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2014年11月26日 (水)

神傳流秘書を読む 10.大小立詰一本目袖摺返

神傳流秘書を読む

10.大小立詰(重信流立合也)

 一本目袖摺返

 我が立て居る処へ相手右脇より来り我が刀の柄と鐺を取り抜かせじとする時其儘踏みしさり柄を相手の左の足のかゞみに懸け中に入り又我右より来り組付をひじを張り躰を下り中に入る

*立って居る処へ、相手我が右脇から近寄って来て、我が柄を右手で鐺を左手で取り抜かさない様に鐺を背なかに押し付けて来る、我は其の儘後ろにさがり、柄を相手の左足のかゝみに懸けて体を低めて中に入り退き倒す。
又相手が我が右より近づいてきて組付くのでひじを張って相手の組み付を緩め腰を低くして中に入り退き倒す。

この手附は「中に入り」で終わっています。後の先を取って次の動作はご自由にと云う処とも思えませんがそこまでです。
引き倒してみましたが、すっきりしかねます。

曽田先生による五藤先生の業附口伝大小立詰二本目袖摺返
「打は横より組付仕肱を張りて一當すると同時にすぐに打の刀を足にすけて後に投る也
(五藤先生は一當して中に入り刀を足にすけ後へ投ると記せり)
(左右共同前横合より組付ひじを張り一當して中に入り刀を足にかけ後へ投げる左右共同前)」

*五藤先生の場合は、組み付いてくるので肘を張って、相手の脇腹に一當して怯む隙に「打の刀を足にかけ」と云って、相手の刀を相手の足のかゞみに懸け後ろに投げるのですが、此処は我が刀の柄を相手の足のかゞみに懸け後ろに投げ倒す五藤先生の教示の方が良さそうです。

この業附口伝は神傳流秘書の大小立詰一本目は袖摺返ですが五藤先生の業附口伝は二本目が袖摺返です。
一本目は「〆捕」でして業の内容が異なります。〆捕は神傳流秘書では四本目に位置します。
順序は好きなようにしてもいい、気乗り次第だと云って居ましたが敢えて順番を変えた理由が解りません。

業名の袖摺返は大江先生が奥居合立業の七本目袖摺返として古伝抜刀心持之事の十一本目行違を改変した業に名付けています。大江先生が奥居合を改変されたと言われていますが其の痕跡は証明できません。大江先生以前に変えられた様な気がしています。

古伝抜刀心持之事十一本目行違
「行違に左の脇に添へて払い捨冠って打ち込むなり」

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