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2014年12月13日 (土)

神傳流秘書を読む 12.抜刀心持之事一本目向払

神傳流秘書を読む

12.抜刀心持之事
(格を放れて早く抜く也 重信流)

 一本目向払

 向へ抜付返す刀に手を返し又払いて打込み勝

*抜刀心持之事は現代居合では奥居合に相当するものです。
大江先生の奥居合居業、立業は業名も、想定も動作も独創が入ってしまい古伝の継承とは云い難いのですが、その心持ちは残っていると言えるでしょう。

この業は「格を放れて早く抜く也 重信流」とあります。格とは掟と形と云った意味合いです。
抜刀心持ちは掟や形に捉われずに早く抜くものと云うのでしょう。そして重信流ですから林崎甚助重信の伝承だと言います。

座仕方などの解説は有りませんが、立膝に座すとするのが妥当でしょう。
「向へ・・」は立膝に座し相対する相手に、左から右に抜き付け、返す刀で手を返して右から左に切り払い、左から上段に振り冠って打ち込み勝。

横一線に抜き打ちに斬り付けたが相手に外され、不十分なので刀を返して、さて、何処に斬り付けるかは相手次第でしょう。尤も近いのは相手の出足とも云えるし、踏み込んで抜き打っているでしょうから、相手が後方に退く余裕が無ければ顔面、首も充分狙えるはずです。

英信流居合目録秘訣では当流申伝之大事に此の業は居合仮名として「向払」が有りますが解説は有りません。

大江先生の奥居合居業の霞が相当すると思われます。師伝によって大江先生の霞ですら返す刀の切払う位置はまちまちです。

参考に、大江先生の霞「正面に座して抜き付け、手を上に返して、左側面水平に刀を打ち返す」

古伝はおおらかですが、現代居合は指定された特定な部位でないと「違う!」の怒声が飛んできます。

向払を相手に仕掛けられた場合の応じ方は大剣取の三本目外石に見られます。

大剣取「外石」
是無剣の如く放したる時又右より打を留入りてさす

是は相手居合膝に坐し居る処へ小太刀を下げかくる相手抜き打つを、出足を引いて外す、相手抜き打ちを外され手を返し左膝を右膝に引き付け、右足を踏み込んで右から払って来るのを小太刀で請け留め、即座に中に詰め入って相手の柄を持つ手を制し突く。

この場合は小太刀を下げてスカスカ相手の間に入った時の攻防です。
相対して座して居た場合の応じ方も同様に工夫して応じて見るのも向払の妙でしょう。

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