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2014年12月31日 (水)

神傳流秘書を読む12.抜刀心持之事三本目賢之事四本目クゝ捨五本目軍場の大事

神傳流秘書を読む

12.抜刀心持之事

 三本目(二十二本目)賢之事

 四本目(二十三本目)クゝリ捨

五本目(二十四本目)軍場の大事

 具足のゆるきを取り押上る心得肝要也故に着料の具足は押上られてものどにつかへざる様に仕置べきなり高き所などより飛ぶ時おのづとのどにつかゆる事有るもの也心得に有儀なり

*五本目軍場の大事以外は何も記載がありません。軍場の大事についても解説は具足をのどにつかえさせるなという、どこか抜刀心持之事には似つかわしくないとんちんかんなものです。

賢之事を檀崎先生や山蔦先生は大江先生の袖摺返の業に当てておられます。
クゝリ捨は隠れ捨としたのか大江先生の門入りの業に当てています。
いずれもその真相は手持ちの資料では不明です。

是は事実は解りませんが、檀崎先生が関東の初代会長大田次吉先生に奥居合を習いにこられたと云う話が伝わっています。
中山博道先生が細川義昌先生に奥居合を習って居れば、白石元一風の業であったろうと思います。
夢想神傳流の奥居合の不思議でしょう。

以上で抜刀心持之事を終わります。
抜刀心持之事は、概ね現代居合の奥居合居業あるいは立業に伝承されています。
然し、業名の改変や動作の入れ替えは何故そのようにしたのか、大江先生の仕業なのか、そうであれば大江先生の述懐がどこかにあるはずです。或はお聞きになった人もいるはずです。
江戸末期には谷村派だとか下村派だとか、何が派なのかよくわからない事で混乱して変わってしまっていたのか土佐に眠る伝書の公開がない限り調べる手立てはありません。

現代でも代の変わるたびに、どこかがいじられています。
或は師匠に正しく習っていながら思い違いや癖などで変化しています。
動作の変化などにとらわれず、古伝のおおらかな手附を流の掟に添って解釈して、一つ業に幾つもの運剣動作の変化を状況次第に繰り出す、それが日本刀の術理に叶う様になるのが古伝の稽古なのだろうと思っています。

私の剣術の師匠は「伝統武術というと形を学ぶことであると誤解される場合が多い。しかし形はそれだけ学ぶと形骸化に陥りやすい。形骸化は武術で最も警戒しなければならないことである。」と仰っています。
かと言って、「先師が生死をかけて身に着けた武術は学ぶことから始めなけばならない、そこに学び自ら身に着けること。しかしそれにいつまでも留まってはならない」と述べられています。

範士十段ともあろう人が、当代の前で「毎年所作が変わって困惑して居ます」とやったそうです。
同じ理合でも想定は幾つもありうるはずです。

まず、基本の形を勝手に解釈せずに流の掟を学び稽古する事が始めでしょう。
そこから生み出される変化も基本の掟によることが二段階でしょう。
掟を内蔵していながらしかも放れて自由に応じられて三段階でしょう。
無形に至るのが四段階。
最後に気を見て収める神妙剣に至ることなのかもしれません。

今日は平成26年12月31日大晦日です。
このブログを平成8年9月から始めてから足掛け7年の歳月が流れていました。その間一日も書き込みをアップしなかった日はありません。
この居合を学ぶ方々の多くのアクセスをいただいて、「思いつくままに」始めた事でもいい加減なことが書けなくなって未熟な自分をさらけ出している毎日です。
嬉しい事に、知らない事を教えていただき、誤りがあればご丁寧なご指導をいただき、考え違いを諭してもいただきました。
貴重な資料をお送りいただき、眠れる居合が起きだしたものもいくつもありました。
ブログを通じて御友達もたくさんできました。
本当にありがとうございました。
これからもよろしくお願いいたします。そして、よいお年をお迎えください。

来春早々から、この神傳流秘書の最終章、夏原流和之事に踏み込みます。
和(わ・やわらぎ)など居合には無関係と云って無視せずに、この居合に付随していたものです。
相方がいなくても、夏原流を読んでいますと、居合の動作と重なってきて相手を組み伏せていたりします。

それは居合による仮想敵相手の稽古法が為せる技だろうと思います。
特に、投げられて脳震盪を起したり、骨の折れやすいお年寄りや、ご婦人には組み合って投げられて怪我をするより遥かに有効です。
頭の体操にもなりボケ防止にもなりそうです。

その道の専門家は、特別の術を用いない人体操作からこの夏原流を甦らせてください。
細かい手附は相変わらず有りません。大らかに組み伏せてください。
多くの事を学ばなければならなかった江戸武士も、現代人もややこしい技術は不要です。

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