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2014年11月23日 (日)

神傳流秘書を読む 9.大小詰六本目右伏

神傳流秘書を読む

9.大小詰

 六本目右伏

 我右の方に相手並び坐し柄を取られたる時直に我右の手を向の首筋へ後ろより廻し胸を取り押伏せんとするに相手いやとすくばるを幸いに柄を足に懸て後へ投倒す又抜かんとする手を留められたる時も右の通りに取倒す

*我が右側に相手は並んで坐す。
相手右手を伸ばして我が柄を取る、我直ぐに右手を相手の首筋へ後ろから廻し相手の胸を取り、押伏せようとすると、相手押し伏せられまいと柄を放して力を入れて反り返ってくるを幸い、柄を反り返って浮いた左膝下に懸けて後ろへ投げ倒す。
また、我が抜こうと柄に手を懸けた時に相手が我が柄手を取り右から押し付けてくる時も、我は柄手を放し相手の首筋に右手を後ろから廻し胸を取り押伏せる、相手は押伏せられまいと後ろに反り返ろうとするのを幸いに、浮いた相手の左膝下に柄を懸け後ろに投げ倒す。

曽田先生による五藤先生の業附口伝大小詰六本目右伏
「打は仕の右側に並びて坐す打左手にて仕の胸をとる仕はすぐに其の腕を巻き込みて逆手を取り前に伏せる也
(右脇に坐す左手にて胸を取り来る其手を押え前へ伏せる)

*この江戸末期の手附は古伝の業技法とは異なります。
相手は我が柄では無く左手で我が胸を取る、我は直ぐに其の相手の左腕に右腕を上から巻き込み左手で相手手首を逆手に取り前に押し倒す。

古伝は柄をとるのを、右手、左手どちらとも云って居ません。五藤先生のでは左手で胸を取る。首に巻くのではなく、五藤先生は取に来た左腕を逆手に取って制しています。

古伝神傳流秘書の成立から大よそ100年弱経っているのですから、業技法も変化するのでしょう。
古伝は特定の人しか見る機会はなかったとも言えますから、口伝・口授などではどんどん変わってしまうでしょう。
この業を古伝と江戸末期のものと見比べていますと、谷村派の五藤先生は第九代が江戸から土佐に持ちこんだ居合の神傳流秘書の存在を知らなかったのではと思えてきます。
古伝は下村派にしか伝わらずとの説もあながち想像でもなさそうな気になってしまいます。

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