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2014年12月20日 (土)

神傳流秘書を読む 12.抜刀心持之事八本目人中

神傳流秘書を読む

12.抜刀心持之事

 従是立事也

 八本目人中

 足を揃え立って居る身にそへて上へ抜き手をのべて打込む納るも躰の中にて納る

*この八本目からの業は立業である。

足を揃え立って刀を身に添えて上に抜き上げ、足を踏み込まず手を延ばして打ち込む、刀を納めるのも体の内で納める。謎めいた手附ですが、人中と云う業名に拘ってみればこれは人ごみの中での運剣操作の教えでしょう。
刀を身に密着させて抜き上げるのは、人を傷つけない為の所作で、上に抜き上げ拝み打ちに打ち下ろすのです。

大江先生による現代居合の奥居合立業の壁添そのものです。
壁添は両側狭い壁などの障害がある場合の運剣操作を理合としています。
人ごみの中での運剣法は、袖摺返しが相当します。これは神傳流秘書の行違の替業になっていて業名は大小立詰の一本目からの盗用でしょう。

英信流居合目録秘訣では上意之大事に「壁添」という教えがあります。
「壁に限らず惣て壁に添たる如くの不自由の所にて抜くには猶以腰を開ひねりて躰の内にて抜突くべし切らんとする故毎度壁に切あてかもいに切あてゝ仕損する也突くに越る事なし就中身の振廻し不自由の所にては突く事肝要」

*こちらは、壁や鴨居に切りあてるから突けと言っています。
これは業というより心得です。

細川義昌先生系統と思われる白石元一先生の人中は「多人数の中にて前方の敵を斬る意」と言っています。

神傳流秘書のような伝書が下村派に残り谷村派から出て来ない事や、大江先生の改変により古伝が失伝しているなどから、下村派こそ道統を引き継いだのではないかとの意見を聞いたことがあります。
かといって下村派の実態は明治以降消えてしまったようです。
夢想神伝流は中山博道亡き後お弟子さん方が師の教えをまとめたものでこれも正統とは言えそうもないようです。

神傳流秘書は派にかかわらずある土佐の居合の原点です。

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