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2014年12月28日 (日)

神傳流秘書を読む 12.抜刀心持之事十六本目虎走

神傳流秘書を読む

12.抜刀心持之事

十六本目虎走

 居合膝に坐して居立って向へ腰をかゞめつかつかと行抜口の外へ見へぬ様に抜付打込納又右の通り腰をかゞめ後へ引抜付打込也

*居合膝は右足膝を立て左足を折り敷いた所謂現代居合の立膝か、左足を爪立った体構えか判りませんが、恐らく前者だろうと思います。
この文面からこの業は、間遠のところに居る相手にも周囲の者にも気付かれない様に抜付けるのですから不意打ちの状態でしょう。掛け声すら掛けていないようです。上意打ちとも読めます。

立ち上がり、腰をかがめ、つかつかと間に至り、「抜き口の外に見えぬ様に抜付」はどのようにするのでしょう。
間に至れば、両手を刀に掛け右足を踏み込み首に抜き付け、即座に真向に振り冠って左足を踏み込み打ち下ろす。下から切り上げる。片手袈裟に切る。そしてその場で納刀。
現代居合ではお目にかかれない抜刀術の妙を言うのかも知れません。

又からの処は、現代居合の奥居合居業の八本目虎走の様に、目的を果たした処、討ち果たした相手の味方が前方より走り込んで来るのを、我は腰を屈め後退しつつ相手間に至れば抜き付け、真向より打ち下し、納刀する。

此の業のポイントは相手に接近する動作と、抜口を見せない抜き付けにあるのでしょう。
現代居合では失念した動作です。

英信流居合目録秘訣の上意之大事の最初に虎走の心得があります。
「仕物抔云付られたる時は殊に此心得入用也其外とても此心得肝要也敵二間も三間も隔てて坐して居る時は直に切事不能其上同座し人々居並ぶ時は色に見せては仕損る也さわらぬ躰に向ふえつかつかと腰をかゞめ歩行内抜口の外へ見えぬ様に体の内にて刀を逆さまに抜きつくべし虎の一足の事の如しと知るべし大事とする所は歩みにありはこび滞り無く取合する事不能の位と知るべし」

*ここでも「抜口の外へ見えぬ様に」とあり「体の内にて刀を逆さまに抜きつくべし」そして「虎の一足の事の如し」と言います。
「同座し人々居並ぶ時・・」ですから、邪魔が入らないように刀に手を掛けるや否や抜刀し刃を下にし低く切り上げるのでしょう。
甲冑を付けた股間を斬り上げるなどの刀法も有ったかもしれません。

現代居合では不意打、闇打は無く、相手の害意を察して抜き付ける様に教えられています。それは教育上の中学生向きの事であって、古伝はしばしば不意打の心得を伝えて来ます。
対敵との単なる仕合では無く、主命を帯びての役割を果たすべき心得も伝えているのでしょう。

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