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2014年12月 1日 (月)

神傳流秘書を読む 10.大小立詰六本目乱曲

神傳流秘書を読む

10.大小立詰

 六本目乱曲

 如前後より来り鐺を取り頻りにねじ廻し刀を抜かせじとする時後へ見返り左の手か右の手にて取たるかを見定め相手左の手ならば我も左にて鯉口を押へ相手右ならば我も右にて取る後へ引付んとするを幸しさりに入り倒す

*前の蜻蛉返の様に相手後ろより歩み来たり我が鐺を取る。トンボ返しの場合は相手は「我が右の手を取り刀の鐺を取り背中に押付られたる時」でした。
乱曲は、我が鐺を左手か右手で取ってねじ廻し抜かせない様にするのです。其の時我は後ろを振り返って相手が左手で取っていれば我も左手で鯉口を押える。
相手が右手を出して鐺を取れば右半身になっているでしょうから、我も右半身になるとでも思えばいいのでしょう。
「相手右ならば我も右にて取る」ですが、我は右手で何処を取ればいいのでしょう。
左手は鯉口を握るのは常識でしたら右手は柄でしょう。
文章からは鯉口を右手で取ると読めます。
相手後ろへ引かんとするを幸いに、後ろへ下がり相手に向き相手の懐に入るようにして足払いで倒す。

ここも曽田先生による五藤先生の業附口伝を参考にしてみます。
大小立詰乱曲「前後に立ちて行く也敵後より鐺を取りくるくる廻し引く也我其の時すぐに後向きて左右何れなるやを見合せ右手なる時は我左足にて敵の右足を又左手なる時は我右足にて敵の左足を掬い中に入る也
(後ろより鐺を取りくるくる廻し引其時左右を見合せ中に入る)

*古傳神傳流秘書を少し詳しくしているようですが、左右の手の何れかによって足払いの仕方を変えるようにしています。
古伝の鯉口を握る手を左ならば左手、右ならば右手の事は無くなり、右手ならば左足にて相手の右足、左手ならば右足で相手の左足を払うになっています。
何れも相手の状況に応じた体捌きについての教示です。

この乱曲と前の蜻蛉返の様に、英信流の瀧落も鐺を取られています。瀧落では鐺を取られ後ろを振り向き右手か左手か確かめていますがその違いは何も示されていません。
大小立詰は「重信流立合也」と有りますから、林崎甚助重信公より伝承したもので英信流にその面影が投影しているのかも知れません。

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