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2015年4月24日 (金)

英信流居合目録秘訣 1.外之物の大事4惣捲形十

英信流居合目録秘訣

1.外之物の大事

 4、惣捲形十

 竪横無尽に打振て敵をまくり切る也故に形十と有也常の稽古の格には抜打に切り夫より首肩腰脛と段々切り下げ又冠り打込也

*縦横無尽に打ち振って敵をまくり切るもので、それ故に形十と云うので有る。t常の稽古の方法は、抜き打ちに切り、それより首・肩・腰・脛と上から下に切り返して段々切り下げ、振り冠って打ち込む。

「抜打に切り夫れより首肩腰脛」です。抜打は、前方の敵に歩み行き柄口六寸に横一線の斬り付けをするのか、一刀目の抜き付けは現代居合では失念して居ます。

これは、古伝神傳流秘書の抜刀心持之事では「五方切」です。
「歩み行内抜て右の肩へ取り切又左より切又右より切又左より切段々切下げ其儘上へ冠り打込也」

*歩み行く内に、刀を抜き出し、右肩に八相に構えて敵の左方から胴へ袈裟に切り、又右脇から左胴下に切り下ろし、又敵の右腰を払い、又敵の膝を左から右に払い、又敵の右脛を左に払い、振り冠って真向に切り下す。
此処では外之物の大事の「抜打に切り」が「抜て」になっています。

大江先生はこれを奥居合立業に残し「惣捲」の業名にしています。
「(進行中面、肩、胴、腰を斬る)右足を少し出して、刀を抜き、其の足を左足に引き寄せ、右手を頭上へ廻し、右肩上に取り左手を掛け稍中腰にて(右足より左足と追足にて)敵の左面を斬り、直に左肩上に刀を取り、追足にて敵の右肩を斬り、再び右肩上段となりて、敵の左胴を斬り、再び左肩上段となり右足を踏み開き敵の右腰を目懸けて刀を大きく廻し体を中腰となして敵の右腰を斬り、中腰のままにて上段より正面を斬る、(左面斬り込みより終りの真面に斬ることは一連として早きを良しとす」

細川義昌先生系統と思われる白石先生は、長谷川流奥居合「五方斬」として「(前方の敵を五回に斬る意)右足を出すと同時に左側にて刀を大きく抜くや直ちに上段に取り、先ず右袈裟がけに斬り振り冠り続いて左袈裟掛けに切り、返す刀にて右より胴を払い腰を落して左より足を払い、再び立姿となり右方より上段に取り真向に斬り下ろす」

現代居合ではこれを「惣捲」として、河野先生は「敵前方より斬込み来るを、我れ抜刀しつつ一歩退き敵刀を摺落しつつ上段となり、敵の退く所を追撃して勝の意にして又多数の敵を追撃する刀法也。
前進し乍ら右足の出たる時刀を水平に抜かける。敵刀を受流し乍ら右足を左足に退き付け上段となり敵の退くに乗じてすかさず右足を踏込み敵の左面に斬付ける。
次に左面に斬込みたる刀の途より上段に冠りながら右足を踏み込むや(左足も連れて)敵の右肩より袈裟に斜に斬込む。
次に同要領にて上段となり右足を踏込みて敵の左胴に斜に斬込む。
次に同要領にて上段より刀先を左方に廻し刃を前に水平に構えるや右足を深く踏込み(左足は其の位置に)乍ら体を沈めて上体を前に延び入る心持にて横一文字に敵の腰部を斬り放ち。
刀先が真右方に来る迄で十分に大きく斬込み刀の止まらぬ内に右に廻して上段に構え直ちに右足より少し踏込む心持にて敵の真向に斬下す。」大日本居合道図譜より

現代風は、随分形を作り上げていますが、大江先生、細川先生の方法は見られなくなって残念です。
特に河野先生は左右袈裟切を全て上段から斜めに斬り下ろしていますが、竹刀剣道の統一法に従った様で、八相、逆八相の教えは無くなっています。
最近は更にコンパクトになって、敵を斬り抜く動作が無く、敵の中心軸まで斬り込み、刀を返すとか、敵に受け太刀になられ乍ら切り返すなど竹刀剣道そのものを得々と指導している先生も居られる様です。

古伝は、おおらかです。河野風は審査や大会の演舞の時ぐらいにして、捲り切りの妙味を大いに稽古しておくのもいいかも知れません。

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