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2014年11月 8日 (土)

神傳流秘書を読む 8.詰合二本目拳取

神傳流秘書を読む

8.詰合

 二本目拳取

 如前楽々足を引抜合我左の手にて相手の右の拳を取り刺す也

*前の如くですから、一本目発早の如く「楽々居合膝に坐したる時相手左の足を引下へ抜付るを我も左の足を引て虎の一足の如く抜て留め我左の手にて相手の右の拳を取り刺す也」でしょう。

「楽々」の文言が気になります。楽に座すのは解りますが、「楽々足を引抜合」は、奥の業ですから当然とは云え強いばかりが信条の人には難しいものです。
相手我が右膝下に抜き付けて来るのを、虎一足の如く刀を逆にして右足の少し斜め前で刃で請け、相手引かんとする処左足を相手の右足側面に踏込み、左手で相手の右拳を制し、相手を右斜め下に崩し、右足を左足後方に摺り込み相手の胸部を刺突する。

相手の足への抜き付けを、我も同様に相手の足に抜き付け双方の中央で相打ちの如くやる、見えるのは古伝の「相手左の足を引下へ抜付るを我も左の足を引て虎の一足の如く抜て留め・・」とは違うでしょう。

相手の右足側面に踏込むのは、手を伸ばして相手の拳を取るのではなく、体で相手に接する瞬間に拳を取って引き下ろすのです。

拳の取り様は種々有るでしょうが、最も容易な方法が正しいと言えるでしょう。拳を制するのが目的では無く、拳を取って相手の体を崩し反撃できないように制して胸部を刺突するとするのが目的です。
単純なのは、相手の右手首に我が左手を乗せ其の儘下へ押し下げるなども有効です。
最も悪いのは、相手の拳を制しようと不器用な左手で複雑な術を弄することでしょう。

此の業も曽田先生の実兄による五藤孫兵衛正亮の業附口伝で江戸後期の詰合之位を見てみます。
詰合之位 拳取
「是も同じく詰合て坐しさかしまに抜合すこと前同然也我其儘左の足を踏み込み敵の右手首(拳ならん 曽田メモ)を左手にて押える也後同断」

この業附口伝では「左手にて押える也後同断」です。相手の手を左手で押えるのはわかりますが「後同断」では全然わかりません。一本目と同断でもこの場合は相手の真向に「発早」の如く打ち込めないでしょう。
打ち込めたとしても何のために相手の右手首を押えるのかわかりません。
ここでの同断は、太刀打之位の二本目「附込」かもしれません。立ち技ですが参考にしてみます。
「是も出合の如く相懸りにて右の足を先にして場合にてさかさまに抜合せ敵の引かんとする処を我左の足を一足付込左の手にて敵の右の手首を取る此の時は左下に引きて敵の体勢を崩す心持にてなすべし互に刀を合せ五歩退き八相に構え次に移る也」
此処では相手の体勢を崩す処で終わっています。
体勢を崩しても気を抜けば反撃されます「拳を取り刺す」でしょう。

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