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2015年4月27日 (月)

英信流居合目録秘訣 1.外之物の大事8詰合は二星

英信流居合目録秘訣

1.外之物の大事

 8、詰合は二星

詰合は二星につゞまる敵の拳也二星一文字と云時は敵のこぶしを抜払ふ事也惣じて拳を勝事極意也

*詰合は、古伝神傳流秘書の詰合の事かも知れません。
「是は重信流也、是より奥之事極意たるに依りて格日に稽古する也」と詰合には添え書きが有ります。

詰合は古伝では10本で構成され、互に居合膝に坐し、相手が左足を退くや下へ抜付けて来るのを、我も左足を退いて英信流の虎一足の様に刀を逆さに抜いて(切先を下にして)抜き、受け留め、上段に振り冠って真向に打ち下ろすのが詰合の一本目発早です。
同じ様に座して左足を退いて抜き合せるのは、二本目拳取・三本目岩浪・四本目八重垣・五本目鱗形と五本も続きます。

この詰合は、業では無く、敵と詰合って座した時の心得とも取れます。
敵との間合いは、膝詰めで2尺以内、体軸で6尺位です。
更に膝詰めを2尺取りませんと、この間合いでは正座に依る、見事な横一線の抜き付けは成り立ちません。立膝での退き足が有効です。相手が正座か、立膝か、座した儘か、腰を上げたか、足を踏み出したか、足を退くのかによって間合いは異なります。

余談ですが、正座から左足を退き抜き付ける稽古をされた事は有りますか。

二星とは此処では拳の事でしょう。

新陰流では二星はもう一つ敵の目を見る事として「目付二星之事」の教えもあります。
ついでに、柳生兵庫助利厳による「始終不捨書」には「六寸之事」として吾が太刀先三寸と敵の拳三寸と合わせれば六寸、という浅く拳に勝、柄口六寸の教えもあります。

敵の拳を一文字に抜き払うもの、拳に勝のがこの流の極意と云う事です。
稽古では、横一文字では互に相打ちになり兼ねないし、譬え木刀でも拳は当たれば砕かれてしまいます。
そこで下に抜いて十文字請けしているのですが、稽古を積み、双方とも横一文字の抜き付けで、仕太刀が勝つ事を学ぶべきものなのでしょう。

或る無双直伝英信流の先生は、「詰合などを稽古するなどとんでもない、大江先生の教えに無いものは當流の業では無い、演武会などで行うのを見たら即刻破門する」と仰っているそうです。
その反面、何処かの体術を取り込んで居たりして、矛盾して居ます。
根元之巻に書かれた土佐の居合の何割かの業名は、大江先生が「お前には、此処に書いてあるものだけを伝授した」と云うに過ぎず、他の種々の業は元より、裏技も返し業も何も教えて居ない証拠に過ぎないのでしょう。
或は教えたがものにならないから此処までと云っているのでしょう。
悪く云えば、それ以上の事は知らないから伝授して居ないと云う事でしょう。

明治の頃、居合などやるものも無く、消え去ろうとする流の業を後世に残そうとして、大江先生は、中学校の若者たちに指導する上でやむなく古伝を置き去りにしてきたかも知れないのです。
中学生ともなれば、竹刀剣道も統一理論から習わなければならず、それとも大きく乖離しない組太刀は居合道形七本に絞らざるを得なかったと思いたいのですが・・。
そうでなければ大江先生の改変は意味の無いものかも知れません。

曽田先生の書き写された土佐の居合の古伝を誰でも読める時代です。
原文のまま読む事によってより其の心を感じる事も出来るのです。
現代居合を稽古する上でも決して無駄な事ではありません。
大らかな心で向き合うのも必要でしょう。

「大江先生の根元之巻に無いからやるな」では、後世のこの道を目指す若者たちに笑われるでしょう。

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