛けが何も書かれていません。
我が柄を取ろうとするのも良し、自ら刀に手を掛けて抜かんとするも有りでしょう。
我は右に振り向き「右の足と右の手を柄と一緒にて打倒し」は、相手の右足と相手の仕掛けようとする右手を、我が柄を持って打ち倒すのでしょうか。
或は我が右足で相手の柄を踏み固め、右手に我が柄を持って相手を打ち倒すのでしょうか。

現代居合の夢想神伝流山蔦先生の「颪」
敵が刀を抜こうとして両手を柄にかけるので、刀の反りを打たせて、敵の両手を打ち胸部に抜きつけ・・

檀崎先生の山下嵐
敵刀を抜かんとして柄に手をかけたとき、吾鍔に左手拇指をかけ、右手は右腰にあて、目を半眼に敵に注ぎ、左膝を軸として、右敵に転向と同時に敵が鯉口を切ろうとする、左手と左股を、吾右足でトンと踏付けて敵の左体部を圧する・・・

無双直伝英信流の大江先生の「颪」
左向き腰を浮めて右斜に向き、柄止め・・(敵の眼を柄にて打つ進んで胸を斬り更に頭上を斬る)
「柄止め」とカッコの(敵の眼を柄にて打つ)の関連が解りません。

相手を「打倒し抜付」も、どの様にするのか、何もありません。その上「後同前」です。浮雲の突き倒し打込む動作を指しています。

柄頭を以て相手の顔面を打ち据え、相手後ろに反り返る間に、鞘を後方に引き腰を捻って相手の肩から胸に抜き付け、刀に左手を添えて、右足の方に突き倒す様に引き倒し刀をはね上げ、上段から左足外側に打ち下ろし納刀する。
颪の場合左足外への打ち下ろしは、現代居合では無いのですが「後同前」に従ってみました。

「但足は右足也 浮雲と足は相違也」ですから右足を踏み出して切り下す、足は浮雲と違うよ、と云って居ます。
左足外への打ち下ろしは、その様な状況に出会った際慌てずに技を自然に繰り出せるように教えたものと解すべきかも知れません。
古伝はおおらかですが、反面よく読んで文字の向こうにあるものを読み取ることもしなければただの抜けだらけで手におえない抜けだらけのマニュアルです。

北海道滝川の坂田先生の無双直伝英信流立膝の部五本目「颪」
右側に座っている敵が我が刀の柄を取らんとするを柄を左に逃して敵の手を外し、柄頭を以て敵の顔面陣中に柄当てをし、ひるむところを胸に抜きつけ更に引き倒して胴に斬り下ろす業である。

相手が柄に手を懸け抜刀しようとするのか、我が柄を制止に来るのか、神傳流秘書の山下風は指定して居ませんが、どちらも有として学ぶ事もよいのでしょう。

現代居合ではすでに失念した口伝口授が解らずじまいですから、古伝の動作は復元不能です、現代居合の師伝を充分稽古して古伝の心持をどこまで汲み取れるかがポイントでしょう。

|

« 神傳流秘書を読む 4.英信流居合之事四本目浮雲 | トップページ | 神傳流秘書を読む 4.英信流居合之事六本目岩浪 »

神傳流秘書14-3大森流・英信流・太刀打」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 神傳流秘書を読む 4.英信流居合之事四本目浮雲 | トップページ | 神傳流秘書を読む 4.英信流居合之事六本目岩浪 »