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2015年2月

2015年2月28日 (土)

神傳流秘書を読む 13.夏原流和之事6本手之移五本目請返

神傳流秘書を読む

13.夏原流和之事

6、本手之移

五本目請返

右転の通り我が手を出すを相手両の手にて取り引廻さんとするを下より相手の左の手を取り転びころびすれば相手倒るゝ也

*「右転」とは夏原流和之事捕手和之事の五本目右転です。
「前の如く歩み行て相手手を上る処を両の手にて指を取りわけ左の方へ引廻し又たおし砂乱の如くうつむけに引廻して堅める」2015年1月5日

「砂乱」は捕手和之事二本目砂乱
「相手坐し居る処へ我は立って歩み行使者捕の如く引たおさむとする相手たおれじとするをきに左の手にて突たおし扨右足を相手の肩へ歩み込みうつむけに直しかたむる也」2015年1月2日

「使者捕」は捕手和之事一本目使者捕
「楽々対し坐したる時向の右の手を我が右の手にて取り向の右の膝を足にて踏我が右脇へ引たおしてかたむる也」2015年1月1日

楽々対座している時、相手は立ち上がって歩み寄り、我が上に上げた右手を相手両手で取って指を取り分け左の方に引き廻さんとする。
我は相手の左手を取り、相手の引き廻しに転び転びすれば相手を引き倒す事が出来る。

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2015年2月27日 (金)

神傳流秘書を読む 13.夏原流和之事6本手之移四本目変ノ弛

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13.夏原流和之事

 6、本手之移

 四本目変ノ弛

 付入の業にて突倒さんとするを躰を開き後へ送る也

*この「変ノ弛」の読み方は、曽田先生は「へんのはずし」とメモを添えています。
「付入」は夏原流和之事捕手和之事の四本目附入でしょう。
「前の如く歩み寄って右の手にて相手の胸を突きあおのけにたおす也」2015年1月4日

「前の如く」は三本目「弓返」で「相手坐処へ前の如く歩み寄って左の手にて相手の左の手を取り右の手にて相手の小太刀の柄を取て・・・・」2015年1月3日

弓返にも「前の如く」ですから、二本目砂乱れに戻ります。
「相手坐し居る処へ我は立って歩み行使者捕の如く引きたおさむとする・・」2015年1月2日

砂乱にも「前の如く」ですから、一本目使者捕まで戻ります。「楽々対し坐したる時向の右の手を我が右の手にて取り向の右の膝を足にて踏み我が右脇へ引たおしてかたむる也」2015年1月1日

どうやら、始動が見えてきました。古伝の省略した「前の如く」の部分は素直に戻れば展開が見えていいものです。

楽々相対して座す時、相手が立ち上がって歩み寄り、我が胸を右手で突いて突き倒そうとするを機に体を左に躱して開き相手の右手を外して我が体の後ろへ送り引き倒す。

相手の流れる右手を我は右手で取って引き倒すとも、何とも書かれていません。古伝はおおらかです、思う様にやって見るのが良さそうです。

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2015年2月26日 (木)

神傳流秘書を読む 13.夏原流和之事6本手之移三本目山越

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13.夏原流和之事

 6、本手之移

 三本目山越

 弓返しの通りにたおされたる時我打込んで合手請留て引ふせんとする時左の手にて相手の足を取り引かるゝをきに起上り付込み倒す也

*「弓返」は夏原流和之事の捕手和之事三本目弓返です。
「相手坐す処へ前の如く歩み寄って左の手にて相手の左の手を取り右の手にて相手の小太刀の柄を取て脇へねじたおし其柄を右の足にて歩み向の小手をかためたる時相手右の手をもって打込むを我も右の手にて留左の手を相手のひじにそえてうつむけに引き直し堅める」2015年1月3日

「前の如く歩み寄って」は、相手坐し居る処へ歩み寄っての事でしょう。
是は相手に左手を取られ、更に小太刀の柄を取られてねじ倒され、右足で小太刀の柄を踏み固められた時に、我は右手で相手に打ち込むのを請け留められ、左手を固められて俯けに引き伏せられられそうになる時、左手で相手の足を取って、相手が引こうとするを機に起き上がって相手に付け込んで倒す。

此の業は、弓返しの我と相手を逆にして返し業を繰り出すもので、弓返の彼我逆の攻防と山越を合せて見ました。

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2015年2月25日 (水)

神傳流秘書を読む 13.夏原流和之事6本手之移二本目小車

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13.夏原流和之事

 6、本手之移

 二本目小車

 砂乱の業にて我が手を取りすくばる処へ付込み来るをきに中に入り倒す

*「砂乱」は夏原流和之事の捕手和之事二本目砂乱です
「相手坐し居る処へ我は立って歩み行使者捕の如く引きたおさむとする相手たおれじとするをきに左の手にて突たおし扨右足を相手の肩へ歩み込みうつむけに直しかたむる也」2015年1月2日

使者捕は「楽々対し坐したる時向の右の手を我が右の手にて取り向の右の膝を足にて踏我が右脇へ引たおしてかたむる也」2015年1月1日

小車は、我が座して居る時、相手立ってスカスカと近寄って来て、我が右手を取り、右の膝を踏み付け引き倒そうとするので、我は引き倒されまいと、すくむ様にグットする処へ、相手は更に引き倒そうとするのを機に、我は付け込んで相手の中に入り左手で相手を突いて仰向けに倒す。

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2015年2月24日 (火)

神傳流秘書を読む 13.夏原流和之事6本手之移一本目障子返

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13.夏原流和之事

 6、本手之移  始終相手本手之組掛の通に取来也

 一本目障子返

 使者捕の業にて引きたおさんとするをきにつべかえりする也

*夏原流和之事の最後の業手附けです。「本手之移し」とは元の手附の移しですから、返し業と云うのでしょう。
同様に、立合と後立合、小具足と小具足割は元の業の替え業、返し業でした。
この文字の使い分けから想像しますと、夏原流和之事は本手が元になっていて、小具足は竹内流の分派から夏原流に流入したのかも知れません。

「障子返は使者捕の業にて」ですから、夏原流和之事の捕手和之事「使者捕」
「楽々対し坐したる時向の右の手を我が右の手にて取り向の右の膝を足にて踏我右脇へ引きたおしてかたむる也」2015年1月1日

使者捕の業のように相手が我が右手を取り右膝を踏みつけ引き倒そうとするを機にでんぐりかえって逃れる。

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2015年2月23日 (月)

神傳流秘書を読む 13.夏原流和之事5小具足割十本目浦ノ波

神傳流秘書を読む

13.夏原流和之事

 5、小具足割

 十本目浦ノ波

 影の切懸の通りに後より髻を取って打込を後へ振り向き我が右の手を高く打懸て躰をもたれ懸りて倒す

以上十本

*「影の切懸」とは小具足の十一本目影切掛のことでしょう。
是は「相手我後より歩み来り我が髻を取り短刀を抜て打込むを其儘後へ向位の弛みの如く右の手にて出合を留中に入りたおす」

さらにここで小具足の八本目位ノ弛の業の動作を要求しています。
「相手胸を取るを左の手にて取り合手立上り短刀を抜て打込むを我右の手にて打込み留躰を入って中に入り倒す」

この伝書は省略が多くて、其の都度前の業を振り返る事になって文章だけから業を演じようとするとこの様に厄介です。
然し稽古には前の業を充分熟せれば容易な事でしょう。

相手我が後ろより来たりて我が髻を取り短刀を抜いて打ち込んで来るので、我は透かさず後へ振り向き、右手を高く上げ相手の短刀を持つ右手首に打ち懸けて留め、そのままもたれる様に体をあびせて倒す。

以上十本で小具足割を終わります。小具足割の割の意味はどうやら変化技を表す夏原流独特の言葉だったようです。

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2015年2月22日 (日)

神傳流秘書を読む 13.夏原流和之事5小具足割九本目逆ノ返

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13.夏原流和之事

 5、小具足割

 九本目逆ノ返

 うつぼ付の通りに腰を取って打を右の手にて受留左の手に合手の足を逆手に取り躰を□ふてあおのけに倒す也

*「うつぼ付」は小具足の十本目靭付(うつぼつき)、靭は矢入れの事でした。
「相手我が右脇より歩み来り我が帯を取打込んとするをすぐに相手の膝と足首とに手を懸押倒す」

この靭付は我は八文字に坐して居る処へ、相手が右脇から近寄ってきて、矢庭に帯を取って、右手に短刀を握って打ち込まんとするので、直ぐに相手の膝に手を掛け、右手で相手の足首に手を懸けて引き押し倒しました。

今度の「逆ノ返」は、靭付のように帯を取って右手で打ち込んでくるので、右手で相手の手首を受け留め、左手で相手の足を逆手に取って体を付け入って仰のけに倒す。

「躰を□ふて仰のけに倒す」の□の文字は判読不能です。河野先生は無双直伝英信流居合兵法叢書では「体を込て仰向に倒す」とされていますが、「躰を□ふてあおのけに倒す」なので□を特定出来ません。

動作としては、右手で相手の打ち込みを受けているのですから、左手は相手の右足を逆手で手前に払って仰のけに倒す、としてみました。

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2015年2月21日 (土)

神傳流秘書を読む 13.夏原流和之事5小具足割八本目岩波

神傳流秘書を読む

13.夏原流和之事

5、小具足割

八本目岩波

髻附の通り也押付来るを我が右の手を其の手へ打懸つべかえりする

*「髻附(もとどりつき)」は小具足の九本目「此の事は亦常の通り座して居時相手後より手を廻したぶさを取て押伏せむとするをきに相手を前へ押はづし堅る」

この岩波は髻附のように座している処では全く同じ業になってしまいますから、ここは立ち業とします。
立っている処、相手後ろから来て、我が髻を掴んで押しかぶせて来る、我は相手の手に右手を懸けるや、前に「でんぐりかえって」倒す。

「我が右の手を其の手へ打懸け」の打懸けのイメージをどのようにするかがこのポイントでしょう。
「つべかえりする」は「でんぐりかえって」見ましたが、どこぞの方言かこの夏原流の独特の言い回しです。

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2015年2月20日 (金)

神傳流秘書を読む 13.夏原流和之事5小具足割七本目勝句廻

神傳流秘書を読む

13.夏原流和之事

 5、小具足割

 七本目勝句廻

 立合くる時相手左の手にて我が胸を取り我が右の手にて其の手首を取る相手右の手にて打込む我が左の手にて受留我が右の手を相手の脇下より送込み躰も共に廻りたおす也

*業名の「勝句廻」はどの様に読めばいいのでしょう。かちくまわり、しょうくまわり何れもピンと来ませんがご存知の方はご教授ください。
「句」の文字が俳句や和歌に通ずる意味合いを持つかもしれません。この神傳流秘書の書かれた頃江戸では雑俳句として川柳が流行、「川柳評勝句」が出されています。一万句程の応募があって其の中から高得点の句を「勝句」と云って刷り物にして配って盛行だったそうです。小具足割りとの意味合いは知りません。

小具足割の「八文字に坐す」は五本目までで後の五本は相掛です。
相掛かりに行合い、相手が我が胸を左手で取ってくるので、右手で相手の左手首を取る。
相手は透かさず右手で打ち込んでくるので左手で受け留め、右手を相手の左手から放すや脇下に送り込み付け入って廻り込み廻り倒す。

「相手右の手にて打込む」は、ここでは素手で打ち込むのでしょう。打ち込むですから上から顔面に打ち込むのか、突き込むとは言っていませんが何れでも応じるのでしょう。
短刀を抜いて打ち込まれる事も有ると思う処です。

小具足の六本目逆ノ劔(2015年1月28日)の立業とも取れますが是は短刀を突き込んできます。
「前の如く相手の手首を留める時相手短刀を抜いて突んとするを膝を少し立弛し右の手にて其突手を取り前の如くあおのけに倒す也」

前の如くとは「抜て打込を右の手にて留其手を相手の額に押当あおのけにねじたおす」

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2015年2月19日 (木)

神傳流秘書を読む 13.夏原流和之事5小具足割六本目村雨

神傳流秘書を読む

13.夏原流和之事

 5、小具足割

 六本目村雨

 左足に行違う時相手左の手にて我が左の手を取るを此方より其手をにぎる相手打込むを右の手にて請留其の手を直に会(合?)手の顔に押當相手の足を我が右足にて蹴る一拍子にあおのけにたおす也

*小具足割は八文字に坐す、とあったのですがこの業は双方歩み寄って行き違いざまの技の攻防も、遣方が座したままもよいでしょう。
左足ですれ違う時に相手が左手で我が左手を取ってくる、我はその手を握り返すと、相手は右手で短刀を抜いて左廻りに向き直って、打ち込んで来るので右手で相手の打ち込む右手首を請け留め、その手を直ぐに「会手の顔」は相手の顔に押し当てると一拍子に相手の足を、わが右足で蹴って仰のけに倒す。

この技の掛け方は、小具足の五本目繰返の立業及び六本目逆の剱でしょう。
小具足の繰返「又前(相手左の手にて我が胸を取る我が左の手にてその手首を取る)の如く手首を留たる時相手短刀を抜て打込を右の手にて留其手を相手の額に押當あおのけにねぢたおす」

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2015年2月18日 (水)

神傳流秘書を読む 13.夏原流和之事5小具足割五本目切返

神傳流秘書を読む

13.夏原流和之事

 5、小具足割

 五本目切返 

前の如く胸を取り手を此方より取り相手打込を右の手にて留うつ伏に引たおし堅むる也

*前の如くですから、小具足割四本目滝落の「相手我が胸を取り抜突けんとする・・」ですから、相手左手で我が胸を取る、此方より其の手首をとる、相手右の手で短刀を抜いて打ち込んで来るのを右手で相手の右手首を取って留める。
其の機をとらえて、左手を相手の右手の肘のかがみに懸ける様にして右脇に引き倒しかためる。

小具足の四本目繰返の業が「相手左の手にて我が胸を取る、我は其の手首を留たる時相手短刀を抜て打込を右の手にて留其の手を相手の額に押當あおのけにねじたおす」と云う業でした。

今度は俯けに引き倒すのですから、相手の打ち込んで来る力を一瞬留めてグット力をこめ押しかかる処を利用して引き倒すとしてみました。

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2015年2月17日 (火)

神傳流秘書を読む 13.夏原流和之事5小具足割四本目滝落

神傳流秘書を読む

13.夏原流和之事

 5、小具足割

 四本目滝落

 相手我が胸を取り抜突んとするを我左の手にて相手の手首を取り右の手を相手の手の上より送込み躰を左へ廻ってうつむけに伏する

*相手が我が胸を左手で取って、右手で短刀を抜いて突こうとする時、我は左手で相手の左手首を取り、右手を相手の左手の上から送り込んで左に廻りながら相手をうつむけに伏させる。左手の上から懸けた右手で相手の右手首を取る事もできるでしょう。

この業には小具足の四本目に滝返という業があるので、対比してみましょう。
「滝返:前の如く胸を取を我も前の如く其手首を取り右の手をひじに懸けうつむけに横へふせる也」
相手が左手で我が胸を取るので、我はその左手首を左手で取って、右手を相手のひじに懸けてそのままうつぶせに左横に倒す。相手は短刀を抜いていない処が違うようです。

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2015年2月16日 (月)

神傳流秘書を読む 13.夏原流和之事5小具足割三本目自籠詰

神傳流秘書を読む

13.夏原流和之事

 5、小具足割

 三本目自籠詰 

我が膝を立膝にして居処へ相手歩み来り我が胸を取り短刀を抜て突んとするを先手の如く取って横へたおすもの也

*自籠詰はじろうつめ、じこもりつめでしょう。
此処で「先手の如く・・」とあります。
先手は小具足の三本目先手で「先手:前の如く胸を取我右の手にて相手の手首を取相手短刀を抜んとする処をすぐに右の手を相手の胸に押當足を込みてあおのけに倒す」という業です。

我は立膝にして座し居る処へ、相手はスカスカと歩み来りて、腰を屈めて我が胸を左手で取り、短刀を抜いて突こうとする処を、我は右手で相手の左手首を取り、右足を踏み込んで相手の胸に押当て左足を引いて左脇に引き倒す。先手では右足を踏み込んで押し倒しますが、此処では押し込んでから左足を引いて体を変わり乍ら引き倒す、その際相手の短刀を持つ右手も制してしまう事も出来そうです。

小具足と小具足割の違いはこのあたりの変化技を指すのではと思うのですが、いかがでしょう。

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2015年2月15日 (日)

神傳流秘書を読む 13.夏原流和之事5小具足割二本目向剣

神傳流秘書を読む

13.夏原流和之事

 5、小具足割

 二本目向剣

 相手左にて我が胸を取り突んとするを我が左の手にて相手の手首を取り右の手をひじのかがみに懸下へ押伏せる

*小具足割は八文字に相対して座す。相手左の手で我が胸を取り右の手で短刀を抜いて突こうとする時、我は左手で相手の右手首を取って突き手を制し、左足を引いて体を左に開いて右手を相手の右手のひじのかがみに懸け右脇下へ押し伏せる。

小具足と小具足割は似たような状況での攻防を述べて居ます。

小具足の呪巻では相手が我が胸を左手で取り右手で短刀を胸に押し当てて来るのを両手相手の肘に打ちもぎしています、小具足割の弛では、相手はうちもぎされそうなのでそれを避けて外し再度打ち込んで来るのを右手で制する。

小具足の劔當詰では相手は左手で我が胸を取って右手で小太刀を抜いて下を突いて来るのを左足を引いて外し右手で突き手を打ち落す。
小具足割の向剣では突こうとする右手首を左手で取って右手で相手の右肘に懸け押し伏せる。

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2015年2月14日 (土)

神傳流秘書を読む 13.夏原流和之事5小具足割一本目弛

神傳流秘書を読む

13.夏原流和之事

 5、小具足割 八文字に坐す

 一本目弛

 呪巻のけんを胸に押當る時にひじと手首を打払ふ相手避て上へ取り又打込を右の手にて留引たおす也

*夏原流和之事の五番めは小具足割です。これは八文字に坐す、とありますから前の小具足と同様に「両方足を爪立左の膝を付き右の膝を浮けて折る八文字に坐す」でしょう。この小具足割の「割り」意味はおいおい理解できるでしょう。
「呪巻の・・」は小具足の一本目呪巻のことで「相手左の手にて胸を取る右の手にて短刀を抜胸に押當てたる時我左右の手にて両のひじのを打もぎすぐに相手の右の手首を取て一方の手をひじに懸てうつむけに引伏せ堅める」の業です。

この業名「弛」は「はずし」でしょう。
相手、左の手で我が胸を取り、右手で短刀を抜き我が胸に押當て来る時、我は左右の手で相手の左肘と右手首を打ち払う。相手それを上に弛し、又打ち込んで来るのを右手で相手の右手首を留め左手を相手の肘のかがみに取り右脇に引き倒す。

ここでは、小具足の呪巻で応じた処、相手に躱され、再び責められた処を仕留める技となっています。

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2015年2月13日 (金)

神傳流秘書を読む 13.夏原流和之事4後立合十一本目櫓落

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13.夏原流和之事

 4、後立合

 十一本目櫓落

 以上十一本

 相懸りに相手の胸を我が左の手にて逆に取り右の手を又阿以へ送り込み引かづき上扨如何様にも落すべし

*曽田先生の書写が達筆すぎて判読不能です。
相懸りに近寄るや、相手の胸を左手で逆手に取って、右の手を「又阿以へ」は股間へ送り込み、引き担ぎ,さて、いか様にも投げ落とすべし。

こんなところでしょう。

以上十一本で後立合は終わります。
「後立合」とは「立合」の業の後に続く業と云う意味で後ろから攻める攻められるのとは違うものです。

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2015年2月12日 (木)

神傳流秘書を読む 13.夏原流和之事4後立合十本目大殺

神傳流秘書を読む

13.夏原流和之事

 4、後立合

 十本目大殺

 相手跡より付来り組付処を一寸ひじを張り直に踏みしさり中に入りたおす

*この業名は「大殺」読みは「だいさつ」でしょう。それにしても大げさな業名です。
相手が後ろから来て、両手で組み付いてきた、即座に肘を一寸張って組付を緩めて後ろに下がり相手の中に入り其の儘押し倒す。倒す際に足を我が足で掬うとか、掛けるとかあるでしょうが、そこは状況次第でしょう。

この業は、大小詰や大小立詰に似たように後ろから組み付かれる業があります。ここでは刀を差していない場合の攻防です。大小立詰の電光石火が最も近い業かもしれません。
「電光石化:前の如く後より来り組付を躰を下り相手の右の手をとり前に倒す」

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2015年2月11日 (水)

神傳流秘書を読む 13.夏原流和之事4後立合九本目浪返

神傳流秘書を読む

13.夏原流和之事

 4.後立合

 九本目浪返

 相手我がたぶさを取らんと手を出すを躰を下り弛し其儘相手の跡より右の手を廻し左の手にて相手の足のかがみをたぐり横捨にする也

*此の業は、双方相対して立っての業でしょう。相手が我がたぶさ(髻、もとどり)を取ろうと手を伸ばして来るのを、体を沈めるや、相手の後に右手を廻し腰を取って、左手で相手の出足のかがみ(膝の後ろ)を手繰り寄せる様にして横捨てにする。

「相手の足のかがみをたぐり横捨てにする」の「かがみをたぐり」は河野先生は「かがみをさぐり」とされましたが、此処は「多具利」の草書体ですから「たぐり」でしょう。
「たぐり」は手元へ引き寄せると解されますので、この浪返に相当すると思います。

河野先生の無双直伝英信流居合兵法叢書の読みの様に読めば「左具利=さぐり」ですが、この業は互に向き合って居る時、相手が髻に手を懸けようとするので、取られる前に体を沈めて相手の後の腰に右手を廻し、左手は探らなくとも相手の膝の後に手を懸ける事は出来るはずです。

公開されている夏原流和之事は河野先生の無双直伝英信流居合兵法叢書とこのミツヒラブログ以外に見る事は出来ないでしょう。
若し、原本をお持ちの方がいらっしゃれば正していただきたいものです。

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2015年2月10日 (火)

神傳流秘書を読む 13.夏原流和之事4後立合八本目稲妻

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13.夏原流和之事

 4、後立合

 八本目稲妻

 合手両下手に組込頭を我が胸に付来を我が左の手を小脇に取り右足を踏み込み大腰の様にして左脇へなげる又相手押かけるを直にひじのかがみ上より押したおすも有

*「合手」は相手でしょう。相手が両手で袴の帯下に組み込み、頭を我が胸に付けて来るのを、我は左手を相手の「小脇に取り」は相手の右腕に左手を上から脇に指し込み、右足を踏み込み相手を右腰に乗せ「大腰の様に」して左脇へ投げる。
又、相手が両手で組み付き我が胸に頭を付けて押しかかって来る時、直ぐに相手の肘のかがみの上から両手を懸けて押し倒すのも有る。押し倒しですから下へ押し伏せるのでしょう。

「合手両の手に組込・・」ですがその「両□手に組込」で□の文字が判読不明です。
河野先生は無双直伝英信流居合兵法叢書では「両下手に組込・・」として両手を下手に組んで・・とされています。
「下」の漢字の草体と読まれた様ですが、文章の繋がりはそれでもいいかも知れません。
然し「下手に組込」に拘ればその形はどの様であったか判りませんが、我が袴の前帯を掌を上にして取るのも有でしょう。

「大腰」は現代の柔道の技にありますからその方法で応じてみました。

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2015年2月 9日 (月)

神傳流秘書を読む 13.夏原流和之事4後立合七本目回腕崩

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13.夏原流和之事

 4、後立合

 7本目回腕崩

 前の如く組たる時相手左を突懸るを敵の左の拳を我が右の手にて取り左の手を敵の脇つぼより廻し我が肩へ引伏せる

*「前の如く組たる時」は六本目回腕捕之事を言うのでしょう。
「楽々左に組相手右を突懸る処・・」です。従ってここは、楽々左手で相手の胸を取って組む時、相手左手で突きかかって来る、その相手の左拳を我が右手で取り、我が左手を相手の左脇つぼに下から廻し我が右肩に引き伏せる。

引き伏せた後の処理がありませんが、業名の通り「回腕崩」によって相手の体を我が右肩に引き伏せて崩してしまえば右脇に引き倒すなど、如何様にも出来るでしょう。

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2015年2月 8日 (日)

神傳流秘書を読む 13.夏原流和之事4後立合六本目回腕捕

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13.夏原流和之事

 4、後立合

 六本目回腕捕

 楽々左に組相手右を突懸る処をきに膝を突右脇へたおす

*回腕法といえば、書道の筆を持つ方法にそんなものがあるのですが、ここは和之事です。
「楽々左に組」の楽々はこの流の得意な言い回しです。実態は解りませんが文字通りに楽に肩の力を抜いて、組み合うのも柔らかくとしておきましょう。
互いに、どのように組み合うかは、「左に組」とあるばかりです。左手で相手の胸を取り合うのでしょう。特に指定されていません。好きなように組んで見ることです。

相手が右手にグット力をこめて突きかかって来るのを機に、我はスット沈み込んで右膝を着き、我が右脇に倒す。

ここで業名の「回腕捕」を思い出して見ます。相手の突き懸って来る右手首を右手で取り、左手をその右手に回腕して膝をついて右脇に倒す。ややこしい事をつい思いつきますが、余計な事をしないでもよさそうです。

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2015年2月 7日 (土)

神傳流秘書を読む 13.夏原流和之事4後立合五本目柱体

神傳流秘書を読む

13.夏原流和之事

 4、後立合

 五本目柱体

 我は或は柱などに添ふて居心持なり相手歩み来り両の手にて我が胸を取り我が左の手にて手首を取り相手のひじのかがみを右の手にて下より廻して取り我と一拍子に左へねじたおす也

*柱などに添うようにして立っている心持でいること。相手が歩み来て両手で我が胸を取るので我は左手で相手の右手首を取り、相手のひじのかがみに右の手を下から廻しかけて取るや否や左へねじ倒す。

柱などに寄り添うように立っている心持とは、面白いところです。

相手が胸を取っても後ろに倒れたりせずに下肢をしっかりさせて立ち、上体は緩やかにして、応じろとでもいうのでしょう。
あるいは、上体をしっかりさせ下肢はゆるゆるでしょうか。
下肢をゆるゆるとしますと相手に乗られてしまいそうです。そこで柱に添うて立つ意味が読めてきます。

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2015年2月 6日 (金)

神傳流秘書を読む 7.太刀合之棒八本目袖返

神傳流秘書を読む

7.太刀合之棒

 八本目袖返

 棒より打込むを横に払をはづし棒の先を突付る心にて面に勝我は棒を左の手にて突敵は車に構へて居相手太刀を右車に構我棒を左の手にて杖に突居処へ右の手を添へ棒より打込むを横に払ふをはづして棒の先を面に突込む心にて勝

以上八本

*これは、難しそうで単純な業です。
相手は右車に構えている。
車の構えは竹刀剣道の横車の様に、顔を我が方に向け、両足を肩幅に開き、左肩と右肩を水平に入身とし、左手の柄頭は我が方に向けて左腰に付け、右手は右足股関節辺りに付け、刀の切っ先を下げて刃を下に向け構える。
この構えから現代の形では上段に振り冠ってから右足を踏み出し真向切り下したり、袈裟に切り下します。

江戸中期の古流では、この方法も行われていたでしょうが、多くはこの構えで腰を低く両膝を開き四股を踏む形で、刀の刃は外向きで刃を我に見せているでしょう。
古流はこの形を変えずに、そのまま右足を踏み込み目標の処に打ち込んでいきます。

我は左手で棒の上を持ち杖について左足をやや前に出しその爪先あたりに棒をついて立ちます。
我から仕掛けて、右手を逆手に棒に添え右肩に廻し、右足を踏み込んで相手の左肩に打ち込む。
相手これを横車の構えから右足を踏み込み横から払ってくる。払われる儘に相手太刀を左足を踏み替え請け流し右から廻して棒の先を相手の面に突き込む。

我れ相手の左肩に打ち込むや相手、その足踏みのまま払ってくることもあるでしょう(柳生新陰流の一刀両断)。
我の棒での打ち込みは相手の左肩に当たる様に打ち込めば相手は左肩を体を左に引き外せます。外すと同時に払ってくるので、相手太刀は我が棒を払い打つことになります。払われて請け流し突き込むとしたのですが、これでは「「棒より打込むを横に払ふをはづし」の文言にヒット出来たでしょうか。

これも第12代の英信流目録の袖返で稽古してみます。
居合棒太刀合巻 棒太刀合之位「袖返」
「是は敵は太刀を車に構え居也我は棒にて上より討也其所を敵横になぐる也我其所を懸け太刀の裏を廻し棒の先きにてみけんを突也」

*「懸け太刀の裏を廻し」は、我が棒で相手の左肩に打ち込む処、相手は太刀で棒を払ってくる、払われる儘棒の先を左手を引いて引き戻し、相手太刀の裏からみけんに突き込む。

第9代林六太夫守政が江戸で習ったものを第十代林安太夫政詡が文章にしたのだろうと思われます。その動作を、習った第十一代大黒元右衛門清勝、その次は英信流目録を書いた第十二代林益太夫政誠です。之等の先師方は皆縁戚関係あったようです。それでも動作は変わっています。この坂橋流之棒が絶えて久しい現代に「本当はこうであった」と言い切る事は不可能でしょう。手附が伝える意図を汲み取り工夫するばかりです。
居合を業じ、棒を合せ業じられる方の工夫をお聞かせ願えれば最高の喜びです。

以上八本

坂橋流棒は前回の棒合五本、今回の太刀合之棒八本の十三本が神傳流秘書では伝えられています。

安永五年1776年に林益之丞政誠による英信流目録二巻によれば、居合棒太刀合之巻に棒太刀合之位八本、棒合五に五本、心持之事に五本、極意之大事に八本があります。
神傳流秘書には心持之事、極意之大事は有りません。これらも坂橋流の棒であるかは解りません。

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神傳流秘書を読む 13.夏原流和之事4後立合四本目七里引

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13.夏原流和之事

4、後立合

四本目七里引

行合に我が手を取らんと手を出す処を其手を此方より取り指を折て我が躰を廻るべし相手自らたおるゝ也

*七里引は現代の合気道にもその名称があるようです。
ここでは、双方スカスカと歩み寄り行き合う時に、相手が我が右の手を取ろうと手を出して来る処、此方よりその手を取って、指を折り上げ、左廻りに体を開けば相手は勝手に倒れる。

この夏原流の七里引は特に関節を如何こうしろとは言っていません。自然体でゆるゆる応じろとでも言うようです。

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2015年2月 5日 (木)

神傳流秘書を読む 13.夏原流和之事4後立合三本目屏風返

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13.夏原流和之事

 4、後立合

 三本目屏風返

 玉たれの通りに取り来るを是は相手の後へ我が右足を踏込み我も共にあおのけにそり跡へたおす也

*「玉たれ」は「たますだれ玉簾」の欠字でしょう。
玉簾は夏原流和之事二番目の立合の六本目玉簾「相手我が左右の指を取り上へ折上る処を此方より其親指をにぎり躰を入って相手の手を引もじ指を肩にかけて相手の左の手を前へ取り躰をぬけて引廻す」。という業でした。

玉簾のように相手は前から我が左右の指を取りに手を伸ばして来るので、取られる前に我は相手の後ろに右足を踏み込み、相手の肩を取って諸共に仰のけに反り返って後ろに倒す。

ここでは左右の指を取られる前に後ろに廻ってみました。
取られてしまったならば、此方から親指を握りこんで、相手の手を引きねじって、相手の後ろに右足を踏み込み諸共に仰のけに後ろに反り倒す。相手が指を取る手を外せば後は如何にかなるでしょう。

屏風返の業名は、我が素早く相手の後ろに廻る仕草を言うのでしょう。そしてぱたんと倒す様子でしょう。

柔術にも同名の業はあるようで、胸を取られてその指を折り上げ、右足を相手の右足に後ろから掛けて投げる。

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2015年2月 4日 (水)

神傳流秘書を読む 13.夏原流和之事4後立合二本目車返

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13.夏原流和之事

 4、後立合

 二本目車返

 行合に我が右の手を相手の面に打込すぐに躰を入って中に入り倒す也

*業名は車返ですが、業はどうでしょう。双方スカスカと歩み寄り、行き合う時に我の方から相手の顔面に右手で打ち込み、直ぐに体を相手に附け入って中に入り倒す。

「中に入り倒す」の方法が記述されていません。相手の顔面に一当て打ち込んでいますから一瞬のけぞって気が遠くなる処を押し倒す。或は突き倒す。
体を沈めて右手で顔面を、左手で相手の右足を取って仰のけに倒す。
此処は幾つもの技が繰り出せそうです。
それにしても、古伝は命を懸けた攻防を伝えて来るので、現代居合における雰囲気とは雲泥の差です。
何しろ相手の仕掛けに応じるのが現代居合です。
この業も、行き違う瞬前に相手の害意を察したと解すれば良いのでしょうが、少々手前勝手な理屈です。

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2015年2月 3日 (火)

神傳流秘書を読む 13.夏原流和之事4後立合一本目上留

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13.夏原流和之事

 4、後立合 始終立合也

 一本目上留

 支劔の通り取って手を折をいやとすくばるきに手を抜上より押付けて引廻し倒す

*夏原流和之事の三番目は後立合の業名で、どの業も立っての攻防です。
夏原流の二番目に立合(皆相掛)が有りました。此の「後立合」の業シリーズは、立合の後の立合、所謂続立合と云う意味の様です。
一本目の業名は上留でうわどめ、うえとめ、でしょう。

支劔の通り、相手我が胸を左の手にて取る、我が右の手にて其手首を下から取り、手首を折る様にすると、相手いやと手に力を入れてすくむ様にする、其の機を捉えて相手の手を抜き上げて相手の顔に押し付け左脇に引き廻し倒す。
「いやとすくばる」いやと身をちじめる、いやとすくむ、などと同意義であろうと思います。
「手を抜上より押付け」の部分の動作が、すっきりしません。
「手を抜・・」は、我が手を緩めては相手に其の機に乗ぜられそうです。
相手の左手首を持ったまま、相手が「いやとすくばる」様に我が胸から左手を離して引こうとする機に顔面に押しつけてみました。
相手の左手首を右手で下から取って見ましたが、上から取った場合も同様でしょう。

文言の抜けていて、動作が付けられない処はあれやこれやで研究しろと云って居ると思えばいいのでしょう。
一人演武の空間刀法の居合稽古では得られない、相手との攻防の有り様の体の動き、心と体の一致などの処を夏原流和之事は教えてくれています。

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2015年2月 2日 (月)

神傳流秘書を読む 13.夏原流和之事3小具足十一本目影切掛

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13.夏原流和之事

3、小具足

十一本目影切掛

是は相手我後より歩み来り我が髻を取り短刀を抜て打込むを其儘後へ向位の弛の如く右の手にて出合を留中に入りたおす

以上十一本

*この業名の影切掛は、かげきりかかりでしょうか。読みがわかりません。
河野先生の無双直伝英信流居合兵法叢書では「影之切掛」とありますが、曽田先生の書写には之はありません。

我は八文字に座す処、相手後ろよりスカスカと歩み来たり、腰を屈め我が髻を取り短刀を抜いて上から打ち込んで来るのを、座したまま後ろへ振り向き、相手の打ち込みを右手で受け留めさらに相手に付け入って左手で相手の右肘を取り右脇に引き倒す。

「短刀を抜て打込むを其儘後へ向位の弛の如く右の手にて出合を留」の其儘後へは、後ろへ振り向き向き「位の弛」のように受け留めるとしてみました。
「位ノ弛」は小具足の八本目にある業で、相手が前から我が胸を左手で取ってくるのを、我も左手でその手を取る、相手立ち上がって短刀を抜いて打ち下ろしてくるので、我が右手で突き上げるようにその右手に打ち込み留めています。

前向き後ろ向きの違いがありますが、打ち込みを留める処が「・・如く」なのでしょう。

以上十一本で小具足はできています。

小具足は「両方足を爪立左の膝を付き右之膝を浮けて折る八文字に坐す」ですから、是は現在で云う立膝の座仕方、居合膝の座仕方でしょう。

敵は短刀を抜いて打込む程の近間での攻防です。
相対する間合いは体軸で150cm5尺位でしょう。
起こりを見せない様にするにはもっと近い間を取る方が良いのでしょうが、人は互にどこまで膝詰め出来るでしょうか。
敵と意識すれば膝詰めは2尺がせいぜいでしょう、激論の末膝がぶつかる程の事も有かな・・など相方と互にやって見ると良いかも知れません。

此処での短刀は現代の刀の分類と同様かどうかは解りません。刃渡り1尺未満の短刀攻防と思われますが確証は有りません。刃渡り1尺から1尺5寸未満のものまではこの手附でやって見るのも良いだろうと思いますが、1尺5寸から2尺未満のものでは打太刀の動作は違うと思います。

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2015年2月 1日 (日)

神傳流秘書を読む 13.夏原流和之事3小具足十本目靭付

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13.夏原流和之事

3、小具足

十本目靭付

相手我右脇より歩来り我が帯を取打込んとするをすぐに相手の膝と足首とに手を掛押倒す

*この業名は靭付、うつぼつき・じんつき、読みが解りません。
前回は髻つき、もとどりつき、たぶさつきでした。
髻は「もとどり、たぶさ」髪の毛を頭の上で束ねて結わえたところ。髷の結わえたところでしょう。

今回の靭付の靭は「じん」と読み、柔らかい、しなやかなどの意味を持つ。
靭帯などに使われるので、アキレス腱辺りに付けるでもいいかも知れません。ウツボと読むのは矢を入れる細長い箱と曽田先生はメモしています。

我は八文字に座すところ、相手右脇よりスカスカと歩み来たり、腰を屈めて我が帯を左手で取り、右手で短刀を抜いて打ち込まんとする。
我は即座に、相手の中腰になった右膝に右手を掛けて押し、その足首に左手を掛けて手前に引いて倒す。

「相手の膝と足首とに手を掛け押し倒す」ですから、膝と足首を押して倒すとも取れます。相手は短刀を抜くや上から打ち込んで来るならば、膝と足首を押すばかりでは返って打ち込みやすそうです。
足首を取って手前に引き膝を押す方が相手をあお向けに倒せそうです。
さて「うつぼつき」では業名の意味が、より解らなくなりました。
靭を取っては、足首を取ってとも思うのですが、あまり考えているより一気に倒したほうが良さそうです。

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