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2014年11月18日 (火)

神傳流秘書を読む 9.大小詰一本目抱詰

神傳流秘書を読む

9.大小詰

一本目抱詰

楽々居合膝に詰合たる時相手両の手にて我が刀の柄を留る時我両の手を相手の両のひじに懸けて躰を浮上り引て其儘左の後の方へ投捨てる

*この業名は抱詰(だきずめ)でしょう。
相手は小太刀を差し、我は太刀を差して向かい合って居合膝に坐す。「楽々居合膝に詰合たる時」の楽々をどのように解釈するのか、失伝した大小詰であり当然のようにその「楽々居合膝に詰め合う」仕方も失念しているのでしょう。

「楽々」の書写が間違っていることもあるでしょうが、そのまま曽田先生に敬意を払って、相手をにっくき敵と意識する事無く貴人と接するが如く、さりとていたずらに緊張せずに作法に従って楽々居合膝に互いに接する。
相手は腰を上げて、爪立つや我が刀の柄を両手で抜かさないように抑えてくる。
我は相手の両肘に下から両手を掛け絞り上げるように同時に腰を上げ、相手が浮き上がる処、左足を引き体を左に開いて左後方に投げ捨てる。

曽田先生による第十六代五藤孫兵衛正亮の業附口伝を参考にしてみます。
大小詰一本目抱詰
「互に対座打は仕の柄を両手にて取らんとす、すぐに仕は両手にて打の二の腕を下より差し上ぐる様に掴み我が左脇に引き倒さんとす也」

(向ふて居る敵我刀の柄を両手にて押付る時敵の両肱へ手をかけうすみ上げ左へ振り倒す(五藤先生教示))

古伝は「相手両の手にて我が刀の柄を留る時」とあります、我が柄に手を掛け刀を抜こうとするのを留められたと読めます。ここでは「打は仕の柄を両手にて取らんとす」と言って打が仕掛けてきた、両手で我が柄を取ろうと手を伸ばしてきたがまだ取っていない様な書きぶりです。
「我が左脇に引き倒さんとす」も引き倒す心持で終わっています。
五藤先生の教示は古伝を思わせます。「両肘へ手をかけうすみ上げ・・」の「うすみ上げ」はよくわかりません。抱詰ですから抱き込んで下から持ち上げる、押し付けられるに任せて下から肱に両手を掛け腰を上げると同時に浮き上げる。などでしょう。相手の肘を締めあげ浮かせる業も有ろうかと思います。

*この手附は後藤先生の口伝を曽田先生の実兄土居亀江が口伝を書き記したもので、その書付に五藤先生が朱書きを入れたのが教示だろうと思われます。
曽田本では「五藤先生の高弟土居亀江の口伝よりあらましをしるしたり」とこの業附口伝について説明されています。後藤先生の朱書きの教示は実兄土居亀江の手附文へ施されたものかも知れませんが分かりません。
五藤先生は明治30年1897年に亡くなっています。
曽田先生は明治23年1890年生まれ、行宗先生に師事したのが明治36年1903年です。
曽田先生と五藤先生の直接の接点はありえないでしょう。

此の業の手附に政岡先生の地之巻の抱詰
「楽に居合膝に詰合たる時相手両の手にて我が刀の柄を留る時我両の手を相手の両ひぢに懸け少し体を浮上り引くに其儘左の後の方へ投捨てる」

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