« 神傳流秘書を読む 4.英信流居合之事一本目横雲 | トップページ | 神傳流秘書 4.英信流居合之事三本目稲妻 »

2014年10月 7日 (火)

神傳流秘書を読む 4.英信流居合之事二本目虎一足

神傳流秘書を読む

4.英信流居合之事

 二本目虎一足

 左足を引き刀を逆に抜て留め扨打込み後前に同じ

*正面に居合膝(立膝、蹲踞、趺踞)に座している。
相手の害意を察して、刀に両手を掛け刀を抜出つつ腰を上げ左足を引くや切っ先を逆に(下に)して、刃を前に向け相手の柄口六寸に抜き付け、相手の機先を制する、引き下がろうとする相手に付け入って左膝を右足に引付、上段に振り冠って右足を踏み込んで真向に切り下す。
後は、横雲同様に刀を横に開き、右足を引きつつ納刀し元の座したる通りに納める。

現代居合の動作では、相手が我が右足に薙ぎ付けて来るのを敵刀を払う気持ちにて受け止める、と無双直伝英信流も夢想神伝流も教えています。
相対して立膝に座す相手が、同じく座す我が右足に抜き付けてくる想定は疑問です。
相手の害意を察して刀に手を掛け抜出つつ腰を上げる処相手は我が右足に抜きつけてくる。
立膝ですから腰を上げれば右足は左足より前ですから右足に抜きつけられたなら右足を引いて外すこともできます。
古伝は「左足を引き」ですから右足は誘い足となります。次の「刀を逆に抜きて留め」が口伝口授の奥義でしょう。

柄口六寸の奥義を思い描くならば、相手が刀の柄に手を掛け抜き出さんとする右小手に我は左足を引いて刀を下に抜き付け、左足を右足に引き付け上段に振り冠って右足を踏み込んで真向に打ち下ろし、刀を横に開いて納刀する。これが古伝であったかも知れません。

この業は、神傳流秘書の目次8.詰合の一本目「発早」に見られる動作に類似します。
大森流(正座の部)八重垣の受払の動作とも類似します。
しかし古伝の「左足を引き刀を逆に抜て留め」は仮想敵の動作によって変化するものでしょう。
無傷の相手を追い込んで行く動作は、将に業歌に歌われる虎を思い描きます。

 猛き虎の千里の歩み遠からず
           行くより早く帰る足引

現代居合の無双直伝英信流は北海道滝川の坂田先生の虎一足を稽古して見ます。
理合:我が正面に対座する敵が我が右足に薙ぎ付け来るのを受け留め、敵の退かんとするところを上段から斬り下ろす業である。
技法:正面に向って立膝で座る。刀の刃を上にして水平より稍々下方にして、立ち上がり乍ら刀先三寸まで速やかに抜き、続いて左足を大きく後に引くと同時に腰を充分左にひねり、半身になりつつ刀を右脛の斜前に鋭く抜き放ち、刀先の鎬を以て敵刀を弾き返す如く受け留め、次に左膝をつきつつ刀先から左肩を囲う如く頭上に送り諸手上段となり、敵の頭上に斬り下し、後は一本目と同じ要領で血振り納刀する。

この業は現代居合の技法では、古伝の思いは達せられそうも無い様な気がします。
相手の抜き付けんとする柄手に逆刀で抜き付ける、失念した柄口六寸が気になって仕方がありません。

|

« 神傳流秘書を読む 4.英信流居合之事一本目横雲 | トップページ | 神傳流秘書 4.英信流居合之事三本目稲妻 »

神傳流秘書14-3大森流・英信流・太刀打」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 神傳流秘書を読む 4.英信流居合之事一本目横雲 | トップページ | 神傳流秘書 4.英信流居合之事三本目稲妻 »