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2014年12月18日 (木)

神傳流秘書を読む 12.抜刀心持之事六本目四角

神傳流秘書を読む

12.抜刀心持之事

 六本目四角

 抜左の後の角を突右の後の角を切右の向を請流し左の向を切又右の向を切る也

*此の業の敵の配置は解りやすい。先ず左の後、右の後。右の前、左の前です。向は前ですから右前、左前で良いはずです。
我の位置は×の交点に正面向きに座しているのです。敵は我が方に向いて仕掛けんとしているわけです。
三角と同じ様に、左後の敵を刺突するや、右廻りに左前の敵の紋所を横に払い、右前の敵の紋所を横に払い、右後ろの敵の紋所を払って、右肩を覆う様に上段に振り冠って真向に斬り下し、右肩を覆う様に刀を振り冠りつつ左廻りに左前の敵に上段から真向に斬り下し、即座に左肩を覆う様に振り冠りつつ右廻りに右前の敵に振り向き真向に斬り下す。
此の場合の回転の軸は左膝で、夫々右足を踏み込んで打ち込むでしょう。

追記

右後方の敵をビクとさせて真向から斬り下す際、回転の余勢に合わせ右肩を覆う様に振り冠りましたが、ここは、右手首を左に折って、切先を左耳の後方を突く気勢を以って振り冠り真向に斬り下ろす、とする事も十分考慮すべきところでしょう。
夢想神傳流檀崎先生の足運びはこの方法の様です。そして右後ろの敵に対する振り冠りは右肩を覆う様に冠っています。(昭和54年発行の居合道教本より)

尚、足裁きは、左足膝を軸に四方の敵を倒す。或は右後ろの敵を斬り下ろすや左廻りに右肩を覆う様に振り冠りつつ振り向き、同時に右足膝を床に着き左足を踏み込んで左前の敵を真向に斬り下ろす、即座に右前の敵に振り向き左肩を覆う様に振り冠り左膝を床に着いて右足を踏み込んで右前の敵を真向に斬り下し勝。
無双直伝英信流では、忘れられた足の踏み替えも大いに此の業で研究できるものです。

右後ろの敵に、廻転のまま左膝を着き、右足を踏み立てて斬り下ろすや、即座に、左前(後方)の敵に振り向き、その足踏みの儘やや腰を浮かせ、右回りに右肩を覆う様に振り冠って右膝を着くや真向に斬り下ろす。右前に振り向き。左肩を覆うように振り冠りつつ足を踏みかえ左膝を床に着いて右足を踏み込んで斬り下ろす。
此れは全居連刀法2本目前後切の要領ですが、無外流の「連」からの応用ですから起ち上がらずに振り向くことが大切でしょう。(追記 2015年8月26日)

四角は四人の敵に囲まれた場合の刀法ですから相手は×も有+も有です。変形の四人だってあるでしょう。
大江先生の四方切は左後・左前・正面・右前の配置です。この変形はどの様な意図で創作されたのか不思議です。

英信流居合目録秘訣では上意之大事「四角」は三角にかわる事無し是は前後左右に詰合う之心得也故に後へ迄まわって抜付ける也。

*四角は三角と変わらない、是は前後左右に詰め合う時の刀法で、後ろまで廻って抜き付けるのだと云って居ます。其の儘解釈すれば、正面向きに座って、敵の害意を察し、正面に抜きつけるが如く刀を抜き出しつつ後ろに廻って抜き放つと言う様に読めてしまいますが、そこまでは思いつめる事もないとは思いますが、稽古して見る意味は有りそうです。

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神傳流秘書14‐8抜刀心持之事」カテゴリの記事

コメント

ご教示、ありがとうございます。下手な教本よりも、はるかに明瞭な解説です。自分の稽古に使わせて頂きます。

兵法流浪さま
コメントありがとうございます。
身に余る御言葉をいただき思わず何度も読み直してしまいました。
古伝は、おおらかで細かい事を言わず最も有効な方法で目的を達せよと云って居る様です。
          ミツヒラ

投稿: 兵法流浪 | 2015年8月28日 (金) 00時17分

毎度ご教示、痛み入ります。台風直撃のお陰、昼休み、体育館は人少なく、相方と存分に稽古。ご指摘のように、270度回る際、折り敷いた私の左足先が残って(内側に入って)ました。ガクっと段がついて遅れていた原因でした。3人を薙ぎ払い、遅れ拍子で左足先を外に蹴り出すように回ったら、切り足と折り敷き足とも270度の方向にピタリと向きました。240度くらいで(浮雲の逆足)の切り下ろしよりも、270度完全に向く方が背中や腰に無理が無いです。これまでは「ぱっと」軽く速くのみだったので、回転が不十分だったり、2段になったり、体がブレたりしてました。今回はネジを締めるように、地面を嚙むように「ぐり~っと」力強く完全に回ることで節もブレも無し(相方いわく)。これが遅速不二でしょうか。もう一つ、教えて頂きたく。左前(3人目)への向き方です。270度回って2人目を切った後、折り敷いた左膝を軸に180度回るのは折り敷いたままですか?それとも全居連の制定2本目(前後切り?)のように反転の際、折り敷きながら(切り足は前の時が右、後ろの時が左)でしょうか?座り技での180度反転の場合、折り敷いたまま回るのと、中腰で切り足を右から左へ変え反転しながら折り敷く(全居連の前後切り?)では、速さに一呼吸分の差が感じられます。最近、初めて全居連の制定居合を見る機会に恵まれ、少々気になりました。四角の文からは読み取れません。四角の解説11行目に「右足を踏み込んで打ち込む」と記されてますので...これは4人目への切り方(切り足)でしょうか??

兵法流浪さま
コメントありがとうございます。
足運びは状況や業技法の熟練度に応じ幾つも考えられますが、与えられた手附けの条件に従ってみました。
4人目の敵へ右足前でも左足前でも応じられるでしょう。
この四角に足運びの追記を本文にして置きました。
            ミツヒラ
            

投稿: 兵法流浪 | 2015年8月25日 (火) 23時45分

こんばんは、いつも、お世話になってます。右前(2)を切る際、現代の変形十字のように180度向くだけなら、難なく切れます。しかし、古伝のように、敵の位置が+またはXの場合、足の捌きが、気になって、どうもしっくりしません。左後(1)を突いて、左前(4)-右前(3)-右後(2)を薙ぎ払って、右後(2)を真っ向打ちする際の「切り足」です。左後(1)を突いてから、右後(2)を切るには270度回ります。この時の「右足」は、どうあるべきでしょうか?右足が右後(2)に「真っ直ぐ」向くなら、270度回る途中、ワックスをかけた板間を除いて、ズリズリっと止まりがちになり(遅れ)ます。切り足は、いつもかつも敵に真っ直ぐ向く、という制定居合の固定観念(基本?弊害?)でしょうか?中伝浮雲の切り下ろしのように、切り足(左足)の外(左)に切る技もあります。古伝の四方切の右後(2)の切り下ろしは、上半身は相手に真向かいでも、下半身は完全には向いていない状態、つまり270度回りきってない状態(240度くらい)、切り足(右足)の外(右)に切り下ろすというのは、間違った(手前勝手な)解釈でしょうか?せっかく、3人を薙ぎ払ってビクっとさせても、270度回るのに遅れるようでは、こちらにスキが出てしまいます。

兵法流浪さま
コメントありがとうございます。
四人の敵を受けるのに十文字も×印も角度がが違うだけで同じ事でしょうね。三人の敵でも位置関係だけで基本は同じと思います。
右廻りで180度廻るのが出来れば360度も出来るはずです。当然その途中の270度は出来るはずです。と思って居ます。
床に着いた軸となっている膝の足先が廻転と共に体の向きに従って付いていかなければブレーキがかかる筈です。
同様に左廻りの360度も出来るはずです。但し四角は立膝ですから左廻は鱗返・浪返の要領の方が無理がありません。演武の形には無くとも実戦では有りえます。
真向に斬り付ける踏み込み足は真っ直ぐ相手に向き踏み込まれるべきで、足(膝)の踏み替えはした方がやり易いでしょうね。
斬り足の外に斬り付けるのは古伝の操法では間違いでは無いでしょうがその必要がある明確な理由が欲しいもので、廻転が足らずに・・では無理でしょうね。
         ミツヒラ

投稿: 兵法流浪 | 2015年8月23日 (日) 21時50分

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