« 居合兵法極意秘訣 目次 | トップページ | 居合兵法極意秘訣 1.老父物語2雷電その1 »

2015年3月16日 (月)

居合兵法極意秘訣 1.老父物語1老父物語

居合兵法極意秘訣

1.老父物語

 1、老父物語

 老父物語を書付置久しき事故失念之事多しあらまし此の如覚候儘記申也

*この書き出しで始まる「居合兵法極意秘訣」ですが、之を書き残したのは、林政詡記「明和元申歳孟冬吉辰賜之」と末尾に有りますから、土佐の居合の第十代林安大夫政詡が之を書いて明和元年申歳(1764年甲申つちのえさる)孟冬吉辰(もうとうは10月辰の日)次の十一代大黒元右衛門清勝が之を賜わったのでしょう。
さすれば、老父とは第九代林六太夫守政の事で守政が語った事を十代が思い出しながら書き出し、十一代に伝授したと云う事になる筈です。   

老父の第九代林六太夫守政は寛文2年1662年生まれ享保17年1732年に没して居ます。
第十代が「居合兵法極意秘訣」を書き記したのが明和元年1764年ですから、第9代の死後32年が経っています。
「久しき事故失念之事多し」と云うのも事実でしょう。
「あらまし此の如覚候儘記申」おおよそこの様なものと覚えているまま記す、と云っています。

神傳流秘書は業の手附で技の手順を書き表したものですが、この「居合兵法極意秘訣」は、日常の武士としての心得や、業の有り方を述べています。
現代居合では学ぶ事が出来ないもの、戦国期の名残を持つ江戸中期の心得ですから迷信的な事も含まれていますが、江戸中期の業を学ぶに当たっては良い参考資料です。

江戸から持ち帰った土佐の居合、林崎甚助重信から伝わり第七代長谷川英信、第八代荒井勢哲の居合が見えて来ます。
読み進みますと第九代林六太夫守政は、大森流(正座の部)の創始者大森六郎左衛門を剣術の師匠と云うだけあって、真陰流(新陰流)の影がチラつきます。
守政は宮本武蔵の二刀の心得もあったともあるのですが、文字の上では鮮明には読み取れません。

|

« 居合兵法極意秘訣 目次 | トップページ | 居合兵法極意秘訣 1.老父物語2雷電その1 »

居合兵法極意秘訣15-3」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 居合兵法極意秘訣 目次 | トップページ | 居合兵法極意秘訣 1.老父物語2雷電その1 »